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異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
二章 北海道、異世界侵略対策委員本部騒動
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二浪学生田中太郎!!

黒バンに近づいていったところで青谷が口を開く。


「なぁ?亀戸さんも言ってたけどなんでこんな近くで殺しを行ったんだ?彼女達は一般人だろ?」


 青谷の言うとおりだ。

 俺がこのホテルに来ていることは本部長は知らなかった。

 つまり処理は自分たちでする予定な筈なのに何故に山中では無くここに?


「まぁとりあえず運転手に事情は聞こう。いくらなんでもなにか知っているだろう」


 しかし運転席をみると運転手の姿が無かった?


「あれ?運転手がいないぞ?」


「さすがに不用心が過ぎるわね」


「とりあえず中の様子をみてみたらどうだ?」


 鍵が開いてたら問題だろう?と思ったけど、試しにバンのバックドアを開けてみた。

 すると驚く光景を見る。

 男性が紐で両手足を縛られており、口をガムテープで付けられていた。


「これは・・・いったい?」

 

「とりあえずこの男から事情を聞きましょ」


 キャリーはこの状況でも冷静な判断を下してくれる。

 そうだな。ここは落ち着いてこいつから状況を聞かないとな。

 俺は男の口元からガムテープを剥がす。


「お前達はAACの実働隊(エージェント)か?」


 なんでこんな偉そうなんだ?

 何かイラッときたからとりあえず金的を喰らわす。


「あぅ!」


 変な声出すなよ。

 どうやら二人もこの態度にはむかついたらしく二人とも金的を行った。


「それで?AACですけど、何があったか教えて下さいますか?」


「くっ!てめぇらガキの癖に・・・ひゃう」


 何故こんな奴にガキ呼ばわりされなきゃならない。

 大方何者かの介入によって任務失敗して閉じ込められたとかそんなところだろ?


「要件だけ手短にお願いします」


「任務で女共を始末しようとバンに連れ込んだら、すげぇ強いガキが俺に襲いかかってきて・・・」


 途中で男が黙る。

 黙ってては埒が明かないので再度金的を喰らわせた。


「それで?」


「いってぇな!」


 もう一度踏みつけようと足を上げる。


「そ・れ・で?」


「ひぃっ!それで女二人を連れて逃げられちまった」


「はぁ。貴方。クビになっても知りませんよ?」


 下手したらAACの情報が外部に漏れるかもしれない。

 任務失敗とはそういうことに繋がる。

 俺は普段の行いと、恩を売っていたからこの程度の謹慎処分で済んだ。

 しかしこの男を見た感じそういうことをしてなさそうだ。

 まぁ先入観はよくないが。


「クビ!?バカか?これだから社会にでてない子供は。最近はそう言ったことが問題になるんだ。だから滅多なことでクビになったりしねぇよ!」


 うわぁ・・・


「うわぁ」


 キャリーが日本語でうわぁって口にしちゃったよ。

 青谷も呆れたような目でみてる。

 バカはこいつだしな。


「バカは貴方です。この仕事は世間的に知られている仕事ですか?」


「・・・」


「沈黙は是なりですね。違いますよね?つまりクビをするときに世間体を気にしません。そしてAACを知る人物が退職する場合は、彼女らのように処分です。つまり貴方がクビの場合、貴方は死にます。それだけの覚悟を持って任務を行っていたんですよね?」


 運転手の男は黙ったままだ。

 はぁ。子供かよ。

 これは本部長に相談だな。

 俺は携帯を取り出して再び本部に連絡を入れる。


「こちら明石光。応答願います」


『明石光か?先ほどの連絡から早いな。どうかしたのか?』


「あぁ本部長でしたか。実は――――」


 俺はコトの顛末を本部長に話した。

 本部長は唸り声をあげる。

 そして何分か考えたあと口を開いた。


『その運転手の名前わかるか?』


「いいえ。任務を受注したのなら名前が載っていませんか?」


『この処分は一般人相手だったから誰でも受けれるようにしておいたんだ。確認はできるだろうが時間がかかる。今、聞き出してくれ』


「わかりました。聞いてみますね。貴方のお名前は?」


「・・・」


 黙っているので股間部分を思い切り踏み潰した。


「ギャァァァァ」


「早く答えなさい。これは本部長からの命令ですよ」


「い、いやだ!」


 名前を言えない理由があるのか。

 あれか。

 さっきの脅しの所為だな。

 問題ばかり起こしているから名前を言えばクビになると思っているんだな。


「すいません本部長。どうやら当の本人は名前を言いたくないようです」


『はぁ。多分そいつの名前は田中太郎だろうな。そいつ前回の任務も敵を逃がしている。前々回は任務を無断放棄だ。今回もミスをしたらこちらも考えると伝えておいたのだがな』


 俺もため息がつきたい。

 そんなミスをしていたのにこいつ、生き残れると思ってたのか?

