425.閑話~泡風たちと冒険者:泡風踊:カルキノスゲーム
『忠臣蔵』には、様々なエピソ-ドが連なり、時代によって変化していきます。
私が初めて読んだ『忠臣蔵』は、浪士の情報を探ろうと密偵・裏切者が登場しましたが。昨今は有用な役目を果たす赤穂浪士を抹殺しようと、刺客が送られ。
それに怒った大石内蔵助が、”討ち入り”を決意するストーリーがあるようです。
吉良家の屋敷に住まう、護衛・家人を皆殺しにする。”凶賊”と同レベルのことをやらかすのに〔刺客が送り込まれたからだ〕と、言って”討ち入り”を正当化する。
それに対し、被害者の数など、突っ込みたいことは多いですが。
最重要なのは、誰が刺客を送り込んだかでしょう。
刺客の雇い主は『吉良家』が多いですが。浅野家の本家筋な大名家が、赤穂浪士の討ち入りを妨害するため。”討ち入り”の連座で、徳川幕府・綱吉ににらまれて、御家をつぶされないよう。
不逞浪士の幹部を討つべく、刺客を送り込んだというパターンもあります。
それらは時代劇のネタとしては盛り上がりますが。
吉良家側としては〔だったら刺客を送り込んだ、本家に討ち入れよ〕と思ってしまいます。
そもそも大石内蔵助は『家老』であって、捜査に関してはずぶの素人にすぎず。『刺客』を倒したら、依頼人がわかるなぞ、裏社会をなめている。
そもそも史実の忠臣蔵では、もっとたくさん容疑者がいるはずです。
〔冒険者を派遣して、農村を支援する〕
これだけ聞くと、慈善事業だと思われる。
苦境に陥っている農村を助ける、権力者の『慈悲』だと誤認されるが。
真正の権力を持つ、混成都市の宰相様に、甘い情けなどというモノはなく。控えめに言って『打算』、はっきり言えば『戦略』のために、『農村の支援』は行われている。
とりあえず富久也ぐらいのシャドウには〔村が冒険者ギルドに依頼を出しやすいよう、宣伝を行ってきなさい〕と、伝えられている。
村人も生きるのに必死なのだ。大金を払って冒険者に依頼するのは、リスクを伴い決断を迫られる。
そんな村人たちの警戒心をやわらげ。一つでも多く依頼を出すよう『宣伝効果』を狙って、〔冒険者を派遣して、農村を支援する〕と、いう目的が一つ。
そしてもう一つが〔おバカな冒険者の『知識』を底上げする〕ためであり。
『補給の重要性がわかっていない、冒険者が”安易な追放”を行う』と、いうような”やらかし”を少しでも減らす。
〔そのために農業体験をさせて、性根を叩きなおす〕と、いうのが今回の企画なのだが。
「これは、これは、ようこそおいでくださいました‥」
「知らせたとおり、ヨーセン男爵様のご命令で、派遣された冒険者だ。天候に恵まれなかった、カドラ村の支援に来たのだから、『もてなし』とかは後でいい。
まずは狩ってきた獲物の『処置』を手伝ってくれ」
「「「「「・・・~・」」」」」
「おおっ!それはありがたい。早速、村の者たちを集めます」
「頼む。それと処置を行う手数料は、『肉』を提供することで代替させてくれ」
富久也の挨拶に、カドラ村の長は笑顔をうかべ。輸送用の馬車に積まれた、獲物の数を知って驚愕する。
〔冒険者のイメージをアップする。初めて行う『農村支援』に対する、警戒心をゆるめる〕と、いう打算のために、道中で狩りを行い。大量の獲物を、馬車に積んできたが。
その反応は上々であり。馬車で運んだ獲物の量からすれば、村全体に充分な量の『肉』が行き渡る。
そんな降ってわいた幸運に、カドラ村の長は『接待・交渉』を成功させる、決意をかためている。
一方の冒険者たちは富久也に対し、何か言いたそうにしていた。
〔口調が変わり過ぎだ〕〔獲物の『処置』なんて、とっくの昔に済ませているだろうが〕〔なんで『もてなし』を断るんだ〕〔貴族からの依頼だなんて、聞いていないぞ…〕
〔〔〔〔〔あの”残念”な富久也は、どこにいったんだ〕〕〕〕〕
そんな冒険者たちの視線をスルーして、富久也は話を進めていった。
