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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
442/442

442.閑話~勇者役への接待+新しい地下の酒場:面鬼印:ネレイヴ

 古代世界において、『毒矢』は狩りの成功率を上げ。人間の行動を理解し、人々を脅かす『獣』に対抗するため、必要な『武具』だった。

 『鉄器』がなく、『戦術』も未熟な古代において。集団における弱い立場の者にも、『獲物の肉』を行き渡らせるために、『毒矢』は有用だったと愚考します。


 しかし‼

 だからと言って、”毒矢は尊い。毒矢の文化を復活させよう”などと、言う気は全くありません。


 そんな事をすれば”残酷劇場”になってしまう・・・以前に惨事が起きてしまう。ロクでもない歴史の暗部が、白日の下にさらされかねない。

 そのため『毒矢を使っていた大英雄ヘラクレスは、ケイローンを誤って殺したり、因果がめぐって破滅した』と、いう教訓から学ぶべきであり。


 『毒矢』を放つ者は、誤射をしたり、『毒矢』を射かけられる。

 もしくはミス・誤用によって、破滅すると考えます。

 混成都市において、もっとも賑わい退廃的である歓楽の街。

 そこでは一人の女性が美男美女を侍らせ、享楽におぼれていた。


 「さあ飲んでっ!お代は元締め(サヘル)が持つ。


  高い酒でも、楽しいサービスでも、どんどんヤッて!!」


 「「「はいっ!」」」「「「「は~い♡♥♡」」」」


 

