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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
427/429

427.~閑話~金輝の懐刀+弓兵シャドウの攻略:オーディンモノクル:雷輪旋矢

 皆さんは『鬼平犯科帳』を、ご存じでしょうか?

 江戸時代を舞台に、火付盗賊改方の長谷川平蔵が盗賊・”凶賊”を取り締まる。

 人情があり、必ず『殺陣』をやるとは限らない、時代劇にしてヒューマンドラマです。


 さて、そんな『鬼平犯科帳』は同心・捕り方たちの物語であり。様々な盗賊どもや”凶賊”が登場しますが。


 その中で重要なものに『見取り図』というものがあります。


 盗賊たちが盗みに入る、大店おおだなの『構造図』であり。店主の寝室・金蔵など、重要情報が示されている『図面』です。

 

 そしてこの『見取り図』を、忠臣蔵の赤穂浪士たちも入手しているそうですが。

 連中は、吉良邸の『見取り図』をどうやって入手したのでしょう?

 混成都市ウァーテルという大都がある。


 ”盗賊ギルド”からC.V.勢力が奪い取った、交通の要衝であり。それから間を置かずに、次々と大陸中へ影響力を広げていった。


 冒険者ギルドへの『依頼料の分割払い』に始まり。”盗賊ギルド”の情報網を破壊したり、光神殿の本拠地を壊滅させ。”山賊”の討伐を徹底的に行い、その財貨を(ドサクサに)持ち主に返却し(買収と情報網を作り)


 『宝石の輝きが曇る』という騒動では、宝石を所有している貴族たちに『外交』を仕掛け。

 その影では『宝石』を蓄え。逃げ支度をしていた”盗賊”たちが、一文にもならないクズ石(穢れた宝石)を抱え、呆然となっていたとか。


 

 表沙汰になっているだけでも、イリス様たちは様々な『戦功』をあげ、大陸中を震撼させたものの。

 風属性のC.V.ルダリア・アイアルヴァにとって、それらは重要度の低いニュースにすぎず。文官の真似事をして『報告書』を書く、練習の題材でしかない。



 「ヤァーーっ」「えいっ、えいっ!」「トアッ、たぁー-~」


 「子供が難しいことを考えるなっ!

  まずは剣に慣れて、力をこめることに集中しろ!!」


 彼女にとって大事なのは、預かった子供たちを鍛え、身を守る術を教えること。

 ある意味(・・・・)、孤児であり、血のつながりを持つ者たち(だけはある貴族ども)が生きている。そんな生まれを選べなかった、子供(庶子)たちを保護することが最優先であり。


 「・・・ー●~●ー⁺」


 「ご苦労様です(私がやります)、ルダリア。そろそろ『侍女』を務める(の修行を)時間ですよ(優先しなさい)


 「志津里しずり様…わかりました、お任せします」


 そのやり取りに対し、C.V.イセリナ(ウァーテルの宰相)に仕える侍女頭(志津里)は、苦言をていし。


 「子供たちの前で、そういう固い会話はやめましょう。

  『もうすぐ別れの日が来るかもしれない(・・・・・・)のです。剣術ではなく、楽しいお遊戯をしたらどうですか?』」


 「・・・侍女の任につかなければ。失礼いたしますっ」


 「えぇ―-ー!!!ルダリア、行っちゃうの?」

 「ルダリアは『騎士』なんだから、侍女の服なんて似合わねぇよ!」

 「ばっかだなぁ、ハタラかないと食事を買えないんだぜ」



 子供たちの声を背中に受けつつも、ルダリアは振り返らず。戦闘服(メイド服)を身にまとうべく、部屋へと向かっていき。


 「似合わないな…」


 鏡にうつった、目つきの悪いメイド姿を見て、ため息を呑み込む。

 それでも〔修行のため〕と、自らに言い聞かせながら、速足で仕事場に向かい。


 「失礼する‥・」


 「「「‥・・・:・+」」」

 「おうっ、こいつを持って行ってくれ」


 「受け取ります(オーディンモノクル)


