キャラが濃いモブキャラのクソ野郎!
俺とキャリーと青谷の三人で、AACの肉体改造の研究をしている、本部研究室に挨拶しに来ていた。
勇者一行が攻めてきたときに顔を知らないのは不安にさせてしまうと言うことで挨拶回りをしている。
まずはここ研究室というわけだ。
まぁ勇者達がいつ攻めてくるかは知らないけどな。
「初めまして。研究班の代表で失礼します。僕の名前は茂部伽羅といいます。本部所属の研究班の職員です。学生時代は実働隊として仕事をしていました。戦闘の心得はありますが、ランクはD止まりです。よろしくお願いします」
茂部さんと俺は握手を交わす。
「こちらこそよろしくお願いします」
俺は笑顔で応じた。
なんで笑顔かって?
笑いそうだからさ。
だってなんだよこの名前!
なにが茂部伽羅だよ!
発音は違うけどモブキャラだろうが!
――――――――――――
名前 茂部伽羅 37歳
レベル31
ジョブ 研究者
状態 不眠症
HP246/246
SP12345/123456
筋力119
俊敏275
技量998
スキル
雑務 ゴリラの鼻くそ操作 カエルの糞尿管理 ちゃぶ台返し 記憶改変無効
――――――――――――
もうスキルが笑うしか無い。
なにこれ?
どれも戦闘できそうにみえないんだけど。
「失礼ながらステータス覗かせて頂きました。その・・・このスキルは一体どうやって使うんですか?」
「あ、ご覧になりましたか。では失礼してゴリラの鼻くそ操作をお見せします」
「ぶふっ!」
あ、キャリーが笑いやがった!
俺は我慢してたのに!
茂部さんは指揮者みたいなポーズを取った。
「こい!ゴリラの鼻くそぉぉぉ!!」
ダメだ・・・。
まだ笑うな・・・。
しかしいい年した大人がゴリラの鼻くそとか指揮者のポーズしながら叫んでたら笑いをこらえるという方が無理というものだ。
つまり―――――笑ってしまった。
「来ましたよゴリラの鼻くそ」
ベチョリ。
目の前にはなんか黒い物体が現れる。
「・・・これは?」
「はい世界中のゴリラの鼻くそです」
「茂部さんの能力って・・・」
まさか世界中のゴリラの鼻くそを自由自在に操れるとか?
それなら普通にやべぇ能力だ。
「いえ。自分の目の前に世界中のゴリラの鼻くそを集めるだけの能力です」
「へ、へぇ・・・」
どや顔していうなよ。
ていうか普通に汚ぇよ。
「茂部さんの能力ってすっげぇ汚えな!」
「おい青谷!いくら本当のことだとしても失礼だぞ!」
「そういう光が一番失礼よ」
だって仕方ないだろう。
汚い物は汚い。
ゴリラの鼻くそ集める能力をどう頑張れば汚くないと言えるのか逆に聞きたい。
「いいんですよ。事実です。ちなみにゴリラの鼻に溜まっているのが鼻水の場合集めることはできません」
いやー要らない情報ありがとう茂部さん。
鼻くそじゃなかったら操れないってコトか。
「じゃあさ。鼻水の混じった鼻くそは操れんの?」
青谷!
せめて敬語使え!
そして俺も気になったからぐっじょぶ!
口にするのは汚いからな。
「鼻水が付いている場合でも操作はできます。しかし鼻水自体は操作できないので垂れてしまった場合、それを防ぐすべはありません」
つまり完全に鼻くそのみしか集められないと。
しかもゴリラ限定。
「ちなみにもうこのゴリラの鼻くそは操れません。地面に付いてしまったので」
そして今こうして集めてしまったから、また集めるまで時間がかかると。
だって集まったゴリラの鼻くそはもうゴリラの鼻くそだったもので、今はゴリラの鼻から出てきた、落ちている鼻くそなんだからと。
しょべぇ能力。
ん?待てよ?
「カエルの糞尿管理も同じ感じですか?」
「そうですよ?出しますか?」
「いやいいです」
詰まるところゴリラの鼻くそとカエルのくそとしょんべんを集める能力と。
この人名前はモブなのにすげぇキャラ濃いんだけど!
「あ、ごめんなさい。明石光さん。清掃でこれをかたしてもら・・・」
「ごめんなさい。今与えられている任務は清掃じゃないので自分でかたして貰えると嬉しいです!」
断固拒否だ!
