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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
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491.閑話~混成都市の騒乱+聖賢の思案:ネクロノーム:マスカレイドマウス

 某異形竜は、お祭りのシンボル・マスコットと化しており。欠片の風評被害も出したくないため。今後、表記するのは停止します。



 『水をあふれさせ(洪水を起こし)、船を沈めたガルグイユ(水邪竜)』の伝承ですが。世界的にかなり稀少であり。

 ”ヒト(・・)を川に引きずり込む””で船を沈める”怪異は、無数にいますが。

 『川で船(・・・)を沈める怪異』は、ちょっと検索したぐらいでヒットしません。


 ついでに付け足すと『西欧の十字教文化圏』で、『洪水を起こす怪物()』というのも異常です。


 何故なら『洪水は神の怒り』であり。人類を滅ぼす、偉大な力なのですから。

 『ガルグイユ』が行っているのは『水を吐き出し、川の水をあふれさせる』行為であり。洪水と言えるかは、微妙ですけど。


 『神が創造した』という由来がない、『ガルグイユ』が洪水を起こす。


 『一神教』の神父たちが、やりたい放題していた時代だからこそ。

 『頭部がガーゴイルになった』という伝承も含め。『ガルグイユ』の伝承は異常すぎます。

 ウァーテルという都市がある。


 大陸の玄関口となる『巨大な港』を所有し、複数の『文化圏』が交わる場所であり、各国に『長大な街道』が伸びている。そのため〔余程、”愚かな太守”が悪政を行わないかぎり、黙っていても『富』が集まる〕と、言われていたが。


 聖賢にして光剣をふるう、C.V.イリス・レーベロア様が太守となり。


 海上・街道の治安を改善して、”詐欺師”を重罪に処し。かつて”盗賊ギルド”が奪った、財貨を持ち主に返却することで、『莫大な富』が大陸中に還流され。


 混成都市ウァーテルは、未曾有の『大商都』と化した。〔”略奪するチンピラ(盗賊ギルド)”では、並みの商都から利益(生き血)を吸い上げるしかできない〕と、も言える。



 そんな混成都市ウァーテルだが、単なる混沌の都ではなく。様々な人材が集まり、大きな商いが行われ、魔術文明を持つC.V.様たちが暮らしている。

 同時に仕事を求め来訪した、貧民街スラムを作りかねない、大勢すぎる(・・・)人々を追い返し。移住・街道整備をさせたり、他都市での仕事を紹介・『契約』する。


 都市の『秩序』についても考察し、『人口・物価』に介入するしたたかさを、併せ持っており。

 それゆえ人々は大都ウァーテルを、『自由・混沌の都』ではなく、『混成都市』と呼んだ。




 そんな『混成都市』は現在、招かれざる『客』たちを迎えていた。


 「おいっ、いつまで待たせる気だ⁉我をいったい誰だと思っている!!」

 「貴人を待たせるとは無礼な…とっとと、この門を通すがいい!!」


 

 一夜にして、少なくない権力者たちの所有する『宝石』から輝きが失われ。ひどい物だと、完全に暗褐色のクズ石と化してしまい。

 殺意にあふれた”宝石強盗”たちが跳梁し、返り討ちにあってから。


 混成都市ウァーテルの文官トップのイセリナ様、魔導師団長クララ様たち御二人から、声明が出される。


 要約すると…


 〔混成都市で『輝きが失われた宝石』の代わりとなる、『宝石』を貸し出す〕

 〔『宝石』の輝きを守る、『防護の術式』を教える〕


 こんな内容の声明が出されたため。

 大陸中から色々と問題のある貴族・商人たちが、混成都市に押し寄せてきた。


 

 「なぁっ⁉当家に伝わる『宝石』の輝きを、取り戻すことができんだと!!」


 「最初から、そう言っている。


  イセリナ団長閣下が仰られたのは〔不運な者に(悪政を行う)『宝石を貸与』する(バカに宝石は貸さない)〕と、いう声明だ。

  そして魔導師団長クララ様は〔『輝いている宝石』の光を保ち、守る『術式』を教える〕と、しか言っていない。


  〔既に陰った『宝石』の光を修理・復活させる〕など、誰も言っておらんぞ」


 「ふざけるなっ!祖先伝来の『宝石』は、王家のえにしを証明する貴い宝物なのだぞ・・・それの『修復』が出来ぬなど…*・:*~…」


 【誰】と名乗っていない身元不明の男を、重騎士ガルドは無言で殴り飛ばす。



 御二人が発した『声明』の内容を確認しなかった。もしくは一縷の望みにすがって、ウァーテルに押しかけて来たのか。

 あるいはどさくさに紛れて、イセリナ団長閣下の仕事を妨害に来たのか?