 ルダリアは子供たちへの菓子も受け取りつつ、『下賜された術式(オーディンモノクル)』を発動する。

 左目の『通常の視界』を代償にささげて得た、『片目の魔眼能力(オーディンモノクル)』で周囲を見渡し、食器・台所全体に『走査』をかけ。

 『毒物』の類が紛れ込んでいないか、ルダリアは素早く『解析』を行い。


 「問題ありません。このまま調理を続けてください」


 「「「ふぅ…」」」

 「気をぬくんじゃねぇ!料理が完成したわけじゃねぇぞ!!」


 毒物限定で『感知』を行う。『毒見』代わりの魔術能力オーディンモノクルを使って、来訪する貴族たちに『安全な料理』を保証する。

 それが侍女ルダリアとしての役目だ。


 無論、ルダリアごときの『オーディンモノクル』一つで、毒殺対策などできるはずもなく。

 つたない『無詠唱』で、窓から毒粒をさかずきに投じたり。毒虫の糸を秘かに仕込んで会場に持ち込み、『毒を誘導する術式』を発動するなど。貴族との『外交』が増加するのに伴い、様々な暗殺未遂が行われたが。


 毒殺・暗殺対策を行う『本職』は別におり。敵の注意を引きつける『警護の駒』にすぎない、ルダリアに苦戦しているようでは、今回の勝敗も既に決し…‥



 「『何者だっ!(フックソード)』そこで何をしているっ!!」


 『Na、ニィ/-/~/―?』


 ”傲慢”で”他力本願”な思考を打ち切り、ルダリアは本業ハインドナイトへと瞬時に、意識を切り替える。何もないはずの空間に、『邪剣の術式(フックソード)』をふるい。


 『隠形術』を使っていた侵入者に対し、瞬時に間合いを詰め。


 「死ねe:*;+/*/:/」


 『異形の腕』を具現化した相手に、カウンターのこぶしを叩きこみ。

 それから拳の連打(コンビネーション)で、標的をめった打ちにする。同時に切りつけた『フックソード』を魔力だけで操り、表皮を削り肉をえぐり取って。


 「ぎギgイー;+-:*」


 異なる二つの攻撃・痛みで動揺し、操作が甘くなった『異形の腕』の肘をルダリアはひねりあげる。『人外の腕』は一見すると変幻自在だが、術者のイメージという『型』にはまっており。『魔力・肉塊』を見れば、可動域やパワーの程度も検討がつく。


 まして『異形の腕』に振り回されている、程度の術者を取り押さえるくらいならば、ルダリアでも可能であり。


 「放ゼe、せ;+∼ハggg*+*」


 「姿を隠して潜入し、姿を現すときは周囲を巻き込む『テロル』を仕掛ける。

  その程度が、今さら我々に通用すると思っているのか?」


 「ナゼっ、どうして見破っタ:*、気配∼^;/:/::-」


 問いかけに答えることなく。ルダリアは異形の腕が生えている、肩口を足を当てて踏み砕く。

 そうして魔力供給を絶った『怪腕』を、『メイン術式(フックソード)』で切り裂き。人間の腕を保っている、右腕を改めてひねりあげ。


 「ヤメっ‥」


 「”三文芝居”はけっこうだ。陽動としてなら、キサマは強力な駒なのだろうが。

  預かった子供たちを害する、連中を志津里様は見逃さない」


 「ッ!;?」


 言の刃で、いちいち動揺する刺客を無力化しながら、ルダリアは『感知能力オーディンモノクル』へ流す魔力を減らす。



 通常の魔力しか漂ってない、『平常の空間』ならば人間レベルの異能も通用するのだろうけど。あいにくウァーテルの政庁には、ピンキリ様々なC.V.が滞在して、活動しており。下手な迷宮よりも、タチの悪い『魔力』が漂う魔宮と化している。


