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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
二章 北海道、異世界侵略対策委員本部騒動
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頭を下げる者たち

 昨日はもうクソ親父の所為で酷い目に遭った。

 昨日は秋さんに本部の宿舎に戻ったらすぐ寝て今日は快眠だった。

 宿舎は流石に男女分かれているのでキャリーとは別室だ。


「青谷起きろ。朝だぞー」


「あと1時間〜フガッ」


 豚声で返事すんな。

 この部屋には冷蔵庫が備え付けてある。

 俺は冷蔵庫の中にあるからしとわさびを取り出した。

 何をするかというと――


「おっきろー!」


 ―――ブリュリュリュリュ。


「ん?鼻が・・・鼻がぁ!?」


 鼻を抑えながら悶え始める青谷。

 あー、すっごい楽しいこれ。

 こっちにいる間は毎朝これやろう。


「テメェ!何すんだこの野郎!」


「朝から熱烈にアタック?」


「そんなアタックは求めてねぇ!」


「え!?じゃあ俺がお前の寝込みを襲うと思ってんの?汚ねぇ」


「思ってねぇよ!お前潰すぞ?」


 そう言って手を巨大化させる青谷。

 こんなところで巨大化させるってこいつ馬鹿だな。

 ――ズドドドン。

 天井に穴が空いた。

 青谷自身やっちまったって顔してる。


「あーあ。こりゃ弁償だな。先に言っとくぞ?俺は一切を払わんから土下座はやめろ」


「頼む!この通りだ!」


「お前にはプライドはないのか!」


 それはもう綺麗なジャンピング土下座を見ました。

 膝痛そうだなー。


「まぁ片付けくらいは手伝ってやる」


 部品全てを清掃で消し去った。


「さぁ後は穴を、どうするかだよな」


 しかし空いた穴を塞ぐ方法を考える間も無く、思考は霧散する。

 ――――ドンドンドン!


「おい!光!いるんだろ!起きろ!」


 朝っぱらからクソ親父かめんどくせぇ。


「ちっとは寝かせろやくそが!」


「光!緊急事態よ!」


「キャリーまで!?ちょっとまて!」


 緊急事態だからといって今ドアを開けるわけにはいかない!

 今入られると穴空いてる天井を見られる。

 こっちも緊急事態だ!

 俺は青谷の方を見るが、首をずっと振っていた。

 まぁそーだろうな。


(俺が外で応対するからお前はその間に何か考えろ!)


(待てよ明石!それなら俺が時間を稼いでやる)


(馬鹿野郎!お前が行くと話が長引いて部屋入れろってなるだろうが!)


(なんだとぉ!?)


 俺たちは口論が始まりそうなところで外からの声で冷静になる。


「ウェイト!ウェイトデースお義父様!」


「キャロラインちゃん!ちょっとどいてな」


「フタリトモ!ドアの近くにイルナラハナレテクダサーイ!」


 嫌な予感がする。

 キャリーがカタコトの日本語で呼びかけてくるってことは相当焦ってる!

 そんな嫌な予感がするとき、やらかすのが俺の父明石影政だ。


「どっこらせい!」


 ―――ドゴゴゴゴォ!

 見事にドアは粉砕されて窓ガラスに直撃。

 ドアの破片は窓から落ちていった。

 いや待てよ?

 これはこれは―――フハハ。


「粉砕!玉砕!大喝采ぃぃぃ!」


「強靭とか無敵とか最強とか言うなよ?それはどこぞの社長が言っていい言葉であり、テメェが使うには重い言葉だ」


「あぁん?てめぇ人が盛り上がってる時にチャチャ入れんのか!」


「知るか!見ろ!お前の所為でこの部屋の天井にまで穴空いたじゃねぇか!」


 青谷が驚いた顔でこっちを見る。

 ―お前話し合わせろよ?―

 そう言う意味も込めて俺は睨みつけた。


「ドア蹴飛ばしただけで天井に穴が空くかよ!」


「現に空いたんだ!この部屋の弁償代はテメェで払えよ!」


「まぁいいさその程度。緊急事態って言うのはな。出目川が死亡した。自殺だそうだ」


 よし!弁償代は肩代わりさせてもらった!

 しかし出目川・・出目川?


