ゲロジジイは恐れた!グルァァァァァァ!
似非シスターが校門近くで歩いているのが見えた。
「よし、似非シスターがきたぞ」
「じゃあワタクシ達もいきましょうか」
「油断は禁物だ。キャリーこれを」
俺はミリタリーオタクから借りたモデルガンを渡す。
盗んだんじゃないぞ?
ちょっとだけ拝借しただけだ。
「ステータスは本物ほどじゃないけど上がってるわね」
「いざというときは瞬間移動で逃げてくれ。最悪でも一人か二人一緒とかじゃない。全員で逃げる」
「驚いたな。お前なら俺達を、犠牲にしてでもキャロラインには逃げろとか良いそうなのに」
「愚問だ。先週の本部での出来事を思い出せ」
青谷は疑問に思っている。
そりゃそうだ。
俺達は各々分かれて勇者パーティーと闘ったんだから。
むしろ分かれず単独で倒す方がいいとかだろう。
しかしそれは――――――
「バカね。あのときは勝算があったのよ。そうでしょ光?今の勝率は?」
「さすがキャリー。今の段階では0。似非シスターが神(笑)を降臨させることができれば90%ってところだ」
「神が降臨して勝率が100%じゃないのか?」
青谷が疑問に思うのもわかる。
あの神は腐っても神だ。
「この前みたいに飲んだくれの場合もある。そうなったらどうだ?」
「その場合は確実に勝率が下がるな」
「そういうことだ」
納得したようだな。
実はもう一つの可能性がある。
あの神が勝てない敵の可能性だ。
もしそうだとしたら詰む。
そんな相手なら勝つことも逃げることもできないんだからな。
「さていくか。まだ話し合いの余地はある。キャリーは似非シスターが口を滑らせないようにしてくれ」
キャリーは頷く。
佐川隆二のときのようにすぐに戦闘になるようなことになっても面倒だ。
だが似非シスター、というよりも神(笑)って保険もほしい。
*
遅いわね。
呼びに行くってどれだけ時間かけるつもりかしら。
「波瑠。セバスとジンタン、学校近くまできたってよ」
「あ、ほんと?じゃあそのまま校舎に来て貰いましょう。明日は休みだし、わたし達の生前の家に行きましょう」
「ほんと!?やったー!」
「あいつらが組織の人間だったとしても、末端でしょう。さっき倒した奴とステータスが大した変わらないもの。あの程度のステータスではとても、今のわたし達と互角だった国府宮恭哉を殺せるとはとても思えないもの。さっさと粛正して、明日は休みましょう。幸い期限はないしね」
わたし達の寿命は天使になったことで、超越したしね。
まぁ不死ではないから、強い相手だった場合困るけど。
「うわっ。なんか修道士ぽい子がきたよ。現代日本だと違和感あるね」
「まぁ別に不思議じゃないでしょ。この学校は仏教学部・・仏教学部がある・・」
「どしたの?何か疑問があった?」
修道士って仏教だっけ?
たしか巫女とか僧じゃなかったかしは?
「まぁ大したことじゃないわ。どうやら来たわよ」
3人きっちりいるわね。
スキルがあるから一般人じゃないことは確か。
「ごめん待ったかな?」
「えぇすっごく!この落とし前はどうつけてくれるのかしら?」
これがデートなら、今来たところとか言うのかしら?
美香がわたしより遅れたことはないし、美香は遅れたらそんなこと言わずに、怒るし難しいわね。
合流したと思ったら、あの修道士の子が、金髪の子に飛びついたわ!?
あの子もわたし達と同じくレズなのかしら?
「困ったなぁ」
困ったの意味はいったいどういう意味なんでしょうね。
むしろわたし達がどっかいってくれてた方がよかったでしょうに。
「まぁいいわ。単刀直入に聞くわ。貴方、罪もない勇者達を殺す組織の一員なのかしら?」
「ん?いったい何の話をしてるんだい?」
まぁわたしのステータスがちゃんと隠蔽されていたとしたら、そう答えるのは当然ね。
わたし達は隠蔽無効のスキルがあるから、勇者だと誤魔化してくれば黒よ。
勇者は魔王を倒さないと帰還出来ない。
いくらなんでも、このステータスで魔王を殺せるとは思えない。
美香の足元にも及ばないのに。
迷い込んできたとかは言わないでほしいけどね。
「質問に答えて。スキルを持ってる時点で、この世界のマトモな経歴の人間ではないのはわかるわ。さらにその喋り方も気持ち悪いわ。朝みたいに話しなさいよ」
「そんなこと言われてもな。まぁいい。俺たちは元勇者だ。魔王を倒してこちらに帰還した」
「ムゴッムゴォォォ!」
なんか修道服の子が金髪の子に口を押さえられてるわね。
でも聞きたい答えは聞けた。
ビンゴね。
これで彼らは黒で確定。
末端だろうと人殺しに手を貸したのよ。
わたし達は悪には決して屈しない。
「ふふふっ」
「何がおかしい?」
「あら、ごめんなさいね。貴方の嘘はとても愉快なものだったから」
魔王の基準を甘く見てるのかしら?