 そんな空間で『隠形系の魔術』を使うなど、密偵C.V.でも困難であり。『隠形術に加え、気配を消して、保護色にして・・・』と、いう受け身な術理が通用するはずもなく。空間の魔力を『解析』するか、掌握するか…


 「おっと、くだらないことを考えている場合ではないな」


 「ー;―⁺:*ッ」


 刺客の体内にある『複数の毒素』を、ルダリアは『オーディンモノクル』で視認しつつ、『封印』をかけながら。

 彼女は不届き者を、重騎士たち(イセリナ様の配下)に引き渡す算段を考え始めた。











 世の中には理不尽というモノがある。

 そんな世界と比較して、下級シャドウは間違いなく恵まれた待遇であり。


 上司は誰もが有能で、自分に厳しく他人に優しい。給料は高く、それを使う都市(場所)は豊かで、娯楽も多く。『任務』はやりがいがあり、修練・装備も充実している。


 世間を知れば知るほど〔下級シャドウは恵まれている!!〕と、下級シャドウの実正さねまさは声を大にして断言し、誇りたい。



 それでも、不満をあげるとするならば『上げて落とす試練』だけは、ご容赦を願いたい。

 

 例えばの話として…血抜きに失敗している肉・調理下手なC.V.様の”魔力が付与された料理(愛情・妄執)”を食べさせられ。

 味覚が破壊されるギリギリのところで、貴族どもの定番マズイ料理を食べると、トッテモ美味しく感じる。


 逆に美味な至宝の『献立』を食べ続けてから、『さバイbaル』な記憶がトんでしまう”エサ”を摂ると、心がくluシくなる。


 そんな『上げて*落とす?試練;?』を受けると、キツイので許してください。ご一緒に”その食事”をとると、姫長が殺意・・を放ちます。農村・スラムや補給部隊様に、二度とナめた口をきいたりいたしません。


 ですから〔一緒に『ギャップ(上げて落とす)』を味わって、物価と食べ物の重要性を知ろう‼〕と、いう類の試練は許してください。お願いします…




 こうして【謙虚】になった実正シャドウは、”水源汚染”をやらかした”賊”を殲滅するため、戦場に援軍として赴き。

 わりと(・・・)理不尽を感じる、光景を目の当たりにしていた。



 「さあ、一夜の旦那(私のタクマ)様。私の魔力()めとってください」

 「「「「「・・・●―○…⁺」」」」」


 「さあ旦那タクマ様…リアベルのことは、お気になさらず。

  ラックラ(黒猫C.V.)魔力(想い)を、すすって舐めて、むさぼってくださいませ」


 「えー‥‐~っとだなぁー●」


 〔ハーレム野郎が、こっちを見るんじゃねぇ!〕


 そこではネコ科な猛獣ハーレムC.V.(オンナ)たちが、戦場にあるまじき享楽を貪っていた。

 『魔術的』な観点からすると、四凶刃の弓士タクマが『魔力補給』を受けているらしいが。


 〔『魔力補給』なら手をつなぐ、肩に手を当てる・・・百万歩譲って、抱きしめ合うとかあるだろうがっ!!〕


 「・⁺・~‐(ペろぺろ)・‐~・~‐(チュルチュル)…」


 「もっと…;もっとです…背の君‥私を‐ー~」


 黒猫C.V.ラックラ殿が、手指の爪に『譲渡する魔力』を抽出し。それをタクマの野郎が舌で舐めとる。性的な接触ではない(・・)はずなのに、実正さねまさの目には無防備な急所を、互いに押し当てているよう錯覚してしまい。


 何度か『感知』を仕掛けたり、無視して”毒沼迷宮”に目を向けようとするが。


 「もう『魔力』は充分だ。全員で”この穴(迷宮)”を攻略するぞ」


 「^・^ッ・はい、背の君が望むままに^~^」


 〔・・・ここは、戦場だぞ…攻略不可な魔窟の上にいるんだぞっ!〕


 数日前まで、口に出していたツッコみを、実正さねまさは胸中で繰り返す。

 