 いずれにしろイセリナ団長の『外交取り引き』を、木っ端な凡夫の”戯言”で浪費するなど、論外であり。


 「誰かは知らぬ、旅人・・殿はお疲れのようだ。隣の街に宿があるから、そこで休まれるがよい」


 「「「「ハィイイイー‐ーーーっ」」」」


 陸戦師団、副団長であるガルドの通告に、お供の連中が主らしき者をかかえて、退出していく。


 おおかた”宝石が陰った”と、いう醜聞を知られたくない貴族が、情報確認もせずに急行したのだろうが。関係者たちも必死であり、下級貴族家の存亡がかかっているのか、寄親の尻ぬぐいを命じられたのか?


 〔詳しくは知らんが、混成都市では聖賢イリス様が、絶対のルールだ〕


 そして姉君(イリス様)から全権を与えられた、イセリナ団長こそが現在の混成都市でトップを務めており。評判が悪いうえに、団長閣下(イセリナ)が出した挽回のチャンス(2人の声明)を活かせていない。

 

 〔そんな”悪徳貴族”は滅びればいい〕と、ガルドたちは思っている。



 とはいえ建前だけでも、権力者たちの面子は立てねばならず。


 「なにぶん、『家宝の宝石』に関わり、間違いが許されないこと(術式)を行う!!


  それゆえ貴族位を持つ当主・跡継ぎ以外の者は、荷物検査を受けてもらい。

  最低限の身分を確認させてもらう‼」


 ガルドの宣言に、豪華な馬車を仕立てた者たちから、不満の声があがるも。

 代理人が”賊”の類だった場合、責任を取れる者などいるはずもなく。〔帰れ〕と、言われれば破滅するしかない連中だ。


 

 その結果、貴族たちの馬車が渋滞し、徹夜で検査を受ける。そんな珍しい光景が、都市の正門前に広がった。











 混成都市ウァーテル。大陸中の富・人材が集まる大商都において、『衛兵』がやるべき仕事は多く。

 そのため〔降伏した元盗賊たちが、もっとも多く転職させられ、人員補充を行っている〕と、言われている。


 そして現在、『宝石のトラブル(陰り)』によって、各国の貴族関係者(たち)が、混成都市に押し寄せ。


 〔当家の『宝石』こそ(都合を)、最優先に修復されるべき(割り込みさせろ)〕などと、ほざくのはカワイイほうであり。

 


 ”『宝石の修復』が失敗すれば(を妨害して)、ウァーテルの名声が地に堕ちる(を何としても下げる)


 〔『輝きを失った宝石』の復活を、我が家に命じて「ウァーテルに行け」などと…迷惑だが、やるしかない!〕


 ”騒動を起こすだけで、ウァーテルに痛手を与え。世間知らずな連中をあざむき、脅し、争わせるだけで、富を得られる。このチャンスを何としても利用するぞ!”



 こんな連中が押し寄せてくれば、衛兵たちの仕事が激務になるのは、当然のことであり。

 その話を聞かされた、下っ端(元盗賊)衛兵のチャルクは、暗澹あんたんな気分になってしまう。




 そして間を置かず、そんな『予想』をしていた時が、いかに平和で恵まれていたのか。チャルクは”恐怖・恐慌”とともに、思い知らされた。



 「ヤめロォオオー、yyyA*-*めデクレーー~:*」

 「ギャp+;-~*p/*p、ヒィ、ひっ、ヒッgw」


 「あらあら・・お貴族サマに化けて、”詐欺師”とグルになって悪事を企てる。

  そんな”悪党”どもが、情けない声を、あげるものではないわ」


 「・・;(タスケテっ)・・;ー:…(助けて~)