「誰だ?」


 なんかあと少しで思い出せそうなんだが思い出せない。


「おい忘れたのか?あのデブだよデブ。支部長殺しの」


 あーあの間抜けな豚な。

 名前が出てスッキリした。

 そういやあいつ出目川とか変な苗字だったな。


「なんで自殺なんてしたんだ?今更懺悔でもしたのか?」


「そんなことするやつだと思うか?」


「いや、むしろふざけんな!ここから出せ!とか牢屋で言ってそうだと思ってる」


 あの手のタイプは自分が正義だと思ってるからな。

 それに自分可愛いの典型ちゃんだし。


「まさに不満ばかりを口に漏らしていた。そんな奴が自殺するはずもないだろう。十中八九殺害されたとにらんでる」


「死因は?」


「首吊りで首の骨が折れたことにより、脊椎の損傷で死亡だ。たしかにこいつが自分で首吊ったところを見たものはいた。しかしだ」


 洗脳で自殺に見せかけたとも取れる。

 他人に見られるようなところで自殺をしようとした人間がするはずがない。

 目撃者を作らせたと取れるな。

 この世にスキルという不思議な力がある。

 それに比べれば洗脳による自殺という殺害方法もありえない話ではない。


「予想では先日稚内支部を殲滅した勇者による仕業ではと思っている」


「なるほど。それを伝えに来たということは――」


「さすが我が息子だ!わかってくれるか!」


「あぁ!すぐに千葉に帰還しろってことだろ?もちろんわかっているさ!昨日の嫌がらせの酒も北海道から脱出しろって意味だったんだ!父親らしいとこを見せたなクソ親父!」


「チゲェわ馬鹿!今北海道にはお前ら3人しか実働隊がいない。これは副本部長命令だ。本部の職員を全力で守れ!」


「断ったらどーすんだ?」


「お前たちはAACの法の下罰せられる」

 つまり俺たちに勇者に殺されるかお前らに殺されるか選べって言うことだな。


「お前汚ねぇな。どのみち死ぬならどっちがいいかって話だろ?っざけんな」


「ヘッ!バカ言え!俺は知ってんだぞ。いくらステータスが高かろうと一つのスキルによって形勢なんてすぐ逆転すんだ。他の力を貸してくれ」


 クソ親父らしくもなく真剣に頭を下げてくる日がくるなんてな。


「ここにいる全員を参加させたいなら給料を上げろ!今の倍額なら俺は考えてやる」


「じゃあ俺3倍」


「ワタシは4バイヨ!!」


 ちゃっかり上乗せしやがったこいつら!

 まるで危機感ねえな。


「構いやしねぇ!それで守りに参加してくれるってんならなら!」


 まぁいいか。どのみちこのクソ親父が負けることなんてあり得ないだろうし援護程度やってやるのもやぶさかではない。


「金を出すってんなら交渉成立だ。さっさと情報をよこしな」


「悪いな。勇者が確実に化け物ということ以外わからないんだ」


「は?どういうことだ?」


 勇者とわかったということはステータス隠蔽を打ち破ったか、ステータス隠蔽がなかったんじゃねえのか?


「そのステータスが正しかったなら大敗にならなかっただろう?」


 なんとも説得力のあることを。

 たしかに全滅がわかるようなステータス相手に喧嘩を売らないな。


「その勇者の仲間を捕虜にしていたんだが、先日ついに拷問官が殺してしまってな。それでキレたんだ」

 

 あーなるほど。

 勇者に限らずこの世の主人公という奴らは皆怒りで強くなる。

 これって結構理不尽だよな。

 主人公体質じゃない奴らからしたらキレたところで返り討ちだ。


「まぁ結果的に人質を取ったことが悪手となってこのザマさ」


「ふーん。まぁ死んだ奴らのことはどうでもいいよ。勇者はここに来るのか?」


 そこが重大だ。

 確実に来るのなら警戒しないといけない。

 本部長とクソ親父が負けるイメージは沸かないにしてもだ。


「来る可能性が高い。敵の本陣を潰すのは道理だろ?」


 それもそうだな。

 俺も怒り狂ったらそうした裏にいる人間まで探し出して殺す。


「まぁいいや。ホテルの清掃はどうするんだ?」


「それは勇者を仕留めたら、考えよう。まず明日があるかどうかもわからんしな」


 まぁ結局俺達が勇者に殺されないって保証はどこにもないしな。

 まぁ俺達の任務は職員を守ることであって勝つことじゃ無い。

 俺達は気軽に戦闘が終わるのを待っていれば良いさ。


「とりあえず職員達にお前達を紹介しよう。これから守ってもらう人の顔くらいは見ておきたいだろうからな」


 まぁもっともどこの誰かくらいは把握してるだろうが。

 まぁ挨拶くらいするのは礼儀か。

一読ありがとうございます!

不定期でごめんなさい!

活動報告にも書きましたがGWで話のストックを大量に作るつもりです!

今後ともよろしくお願いします!

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