 しかし”賊の禁術(毒沼迷宮)”は現在、リアベル様が率いるC.V.パーティーの連れ込み宿(ラブホテル)以下・・のあつかいを受けていた。


 


 水源を毒で汚染する”凶行”を各地で行い。

 ”穢れ”を蓄えた”賊の外法使い”どもは、”怪物誘導トレイン”で集めた魔物を生け贄にして、その水源を”毒沼迷宮”へと変質させた。

 『膨大な魔力』を浪費して『物理法則』を無視する、起死回生の一手が発動し。石の床・壁の代わりに、雑多な毒の泥水で構築?された魔窟は、攻略どころか入ることする困難であり。各地にある”毒沼迷宮”に囲まれた、混成都市ウァーテルは”腐海”に沈む危機に陥るはずだった(・・・・・)のだが。


 〔素人がよくやる、ヘボ‥・・コホン、”駄作迷宮”の一例ですね〕


 リアベル様の一言で、”邪法”はイロイロと終了した。


 『困難ではあっても、攻略できる可能性がある』と、いう制約が『迷宮の護り』をもたらしており。それをなくして”毒泥・水の中には、誰も入れまい”などという、卑怯チートダンジョンなど『つたない魔力の塊』でしかない。


 〔まあ”バカ”は知らないようですが。イセリナ殿のパーティーには、こういう”毒沼迷宮”をものともせずに攻略できる、騎士C.V.(カティア)殿がいらっしゃいますが…〕


 〔彼女に各地をめぐって、”この魔窟”に対応してもらうのは、手間というもの〕


 〔リアベル様に仕える4位C.V.(戦闘担当)として、このティグレが‥〕


 〔おやめなさいティリアス。せっかく旦那タクマ様にはべる、機会なのですから。

  ”賊の外法使い”には、せいぜい”惨めな終わり”を進呈しましょう〕


 〔〔〔〔〔〔かしこまりました、リアベル様!〕〕〕〕〕〕


 〔・・・-(見てない、)・-・~;・‥・(何も見てません!)


 こうして猛獣(ネコ系)C.V.パーティーによる『暴虐』が開始され。




 『曲射され、翼と舞い、山鳴ヤマナりする旋風の矢よ


  雲に惑い、電光を誘い  雷鳴をかき鳴らし、堕天のくさびと化せ


  雷輪旋矢らいりんせんや!!』


 四凶刃の弓士タクマが上空に向けて、強弓ごうきゅうを引き絞る。そこから放たれた『魔性の矢』は雲間に消えていき。

 わずかな間をおいて、地表の”毒沼迷宮”へと突き刺さる。閃光を描き、雷光の輪をまとって”チート魔窟(毒沼迷宮)”へ『楔』が穿たれ。


 しばらくしてから天を割くような雷鳴G…


 『鎮まれ(カーム)…』


 理不尽な魔性によって沈黙を強いられた。


 「よろしいのですか?」「背の君には、不要な武名かと…」「なに、手柄をお望みなら、そこら辺から狩ってくればいい」「それなら私が‥」「静かに…姫様の『魔導』が爪をたてる」


 C.V.様たちの会話を聞く限り、どうやら雷鳴に『沈黙』を強いたのは、リーダーのリアベル様らしい。

 実正の”鈍い感知”では、どなたが『強大?な魔力?』を放ったか、どんな『術理』なのか。全てが理解の範疇はんちゅう外だが、術者がわかったことに『安堵の感情』をいだいてしまい。


 

 すぐに『恐怖』で思考停止に陥る。


 

 『都市の護り手たる魔性の爪よ…


  なんじの巣に毒蛇が這い寄り、蟲が近付き、欲望が向けられる


  しからば砂漠の夜に慈悲はなく  瞳は見逃さず、体毛は鎮まることなく


  飢えた牙と共に、満たせぬ渇きを爪痕に刻め  バステトマーク!!!』


 