土を耕す、畑作業は重労働だ。力任せに鍬をふるっても、その力は地面によってはね返され。不摂生で、畑作業になれていない身体に、容赦なく負荷をかけて消耗させる。
「ぐくっ・・」「こっ、腰がぁ‐ー」「「「・:*ー;+*っ」」」
よって”農作業なんて楽勝だ”などと、大口たたいていた冒険者たちは、ことごとく悶絶していた。さすがに地面を転げまわることはないものの。
筋肉痛に苦しみ、戯言は鳴りを潜め、村人のアドバイスに素直に従う。
その程度には心にもダメージを負っていた。
一方の富久也は『術式』でプチ無双を行い。ささやかな自尊心を満たしていた。
「「「お願いします、富久也さん」」」
「任せろ・・『泡風踊!』
ここ数日で村人もなれてきた『術式』を、発動させて森の中に入っていく。
『浮遊』よりも速く。『飛翔』よりも魔力消費が低く、『安全性』が高めになっている。『空気の泡・球体』を作って跳ねたり、短距離の『飛翔』をする。
そんな『泡風踊』の術式を使って、樹上を移動しつつ『獲物』を探し。
「そ~らよっ‼」
見つけたイノシシを標的に定め、富久也は『泡風踊』で膨らませた袋から『風』を送る。イノシシの天敵である、オオカミの獣臭が吹き付けられ。
「ッ⁉」
驚いたイノシシは、あわてて逃げ出す。そんな獲物を富久也は『風』と音を使って、追い込んでいき。
「今っ!」
「「「オォォ‐ッ!!」」」
待ち伏せていた猟師と村人たちが、イノシシに矢を放つ。複数の矢がイノシシに刺さり、その命を削り。足の止まったイノシシは、槍によってとどめを刺され。
「獲ったぞ!」「「やったっ!」」「・・・ふぅ」
「急いで血抜きをしよう。木に吊るしてくれ」
「「「「わかりました!」」」」
血の臭みがつかないよう、逆さ吊りにされたイノシシに血抜きが行われる。
それは珍しい血抜きの処置であり。獣の血管に小さな『風球』を走らせ、血を噴出させ。さらに流れ出た血を、大きめの『風球』で吸い上げる。
猟師たちにとっては珍しい、術式を使った『処置』を獲物に行った。
冒険者に限らず、『戦い』は華であり、娯楽であり、誇りでもある。
そして『強さ』は、そのまま『発言力』につながり。集団における『立場』を、決定してしまう。
つまりカドラ村という集落で、村人が余所者を倒すのは、最高の『娯楽』になり得るということだ。
「ぐぅ~ゥぅわぁーー‐ー~―」
「・・・ッ!?」
そういうわけで富久也は、村人の拳を受けて吹っ飛んでいた。
打点をずらし、衝撃をそらして、『術式』で身体を浮き上がらせる。そうして受け身をとりつつ、地面に身体を転がしていき。
「やったぁ!すごいよ父さん!!」「「「‥^:^」」」
「・・・-・」「おおォ―^~^!!」×10
村人たちは、やんややんやの喝采をあげて、盛り上がる。
村の若者たちを『寸止めの拳』で降参させた。余所者を次期村長が、派手に逆転して吹き飛ばしたのだ。
彼らからすれば地元の英雄が、勝利して嬉しいばかりであり。
武術の妙など、心底どうでもいいだろう。
「「「「「・・・:-:・」」」」」
「ああ?:!勝ったのか‥」
そんな村人たちとは裏腹に、冒険者たちは不満の気配を発し。次期村長のライノは首をかしげながら、村人の歓喜に応えている。
『強さ』を尊ぶ冒険者たちからすれば、富久也の”八百長”が気に入らず。
ライノさんも手ごたえ、拳の威力に納得いかないのだろうが。
〔余計なトラブルを避けるため、こいつは必要事項だ〕と、富久也は既に話しを通している。
農村を支援する冒険者(と富久也)は所詮、余所者にすぎず。短期間、農作業を手伝い、獣を狩り、珍しい料理を披露する。
それらは村に利益をもたらし、依頼をこなしたと言えるが。村に住み働いている、男衆の面子をつぶしていい理由にはならず。
彼らの顔を立てるため、富久也は拳闘大会モドキを企画した。
そうして威勢のいいことを言う連中を、容赦なく叩きのめし。
冒険者の支援を受け入れた、村長の跡継ぎに敗れて見せた。
