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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
二章 北海道、異世界侵略対策委員本部騒動
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ぶっ殺す!〜甘美な悲鳴〜

「これで10人目!」


 恭哉との取り決めで、異世界侵略対策委員の本部に突入し、職員をわたし達3人で殺していた。

 正直大したステータスもない職員達には驚いたわ。


「ヘイスト。恭哉達の様子わかる?」


「すみませんクリーディア。恭哉様の位置はわかりますが様子までは・・・」


 仕方ないわね。

 ヘイストの魔法、サーチはSP消費が激しいからね。

 一瞬で場所だけを把握しないといつ強敵が現れるかわからないこの場所では、SP枯渇は命取りになるもの。


――――――――――――

名前 ヘイスト・タゲストリ 19歳


ジョブ 神官


レベル 188


状態 健康


HP65782/65782

SP268725/368545


筋力168

俊敏412

技量98542

スキル

翻訳 状態異常無効 無詠唱 信仰魔法 神の加護 精霊魔法 空間収納 

――――――――――――


 しかし一度の使用で10万もSPを消費するなんてね。

 まぁヘイストの魔法で1番SP高い魔法がサーチだからそこまで問題でもないでしょうけど。


「気をつけて2人とも!強敵よ!」


 強敵!?

 ベネッサは盗賊だから、彼我の実力差をすぐに感じ取れる。

 羨ましいわね。

 目の前に現れたのは2人の女性。

 両方とも青髪のポニーテールとセミロングの女性だ。

 セミロングの方が濃いめの青、藍色の髪の色をしてる。


「あー。ここまでくるのに貴女達は一体何人のあたしの同僚を殺したのかしら?」


「弱かったのが悪い・・・」


 セミロングの女性の方は辛辣ね。

 確かに弱かったのが悪いけど。


「ほんの10人よ。まぁフーリンの命を奪ったにしては少ない方よ」


「10人は多いわよ!そのフーリンってのは誰だか知らないけどね。というか来るのが早いのよ」


「転移でここまできましたから」


 ザノールの転移魔法でわたし達は本部近くまで来た。

 本来なら2.3日はかかる距離だから、彼女達も襲撃してくるにしても今日とは想定していなかったのだろう。


「11人目と12人目は貴女達になるっていうのに余裕ね」


「余裕じゃないよ。怖いよー!これでいい?」


 馬鹿にした態度を取って余裕ね。


「ステータス解析っと」


 あら、あの宮崎瑠璃とか言う人は筋力がヤバいわね。

 長崎藍って子はSPがそこそこ高いけど、ここに来るまでに殺した職員達とそこまで変わらないわね。


「貴女・・・今自分で勝機を失いに行ったわね」


 いきなり勝機を失うとかどういうこと?


「たしかに貴女の筋力ステータスは高いけど・・・」


「おい!」


「人が話してるのになにかしら?」


「今なにした?このクソビッチ!」


「ビ・・ッチ・・」


 失礼な子!

 たしかに恭哉に出会う前は男の経験人数はいっぱい居たけど、それは職務なの!

 王族の勤めなのよ!


「ステータス解析ってこたぁ、勝手に見たな?」


「見たから何よ!」


「コロス」


 え?

 ステータス見ただけで?

 いや今まさに殺し合おうとしてたんだから違うわよね。


「てめぇら全員ぶっ殺してやるよぉぉぉ!」


 え、なんか根暗なイメージだったのに、雰囲気が強者のそれに・・・?


「ステータス解析!」


――――――――――――

名前 長崎藍 23歳


レベル200


ジョブ コミュ障


状態 バーサーカーモード


HP999999/999999

SP0/99999


筋力999999

俊敏999999

技量999999

スキル

バーサーカーソウル キレ障 怒怒怒 憤怒解放 記憶改変無効

――――――――――――


 へ?

 思わず鼻水出た。

 なんなのこいつ!?


「死ねや!」


 ――――――ドガガガガ。

 嘘!?殴っただけで地面にヒビが入るなんて!?

 上も見れば崩落してきた。

 これは分断される。


「あーもう藍。そっち二人は任せるわよ」


「うるせぇ!」


 うわっ、味方の声も聞こえないくらい暴走してるんだ。

 こっちにはベネッサが残ってるみたい。

 ステータスはヤバいけど二人がかりならなんとかなるかもしれない。


「クリーディア!いくわ・・」


「お前は引っ込んでろ!」


「ベネッサ!」


 回し蹴りでベネッサが壁を貫通していく。

 もちろん崩落しているのでベネッサの援護は期待できない。


「わたし一人でこの化け物と・・・やってやるわよ!」


「やるってなんだ?」


 長崎藍は何か持っていた。

 腕?

 一体誰・・の?

 見覚えのある腕・・・

 え、それってわたしの――――――


「い、いやぁぁぁぁぁ」


 わたしの右腕だ。

 見えなかった。

 痛い痛い痛い。


「ヒール、ヒール、ヒール」


 どうにか痛みは治まったけど、ヤバイ。

 片腕はヘイストに頼めば再生出来るけど、そもそもここで死んだらどうしよもない。


「痛い?まぁまだ序の口だけどなぁ!人のステータスを覗いて置いてただで済むと思うなよ!」


「なんでステータス見ただけでそこまでキレるのよ!」


「なんで?アハハハ!なんでかわかんない?女性に歳を聞くのが失礼って言うでしょ?つまり女性の年齢がわかるステータスを覗くのは失礼って事だ!」


 行きすぎている。

 たしかに歳を聞くのは失礼だし、ステータスを覗くのも失礼かも知れない。

 だけどそれで殺すってどうなの?