 〔タクマさんが射た『雷輪旋矢』が、”毒沼迷宮”の半ばまでを穿ち。その魔矢を目印にして『魔導能力バステトマーク』による迷宮への侵蝕が行われた。急造なうえに、液化した魔力塊ダンジョンでは、その『侵蝕』を防ぐことはできず・・・〕


 『術理』としては、こんな感じだが。コレは、そんな平穏なもの(魔術)ではない。


 情念が、執着が、妄執の類が、”毒沼迷宮”という魔力塊をもてあそんでいる。

 ”矮小わいしょう”を大が蹂躙し、満たせぬ渇きを”八つ当たり(弱い者いじめ)?”で晴らしている。

 


 そんな恐怖の幻視(猫の遊び)を、非力な実正シャドウはしてしまい。怖い幻を振り払おうと、つばを飲み込もうとして…


 「「「「「「「・・・・・・-・」」」」」」」


 「ッ⁉‐」


 猛獣C.V.様7人に『見られ』ていることに気付く。


 不届きなこと、敵対すること、侮辱することなどは、実正は欠片たりとも考えていない。

 それなのに何故、自分は獲物のように『見られ』なければならないのだろう?



 〔そうか…〕


 彼女たちからすれば、想い人へのアピールをのんきに見物している、下級シャドウなど”ネズミ”に等しく。ネコ様は”ネズミ”を、残酷に引き裂く『本能』を持っている。


 それは実正の気のせいかもしれない。高次の文明を誇る、C.V.様ならば『理性』によって鎮まるかもしれない。

 だけど臆病な実正は、そんな”かもしれない”に自分の命を託す気にはなれず。



 『小官はC.V.様のハーレム構築に、全面的に協力いたします。ヒトとして平穏のために、コウフクなハーレムが営めるよう、タクマさんにも支援します』


 C.V.様(女性)たちに全面降伏したうえに、タクマさんのサポートもする。

 そんな意向を『秘匿術式オリジナル』の信号を使って、彼女たちに必死に伝え。



 聞いたことのない断末魔が響く”元毒沼の魔力塊”を観察している、タクマに気付かれる前に”冷や汗”をぬぐい取った。











 ネタバレ説明:『オーディンモノクル』について


 『片目』を代償にして、魔術の秘奥を得た『大神オーディン』の神話にならい。


 『片目の通常視力』を捨てて特定の物、限定で視認する『特殊な視覚(感知能力)』を得る。事実上、上位C.V.から『感知の義眼』を与えられる『魔術能力』であり。


 ルダリアの場合、『子供たちを害する毒物』を遠見・透視して解析する『目』を勝ち取った(・・・・・)『魔術能力』です。


 

 欠点が多く、対抗策がいくらでもある『感知能力』であり。そもそも『毒物の感知・解析』する能力がない、ルダリアが必要に迫られて、もぎ取った。

 〔やめなさい〕と、いう上位C.V.の反対を押し切り。半ば奪い取って得た、適正の低い『魔術能力』です。


 無毒な二つ以上の素材を混ぜて、『毒物』を作られると感知できない。

 『無詠唱』で毒を調合されると後手に回る。微量・無臭の毒は、発見の難易度が上がってしまう。

 とにかくルダリア自身に”毒殺魔”としての才能・センスがないため、知らない毒・初見な毒の運用に対し、いちいち戸惑う。


 そのうえ『片目の通常視力』を代償にしたため、『毒がうごめく灰色の視界』しか左目では見れない。事実上、『片眼』になったに等しく。

 今まで両目で修行して鍛えていた、戦闘力が大幅に下がってしまいました。



 