 混成都市において、C.V.という女系種族が権力を握っており。彼女たちに仕えるシャドウ一族も、本当の上位陣は女たちだ。

 そのため彼女たちを篭絡して〔いい目を見よう〕と、いう男娼は少なくないが。彼女たちの誰一人として、遊びで歓楽街に来る者はおらず。


 まるで、そのうっ憤をはらすかのように、歓楽街の住人たちは騒ぎまくり。美酒を飲み続け、稀少な魔物肉を貪る。



 「私たちだけで騒いでもつまらない…音楽を奏でなさい。

  吟遊詩人なんかじゃない、色街のがくを一斉に唄うのよ!!」


 「はい、只今っ」「喜んで!」「楽器を、もっと持ってこい‥」


 「なにが『身体強化』よっ‥要は『魔力』で若作りしているだけじゃない‥

  それなのにお肌は白くて、関節はやわらかい・・・女戦士ならもっと傷だらけになってなさいよ!」



 「「「‥・⁺・さあ、夜の夢を奏でよう」」」

 「「「日頃を忘れて、おぼれよう…」」」


 心からの『叫び』が響くが、接客のプロたちは聞かなかったフリを全力で行い。そうして女主人がもっと楽しんで、夢心地になるよう働き続け。


 色街の住人達も、狂宴の中で酔っていった。






 「へー‥サヘルさんは、お金持ちなんだね。

  それに『術式』も面白い。側室マリーデさんと、同じ顔になっている」


 「恐れ入ります」


 「・・・-・」


 そんな乱痴気騒ぎを、隠れ部屋にいる3人が見つめていた。


 1人は歓楽街を担当するシャドウのサヘル様。

 そして勇者役を自称するC.V.のウィルニス様。


 一応、高級娼館の経営者であり、サヘル様の愛妾でもある。この場で一番、身分の低い眷属C.V.のマリーデ。



 苦労した衛兵たちと周囲の人々を、まとめて景気よく『宴』に招いた戦姫様を、歓楽街のトップ2人がもてなしている。

 格上のウィルニス様に財力で劣らず、望むものを察して、提供できる。同格の外交を行う『力』があることを認めさせようと、サヘル様は奮闘しており。


 その3人が見つめる先には、マリーデと同じ顔に変えられた娼婦が、美男と美女までも侍らせ。うっ憤を吐き出したり、目の保養をしたり、女主人の気分を味わっている。


 大いに宴を楽しんでいるマリーデらしき姿が、壁一面に広がる『水晶魔鏡マジックミラー』に、映し出されていた。

 その嬌態を見ながら、ウィルニス様が問いかける。



 「私たち魔王軍には『変身・変装』ができる、術式の使い手が少ない。

  サヘルさん、もしくはシャドウ一族と『契約』をしたら、この『術式』を教えてくれるのかな?」 


 「『契約』を行うのはシャドウ一族であり。対価として、この『術式』を手付にします。

  ただし『面鬼印めんきいん』は『変装』の術式では、ございません」


 「ふうん?」


 現在進行でマリーデの顔を持つ者が宴を楽しみ、それをマリーデ本人が、隣りで見ている。

 彼女の顔を持つ者が二人いるのに〔変装ではない〕と、告げるサヘル様に対し、勇者役のC.V.様は笑みを浮かべ。


 「この術式(面鬼印)は変装を禁じることを条件に、『(人相)の情報』を得る。もし変装まがいのことをするなら、『顔を借りる者』と契約を結ぶ。


  それが『面鬼印』という術式です」


 「・・・-・ふんふん、なるほどね~


  つまり”不届き者”の人相書きを作る・・いえ、検問・警備などで『変装』している者を見破る?潜入工作をしない代わりに、『顔を借りた者(被術者・契約者)』に利益をもたらす代役(影武者)を立てる・・・という感じかな」


 〔…この女っ⁉〕



 サヘル様から『面鬼印』の話を聞いただけで、その使用方法を瞬時に思い浮かべる。そんなウィルニスに対して、マリーデは警戒のレベルを引き上げた。

 単独で敵地を巡れる、高い戦闘力があるのは予想できていたが。未知の、適性がないはずの『術式』を、造作もなく分析してしまう。


 マリーデが『面鬼印』を初めて見たときは、『分身の術』か『潜入工作』に使えないか、考えたものだが。

 

 『感知能力』に秀でた本職の術者に、通用する『変装術(術式)』ではないとのこと。

 そしてシャドウ様たちは、捨て駒を『変装』させて使い潰す気はなく。


 マリーデとしては、おのれの不明を恥じたものだが。



 「そんなにびっくりしないでよ。

  面白い・・・ううん、十分に有用な『術式』だから、『外交ネタ』には使える・・・とはいえ私みたいな身体能力を重視したC.V.でも、顔の『汗腺かんせん』ぐらいは感知できるから。


  まったく使えない『変装術』を活用するとしたら・・・と、考えればおのずと答えは出てくるよ」


 「なるほど、勉強になります」


 「・・~ー・・・」



 急造・にわか術者にすぎない、眷属C.V.のマリーデはともかく。

 シャドウ様の『魔術』に関する知識は、いまだC.V.様や魔王軍に遠く及ばない。


 〔まったく使えない『変装術』〕と、悪意なく告げるウィルニス様のセリフは、如実にそれを示していた。


 それに対し欠片の動揺も見せない、サヘル様は話を続け。



 「あまり込み入った『お話(外交)』は、お好きではない様子。

  それでしたら、単刀直入に申し上げましょう」


 「理解が早くて助かるよ。それで、どんな『契約』を結びたいのかな?」


 「この混成都市を脅かす、新たな都市を建造していただきたい」


 「んー?人間ってボス猿みたいに、ナンバー1が好きだと思ってたけど。

  混成都市のライバルを作って、どうする気?」


 失礼なことを言うウィルニスに対し、マリーデは〔盗賊どもと一緒にするな!〕と、怒鳴りたくなる。

 

 もっともウィルニスからすれば、都市建設などという面倒ごとを頼まれ。

 〔ふざけているの?〕と、いう心情なのでしょうけど。

 

 そんな応酬を、サヘル様は速やかに断ち切り。


 「まず、この混成都市は聖賢の御方様の領地であり、我々シャドウ一族はお仕えしている身分です。


  新たな都市を建設する理由ですが、移民・スラムの対策をすること。

  現状、周辺都市を利用して、ウァーテルに人が流入するのを妨害しています。ですがウァーテルの発展を考えると、この体制は破綻しかねない。


  ”盗賊ギルド”を壊滅させて、健常な経営ができるはずなのに、各国の経済状勢が予想より発展してない。このままでは富を求めた人々が押し寄せて、スラムを作りかねないのです」


 「・・・ー・~・(ままならないですわね)



