あ、やべぇ。頭が飛んできた
憂鬱な放課後だ。
チャイムが鳴るのが嫌で嫌でしょうがない1日だった。
「話があるわ明石光。校門で待ってなさい」
「デートのお誘いかい?僕は遠慮したいんだけど」
「何か違和感あるわね。まぁいいわ。キャロライン、貴女も一緒に来なさい」
何がまぁいいんだ。
その鋭い目つき怖いんだよ。
遠慮したいんだよ!
さてはこいつ脳筋のバカだな!
「その日本語ヨクワカラナイヨ」
「翻訳を使って英語で喋ればいいのかしら?」
「腹立つわね貴女」
「お褒め頂き光栄ね」
完全にあっちのペースなのはいかんな。
まぁそんなことより、ステータス解析をどう誤魔化すか。
「さっさと来ないと殺すよ」
「早杉さん。女の子がそんな物騒なこと言っちゃいけないよ」
「ふんっ!」
まぁいい。行かなきゃ面倒なことは確かだ。
「青谷くんも呼んでくるから、先に行っててくれるかな?」
「そうね。あのハーフオークさんも連れて来てもらわないと」
ハーフオークみたいなのはわかるが、あいつも人間なんだよな。
まぁナルシストがなきゃ豚豚言われないと思うんだがな。
「キャロラインさんも付いてきて」
「アカシわかったヨ!」
青谷のやつ逃げてねぇだろうな。
まぁ俺に非はあるから強くは言えないけど。
*
「青谷くんいますかー?」
「げっ!?青谷さんの友達!?こ、こちらです」
クラスの不良で、いじめっ子キャラしてるやつに会いにくるのは面倒だなぁ。
「明石か。上行くぞ」
「悪いが今日は校門だ。いくぞ」
「英語わかんねーんだよ秀才ちゃん」
こいつ演技力あるな。
立派に不良として潜伏してるってことか?
「おい外見ろよ!野球部の武田が、転校生の方に向かっていくぞ!」
野球部の武田?
聞いたことないけど誰だ?
とりあえず俺たちも外を見る。
「まずいな。非常にまずい」
「英語じゃわかんねぇよ!ちゃんと言え!」
理由を言えってことか?
こいつCランクになったのに情けない。
「豚!ステータスを解析しなさい!彼は確実にAACよ!」
さすがキャリー。
俺が突っ込む前に青谷に指摘する。
――――――――――――
名前 武田浜二
レベル 23
ジョブ 野球部
状態 健康
HP1452/1452
SP306/306
筋力 235
俊敏 78
技量 386
スキル
スイング切り替え 記憶時間止め ワインドアップ
――――――――――――
スキルがある時点でAACか帰還者だが、隠蔽してないところを見るにAACだろう。
「少し成り行きを見守ろう」
キャリーと青谷は頷いた。
生贄という訳じゃないが、あんな校門のど真ん中でケンカを売るあいつが悪い。
「おいそこの女!」
「なにかしら?」
「なにか用?」
あいつどうする気だ?
まさかここで堂々とケンカを売る気じゃないだろうな!?
「お前らのその異常なステータス!勇者とそのパーティだろ?俺はAACに所属してるんだ!殺させてもらうぜ!殺す前に犯して、犯し続けて、自分から死を懇願させてやるよ!」
うわぁ・・・
あんな校門のど真ん中であんな声あげるやつあるかよ。
しかし周りを見ると、全員立ち止まったまま動かない。
「まさかこれ」
「どうやら彼のスキルね。恐らくはスキルの記憶時間止めでしょう。ワタクシたちは記憶改変があるから無効したのよ」
なるほど。
確かにそれならば問題ない。
さて、様子見だ。
「ちょっと違うけど、概ねその通りね。あと汚いから寄らないで」
「る・・イトナちゃん。どうやら周りの人達止まってるみたい。こいつの仕業だろうし、AACだし殺していいかな?」
「わたしは手は出さないよ。がんばれ」
「うん!」
あっちは、早杉メモリの方か。
お手並み拝見だな。
がんばれ武田くん。
「舐められたもんだなぁ!1人では余裕だってか?」
バットを振り下ろす武田。
しかしそれを避けることなく仁王立ちしてる早杉メモリ。
受ける必要もないか。
俺も聖剣を持った時はそのくらいだったしな。
あの聖剣はありがたくもらったが、今は家だ。
現代日本で、あれを持ち歩けるはずもない。
バッドが振り下ろされてる間に刀に変わる。
なーんか似たような武器を知ってるが、あれはバッドが変わったんじゃないな。
スイング切り替えってスキルでバッドが刀に変わったとみる。
流石にこれじゃ攻撃は食らうだろうな。
「お前は犯さずに殺してやる!そっちの女をたっぷり犯し―――」
「キャリー青谷、避けろ!」
―――パリーン。
窓ガラスを割って入ってきたのは、武田の頭だった。
「なんで武田の頭が!?」
「嘘でしょ!?わたし見えなかった」
ヤバい―――
正直舐めてた。
あの二人は強いだろうが、なんとかなると思っていた。
しかし結果はどうだ?
そのうちの一人は予備動作もなく、俺たちの近くにピンポイントで、首を切断後、顔面を飛ばしてきた。
武田の死体はなにが起こったのか、わからないらしく、首あたりを手で触ろうとしていた。
―――ドサッ。
まぁ頭が無くなった時点で、絶命はたしかだ。
あまりにも早すぎる出来事で、身体が死んでいなかったのだろうな。
「え!?な、なにこれ!?頭ぁぁ!?」
くそがっ。
武田が死んだことでスキルの効力が切れたんだ。
「青谷、記憶改変しろ!スキル″清掃″」
血と頭とガラスの破片を清掃で消滅させた。
あとは青谷のスキルで記憶を消してくれればいい。
「もう済んでるぞ。勇者恭哉にあんなことできたか?」
「身体強化と信頼強化してたら、できるだろうな。しかしあの青髪はなにもしなかった。あの勇者よりは弱いが、素であのステータスなんだ」
それつまり何か身体強化のようなステータス底上げのスキルか魔法を使ったら、優に超える可能性はあるってことだ。
勇者恭哉よりも、素のステータスだけなら、早杉メモリは圧倒的に強い。
「下手こいたな」
「バックレるのはどーだ?」
「無理だな」
「似非シスターにあのジジイを召喚してもらおう」
わりとそれが名案な気がするな。
「悪いキャリー。事は一刻を争う。その意見を決行してくれ」
「仕方ないわ。だってあれと真正面で闘うのは馬鹿がする事ね」
よしっ!
あのジジイは腐っても神。
いくら勇者が強かろうと、それは神の加護のおかげだからだ。
これでなんとかなればいいがな。
「あぁぁん!キャロラインちゅぁぁぁん!おかえりぃぃぃぃ!」
「ウ、ルサイヨ!ちょっと本校舎に来て欲しいの」
「今すぐ行くわ!シャワー浴びておいて」
「キモい!」
似非シスターがこのヤバい空気を壊してくれた。
まぁ今回もなんとかなりそうな気がするな。
一読ありがとうございます!!
疲れてるのに、小説書くのは楽しくて辞められないピエロです!
次回久々の似非シスター登場!




