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詩、あるいは詞

朝色

作者: 志賀飛介

黄金色の太陽が

顔を出した午前5時

駅のホームで少女が

一人たたずむ


始発電車がホームに

滑り込んだ午前5時

いつも通りの一歩を

少女は踏み出す


慣性の法則に則って揺れる体を細い手が支える


右も左も俯く世界を

変えることは出来ないだろうけど

せめて太陽の昇る場所ぐらいは

分かるように

顔を上げた


乳白色の車体は

街へと向かう一両編成

駅のホームからホームを

繋いでいる


濃紺色のラインが

地方都市を切り裂いてゆく


運命の法則に則って流れる時間を確かに踏みしめる


誰も彼もが疑う未来を

信じることなど出来ないだろうけど

せめてこの身の行く先ぐらいは

見えるように

前を向いて歩いた


誰も彼もが俯く世界を

変えることなど出来やしないんだけど

せめて快晴の空が何色か

分かるように

顔を上げた


顔を上げて歩いた


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