それを極東では”八百長”と言う、”手抜き勝負”あつかいするそうだが。
富久也としては〔一緒にするな〕と、言いたい。
格闘興行の”八百長”で得るのは、あぶく銭であり。格闘技に打ち込んできた、『情熱・プライド』を投げ売りするに等しい。
しかし富久也が『やられ役』を演じたのは、村人に秩序・安寧をもたらす『任務』であり。本気を出して村人を叩きのめし、明日からの農作業に”障り”が出るなど論外だ。
まして富久也が率いる冒険者たちに、村人が反発すれば。『農村支援によって、冒険者に親しみを持たせ。冒険者ギルドに依頼を行う際の、村人の心理的ハードルを下げる』と、いう任務が失敗してしまう。
そうなれば今までどおり、『依頼』を出すのが遅れ。最悪の事態になってから、エサを食べて急成長したモンスターと、戦う羽目になりかねない。
そんなロクでもない可能性を考えれば、富久也の(わざと)敗北など〔必要コストだ〕と、言いたい。
「だからってよ∼…もう少し、やりようがあるんじゃねぇか?」
それでも戦士な冒険者からすれば、富久也の行為は不満なようだが。
そんな冒険者に、富久也は静かに告げる。
「今回の依頼に失敗したら、ペナルティが課される」
「ほう、降格か?罰金でも課されると?」
「いいや。〔血の気が余っているなら、『女遊び』か『愛妾』をかかえて、発散しなさい〕と、通告された」
「「「「「・・・―∼・」」」」」
世間一般というか、権力者たちは側室・妾の数を競うそうだが。あいにく富久也にそんな趣味はないし。大半の男性シャドウにも、『種馬』に志願する”蛮勇”など断じてない。
「へ、へぇ~‐~、それはうらやましい;こって…」
「声が震えているぞ」
「・・・―;・」「「「「・-・~・-・」」」」
冒険者もギルドでC.V.エルシアさんの威圧を、既に目の当たりにしており。
今回の農村を支援する『依頼』が終われば、新天地を求めて冒険に出る。
富久也に、それを止める権利などないが。
「複数の妻を養うだけでも、大変なことだが…
一番、きついのは〔勇士がハーレムを築くのは、当然のことです〕とか、最初のころは言ってたのに。後になってから〔私がこんなに想っているのに・・・正妻を蔑ろにしている〕と、言って『新しい術式』を披露してくるそうだ。
理不尽だと思わないか?」
「「「「「・・:ー+;∼・・」」」」」
そんな惨事を防ぐために、重要なのはモテないこと。忠実に四角四面に『任務』をこなし。
大物食いなどしてはいけないし、『術式』での革命など絶対にダメだろう。
「そういうわけで冒険者のみんなにも、明日から接待プレイをしてもらう。
『かくし芸』とか、場を盛り上げるネタとかあればいいが。
吟遊詩人じゃあるまいし、接待プレイで村人を楽しませたほうが、いいとオレは思うが」
〔〔〔〔〔吟遊詩人も、そんなことしねぇよ〕〕〕〕〕
冒険者たちの〔ツッコみ〕を無視して、富久也は彼らに”最後通牒”を告げる。
「ちなみに失敗したら、街に残っている冒険者と同じ訓練を受けてもらう。
なに、強制依頼で多い『怪物の群れ』に対抗するための、ちょっとした模擬戦を行うだけだ;・;」
「「「「「・・・・…・」」」」」
次の夜から、冒険者たちは必死になって『接待プレイ』を行い。
芸事の難しさ・奥の深さを、身に染みて知ることになった。
必死で行われる珍しい芸に、村人たちが甘い点数をつけてくれて。
なんだか親近感がわいてきた。
冒険者‥その存在意義は三つ、ないし二つあります。
一つは『雇用対策』であり。
〔チンピラになるなら、冒険者になって雑事・怪物退治してもらいたい〕と、いう意図があったのですが。
組織化された”盗賊ギルド”に惑わされ、騙され、そそのかされ。
使い勝手のいい、捨て駒にされたり、用心棒に利用される。あるいは『宝』を取ってくる『道化・ツール』あつかいされ。
難易度の低い冒険を成功させても、世間知らずな荒くれ者のままでは、『英雄・勇者』に遠すぎる。そんな現実が横たわっています
