毒舌わがまま姫達。へぇ毒舌なんだ!
1週間ぶりに千葉に帰ってきた。
旅行帰りで疲れた気分だ。
本部長め!
本部での死体処理を全部俺にやらせやがって、修繕費で給料は出なかったし!
まぁ報告書をその分書かずにそのまま帰れたのは良かったが、帰る前にあのクソ親父の寂しそうな顔を見てたら、あー!!!
「あーもうイライラするな!」
「光、声出てるわよ」
おっといけない。
今は咄嗟に英語が出たとはいえ、誰が見てるかわからないからな。
今日からまた学校だ。
キャラ作りキャラ作り。
そしてこういった日の朝は決まって後ろから声をかけてくるんだ
「おはよう明石くんキャロラインさん」
梅田美帆だ。
絶倫王子が性奴隷にした勇者の親戚で俺の幼馴染。
「おはよう委員長」
「お久しぶりデースイインチョ!」
キャリーのやつ、北海道にいる間何度も日本語を教えたから中々カタコトが抜けてきたんじゃないか?
「キャロラインさん、日本語うまくなった?」
「まぁ日本にキテもうだいぶ立つからネ。流石になれないト」
どの口が言うんだ。
ついこないだ、日本は何で共通語の英語が通じないのよ!ってキレてたくせに。
「そうだよねー。あ、明石くん達は学校休んでたけどさ、転校生きたんだよ」
「転校生?僕たちのクラス?」
「そうそう!しかも2人!1人は珍しい青髪の子だったよ。もう1人は赤茶色の髪の子」
転校生なんて珍しいな。
青髪はどうせ染めてるんだろう
しかし2人とは。
双子か?
「双子?とか思ってるでしょー。ブー!彼女達は幼馴染で一緒に転校してきたからって、学校からの配慮だよ」
「へぇ」
「へぇって、そこは驚くところだよ!先生達はあの2人の両親には逆らえないみたいだし」
どんな偉いやつなんだ?
少し気になるな。
「だから光くんも気をつけて!」
「大丈夫だよ」
「だって明石くん不良によく絡まれるじゃん」
そんなことないと思うけどなぁ。
天池龍輝の時が例外だったのに。
「よぉ明石!」
「青谷くんおはよう」
梅田美帆がジト目を向けてくる。
あー不良って青谷のことか。
「大丈夫だよ委員長。彼、見た目はこんなだけど、自分のことプリチーとかいう、ナルシスト野郎だから」
「意外と明石くんって毒舌なのね」
「おい明石俺のどこが!」
「黙れ!俺の話に合わせろ豚」
「なっ!?」
俺は英語で青谷に静止をかける。
不良枠が消えるより、梅田美帆に不審を持たせるのは面倒だ。
青谷の記憶改変をしようとも気持ちまでは変えられない。
俺が不良によく絡まれる認定されたら困る。
「だから委員長。彼はただのイキリヤンキー。キッズだから大丈夫だよ」
「そ、そうなのね。でも他の不良に絡まれることは――」
「こんな明らかに柄の悪いやつと一緒にいれば大丈夫さ」
「実際一番柄が悪くて性格悪いのはお前だけどな」
「何か言ったか?」
「いや別に?」
まぁ柄が悪いのも性格がイカれてるのも認めよう。
じゃなけりゃこんな仕事をやってられるはずないだろう。
「たしかに!青谷くん、明石くんをよろしくね!」
「任せろや、えっと〜」
「梅田美帆よ」
「青谷大蓮だ」
すげぇ。
よろしくのあいさつで握手してるやつ初めて見た。
そういうのって漫画やアニメだけの話じゃねーんだな。
「あ、見て明石くん。あの2人が転校生だよ」
後ろから歩いてくるボーイッシュな赤茶色の髪の女性と、青色で目が赤いロングヘアの女性が来る。
いや明らかに青髪の方、異世界人だろ。
青髪は染めているというならわかるが、赤目はあれはどう見てもカラーコンタクトじゃない。
「おはよう月屯さん、早杉さん」
「おはよう委員長」
「そちらの方々は?」
あいさつは普通だ。
しかしステータスを見た俺は冷や汗が止まらない。
――――――――――――
名前 月屯イトナ 19歳
ジョブ 不明
レベル 解析不可
HP 解析不可
SP 解析不可
筋力 解析不可
俊敏 解析不可
技量 解析不可
スキル
ステータス解析通知 その他解析不能
――――――――――――
こんなの本部長くらいだ。
解析不可はヤバイ。
なによりステータス確認通知だけオープンされている。
理由は簡単だ。
ステータス確認した時点で通知が来ることがわかり、相手を絶望させるためだ。
くそっ!
