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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
416/429

416.閑話~素人の外交+アッシュティンクル::

 『品物』には 流行り廃りがあり。

 常用できないから、『魔除け』にできない『メドゥーサの首』に対し。


 日本の『鬼瓦』は、『鬼の面』と共に磨かれてきた【歴史】があります。


 『お祭り』・『能楽』や『民間伝承』など。日本の様々な『舞台』で鬼は登場し、おそれられると同時に、まつられてきました。

 『鬼』は悪鬼であると同時に、人を戒めたり、祟りを鎮める。『守護者』の面も併せ持ち。


 そのため『鬼の面』も職人が、丹精を込めて製作し。『鬼の面』を管理する人々も、おろそかに扱ったりしませんでした。

 混成都市ウァーテル:イリスたちが”盗賊ギルド”を駆逐して、築き上げた都市には複数の強者(C.V.)が滞在している。


 一応魔導師団長であり、陸戦師団の副団長ガルド・ログナー君と事実上の(べったりな)夫婦になっている。『雨の(マトリエル)天輪(ハイロゥ)』をはじめとした、極めて広範囲への『魔導』を行使するクララ・レイシアードさん。


 珍しい水属性シャドウな汐斗せきと君の恋人であり、やめとけばいいのにハーレムを作ろうとしている。『気体・液体・固体(ブルーセイレーン)』という『魔術能力デザイン』で、一般C.V.のふりをしているアン・グリュールヴさん。


 そしてシャドウ一族の侍女頭であり、誰よりも一族を大事に思っているアヤメ。



 イリスと同格の実力を持つ者が3人もおり。

 彼女たちに準ずる実力者に、シャドウ一族で姫長の扇奈、黒霊騎士のシャルミナ団長がいる。


 この中の数人が協力すれば、近隣の人間国家を滅ぼすことも、可能なのでしょうけど。

 イリスは統治が面倒なうえに、いずれ破綻する帝国を築く気など欠片もなく。


 与えられた(・・・・・)任務を達成すべく、地図上は大陸の果てと記されてる辺境の山頂で、同盟相手のC.V.を笑顔で迎えた。




 「初めまして^・^


  6級水属性のC.V.ウィルニス・スィーアルンと言います。

  魔王ハーミュルズく…様の軍団で勇者()を務めています」


 「よく来てくださいました。


  等級は‥5級、光属性のC.V.イリス・レーベロアにしましょう。

  混成都市ウァーテルの支配者であり、この領域に秩序と混沌をもたらすべく、活動しています」


 穏やかだけど〔社交の素人です〕と、言ってるに等しい、挨拶を互いに交わす。

 とはいえウィルニスというの規格外・・・が来訪し、イリスは今まで以上に行動に神経を使う必要に迫られる。


 ”強い者が正義””弱肉強食”

 ”帳尻が合えば、いくつか国を滅ぼしてもかまわない”


 こういう”暴力ルール”を下手に振りかざすと。

 〔それなら私が同レベルのこと(暴力ルール)をしてもいいよねっ(もふりかざそう)〕と、勇者C.V.(ウィルニス)さんが言い出しかねず。そうなったらイリスも無傷ですまないし、混成都市の崩壊もあり得る。


 〔武力・・で安直に強硬手段に出るのは、”生臭坊主(光神殿)”の時で最後かな…〕


 そんなことを考えつつイリスは『極秘の外交』に取り掛かり。


 まともなC.V.が聞いたら、突っ込みで済まない『名乗り?』を、そろってスルーする。



 「水流の息吹をあびなさい…『ハイドラブレス!!』」


 『枝は牙に…葉は翼に‥『グリーンドレイク!!』

 

 