 ちなみに…


 その件を知った師匠筋のC.V.がブチ切れてしまい。怒りを鎮めるため、どっかの組織は即日で滅亡させられたり。

 ルダリアの力を取り戻すため、恐ろしいC.V.が派遣されたり。イセリナがロクでもない、外交取り引きを始めたりしますが。


 それらは、また別の話になります。



 以上、『オーディンモノクル』のネタバレ説明でした。






 ネタバレ説明:『雷輪旋矢』について


 空に射かけられ、山なりに飛び落下する『矢』を風術式で操る、『旋矢』は技巧の面が大きいですが。

 はるか上空に届くよう『魔矢』を射て、天空の魔力を落とし『雷撃の矢』と化してしまう。タクマの使う『術式』としては、かなり破壊力の高いものであり。



 本来は『雷輪電衝』の術を使う、上級シャドウのライゾウが使うべき『術式』でした。もっと正確に言えば、封印すべき禁術であり。

 高空の冷たい空気が、地上に降り注ぐ『ダウンフォール』モドキをやらかして、環境破壊をやりかねない。上空の魔力を食べる、ヤバイ魔物(超絶の竜)を呼ぶ極めて高リスクな『術式』なのですが。


 〔モットたくさんの”災厄”がある〕いう理由により、『術式』の改良が行われ。



 上空の魔力をかすめ取って、『魔矢』のみに魔力を充填して、『雷矢』を一つ降らせる。本文の表現は『美化』されており、術者のタクマはリスク回避に必死になっている。

 

 そういう面倒くさい『術式』であり。上空の天候・地上の環境、どちらかで条件がそろえば『ダウンフォール』な惨事を起こしかねないのですが。

 今回は”毒沼の魔力塊”に対処するため。リアベルたちが『暴虐の魔導』をふるうため、事後も『報告書』を記入するだけですみました。



 ちなみに『雷系の術式』を使うライゾウは〔封印する一択のみ〕と、告げて逃げ出してしまい。たびたびタクマとケンカする、ネタになっています。

 見た目は『勇者な一撃』ですが。正体は”何が起こるかわからない呪文(ぱ〇ぷんて)”と、認識すべき『術式』です。




 以上、『雷輪旋矢』のネタバレ説明でした。



 『バステトマーク』のネタバレは、次回に行います。

 『見取り図』を入手する方法は、『鬼平犯科帳』に登場する盗賊の方法を、参考にするしかないでしょう。信用できる『資料』がない以上、素人は創作物にすがるしかありません。


 そうすると盗賊が忍び込んで、『見取り図』を作る。盗賊が『職人』を兼業して、作業を行いつつ『間取り』を調べる。『引き込み女』と、いう女盗賊を店員に潜り込ませ、間取りを調べる。『見取り図』を持っている、穏健な盗賊から奪い取る(もしくは買い取る・取引する)。


 様々な方法で盗賊たちは、『見取り図』を入手していますが。それでは忠臣蔵の赤穂浪士たちは、どうやって『吉良家の見取り図』を入手したのでしょう?


 その手段を”忠臣蔵”を否定したい、私が考えても”誹謗中傷”になってしまう。

 そのため、しっかり『創作の忠臣蔵』を分析すべきですが。


 赤穂浪士が『見取り図』を入手する『方法』は、全く描かれない。

 いきなり”見取り図を入手したぞ!”の1シーンで終わってしまう。


 『討ち入り』を行うにあたって、成否を左右する重要情報(見取り図)を入手する、手柄を立てたにもかかわらず。その手柄を自慢しない(・・)、讃えない(・・)、方法を明らかにしない(・・)


 これだけないないづくしだと、私でなくとも考えてしまう。

 〔表沙汰にできない(・・)、ロクでもない(・・)手段で見取り図を入手したのだろう〕・・・と。


 武装を買い取り、江戸の町に許可なく持ち込み。それらを持って徒党を組んで、『免状』を持たず”仇討ち”を企てるなど、数々の”違法行為”を行った赤穂浪士たちですが。

 ”見取り図の入手”に関しては、特にヒドイ”犯罪行為”を行ったため、創作物ですら手段を明らかにできない。


 〔そう邪推されても、文句は言えない”所業”を赤穂浪士は重ねている〕と、思うのです。

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