表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
二章 北海道、異世界侵略対策委員本部騒動
15/290

バカは大体中年腹

 二日酔いにも似た感覚で釧路支部に着いた。

 しかし釧路支部はなんだか慌ただしい状況だった。


「忙しそうね」


「あぁ。迷惑かけないうちにレポート提出しよう」


 地元に居るときは連絡すると伝達係が来てレポートを持っていってもらっていたから、支部にこうして提出しに来るのは、実は初任務以来だ。

 申し訳ないけど近くに居た職員の人に話しかける。


「すみません。任務レポートを提出しに来た明石です。支部長室はどちらにありますか?」


「あー任務報告ねー。支部長室はまっすぐ行ったところの階段を登ってすぐだよ。今支部長いるかわからないけどね」


 それだけ言うと職員の人はそそくさと歩いて行ってしまった。


「支部長が留守かもしれないのか」


「いなかったらどうするの?」


「本部長に連絡する。どのみちあと二つの清掃依頼をこなさないと俺達は戻れないし。あと気持ち悪いから今日はもう帰って寝たい」


 いなかったら休暇が伸びた感覚で良いだろう。

 職員に言われたとおり階段を登ったら支部長室があったのでノックする。


「すいませーん。南関東支部所属、明石光です。昨日の任務の報告書を持ってきたんですけど」


 しかし応答が無い。

 やっぱりさっきの職員の人の言うとおり不在なのだろうか?

 ――――――ガチャ。


「鍵、開いてるわよ」


「マジか。覗いてみよう」


 なんで鍵開いてるんだろうな。

 不在なら普通鍵閉めていくだろうに。

 あ、お手洗いか?

 はたまた自販機に飲み物でも買いに行ったか?

 しかしそのどちらでもないことは、支部長室に入ったことでよくわかった。


「ねぇ・・・これって」


「死んでるな。綺麗に動脈を切られてる」


 壁に大量の血液がべっとりとついていた。

 まさか支部長が殺されてるなんてなー。


「支部長~。コーヒーお入れ・・・キャー!!」


 秘書だろうか?

 しかしこれは面倒なことになったぞ。

 秘書の反応が普通だ。

 俺達は死体に見慣れていた所為で何の反応も示さなかった。

 犯人にされかねん。

 しばらくすると職員達が司令部前に来る。


「おい動くなおま――――」


「動かないのは構いません。投降します。しかし僕達が犯人でないと証明できた場合どうなるか――――覚悟がある人だけが僕達を疑って下さい」


「ソウデス。ワタ-シ達疑う、ヨクナイネ」


「キャリーカタコトで台無しなんだが?」


「しょうがないじゃない!ワタクシ日本語まだ上手く話せないのよ」


「じゃあ明日から教えてやるよ。てっきり最低限は話せると思ってたんだけど」


「最低限しか話せないのよ!よろしくね」


 おっと、つい話に夢中になって周りを見てなかった。

 だがしかしだれも動く様子が無い。

 脅しが利いたか?


「下がりたまえ、諸君」


 なんか偉そうなちょびひげ中年腹親父が来たぞ。

 なんでAAC所属の人間がこんなに肥えた体型になるんだ?


「君たち。自分が犯人じゃないという証明ができるかね?」


「疑わしきは罰するですか?」


「そうだ。第一発見者の君たちが犯行に及んだ可能性が――――」


「全員そこのデブを取り押さえろ。俺は明石影政の息子だ。全責任は明石影政が取る。もしこの場で動かなかった場合、厳罰が下る」


 すると周りに居た職員は全員デブを取り押さえた。

 こいつ偉そうにしてたわりに人望ねぇな。


「くそっ!離さんか!私を誰だと思ってい――――」


「子供だからと侮ったか?考えてもみろ?叫び声を上げたのは女性。なのに何故第一発見者が俺だと思った?」


「それは・・・」


「そんなずさんな考えじゃ。ここでこうなっていなくてもいずれ捕まっていただろうな。支部長殺しの犯人はお前か?」


 俺はこのデブのステータスを確認した。


――――――――――――

名前 出目川 男 57歳


レベル100


ジョブ 中年男性


状態 やや肥満


HP9898/9898

SP1919/1919

筋力113

俊敏51

技量465

スキル

遠隔刃物 鞭術 記憶改変無効 ステータス隠蔽 外回 狙撃術

――――――――――――


 なんだ?出目川 だん?