 貴族のいざこざに巻き込まれるより、ケンカの仲裁をしてい(をする奴を捕まえ)たほうがいい。

 そんな打算をはたらかせ、踏み込んだ路地裏では”惨劇”の真っ最中だった。



 壁には鮮血がこびりつき、地面では血の海が広がっていく。死の気配が漂う暗がりで、赤い髪の女がうつむき。半死半生の貴人たちが、地べたをはいずっている。


 ソレらを見て、チャルクは迷わず逃げ出すことを決断し。


 『そんなに怯えないでくださいませ。衛兵の皆さんが隙を見せては、不心得者たちが跳梁跋扈ちょうりょうばっこしてしまいます。


  哀れな女(高級娼婦)としては、恐ろしくて仕方ありませんわ・・・』


 「;!*‼ー+;~:」


 耳元に送られた『声音』が、チャルクの心胆を寒からしめる。おぞ気が走って、背筋が凍り付き。全身が硬直して、瞬きすら許されない。


 そんな風に逃走を封じられた、獲物の気分をチャルクは体験したあげく。


 『こっちにいらしてください。少ししたら、この者たちを引き渡しますから。

  護送をよろしくお願いしますね』


 「…遺体をですか?」


 チャルクのモれ出た言葉に、ささやく声は朗らかに応え。


 『衛兵チャルクさんは、オモシロイことをおっしゃいますね。


  よく感じて(・・・)ください。壁にこびりついている鮮血も、地面を汚している血も、偽りの作り物にすぎません。

  ちょっと『ネクロノーム(死霊幻惑)の術式』で作った『偽血』ですわ』


 「「「「「Wぅ*~o-~・Oォ-―」」」」


 「なンだ、偽物の血ダったのか~;・:」


 女の返答を聞いて、チャルクは口調を平静に保とうと、必至に努力する。


 全身の震えを抑え、目を見開き。惨劇から目をそらそうとして、むせかえる血の臭いに吐き気をもよおし。口から虚ろな息が漏れ続けた。



 『ネクロノーム』:『死者』をモンスター化しない(・・)。〔特異な『死霊術』だ〕と、衛兵の座学で教えられた”狂猛な妖術”だ。


 〔人型のアンデットを操るのは、死者への冒涜だ(コストがかかる)〕と、言いながら”凶行”をやらかす。


 ”屍体の幻惑で、狂気をもたらす”と、いう最悪な邪法であり。歓楽街(娼館)に害をなす盗賊ギルドを、破滅させ、惨殺してきた。

 〔その”邪法”に殺された者は、アンデット以上に魂が穢され、地獄に堕とされる〕と、もっぱらのウワサだか。


 衛兵たちが一生涯、遭遇したくないし、関わりたくない”存在”の一つであり。

 そして今現在、遭ってしまい逃げられない、”災厄”ともいう。


  その元凶である『朱色の魔女』が、呪文を唱えはじめ。


 『酒宴の時に、口は大きく  しとねの中で、舌はすべらかに


  されど大言は虚しく響き  陰口は自らをあぶ


  密談は、水のように漏れて  雑言は大地を転がる


  されど嘲笑は天に届くことなく  言のと化して、連環を裂け


  マスカレイドマウス!!』


 「はヒっ!;?」「・・ァア、あいつめ――∼」

 「ワインじゃNい∼エールこそ:」「OんNぁはムネだw、Mねこゾ*∼」


 「さあ皆様、大事な秘密を話す必要はございません。

  胸にため込んだ、”不満”を吐き出しましょう♥♡♥」


 「「「「「…*+;‘~`・:-」」」」」


 「Hu->*<-っ」


 セリフを最後まで聞くことなく、チャルクきびすを返す。全力で脚を動かし、災厄から避難する。



 それでも聞くに堪えない”ダミ声の吐露”は、いつまでも耳の中で反響し続けた。










 『契約』を破った不届き者たちが所有する、『宝石』から輝きが失われ。


 それによって『宝石』の所有者である連中の面子がつぶれ、”宝石強盗”などが暴れ出し。

 

 さらに事態を解決すべく、混成都市のC.V.イセリナたちが声明を出したものの。それはそれで、混成都市に騒乱を起こそうと、敵対勢力が動き出す。



 そんな一連の事件を引き起こした、『魔導能力』は役目を終えたものの。

 『宝石』の結晶体に陰りを付与する、『アッシュティンクル』は人類文明に多大な混乱をもたらし続け。


 厄災の術者(C.V.)であるイリス・レーベロアは、辺境にある最も高い山に登り。下界を『感知術式』で見下ろしていた。


 


 マシな権力者の『権勢』を増大させ。『契約』すら守らない、横暴な権力者どもの勢力を弱める。

 そのためにイリスは、何の罪もない『宝石』の売買で糧を得る者に、被害が出るのを百も承知で、『アッシュティンクル(結晶体に闇属性を付与)』を発動していた。



 そうして『宝石』をクズ石に変えて、資産価値をなくし。社交の場(パーティー)で着飾る、『宝石』を事実上、失わせて面子をつぶす。


 さらに価値のなくなった『宝石』の代わりに、新たな『宝石』を入手しようと、様々な行動を誘発し。

 ”宝石強盗”レベルの”強硬手段”に出れば、物理的に潰し。増税・借金を行う者は、経済面から圧力をかけ、ギャンブルでとどめを刺した。



 すべては”盗賊ギルド”と癒着している、悪徳貴族たちを滅ぼすため。『宝石』に関する諸問題を解決するため、『国境・領境』を越えて”連中”を破滅させる。

 