 残念ながら『善政』をしいていれば、誰もが幸福になるほど、世の中は優しくない(・・)。豊かになれば”蟲”がたかり、弱ければ”餓狼”が襲い掛かる。


 そして周辺国家よりも、圧倒的に発展しており。”愚かな貴族”の治める領地ではありえない、『公正な裁き』はおもいっきり人々を惹きつける。

 はっきり言って〔おとぎ話でもありえない〕と、言っていいレベルであり。

 ”クズ貴族ども”からすれば、シャドウ様・重騎士様たちは”気が狂っている”と、いう極めて失礼な認識だ。


 それに関しては、速やかに『しぼり取って』黙らせたが。

 ”暗君”・歴史の失敗を、嘲笑している場合ではなく。ウァーテルが発展すれば、するほど人口流入の危機が増大してしまい。



 「それでウァーテルのライバルとなる都市を建設する・・・というわけか」


 「将来的には『富』を還流させる、複数・・の都市を建設する予定ですが。

  ひとまずはウァーテルへの不満をそらし。混成都市だけに富が集中しないようにする、『受け皿』が必要です」


 〔それも早急に〕


 サヘル様の言葉に対し、ウィルニス様は顔をしかめる。『魔王様を暗殺する者(伝承をねつ造する勇者)』として、綺麗事ではないことにも関わってきたはずですが。

 荒事専門(勇者役)としては、〔畑違い〕もいいところでしょう。


 「とりあえず〔話を持ち帰って検討します〕と、しか私では言えないよ」


 「突然の話で、申し訳ございません」


 「いいよ、いいよ。

  言いたくないけど〔スラムでパイ(食糧)を取り合いする〕と、いうのを放置するのは、100%間違いなく(老若男女が)人死にするのを放置(嘲笑)しているに等しい。


  情報を集めて、歴史に学んで、大量死を全力で避けようとする。【成功】すれば、真の賢者と称えたいくらいかな」


 〔しくじれば、もっと犠牲がでるわね〕と、暗に告げるウィルニス様は、”正義のミカタ”ではないでしょう。そもそも、こんな手が簡単に通用するなら、少しマシな王が実行している・・・はず。


 それでも賛同する意思を示されたのは、計画にとって大きな一歩であり。


 「魔王ハーミュルズ様の側室で、5級水属性のC.V.ウィルニス・スィーアルンの名において、確かに『計画』を聞いたから。


  手付の『面鬼印(術式)』は確かに受け取ったし・・こういう『外交』の貸し借りって面倒くさいね…」


 「「-・・・-~・」」


 正式な名乗りにオチがついて、珍しくサヘル様も脱力しそうになる。


 しかしウィルニス様は間違いなく、魔王軍の一員であり。


 「もらいすぎたから、川で”悪さ”をしている連中は、私のパーティーに殲滅させるよ。それで『術式』の借りはチャラということでお願い」


 「かしこまりました」


 わりと強攻策をとる魔王軍らしいセリフを告げて、ウィルニス様は席から立ちあがり。

 そうしてマリーデは宿をどこにするか、確認すべく後を追いかけた。











 人間にとって『海』は異界であり、船はその異界を渡り征く『城砦・結界』と言える。

 『川』も似たようなものであり。泳げない者にとって『安全に見える(危険を秘めている)海』であり、異郷との『境界線』を兼ねる。


 加えて人間にとって〔『C.V.』は格上のマジックユーザー〕と、言ってよく。

 未知の武器・見えない飛び道具を操り、理解不能の『技術』を使ってきて、対人の(人間の)『対抗策』を(優れた文化を)編み出してくる(、容赦なく盗む)



 それらに対して、様々な意見があるのでしょうけど。

 確実なことが一つ。騎士級C.V.(ナイトクラス)が『水辺』で人間に襲撃を仕掛けたら、無双にはなりません(・・)


 


 「面舵一杯!

