表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰りの勇者達の現代でのお話  作者: 茶坊ピエロ
四章 区立千葉高等学校 文化祭編
100/290

男が最も輝く場所が、愛する人を守るとき

「簡単だ。名前がないなら作れば良い。幸い俺はナインのことを何も知らない。ナミエルという存在を知っていたらどうしてもそちらの名前が頭をよぎって名付けは行えなかったかもしれない」


 言ってることがわからない。

 名が消えたから新しい名前を付ければ解決!? 

 そんなことを簡単にできるなら、天使を消滅させること何てできない!


「馬鹿げてる!そんなことで天使の消滅を回避するなんて!」


「知ってるか?人間だって神殺しが可能なんだ。俺達みたいに」


「・・・!?」


 そうだ。

 佐川隆二は邪神を殺してる。

 このくらいのことは至極当然のことなのでしょう。

 わたしは何を勘違いしていたのでしょうか。

 大したことないはずがないです。

 なにせ邪神とはいえ、古参の神ヴィーナスを倒したのですから。

 セガエルでは勝てないはずです。


「さすがは神殺し。言うことが違いますね」


「先に言っておくぞ?俺は一人ではあの邪神に勝てなかった。妻達のおかげで勝てたんだ」


「そうでしょうね。人間が神にたった一人で勝てるなら、それはもう神と同等です」


「どうかな?てめぇ程度だったら俺は一人でも勝てるぞ」


「なんですって・・・?」


 それは明らかに舐めすぎです。

 不意打ちで一回殺せた程度で思い上がりも甚だしい。


「だってお前、セガエルより弱ぇじゃん」


 わたしが、自分の使徒より弱い?

 聞き捨てなりません。

 そんなことはありえない!


「わたしは――――――!」


 ――――――ザヴァァァン!


 なんですかこれ?

 水?


「あー!どうして水が消えないのよ!」


「キャロラインさん落ち着いて。どうやら地上みたいだよ」


「わかってるわミホ。はぁー、息止めるの辛かったわ」


 金髪少女と梅田美帆!

 なんで梅田美帆が生きているのですか!?

 尽く、思惑が失敗しています。


「よぉ、おかえりスカイ」


「あ、佐川。貴方天使に殺されなかったのね」


「当たり前だろ。お前も勝ったんだな」


「えぇ。貴方のおかげでね。ポーションありがと」


「おう!」


 何故顔を紅くしている。

 一体何をした!

 わたしの洗脳は完璧だったはずです。

 状況が知りたいのに、洗脳するために入れておいた分身が戻って来ません。

 どうなっているのですか!


「ねぇ、どうかしら神バース?」


「どうとは?」


「人間に煮え湯を飲まされる様な気分を味わうのはどうかって聞いたのよ?」


 明らかに煽ってきている言動に腹が立ちますね。

 しかしここまで使徒を倒されているのも事実。

 しかしナムエルが入れば、この場をすべて一蹴し無事に帰還することができますね。


「うぃぃぃぃ!みんなはもう集まってるようだネェ!コングラチュレーション!」


「うるせぇ!」


 ――――――バンッ!


 仲間に向かって発砲した!?

 しかもそれを軽く避けた!?


「絶倫は死ねば良かったのに」


「キャロラインさん、そんなこと言っちゃダメだよ。あの人って誰?」


「そうね。こいつが死ぬのは世の中のためだものね」


「王子の存在をすっかり忘れてたにゃー」


「酷い言われようじゃのぉ」


 それにあいつが戻ってきたと言うことは、ナムエルも負けたというの・・・


「おー神様!これは僕からのプレゼントだよ!」

 

 ――――――ドサッ


 ナムエルの死体。

 すごい笑顔なのが気になりますけれど、首を絞めた状態で殺したの?

 生身の人間が彼に勝ったの!?

 いったい――――――


「一体どういった手品を使ったぁぁぁ!」


「等々素が出たわね」


「壊れたの間違いだろ?」


「それはもう彼女の使徒は全員負けが確定しまいましたからね。焦ってるのでしょう。次はどう許しを乞うか、ですよね。だってわたし一人にすら勝てないから天使の帰還を待っていたのに、ここに居る全員を相手して勝てるはずがないのですから」


「ナインを殺そうとしたのだから、わたしは許さないわ」


「同感だ。俺の娘を殺そうとした罪はムシより重い」


「メーテルの娘と言うことはわたし達の娘でもあるにゃ」


「そうじゃのぉ。許す道理もないのぉ」


 くっ!