怪訝そうな顔をしてるし、そうなんでしょうね。
まぁまだ学生だし、新人なのかもしれないわね。
でも悪の芽を積むの、神の使徒たるわたし達の役目。
後ろにセバス達が到着してるならちょうどいいわ。
二人に任せましょうか。
彼ら程度にわたし達が手を出す必要もないわね。
「セバス、ジンタン。彼等は敵よ!殺しなさい」
「イトナ様、了解しました。ジンタンは危なそうだったら援護をお願いします。彼等程度、私一人で十分」
「わかったわぁん。がんばってあ・な・た」
でしょうね。
セバスは現在、わたし達が天使になる前と互角の実力。
間違っても彼等の勝てる相手ではないわ。
「酷いなぁ。交渉の余地もないのか?」
「あるわよ。貴方達が全員自殺してくれればいいのよ。セバスと闘うよりは楽に死ねるわよ?」
「余地なしじゃないか。しょーがない。似非シスター!」
あの修道士の子に頼るのね。
ん?彼女のスキル。
神様召喚(笑)?
一体何が出てくるのかしら?
アマテラス様より強くはないでしょうけど。
「もう!明石さんが急に勇者を名乗り始めたから驚きましたわ!」
「見ての通り訳ありだ。あのジジイを頼むよ」
「ジジイとは聞き捨てなりませんが、いいでしょう」
両手をあげる修道士。
何かする前に迎撃に行こうとするセバス。
「何をしようとしてるかは知りませんが」
「させねぇよバカ」
なにあれ!?
何か黒いものがセバスの邪魔をした。
いったいあれはなにかしら?
「いいでしょう。では私も全力で行きます」
「あー神サマァァァ!どうか神様のお力でこの罪深き者達に、粛清してくださいマセェェェエ!」
すごいわあの子。
あのセバスが一瞬だけ、攻撃の気を削がされた。
――――ゴロゴロピカーン!
目の前に現れたのは明らかにおっさんだった。
しかしわたしはそれと同時に確信した。
運がないわね、彼等。
「久々の現世だなぁ」
「あぁぁぁ神様ぁぁ。ハァ」
神を降臨させたから気絶したのかしら?
すごい事後みたいな顔をするのね。
いや、これ本当に感じてる!?
「気持ち悪りぃ」
「同感だ明石。こいつのこんな顔誰得だよ」
意外と辛辣ね。
見た目だけなら美人でしょうに。
「坊主。あいつらか今回の敵は?」
「そうだ。つってもあんたは自由人だから命令はしない。ただあいつらを殺してくれたら俺らは助かる」
神に物怖じない態度。
彼は少なくとも勇者ではないわね。
「残念なお知らせをしてあげる。ねぇ神様」
「なんでぇ嬢ちゃん。嬢ちゃんらに恨みはねぇが、召喚主の、こいつらの敵なら殺すしかねぇんだ。悪いが死んでくれ」
「そう言うわりにその笑顔はなにかしら?殺すついでにわたしを犯して慰み者にしてやろうって顔よ。ねぇ、邪神スサノオ!」
おっさんもといスサノオ様は驚いた顔をする。
まぁそうでしょうね。
彼はステータス隠蔽してるのだから。
そして彼の名を知ってると言うことは、彼のステータス隠蔽を打ち破ったか、もしくは―――。
「嬢ちゃんらは、ゴクッ。姉貴の知り合いか?」
ふふふっ。
やっぱりぃ。
「えぇ。わたしと美香。この子はアマテラス様の使徒。天使よ」
「よりによって姉貴の使徒かよ!最悪だ」
そうよね。
敵対してもわたし達に敵にはいいのよ。
彼が切り札な時点で、貴方達は詰み。
「わりぃな坊主。あの嬢ちゃんらと敵対したら姉貴がくる。俺は姉貴に勝てねぇし、がんばってくれ」
「な!?待ておい!このゲロジジイィィ!」
降臨したスサノオ様は消失していく。
負け犬の遠吠えってこういうことを言うのね。
「お待たせ、セバス。さっさと粛清しちゃって。明日は貴方達にも来てほしいところがあるのよ。終わらせて、早く寝ましょ」
「えぇイトナ様。では僭越ながら全力で行かせて頂きます」
両手を広げて大声を出し始めるセバス。
そう、わたし達は村の面積を増やすために普段はこの姿でいた。
「若造共ぉ!魔王を倒した英雄達の無念はらさせてもらおうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!グルァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
うるさっ!
セバスは学校の校舎並みに大きくなった。
わたしとセバスの村は巨人族の村だったのよ。
わたし、転生したら巨人なりました!
一読ありがとうございます!
ビックになりましたね!
自分もビックになりたいです!
文字通り身体がビックになりたいわけではないですが!w