  作戦通りに”魔女”を仕留めるぞっ‥」


 「「「「「承知っ」」」」」


 川面を下る戦船から、指揮官が指示を出す。その命令に水兵たちは迅速に従い、揺れる船の上でよどみなく動く。

 人間の兵としては、精鋭の部類に入るのかもしれない。


 「弓をかまえっ、てぇーーー!!」


 「それのどこが弓矢なのっ?」


 矢の代わりに『鋼鉄のあみ』が次々と投じられる。

 声に出しての命令とは異なる、動きを水兵たちは行い。水面・水中からは見えないよう、巨大な筒(大きながん灯)で手旗信号を隠しているのでしょう。


 高価で丸聞こえ(・・・・)な『魔術通信』を使う、海賊集団よりもはるかにマシと言える。間違いなく水属性C.V.に対抗するための『訓練』を行っており。


 丸腰のマーマン・小舟ボートを襲うギルマンあたりなら通用する。その練度には敬意ぐらい払うべきかもしれない。


 そんなことを考えつつ、8級C.V.のトアミルは『魔術能力』の詠唱を始める。

 水上を走り、戦船からの攻撃を回避しつつ、陣容を観察しながら。


 〔魔王城の知識層に伝えたら、何かを作る『刺激ネタ』になるかもしれない。だけど仲間のC.V.で、コレ(武装船)を造りたいと、思う者はいないでしょうね〕


 素で水兵たちを見下している、自覚がないままトアミルは『詠唱』を開始した。


 『扇のごとく広がり、あおぎ   翼のように覆い、羽ばたく海竜のひれ


  矢玉を泡に、槍を波間に沈め  侵略の刃を水面みなもに薙ぎ払え  


  爪痕を刻む者たちを、無力の渦に等しく誘う…  ネレイヴ!!!』


 トアミルの詠唱によって、機能性を優先した『魔術の宝物』が具現化する。

 『魔宝マギエル』と呼ばれる、『魔竜鬼ドゥーガ』の道具版は成長性に欠けており。


 それを代償にして、術者C.V.(トアミル)の求める『効果』をひたすら発動させる。


 「盾兵!左舷に/-/∼/・/‐—ー 


 先端が鋭利な『ひれ』をかたどっている、長刀を一閃する。それだけで船の装甲が半壊し、武装船の機能を完全に停止させた。

 水面に投げ出された兵たちが、悲鳴をあげる間もなく、一瞬の水音を鳴らし。


 『ウォオオオーーーー(リバイアサンタスク)!!』


 指揮官らしき男が名前負けしている『魔術』を撃ち出す。船中の魔力をかき集めた、魔術の濁流がトアミルの全身を覆いつくし。


 「やったかっ!」


 「効かないよっ‼」


 「‐⁉・/*/—


 髪の毛先にすらダメージを与えられず、トアミルの反撃が船長を兼ねる将を両断する。



 彼女としては〔舟をこぐ奴隷を使い潰す『邪法』に後れを取るはずがない!〕と、啖呵たんかを切りたいが。


 人型生物の身体は半分以上が、『水分』で構成されており。

 リーダー(ウィルニス)の『身体強化(魔術能力)』は効率的かつ飛躍的に、『水分』に干渉して全身のスペックを倍増させる。


 その恩恵により8級C.V.にすぎないトアミルですら、6級並みの防御力を得ることができ。この物理法則が厳しい世界で、反則的チートな戦闘力をふるえる。



 「侵略者に等しく破滅を・・笑顔は凍り、怒声すらも永遠に沈め!!」


 「ーーーー—~;*;----…b」


 「・・・・・‐・」×5


 トアミルの叫びと共に『魔宝の長刀(ネレイヴ)』がふるわれ、武装船が次々と沈んでいく。

 同時に仲間のC.V.たち(パーティーメンバー)が水上に現れ、悪あがきを許すことなく”侵略者たち”に、引導を渡し。


 「おめでとう、トアミル。

  望み通り2位(マスコット)から5位(サポート)に配置換えよ」


 「よしっ!」


 「魔王城以外でも、『ネレイヴ』が”侵略者”への『特効持ち』でよかったわね」


 「これで私も心置きなく、パーティーを引退できる。

  これからはハーレムという場で…・・」


 敗者が知らなくていい、やり取りが川面で交わされ。

 かくしてパーティーの最弱マスコットトアミルは、支援要員(下から2番目)へと配置換えとなった。

 











 新しい門出。それはなんて響きのいい言葉だろう。

 古いものから脱却して、捨て去り、縁を切って『平穏』をゲットする。たとえ間を置かず、問題が山積みなると確信していても、一瞬の『平穏』はとても大事だ。



 〔それじゃあな…あばよっ!〕

 〔るんるん、タッター♪♡♫〕

 〔いつか、必ず戻って来るz---ーーーーー〕


 パートナーが妊娠した時点で、特別休暇に入る者。女系種族C.V.様が新しい命を育み、【愛娘】の誕生に浮かれる者。

 そして〔出産は『聖域』で行う必要がある〕と、いう建前でハーレムに連行されて行く者など。


 新しい地下酒場の始まりは、酒場の会員(男性シャドウ)が入れ替わる時期でもある。




 「何でオレたちが、こんなとこに来なくちゃならないんだっ!」

 「あきらめろ…あきらめが肝心だ」

 「この『術式』でハーレムができるなんて‥世の中、間違っている!!」


 「・・・・-・」


 そして新しい会員(シャドウ男)を、元情報屋だった(偽の経営者な)ミゲルは迎え入れ。この連中より下であることを、嘆く間すらなく『仕事』が始まる。

 