そしてもう一つは『魔物退治』を専門とする、『狩人役』が期待され。
森林・荒野に『迷宮』で、怪物を退治して間引く。人型種族を捕食する『天敵』に抗う、『遊撃兵』としての役割を望まれています。
”魔物に人肉の味を覚えさせる”ことではなく。”トレイン”『スタンピート』を、誘発する『素材・アイテム』収集など論外です。
もちろん全ての冒険者に大型モンスターを討伐する、『戦闘力』など要求しませんが。せめてボスの護衛・取り巻きを倒す『実力』を、強者を名乗る冒険者には求めたい。
(ちなみに冒険者に望む、三つ目は『未知』を探索することですが。
食うや食わずで、知識の収集もままならない。そんな冒険者たちに、それを望むのは高望みでしょう)
「そういうわけで、皆さんには戦闘訓練を受けてもらいます」
「「「ふざけんなっ!」」」「てめぇは…」「何者だっ⁉」
「俺たちは冒険者だ!!どんな依頼を受けようGァ//*;~:」
セリフの途中で、冒険者の鎧がひしゃげ、巨体が宙に浮かされる。そして2,3回ほど空中でゆらされてから、沈黙した戦士が地面に優しく降ろされ。
透明な『何か』が、多脚?を動かして、冒険者たちと距離をとる。
「「「「「・――・~・・」」」」」
「このようにベテラン冒険者でも、実力は様々で、無敵には遠く。
そして魔物の群れを撃退すべく、強制依頼を出した時に役に立たない。野獣に敗れる見習い冒険者と同レベルな者には、『訓練・演習』が必要とギルドは考えました」
普通の才能しか持たない者は、練習したこと、経験したことでないと。『未知・初遭遇』にとまどい、慌てて実力が発揮できない。
まして凡人ともなれば、『貴重な経験』忘れて衰えて、口先だけになる。
口先だけならともかく、他者の足手まといと化し。軍勢・集団の”弱点”になりかねない。
そして冒険者ギルドは、特別な臨時依頼を受けて、運営されておらず。
薬草採取・ゴブリン退治などの常駐依頼を成し遂げて、経営されている。市民の『血税』・各ギルドからの『拠出金』から、常駐依頼の報酬を出すことで、ギルドは冒険者にサービスを提供しており。
資金を出している市民を脅かす、魔物の群れに対抗できない。魔物を迎撃する『冒険者の軍勢』として、何らかの役割を果たせない冒険者は、”乞食の類”と言っても過言ではなく。
戦闘力を自慢しながら、相応の戦果を出せない冒険者など”弱兵”にすら劣る。
富久也様の妻であるC.V.のエルシアは、そう思っており。
「そこで僭越ながら、6級水属性C.V.のエルシア・ケルノートスが、魔物退治の訓練役を拝命しました。
本来なら、余人に『手の内』をさらすなど、不本意ですが。街を守る冒険者の皆さんに、強くなってもらうため、依頼を受けたのです」
「「「「・―-・~ー・」」」」「・・~!:?」
エルシアの言葉に、一部の”冒険者モドキ”が視線を揺らがせる。
〔冒険者でない者、冒険者に潜り込んでいる”密偵”には退場してもらう〕と、いうエルシアの意向を、正しく理解したようであり。
「くっ、逃げr
『無垢にして変わらぬ瞳 その胃に歯はあれど、口腔には無く
頑強なる甲の表裏に、妄執と命脈は宿る
その硬き腕は切り、割き、刻み
その剛腕は叩き、はさみ、つかみ取る
なんじ迷宮の水辺より現れ 河原を進み 脈動する島に至れ
カルキノスマーチ!!!』
「「「「「Rーォー…*₋:ー…⁺~…―…」」」」」
制限のある『不可視の蟹』たちが、冒険者に襲いかかる。
見えず、防御力が高く、器用に力をふるう。そんな『カルキノス』たちが存分に冒険者たちを叩きのめして、偽冒険者たちを蹂躙していき。
「冒険者の皆さんには『スタンピート』に対抗できる、実力を身につけてもらうため。私が使役する『カルキノス』の群体を倒してもらいます。
農村支援に向かうことなく、戦闘力を自慢して街に残った。そんな皆さんならば、すぐにでも『カルキノス』を退治できるでしょう」
「「「うw・・:・」」」「ゴッ・・‐が、アがga」×??