ステータスを勝手に覗く悪癖を直さなかったミスだ!
「いきなり失礼なことするわね」
「どうしたの急に?」
「翻訳はあるだろう。彼女は無関係だ」
「そう。なんでもないわ委員長。さぁ教室に行きましょう」
梅田美帆は頭に?を浮かべているが、それでいい。
一般人の彼女を巻き込むわけにはいかない。
「どういうこと光?」
「悪い凡ミスをした。ステータスを確認したら、奴はスキルにステータス解析通知と言うものがあった」
「つまり彼女は勇者か。ステータスはどんな感じだ?」
「解析不可ばかりだ。隠蔽の強度が強い」
しかしそこは問題じゃない。
今更だ。
AACの重鎮であったゴミゴミさん達のように、弱いステータスを隠しているなら話は早い。
だけどそれなら全て隠蔽するはず。
わざわざ敵を煽るよかのように通知のスキルだけ出してるのは、つよいことを言ってるようなもんだ。
「そのスキルだけわざわざ見せるあたり、よほどの自信家なのね」
「自信家じゃなくてバカの可能性もあるだろう」
「バカはてめえだ豚!」
「んだと明石!」
条件反射で言ってしまったが、バカなはずないだろう。
バカなら1つだけ隠蔽なんかしない。
多分な?
いやバカだからつけ忘れてたのか?
んー豚さんの所為でわからなくなった。
「どうでもいいけど、わたし達は翻訳スキルであなた達の話は聞こえてるからね。オークさん。後でお仕置きするから」
「ほれみろ。おとこおんなに悪口言ってバチが当たったんだ」
「貴方もあとでお仕置きよ!」
「おとこおんなって自覚はあんだな。バチが当たったしか言ってないのに」
うわー顔真っ赤。
相手が強かろうが関係ない!
一般人じゃないとバレてしまったから自重もしない。
「みんなで英語で話したらわたしはよくわからないよ!もう!遅刻するから早く行くよ」
驚いた。
翻訳スキルは聴き手の人間の標準語へと翻訳する。
つまり、梅田美帆にも日本語に聞こえるはずだ。
しかし悩んでいたが、予鈴がなったので走り出す。
*
俺たち四人は遅刻した。
なぜ六人ではなく四人なのか。
答えは簡単だ。
青谷はそもそも違うクラスだから状況がわからん。
遅刻したのは俺と委員長と、あの女性二人なのだから。
キャリーのやつ校舎に入った途端に瞬間移動で教室に行ったんだな。
「おーい。お前達遅刻だ」
「すいませんでした」
「なんで怒ってるの貴方?」
「る・・イトナちゃん。彼のことは放っておこうよ」
「二人とも明石くんを見習って謝って!」
梅田美帆がそう言うと渋々頭を下げる二人。
二人が反論した時は噴火しそうな感じで顔真っ赤だったのに、頭を下げたら教師も満足そうだ。
「もういいぞー席つけー」
「すげぇぞあの二人」
「毒舌わがまま姫達に頭を下げさせやがった!?」
「ウォォォォ!メモリさぁぁん付き合ってクレェェ!」
最後のだけよくわかんないが、目立ってしまった。
まずいな、教室での潜伏のためのキャラが。
「何考えてるか知らないけど光。貴方のそのキャラは知ってる人間からしたらキモいわよ」
それが恋人に対して言う台詞か!?
くそっ!昨日寝る前に10回も可愛がったって言うのに!
戻ってきて早々災難だ!
一読ありがとうございます!
この回から新章ですよ!
ながらスマホをしてる人に当たるおじさんいますけど、あれって駅のホームでやる人は人を殺したいのですかね?