 〔せめて新しい酒場で、清々する気分を味あわせてくれっ!〕


 そんな、ささやかな訴えが聞き入れられることはなく。新しい地下酒場の営業は、容赦なく始まり。



 「だ、か・ら、さぁ…C.V.のSDR様が奴に執心なのは、わかりきっていたから。

  求愛の儀式に付き合って、ミンナで(求愛への)抵抗をアピールしたんのよ」


 〔こいつに酒は飲ませられんな〕


 酒に弱くて、ヤバげな情報(C.V.様の求愛儀式)をつぶやく奴に、アルコールはまずい。ミゲルは酔い覚ましと『ゼロ酒精(ノンアル)』のメニューを組み立て。



 

 「・・⁺・‘‥ー・・」


 「・・・・・…・」


 口先で〔あきらめろ〕と言ってる奴が、実は一番独身(フリー)に未練があったりする。

 こういう奴は温かく見守って(ほったらかしにして)、穏やかな時間を(一人になる時間を)提供(確保)するか。

 先達に頼んで(シャドウに押しつけ)、ハーレムの息抜き(、肉食獣から離れる)時間を確保するよう(退避場所を用意してと)、話し合いの場(、泣き落としする)を設ける(しかない)


 これだけ聞くと、簡単そうだが。


 あまり自由にさせすぎると、普通にハーレムを放置したり(鈍感野郎を装い)。身を隠したり、単身(山中)の修行にこもったり、逃げ出したりする。

 そのため割と必死で別の野郎シャドウに貸しを作り。いざという時には(オレを巻き込むな)そいつに助けを(シャドウだけで)求めるしかない。(何とかしろ!)




 「だ・か・らさあ~、変装し大通りを歩く”手配犯”(復讐の標的)なんぞ、誰にでも見つけられるだろう?

  顔の傷を消す『技法・術式』なんぞ、誰にでも教えるし。傷は戦士の勲章だし、なめると可愛い声を出す。


  ”賊”が体臭を偽装する『浅知恵』なんぞ、いくらでも横流しにするし。

  髪はサラサラなんだから、汗の匂いだって魅力的だ。もちろん”賊”の小細工には落とし穴(偽情報)もあるから、それを忠告して…・・」


 〔この男を黙らせろっ…こんなヤバいネタを吐き出すなよ‥:この”女ったらし”が、口を閉じろ・・~イヤだっ、もう聞きたくない!〕 


 ちなみに一番ヤバい、病んデレハーレムに囲まれたシャドウは、完全にミゲルの手に余るのだが。

 当たり前のように、対応はミゲル(最底辺)に一任されており。センパイ会員シャドウが助けてくれることはなく。同席している友人シャドウたちも、知らんぷりを決め込んでいる。


 コレに地下酒場のルールを教えるのは、ミゲルの役目であり。無事に役目を成し遂げれば、少なくない特別手当を支給されるのだが。



 (『‥-・~=・+・(ハインドシーカー)』)


 先程から地下酒場の暗がりに『視線(目力)』を感じるのは、気のせいではないだろう。どう考えてもミゲルの仕事(野郎どもの聞き役)は、リスクと報酬が釣り合っておらず。


 ここで標的オトコを逃がそうとすれば、女ども(ハーレム)から敵認定され。それならとハーレムに協力すれば、オトコにアピールする材料として、ミゲルに”不運な事故”が起きる。

 


 〔タスケテ‥誰でもいいから、この役目を代わってくれ…〕


 そんなミゲルの訴えを聞き届ける者は、どこにもおらず。

 こうして新しい地下酒場は、最初から不穏な雰囲気でスタートした。

 











 ネタバレ説明:『面鬼印めんきいん』について


 本来は大勢の『人相書き』を覚えて、検問を行う。多数の『人相』を記憶して、盗賊狩りに活かす『自己催眠』をかける術式だったのですが。

 何故だか『魔導能力』になりかけている、シャドウの番人たちが編み出した術式です。



 基本的に上記した『人相書き』を作って、その情報を活かして、お尋ね者を捕らえる。そのための『術式』であり。

 