 そのために〔混成都市の水源に毒を流す”連中(盗賊)”は、言いなりにならない独自勢力(貴族)の水源に()悪さをする(毒を流す)〕と、告げつつ有力な貴族たちと交渉を行い。

 

 〔”盗賊ギルドの傀儡かいらい”を破滅させるのを黙認する代わり。”連中(傀儡)”の財産・領地を、混成都市ウァーテル簒奪さんだつしない。(貴族による)派閥の論理にゆだねる。

  

  加えて魔王軍の侵略を3年間防ぎ。大陸の一部のみを領有する条件で、和平を結ぶ〕


 

 各国の有力者たちとイリスは、こんな『契約』を結び。辺境の最も高い山頂で、魔王軍のウィルニス(勇者役)さんとも、イリスは『約束・・』を行い。


 〔宝石の細工師、商人に輸送に関わった者たち。それと屋敷で『宝石』を管理したり、触れる立場の者たち…〕



 イリスは混成都市に戻ることなく。天気の荒れ始めた山頂で、今回の『作戦』による被害者たちについて考えていた。


 ”盗賊ギルド”に引導を渡す。今回の『作戦』で”盗賊ギルド”は、ほとんどの力を失い。強硬手段をとったなら、”宝石強盗”と同様にシャドウ一族・8級以上のC.V.を送り込んで、壊滅させる。


 それに伴い格段に『治安』は向上し、救われる命は多いと断言できる。


 とはいえ『宝石から輝きが失われる』という、『アッシュティンクル』の影響は大きく。単純に『宝石』の価値は下がり、”風評被害イメージダウン”は数代にわたって続く。

 

 加えて”宝石強盗”を行う度胸がない者たちは、当面の責任を弱者に押し付け。

 〔トカゲの尾を切る〕のか、八つ当たりをするのか知らないけど。


 罪なき者たちの生活の糧を奪い。”冤罪事件”が起きるのを横目で見ている。

 そんな風に”唾棄すべき愚行”を、イリスはやらかしていた。



 〔やっぱり当初の計画通り、『頭髪・服飾』に()『アッシュティンクル』をかけた方が、よかったのかな…あるいは征服大王のように国々を平らげた方が、すっきりする?〕


 部下たちの前ではできない『思案』を、イリスは無人の山頂で繰り返す。


 『宝石』に加え、ドレス・スーツに『術式で着色』を行えば。血筋にうるさい、連中が髪の色を『術式で変色』させられれば、色々なものがひっくり返るけど。

 混乱が大きすぎて、今より状況をコントロールできなくなる。


 そして征服大王の気概は好きでも。C.V.勢力の長として、国々を滅ぼし統一するパターンは、イリスの好みではなく。

 『次代を幸せに(・・・)育成できる、環境を創る』ことが重要目標のイリスにとって、1000年程度でガタが来る『帝国』など、”砂上の楼閣”に等しい。

 

 〔魔王軍がハズレの可能性もあったし…やっぱり『宝石の輝きを失わせる』のが、最も犠牲が少ないんだよね~〕


 加えて『大規模な魔導能力(アッシュティンクル)』を発動した術者C.V.(元凶の魔女)は、混成都市で事態の収拾を行うわけにはいかない。

 『アッシュティンクル』を発動した、全ての残滓ざんし・痕跡を消し。アリバイ?を作って、『記憶』に封印を施し。



 それから…


 『覚悟ッ…ハイドラタービュランス!!ブレス!!・・酷冷泉!!』


 思案するイリスの背後から、『水属性の魔術』が連打され。体温を強制放出させるべく、蒼の濁流が全身を覆いつくす。



 そしてイリスは既に結論の出ている、思案を打ち切った。











 ネタバレ説明:『ネクロノーム』について


 下級シャドウであるサヘルの愛妾であり、眷属C.V.(元人間)であり、娼婦たちの元締めでもある。マリーデが編み出した邪法の『魔導能力』です。


 『ゾンビ・ゴースト』など、『アンデット』を使役することを禁じる『制約』をかけ。


 代わりに『死体に特化(限定)した鑑定(検死)』を行う。血液・遺体・アンデットに関係する『幻影』を操る。そして毒薬・幻影を併用して、何らかの『精神干渉?』を行う。


 