 呆れて物も言えない。


「貴方の名前は田中太郎ですか?」


 ビクッと背筋をピンとさせるが黙ったまんまだ。

 口は堅くても、行動がそれに合わさってないな。


「本部長。どうやら彼は田中太郎で間違いないようです」


「おいコラ!俺は何も言ってねぇだろうが!」


 いや、そこで慌てる辺り、もう自分が田中太郎って肯定してるからな。


『やはりか。彼に二つ選択肢を与えてくれ。ここで始末されるか、一生独房暮らしか』


 この場合一生独房暮らしのが楽だろうな。


「田中太郎さん。貴方には二つ選択肢があるそうです。一つはここで始末されること。二つ目は一生独房暮らしです」


 田中太郎の顔がどんどん青くなっている。


「まず俺は田中太郎じゃないんだが!?」


「どうせ任務の受注履歴をみればわかることですよ?」


 どんどん顔を青くしている。

 ていうかどうでもいいけどこの人、何歳だろ?


「てめぇらを・・・」


「ん?」


 小声だったので聞き取れなかった。


「てめぇらを殺してここからとんずらさせてもらうぜ」


 そして彼はサバイバルナイフを取り出して走ってくる。


「だそうですけど、どうします?」


『始末しろ。奴の行動は目に余る。ここで逃走されても面倒だ』


「了解です」


 俺は電話を切ってはいないが一度ポケットにしまった。

 そして突進してくる田中太郎の腕を切り落とした。


「い゛、い゛でぇ!」


 俺は彼のステータスを確認した。


――――――――――――

名前 田中太郎 24歳


レベル 99


ジョブ 二浪大学生


状態 出血


HP1546/2135

SP486/486

筋力54

俊敏72

技量89


スキル

暗殺術 液体操作 記憶改変無効

――――――――――――


 なんでこんなやつが記憶改変無効なんか持ってるんだ?

 しかもジョブ二浪学生って・・・。

 まぁいいや。

 問題は液体操作だ。

 腕を切断したのは早計だったか。

 血液を操って攻撃されかねない。


「悪いキャリー。あいつを即座に上空に限界まで瞬間移動できるか?」


「いいけど、どうやら始末の方向でいいみたいね」


 俺は頷いた。

 そして痛みで叫んでる田中太郎を上空へと転移させたキャリー。

 おーあれは100mはあるか?


「高いなー。ところでなんであんな上空に?」


「液体操作ってスキルがあったみたいだからな。操ってもどうしよもない落下死にしただけだ。まぁ血液を操ってないあたり、痛みでそれどころじゃないんだろうな」


「多分血液を操れるとか知らないんじゃないかしら?」


 どのみち血液を操れる状況ならなんとか逃げ出せただろうな。

 ――――グチャリ。

 田中太郎は首から地面に激突し落下死した。

 最も頭全部トマトみたいに潰れたが。


「汚ぇな。てかこれお前のスキル清掃には適用されるのか?」


「されない。何か箱ないか?板でもいいな。俺が部屋と認識すればいいから囲えばスキルが発動するからな」


 しかし結構広範囲に血が広がってしまった。


「なぁ?駐車場を部屋と認識はできないのか」


「駐車場は部屋じゃないって常識が邪魔をするから無理だ」


 逆に俺が部屋と認識させすればどこに居ようと清掃は発動する。


「光~。これなんてどうかしら?」


 キャリーが段ボールを四枚持ってきた。

 それなら囲えそうだな。


「それで大丈夫だキャリー。ありがとな」


「使えない青谷さんに代わり持ってきましたのよ」


「なんでわざわざ言った!?」


「いいから青谷囲え」


「人使い荒いなおい!」


 そして青谷は田中太郎だったものを中心に段ボールを四方に並べた。

 俺はスキルを発動し、死体と血液すべてが消失した。


「あーもしもし。まだ繋がってますか?」


『あぁ。声は聞こえたよ。終了か。悪いが本部に戻ったらレポートを書いてくれるか?』


「わかりました。レポートは提出は本部長にでよろしいでしょうか?」


『今回のレポートは北海道釧路支部の支部長に送ってくれ。いくら本部に近いとはいえ、管轄は釧路支部だからなそいつは』


「わかりました。それで、女性二人を追跡はしますか?」


『いや、しなくていい。君たちに依頼したのは、あくまで死体処理の任だけだからな』


「そうですか。では本部に帰還致します」


『うむ。任務ご苦労』


 ――――ピッ。

 俺は携帯を切り仕舞う。


「あの女性二人を追いかけるの?」


「いや、それはしなくていいとさ。レポートを書いたら一緒に風呂に入るか?たしか本部近くに混浴温泉があったはずだ」


「あら?いいわね。行きましょう」


「おいおい。俺だけ置いてきぼりか」


「「青谷 (さん)は留守番」」


「知ってたよ」


 しくしくと泣き始めているが仕方あるまい。

 混浴温泉って言うのは恋人や夫婦で行くものだ。

 こいつにはそんな奴はいない。

 鏡を見てから物は――――こいつナルシストだったな。

 さて、本部に戻ったらレポートを書くか。

一読ありがとうございます。

久々の更新です。

田中太郎とか適当な名前じゃ無いだろうな?

いえいえ。決して適当じゃありませんよ?適当じゃ!

今日もしかしたらもう一話更新するかも知れません


*最後の青谷さんのさんがルビになってたので修正しました

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