「命ってそんなに軽いものかしら?」


「少なくとも勇者一行の命なんて軽いなぁ!」


 そうね。

 こいつらはそういう奴らだったわ。

 フーリンのためにも絶対に屈するわけにはいかない!


「クリーディアよ。覚えなさい。貴女を殺す者の名前よ」


 わたしは名乗った。

 なのにこいつはニコニコして名乗ろうとしない。

 さっきはキレてたり今度は笑ったり不気味な奴。


「笑ってないで貴女も名乗りなさいよ!」


「いやーもう片方の腕も毟ったのに、なんか名乗ってて気づいてないからどうなのって思って」


 え?

 嘘・・・。

 ポタポタとわたしの左腕があった場所から血が垂れている・・・


「痛い・・・いたぁぁああああ」


 まずい。

 両腕がなくなった。

 ヒールと唱えたいのに口が開かない。

 無詠唱だと止血だけで痛みは和らがないけど仕方ない。

 ”ヒール”

 無詠唱でヒールを発動して止血した。


「痛い?ねぇ痛い?あぁーいつ聞いても悲鳴って甘美だよね。ボクさ、実働隊の時はこの声聞くのが好きだったんだ」


 なんなのこいつ!?

 異世界侵略対策委員はイカれたやつが多いのは知っていた。

 でもいざ相手が優位な状況で、そんなこと言われたら恐怖しかない。


「貴女程度の攻撃痛くないわ!フーリンの仇は取るわ!」


 ”電撃爆雷(サンダーボルト)”!

 わたしは剣も魔法も使える聖騎士。

 無詠唱は正確さが欠けるだけで威力もSP消費量も変わらないわ!

例え片腕だろうと戦力は落ちないわよ!

 いくら強くても敵は生身で雷撃を受けた。

 消し炭になるはずよ。


「何してるのかな?まさか電撃で殺せると思った?んー?」


 どうして!?

 なんで無傷なの!?

 ”疾風の刃(ウィンドカッター)

 首さえ落とせば生命活動は止められるわ!

 

「あーむだむだ。ボクのスキル、バーサーカーソウル発動中は何度でも魔法を弾くよ。ボクの溜飲が治まったら状態異常バーサーカーモードは無くなって、バーサーカーソウルは解ける。つまりそれまでは何度でもスキルや魔法を無効化できるんだ」


 溜飲?

 なにそれ?

 つまりこいつを怒らせたら、勝ち目がないってことじゃないの!


「その顔だよ。いいねぇゾクゾクする。アハッ!絶頂に達しそうだよ!」


 怖い。

 だけど負けないんだから!

 殺し合いには負けても闘いには勝つ。


「あーそうそう。君にも勝つチャンスはあったよ?」


 攻撃を弾くのにどうやって勝つっていうの?


「いや勝つチャンスがあったのに名乗ったでしょ?あの時ボクが腕をむしりにくると予想できてたら、そこに落ちてる剣でボクの首を切り落としてたら・・・結果は変わったかもしれないね」


 まさか――

 物理攻撃は通ったというの?


「バーサーカーソウルはスキルと魔法のみを無効化する。あとは運がなかったね。バーサーカーモードは1時間以内に2回キレなきゃかからないからさ」


 くっ。

 誰か他の奴がこいつをキレさせたのね。

 その相手が恨めしいわ。


「一つ聞きたいわ」


「足も毟ってほしいの?」


「ひっ!?」


「あーその恐怖に満ちた顔は唆るねぇ」


 満面の笑みでそんなこと聞かれれば怖いわ!

 でも気になったことがある。


「貴女はなんで急にステータスが劇的に上がったのかしら?」


「あ、冥土の土産が欲しかったの?特別に教えてあげる。怒怒怒ってスキルがボクの状態異常に合わせて、SP以外のステータスが変化するんだ!怒りなら9999バーサーカーモードなら999999!」


 とんでもないスキルね。

 素のステータスを見て油断。

 その時点でステータスを見られて怒り狂った彼女は、最初見たステータスよりも上がってる。

 今のわたしのように這いつくばらせることも容易にできるってわけね。

 でも種は割れたわ。

 今回は彼女の勝利ということにしておきましょう。

 ″転移(ポート)


「なにしてんの?逃すと思ってんの?」


「嘘!?なんで転移できないの!?」


 最悪でも転移という手段がわたしの希望になってたの・・・あれ?ここは異世界侵略委員の本部じゃない?


「冥土の土産サービスだ!スキル憤怒開放で、ボクは怒りの対象がどこに逃げても追いかけることができる」


 そんな!? 

 つまりこいつは怒ったら最後、宥めることができない限り負け確定じゃない!

 殺される・・

 いや!

 まだ死にたくない


「お願い・・・謝るから許して」


「謝るぅ?いいよ?誠意をこめて、それが伝わったら見逃してあげる」


 生きていればなんでもいい。

 今、死ななければ希望はある。

 恭哉がなんとかしてくれる。


「貴女のステータスを覗いてしまい、非常識でした。ごめんなさい!」


 姫時代の社交場でなんども謝ったりしたもの!

 完璧のは―――


「ガハッ!どぉ・・して」


 わたしは心臓をくり抜かれた。

 あの女の手には、まだ脈を打ってるわたしの心臓がある。


「許したんだよ?この世はさ、仏教的には地獄らしいよ!つまりさ、地獄から逃がしてあげる」


「ひどい・・謝・・たのに」


 もう意識も薄れてきた。

 ごめんフーリン仇取れなかった。

 恭哉、大好きだったよ。

 みんな・・・さよなら。

 そしてわたしの意識は永遠の闇へと消えた。

一読ありがとうございます!

実際この世の中も悪いことするやつがいい目にあってる場合って多いですよね。

これからもよろしくです!

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