「皆さんの健闘を、心から期待します」
こうして魔物の群れを退治する、訓練が開始された。
ネタバレ説明:『泡風踊』について
複数・大小の『風球(風船)』を作って、様々な運用を行う『術式』です。
本来は『防御』を目的に開発され。革袋を『風の魔力』で膨らませ、衝撃吸収を行う。『風の魔力』によって膨らんだり縮んだりする、『肉襦袢?』を量産・急造して、『防御力』を高める計画でした。
ところが風属性のシャドウでも、『飛翔の術』がロクに使えなかったり。
『加速』しながらの方向転換がなかなかできない。
水属性C.V.のエリアへ遠征・修行するシャドウに、様々な問題が発生しました。
そこで手のひらサイズの『風球』を連ねた、耐衝撃ジャケット・レッグガードに姿勢制御バーニア?を加え。脱出ポットモドキを作って、様々な難題に対応し。
そこでやめておけば、平和な未来があったかもしれませんが。
水属性C.V.に、『泡風踊』の技術提供を行い。
彼女たちの赤子・幼体を育てる『環境』を整える。『酸素供給機』に『泡風踊』の術理が取り入れられた結果、開発者な富久也は『英雄』あつかいされてしまい。
その後、すったもんだの末に6級水属性のC.V.エルシアは、富久也の正妻におさまりましたとさ。
〔身分差がある〕〔指一本、触れていません!〕
〔手柄を立てていないオレでは、彼女と釣り合わない〕〔それじゃあ、一夜の思い出だけを…(色々と遅い)〕
〔(狂愛にした)責任をとって、観念しなさい〕
その後、エルシアの主導で技術提供が行われ。
『泡風踊』を使うのに必要な、『革袋』の素材開発が行われ。それらを使うことで、シャドウの衣装も、大幅に改良されていき。
怪竜・怪魚やワニなどの水棲魔物が、とてもたくさん討伐され。
『泡風踊は水中活動にも有用だろう』と、いう研究が今も続けられています。
以上、『泡風踊』のネタバレ説明でした。
ネタバレ説明:『カルキノスゲーム』について
作中で使用されたのは『カルキノスマーチ』ですが。『カニ魔竜鬼の魔導』を、小規模にアレンジした『術式』にすぎません。
そのためネタバレ説明は『カルキノスゲーム』で行います。
6級C.V.でも上澄み、上位陣なエルシア・ケルノートスが使用する『魔導能力』であり。
下位C.V.のために『カニ型魔竜鬼』の手本・素体を提供する、『魔導能力』になります。
C.V.の魔術文明において、半身・守護獣・相棒で使い魔を兼ねる。『魔力の塊』であること以外は、カオスと言っていいのが『魔竜鬼』です。
そんな『魔竜鬼』は人間に真似できない、C.V.独自な『魔術(能力)』の一つですが。
異世界の加護・スキルと同様に、どうしても『ドゥーガ』との適正・才能が低い、C.V.もいる。
戦争・拠点防衛のために、どうしても『魔竜鬼ユーザー』になる、必要に迫られるC.V.集団に産まれ。それでも『ドゥーガ』を具現化・操作できないC.V.がおり。
そういうC.V.に救済策として、カニ型魔竜鬼の『卵・素材』を提供する。それが『カルキノスゲーム』の原点です。
もっとも幼少時代に『ドゥーガユーザー』として未熟でも。
壁を超える『機会』を得たり、大器晩成で成長に伴って、強力な『ドゥーガ』を使役するC.V.など珍しくもなく。
そういうC.V.たちから、強力な魔竜鬼の『情報・術理』がフィードバックされ。『カルキノスゲーム』は、ますます強力な『魔導能力』になっていき。
『カニ型魔竜鬼』を提供するC.V.に、編み出す『能力』についてアドバイスを、継続的に行い。