 思ったよりスキルは悪くない。

 刃物操作で殺害したのか?

 しかしいつまで黙ってるつもりだこいつ?

 俺はちょびひげを引っこ抜く。


「うぐっ!」


「黙ってたらわからんぞ?違うなら違うと言ってみろ。そうだな。これは予想だが、お前は支部長室のどこかに監視カメラを仕掛けていた。そして自らのスキル遠隔刃物を使い、支部長を殺害したってところか?」


 俺を睨み付けるも未だ沈黙を貫いている。

 まぁその沈黙は今は肯定を意味していると理解した方がいい。

 こいつ、この支部では一体どういった地位(ポジション)なんだ?


「失礼します(アダム)様」


「な、貴様!何故ここに晴臣が!やめろ!離せ!」


 晴臣?この青年は一体何者だ?

 青年はあのデブに頭に手を乗せる。

 てかデブの名前はアダムってことか・・・

 男と書いてアダムと読むキラキラネーム。

 うんダッセェー。


――――――――――

名前 秋 晴臣 25歳


レベル 38


状態 健康


HP4978/5000

SP654/4800

筋力124

俊敏147

技量846

スキル

記憶読取 高速演算 記憶改変無効 筋肉増加

――――――――――――


 これは記憶を読み取っている行動でいいのか?

 あ、手を離した。


「貴方が支部長を・・・それに・・・どうして!」


「くぅぅ!」


 唸り声を上げるデブだったが、10分もするとべらべらと喋り始めた。



「あいつが死ねば次は私が支部長の地位になれる」


「本気で思っていたんですか?なんで現在逃走中の勇者に手を貸すような真似を?」


 勇者に手を貸した?

 支部長殺しがなんで勇者に手を貸すことになるんだ?

 そりゃAACの重臣が死んで、代わりが傀儡になるのなら逃走はしやすくなるだろうが。


「あのー晴臣さんでしたか?僕たちにも詳しく情報を教えてもらえませんか?」


「これはご丁寧に、影政様の御子息の光様。申し遅れました!私は異世界侵略対策委員本部長秘書の秋晴臣です!」


 驚いた。

 あの人にも秘書がいたんだな。

 しかも男の!


「新ためまして、明石光です。こちらはキャロライン・スカイ」


「元イギリス支部所属のキャロラインデース。よろしくお願いシマァス!」


 ぎこちないなぁ。

 まぁイギリス人だし仕方ないんだろうけど。


「それで、彼が勇者に手を貸したとは一体どういうことでしょうか?」


「はい。まぁご覧の通り私は触れた相手の記憶を見るスキルを所持しています。手短に話しますと、彼は現在逃走中の勇者に支部長を殺せば支部長にしてやると唆されて、実行に移したようです」


 んーっと、バカか?

 おつむが足りないあの似非シスターでもそんなバカなことしないぞ?

 まぁあれは神が許しませんとか言って地位に無頓着だからだろうが。


「ちなみにその勇者というのが、昨日追い詰めた勇者なのですが――――」


「なるほど。じゃあ今日の夜には真意がわからそうですね」


 流石に2年は頑張った方だろうが、夜にはあのクソ親父も出張るし、さしもの勇者も逃走は無理だろうな。


「聞いてないんですか?取り囲んでいたAAC職員は全滅。全員死亡で、勇者は現在行方不明です」


「な!?」


 うっ、驚いてせっかく治ってた吐き気が再発した。

 気持ち悪い。

 あ、これは吐く。

 思わずデブにリバースする。

 デブは嫌そうな顔で睨みつけてきた。

 床かお前かどっちを汚すと言われたら、お前を汚すに決まってるだろうに。


「あのー大丈夫ですか?」


「問題ないです。お恥ずかしいところをお見せしました。詳しくその話聞きたいですけど、僕らは報告書を渡しにきたので、誰か責任者いませんか?」


「あぁ、そういうことなら臨時で私が受け取っておきますよ。支部長も亡くなってしまいましたし」


「助かります。じゃあ僕らは本部に戻ります。そちらも勇者の件がんばっ――――」


 服を引っ張られて言葉を止められた。


「緊急事態なんです!もしよければ話だけでも聞いてもらえませんか?」


 話を聞くのはいいけど、俺は闘える状況じゃないんだが。

 憂鬱になりながらも俺は晴臣さんに促され、釧路支部の休憩ラウンジまで案内された

一読ありがとうございます!

ネーミングセンスほんと皆無!つらい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