 人によっては〔『ネクロマンシー』よりも、死者を”冒涜”している〕と、糾弾することも珍しくない。『死霊術ネクロマンシー』をアレンジした、『魔導能力』です。


 もっとも『ネクロノーム』の評判が悪いのは、『幻影で恐怖をもたらすから』だけではなく(・・)

 娼婦に危害を加える、”暴力の住人”たちの面子をつぶす。普段、偉そうなことを声高に叫ぶ”ゴロツキ”を恐慌に陥らせ、醜態をさらさせ破滅させる。

 それゆえ”ゴロツキ”たちから憎まれ、恐れられ、”悪いウワサ”を流され。


 『ネクロノーム』の評判が悪くなっています。



 ちなみにC.V.の特性として、『魔術能力』と他の術を併用・・するのはスタンダードなのですが。


 『ネクロノーム』も例外ではなく。『香り』『楽曲』『指圧』などで、抵抗力を下げて、動揺しやすくしたり。芸術で注意をひいたり、手品で解析を惑わせたり。『酒』『薬物』を飲ませて、とっくにチェックメイトをかけている。


 ちょっと(・・・・)凶悪な『魔竜鬼ドゥーガマスカレイド』を使役して、覚悟がガンギマリなため。

 恐ろしい”奴隷商・誘拐魔”たちも、刺客を雇い、様々な対抗策を練っているのですが。”返り討ち??”にあって、悲惨な最期を迎えており。


 今では〔マリーデに殺されると、魂が現世を漂いながら、最悪の地獄を味わう〕と、ささやかれ。”ある連中”からは、シャドウや一般?C.V.よりも、恐れられています。 



 以上、『ネクロノーム』のネタバレ説明でした。






 ネタバレ説明:『マスカレイドマウス』について


 正式名称は『マスカレイドビックマウス(おしゃべり)』です。事実上、『自白』を誘導する『精神干渉』であり。


 最初は好物・好きな歌など、どうと言うことのない『情報』をしゃべらせ。次に同盟者・敵対勢力の『情報』を吐かせ。

 それらの過程で、脈拍・体温や眼球運動などを解析し。被術者が苦手としてする、『尋問方法・五感への刺激』を割り出し。



 最後に『魔術能力マスカレイドマウス』と併せて、抵抗力を弱め。眷属C.V.(マリーデ)が求める情報を、吐き出させる。

 尋問の相手によって、『自白』までの手段・過程を変えて、早く尋問をすませてしまう。必要ならば正気を失わせる、『精神破壊』を行う邪法です。


 ちなみに『黙秘権』がない、この世界において口をつぐむのは、おすすめできません。酒・タバコ・薬物・香りなど、人を夢見心地にする手段など、”某ギルド”だけでも無数にあり。

 マリーデが〔黙秘する(手間がかかる)なら、強めに『マスカレイドマウス』をかけましょう〕と、考えた時点で、尋問される者は人生終了しかねません。



 以上、『マスカレイド(ビック)マウス』のネタバレ説明でした。

 もちろん頭のおかしい知識人(神父)が、創作に創作を重ね続け。『異常な竜(ガルグイユ)』の伝承をねつ造した、可能性もありますが。


 さて、そんな『ガルグイユ』の伝承で、重要なのは『ガルグイユが船を沈めた』のくだりです。


 大海・大河や激流の川ならともかく。フランスあたりの川で、『貴重な財産』である『船』が、ホイホイ沈むなど許されません。難所・激流があったら、そこで船の運用などしないでしょう。

 そもそも船を操る人も、命が惜しいですし。『謎の怪異(ガルグイユ)』によって、怨みを抱かれるほど、何度も船が沈められる。


 単なる異常・稀少の類ではなく。正気を疑うレベルの怪事件でしょう。



 その元凶を『証拠』もなく、あげつらうのは”誹謗中傷”になってしまう。そのため具体名は出せませんが。


 『ガルグイユ』の伝承において。事実上、”リンチOK”の行為をして、怒れる住民を諭さず、制止することなく。

 異端を攻撃し、魔女狩りの歴史を持ち。薬師を迫害して、間接的にに疫病の被害を増やした。

 

 そんな狂信者が”歴史で知られている、他にもやらかした”と、いう可能性を自然と連想してしまう。

 ”密輸でバレそうになったから、マフィアが口封じする”という”裏社会”の話に、『ガルグイユの伝承』は似通っている・・・・・と、いう失礼な妄想をしてしまいます。 

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