誰が好き好んでゴリラの鼻くそをかたしたがるか!
いくら一瞬でもいやだ!
「そうですか。じゃあ正式な依頼としてこれだけ出します」
そういって何かにメモをして書き始める茂部さん。
そしてその紙書いてあったのは0が数えるのがめんどくさいほど並んでいた数字だった。
「お引き受け致します!」
「助かります!」
俺は清掃を使いかたした。
ふへへ・・・臨時ボーナスだ。
「やったぜ。ボーナスだー」
「まずここを生き残らないとその小切手は意味を無くすわよ」
「最初から生き残るつもりだし!帰ったらこれで〇々苑いこうなキャリー」
「あのジャパンで有名な焼き肉屋?いいわね」
青谷がこっちを物欲しそうな顔で見てる。
こいつ図々しいな。
まぁ良いだろう。
これだけもらえば余裕はある。
「お前も来るか青谷?」
「いいのか!っしゃあああああああああ!」
でかい雄叫びをあげんなよ。
みんなこっち見てるじゃねぇか。
「お気に召して頂けたようで光栄です。ではそちらの方を本部長に見せて頂いたら受領完了で明石さんの銀行に振り込まれますのでよしなに」
よし本部長に届けに行こう。
そういえばちゃぶ台返しってどんな能力なんだろ?
「あのー貴方のスキルのちゃぶ台返しってなんですか?」
「あー僕が机と認識した物をすべて床に叩きつける能力です。すべて破壊してしまいます。情緒不安定な時代があったときに発現してしまった能力です。使い途はありません」
いやいや。
そっちのがおかしいだろ。
机の上にさえいればそいつを無条件に叩きつけて壊すことができるって強いどころか・・・。
「雑務も似たような感じです。まぁこれは戦闘にも使えまして、相手の武器を奪うことができます」
要するに問答無用で相手の武器を奪えて、机の上にいる人間は叩きつけて破壊することもできると。
普通に強すぎるだろが!
モブキャラどころか最強キャラじゃねぇか!
「茂部さん本当にDランクだったんですか?」
「えぇ。何分この程度のスキルしかないもので」
茂部さんの同期の能力が気になる。
どれだけ強いんだろう・・・。
「さっさと本部長に小切手渡して、次の挨拶回り行こうよ光」
「そうだぞ。今日中に終わらせろって親父さんに言われてたろ?」
しびれを切らしたな。
お前達、金にしか目が無いだろ!
目が¥マークになってんぞ!
昔の漫画かよ。
「わーってるよ。じゃあ茂部さん。俺達はこれで」
「はい。じゃあ非常時にはよろしくお願いしますね」
俺は頷いて踵を返す。
まぁいつが非常時なのかは知らないけどな。
さて本部長のところに行ったら、次は実働隊の代表者のところだったけな。
研究室とはそこまで距離が離れていないので、すぐに本部長室に着いた。
「失礼します」
「なんだ。どうした明石光?」
「こちら研究室の茂部さんからもらったので換金して頂きたいのですが」
うわっ・・・。露骨にいやそうな顔をした。
「あのクソ野郎のか。どれどれ」
そのクソ野郎って言うのは、がちなクソまみれ野郎って意味だろうか?
今度は顔を真っ赤にしてる。
こりゃ怒ってるな。
「あいつ!本部の予算をなんだと思ってるんだ!」
「さぁ。あ、ちゃんと振り込んでいて下さいね」
「お前も遠慮という物が無いのか?」
「鼻くそを無理矢理掃除したんです。相応かと」
ため息を吐いて小切手にサインした本部長。
やったぜ!
心は痛いが金のためだ!仕方あるまいて!
「はぁー。挨拶回りは全員にしたのか?」
あ、もうこのことについて考えたくないんだな。
「まだ研究室だけですよ」
「そうか。じゃあさっさと行ってこい。挨拶回りが終わったらまた本部長室に来てくれ」
疲れてそうだな。
胃薬を出してくれる秘書もいないみたいだし可哀想だ。
「了解です。じゃあまた」
「失礼シマシター」
「本部長失礼したぜ」
俺達は気を遣うこと無くさっさと出ていた。
せめて気を遣ってくれよって顔をしてたけど知ったことでは無い。
一読ありがとうございます!
タイトルが出てくるキャラのもろネタバレというw
GWで長いことは素晴らしいですね。
仕事の方は頑張ってください!
よろしくお願いします!