不可視?な『カルキノス』を5~6体操る、『カルキノスマーチ』を編み出して、エルシアの手札が増えたり。多彩な能力で人脈を作り、様々な任務をこなし。
エルシアは発言力を高めており。
〔エルシア先輩がお困りなら、何でも言ってください!〕
〔ありがとう。だけど、人員の編成はマスターが差配することだから。
旦那様とのことで、問題が発生したら励ましてくれると、嬉しいわ〕
〔〔〔〔〔喜んで、応援いたします〕〕〕〕〕
〔・・・-・~・〕
ちなみにエルシアが提供するドゥーガ素体は、『カニ型のカルキノス』だけであり。
同僚のC.V.は、それぞれ『魚型・貝型・海獣型・水草型』などのドゥーガ素体を提供している。後輩C.V.が『魔竜鬼』を構築?するアドバイスを、同じように行っていますが。
感情・ニーズによって『三形態にドゥーガは変わる』というイメージをされてるため。怪亜人とも異なる『カルキノス』の標準能力は、他のドゥーガ素体よりも、突出して人気があり。
〔能力を高めるよりも、『カルキノス』ユーザーが派閥を作らないよう。交流・意見交換の場を設ける方が、手間がかかって苦労する〕と、いう笑えない話があるくらいです。
なお『カルキノス』の標準能力については、次回に記載します。
以上、『カルキノスゲーム』のネタバレ説明でした。
赤穂浪士に刺客を送り込んだ容疑者。それは『吉良家』をはじめとした、武家ではなく。
単なる”犯罪者・裏社会”だと推測します。その理由は二つあり。
一つは討ち入りのため『軍資金』をためていたから。
藩士全員で公平に分けるべき赤穂藩の資産を、討ち入り浪士どもが独占しており。その大金を悪党が狙って、刺客を送り込んだというもの。
もう一つは討ち入りの準備を行うため、様々な”違法行為”を浪士たちが行い。
そのトラブルによって、刺客を送り込まれたというもの。
忠臣蔵では有志の『地主・商人』が、都合よく『装備・物資』の都合をしてくれますが。
そういう武具の売買は”違法行為”であり。太平の世に”反社”な連中と、どうやって接触したのでしょう?
そして妻子を捨て、元赤穂藩士たちが生活苦にさいなまれるのを見捨て。
〔敵討ちだから、吉良屋敷の家人を皆殺しにしても、問題ない〕と、いう思考のできる田舎サムライが、裏の住人とスムーズに取引をする。
どう考えても無理があります。
赤穂浪士が主人公の世界なら〔浪士たちの漢気に惚れて、打ち首を覚悟で協力した〕と、いう”狂気”がまかり通りますが。
現実の歴史では『由比正雪の乱』のように〔武器を集めて幕府転覆を企てた〕と、されて取り締まられる。物資を用意した、裏社会の住人達も同罪で、かなりのリスクがあり。
”闇の武器商人”を探し、交渉して、『武具』を買い取り。それらを運び、保管して、探索の目をかいくぐる。もしくは金目当てのゴロツキ、奉行所の配下なヤクザ者から逃れる。
大金もかかりますが。これで荒事ゼロなどというのは、無理があり。
もしスムーズに取引ができるとしたら。大昔から”反社な連中”と付き合っていた、”悪党”ぐらいでしょう。
しかしながら、いくら私がアンチ忠臣蔵とはいえ。討ち入りに参加しなかった、赤穂藩士にまで飛び火する、”悪党”あつかいはできません。
とにかく〔赤穂浪士が刺客を送りこまれた理由は、闇の世界にかかわったことによる、100%自業自得だ〕と、申し上げたい。下手をしなくとも、借金を踏み倒したり。裏社会の取引で、”不義理”をはたらき制裁された。
それが赤穂浪士を狙った、『刺客』の正体だと考えます。