1)盗賊(外道)の『人相』に関する情報に限って、『読心』を行う。

2)『人相』に関する情報のみ限定で、仲間に『精神波テレパス()使って伝える。

3)『人相』に関する情報を、大量に記憶したり。標的に遭遇すると、その記憶を適切に引き出す。


 大まかに、この三つで構成された『術式』だったのですが。


 〔『人相』を読心しても、変装を見破れなければ意味がない〕

 〔それ以前に『人相()』を作れなければ、お話にならない〕


 〔『人相』の情報が大量過ぎては、精神に負荷をかける。もっと特徴をとらえないと〕〔『テレパス』を盗聴されては困るから、変装して潜入禁止の『制約』をかけるとしよう〕


 〔”賊”の『人相書き』を使って、心理戦を仕掛けよう〕〔依頼人と『契約』して、納得ずくで『影武者』を作ってみよう〕〔忙しい要人に休暇をもたらすという、目的限定で『影武者』を用意しよう〕



 こんな感じに、どんどん『面鬼印』は改良・拡大していき。 

 スポンサーがついたり。”盗賊”で変装?(の大半が)する連中が、(人相を盗られた)極めて悲惨(、無能の烙印)なことになり(を押されてしまい)


 とどめにC.V.パーティーが復讐するため、追っている標的を見つけ出し。

 彼女たちの復讐に、大いに貢献して。


 〔こうなったら、『面鬼印』を改良するのを止めるぞ!

  そうすれば自由の身に‥〕


 〔とっくの昔に、手遅れだが…〕




 以上、『面鬼印』のネタバレ説明でした。






 ネタバレ説明:『ネレイヴ』について


 正式名称の『海精霊の長柄武器(ネレイドグレイヴ)』を略した造語であり。術者のC.V.トアミルが『魔宝(愛武器)』に付けた名前です。


 長刀の刃の部分が、折りたたみできる海竜のひれとなっており。(海竜というより、トビウオのヒレ羽根に近い)

 たたまれた状態だと武装船の装甲を切り裂く、ウォーターカッターを発する、『魔の長刀』になりますが。


 メインはひれを展開した、『扇状』の時であり。水属性なのに『大風』を発生させたり、武装船をひっくり返すほどの『水流操作』を行えます。

 さらに切り札として『空気中の水分』に質量・粘性を付与して、”侵略者”の能力を下降させる。透明・不可視の『巨大スライム』で敵を覆いつくす、『デバフ』をかけたり。


 武装・身体の『重心』を崩して、水中に転落させたり、技・術の『起こり』をつぶします。



 なおC.V.パーティーは冒険者パーティーと異なり。パーティーメンバーの目的にまい進する、特務集団(特殊部隊)という面が強いですが。

 

 魔王ハーミュルズの側室たちの中でも上澄みな、ウィルニスが率いている。C.V.パーティー(メロウネイル)は、彼女の『身体強化』を劣化・・コピーする試験運用部隊であり。

 パーティー最弱の2位マスコット役だったトアミルですら、水軍の精鋭を圧倒できる戦闘力を持つ。


 他のメンバーに関しては、陸上でも『黒霊騎士団』の幹部を圧倒する、規格外のC.V.です。




 以上、『ネレイヴ』のネタバレ説明でした。

 『青酸カリ』の発見者は、『気化した青酸カリ』を吸って死亡したそうです。

 同様に〔『毒矢』を作るため、『毒』を調合していた者は一定数、”事故”が起こっていた〕と、推測します。その”事故”がミスか故意なのか、知りませんけど。


 しかし『薬』の調合すらできない古代世界・文明において、『毒』は誰が調合したのでしょう?いくつか候補は考えられます。


 一つは『若きヘラクレス』のように、身分の低い『狩人・戦士』たちが生き延びるために、『毒矢』を作った。


 どこの世界・時代でも、”無能な指揮官”とか”横暴なトップ”がおり。準備もせず、ロクな装備も与えず、『戦術』はど三流なのに加え。”敵を討て。害獣を殺せ”と、声・威勢ばかりが大きい。


 そういう”連中”の無茶な命令に従って、生き延びるために『毒矢』は必須なのですが。


 『薬草』の知識もない、狩人たちがノーリスクで『毒』の調合などできるはずもなく。自らを犠牲者モルモットにして、『毒』の知識を蓄え。そうして文字通り必死になって『毒矢』を製作したと、愚考します。


 それが一子相伝の『秘術』になるか知りませんけど。

 【最重要】で注意しなければならない事は、別にあると推測します。

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