 まずいまずい。

 何がまずいって、勝利できる要素が何一つないことがまずい。

 人間相手に屈辱です。

 いいえ、彼女が神の力を手に入れたからの敗北です。

 わたしは人間に負けたわけじゃない。

 スサノオノミコトの力に敗北してしまったのです。


「許す必要はありません。ですが正直、貴方達は優秀でした。認めましょう」

 

 希望は薄いですが、薫さんが戻ってきたときに、彼を明け渡して手打ちとしてもらいましょう。


「そいつの考えはわかんぞ。こいつを囮にして逃げようって魂胆だろ」


 この声は――――――


「光、おかえり」


「へぇ。そのデブ満身創痍じゃねぇか」


「佐川のポーションをこいつに使ったからな」


「ケケケッ!お前も性格が悪いなぁ」


「だろ?俺は育ちが悪いからな」


 そしてわたしの横まで迫り肩を叩いて、次にはシスターの横へと移動している。

 何かを無造作に投げた気がしましたけど、。


「薫さん・・・」


「その声は、ば、バーちん。た、た、た、助けてくれぇ」


 四肢を切り離されて、眼球をえぐり取られている。

 ここまで非道なことができるのか!


「さすが人間です!ここまで非道なことをできるなんて――――――」


「非道?それを言うならこいつだって赤ん坊を握りつぶした非道な野郎だ。それを野放しにしたあんたも非道じゃないか?」


「貴様ら人間も人のことを言えたことではないだろう!」


「間違いないな。まぁ俺はできる限り赤ん坊は殺したくない」


「心が痛まな」


「そいつは俺たちの恋人、キャリーや佐川嫁をいやらしい目で見た。万死に値する。生があるだけ感謝しろ」


「たったそれだけの理由で・・・?」


 愛する人間にいやらしい目を向けただけで万死って、世の中歩けないですよね。

 常識が通じない。


「たったそれだけだ?十分すぎるだろ!俺は嫁を愛してる。そして愛する人間を守れない男なんて男じゃねぇからな」


「まぁ少々愛する人が強いから、俺達も普段はそこまで怒らないよ?あんたらが調子に乗りすぎたんだ」


 理由はどうあれ、調子に乗りすぎた。

 その事実は間違いありません。

 さて、どうやってここを切り抜けましょうか。

 例え本田道明が無事に帰還することができたとしても、勝つことは難しいです。


「ば、バーチ――――――」


「黙りなさい!元はと言えば、貴方が彼が起動した時点で行動に移していればこんなことにはならなかったのです!」


「あららー?いいのかー?神様がそんなこと言っちゃって~」


「佐川、いじめてやるなよ。石川、もう良いだろう。さっさと殺してしまえよ」


「明石さん。彼女はまだ、勝ち筋を探しています。絶望まではしていないんですよ」


 たしかに絶望はしていない。

 この人間達が強いことはわかったが、逃げに全力で徹すればなんとかなると思うんですよ。


 ――――――ブォォン


「お、オーク野郎の帰還だ」


「豚、本田道明はどこだ?」


「豚、おかえりー」


「オークおかえりにゃー」


「これで全員帰還じゃの」


「えぇそうね」


 くっ!

 これで全滅ですか。

 これはもう全力で逃げに徹するしかありません。

 この屈辱は、戦力を増強させてからにしましょう。

 ん?

 あの帰還した人間の様子が――――――


「おい何すんだ青谷!俺が豚って言ったのがそんなに気にくわなかったのか!?」


「光!?」


「・・・」


 これは、本田道明が勝ちましたか。

 ふふふ。

 やはりこう出ないとね。

 神の力は人間に勝てるはずがないのです。

 わたしの目の前でひざまずく本田道明。

 彼には見所があります。

 天使に昇進させるのもやぶさかではありませんね。


「大義であった、本田道明」


「はい。バース様」


「ふふふっ。さて、どのみち劣勢です。ここは一旦転進です。戦力を整え、本当の地獄を味合わせて差し上げましょう」


 笑いがこみ上げてくる。

 一人でも居れば追跡も分散しますし、彼が倒したオークだって洗脳を解こうとしようとするでしょうからね。

 首の皮が一枚繋が――――――


「がはっ!」


「ふははは。ホントにお前は神かぁ?一瞬で油断してくれるとは思ってなかったぜ」


「お、お前は・・・」


「どぉもー。貴方に洗脳された本田道明でぇす」


「ほんだぁぁぁぁみちあきぃぃぃぃ!」


 わたしの胸から手が出ています。

 そして手には何かが握られている。

 まさか。

 まさかゲーム機!?


「それをどうする気ですか!?」


「奪うに決まってんだろ?俺は間違ってた。俺は神に選ばれたんじゃない!神になるべくして生まれたんだ!」


 何を言っているのか理解ができません。

 本当に訳のわからない人間と出会うと、こういう状況に陥るんですね。

 意識が朦朧としてきました・・・。

 このまま死ぬわけには行きません。

一読ありがとうございます!

祝100話!

やったゼェェェ!

100話でこの章ぴったり終わらせたかったです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