 ついでに『水那(魔竜鬼)』とミレイユさん(魔王の側室C.V.)が魔術バトルを行っているのも放置する。

 本来ならセコンドについて、アドバイスの一つもするべきだけど。


 今回ばかりは会談を優先させてもらい。魔術バトルは『極秘の外交』を隠す、『覆い』になってもらう。

 そんな姑息な『隠蔽』を行いつつ、ウィルニスさんとの会談が始まり。


 「まずは面倒な交渉から済ませよう。

  魔王軍に所属するC.V.が、この地で討たれた件について…『賠償』はこの条件でかまわない?」


 「ええ、事前に交渉した通り。この大陸で居住可能な地域の3分の1を譲り、賠償金は100億ベレを即金で支払う。

  ただし平時は人・物の往来に制限をかけない。魔王軍の『租借地』は人間を、傀儡の王にすえて『外聞』に配慮すること」



 各国の『王』が聞いたら噴飯ものなやり取りが、テーブルで確認・・されていく。


 だが悪徳の都が陥落してから今に至るまで、”悪党な盗賊ギルド”に対抗する人間勢力は出現せず。当分の間、C.V.勢力が相応のコストをかけて、この大陸を支配するとなれば。


 ”盗賊ギルド”の傀儡・弱者を相手にするほど、イリスたちは甘くない。

 せめて有益な提案を権力者たちが、期限内に行っていれば。もう少し建設的で、国の面子に配慮する『会議』が開かれた、可能性もあったのだけど。


 しかしC.V.勢力が持つ『魔術・軍事力』に警戒して、怯えた各国の権力者たちは、その機会を逸してしまい。イリスたちと魔王軍の都合を最優先に、『秘密条約(裏取引)』が結ばれ。

 その確認作業(調印)を行うべく、イリスとウィルニスさんは、辺境のいただきにある地に集ったのだが。


 本来、イリスも魔王ハーミュルズ軍も、無駄な流血を嫌う『穏健派』と言われ。そうあるように努力も重ねたけど。


 〔〔”盗賊ギルド(共喰い)”の傀儡・共犯者になっていた、権力者が大勢いるのだから。強大なC.V.勢力が”連中”を操り人形にしても、文句は言わせない〕〕と、考える程度には凶悪であり。


 

 この場で人類文明に影響を及ぼす、『魔導能力』が放たれる『契約』が結ばれていた。


 「それにしても”盗賊ギルド”はともかく、”悪徳貴族”をも破滅させる。

  そんな都合のよい、『魔導能力』があるのかしら?」


 「んーー、残念だけど”悪徳貴族”全てを破滅させたら、統治機構が混乱してしまって、シャレにならないからね~


  だから中小の”悪徳貴族”を狙い、逃げ足の速い”盗賊の幹部”たちから、財貨を吐き出させ。

  ボクの『魔導能力』で直接的に血は流れないけど…品物に関わる商人・職人さんたちを巻き込み、”冒涜”する」


 「お手並み、拝見するよ。

  『魔王ハーミュルズの名にかけて、貴女の決断に護りの水をもたらす』」


 そう告げてウィルニスさんは『魔力』を少しばかり高め。


 「・:‼・?」

 「○ー:*!」


 『水那』ちゃんとミレイユのバトルが、その威圧によって硬直させられる。

 


 『朝焼けに煌めき  日中に輝き  黄昏に影を描くもの


  燦然さんぜんと照らし  瞬時に透過する  反射して陰りを映す、閃きよ


  決断の始点  契約の文字  天秤の皿を穢す、愚か者から依存を奪え!


  巨人の肩にある聖賢は、地表に刺さり  


  先人の聖剣は灰からでて、瞬き、光輪の影を讃える  


  アッシュティンクル!!!』



 そうして『アルゴスゲーム』『グローリーゲーム』に連なる、イリスの三つ目の『魔導能力』が、大陸中に降り注いだ。  











 「貴様の横暴を、これ以上許すわけにはいかない!

  アンヌ‥お前との婚約は破棄だ!!」


 「ッ⁉」×5「・ー・:?」

 「なっ!」「●‐~ッ⁉」×8


 毎夜のように『翼の無い怪物(ガーゴイル)』が襲来し、王城が脅かされていたデリング王国において、社交パーティーが開かれていた。


 数日の平穏を得ただけで〔これからは『怪物』が襲来しない〕と、いう根拠の無い希望にすがり。本来なら国内の貴族をまとめるべき、大事な社交の場で、”暴言”は発せられ。


 「・・・かしこまりました殿下。

  ところで、一つお尋ねしたいことがあるのですが…」


 「何だっ!貴様の悪行に関する証拠か‥それとも婚約破棄の理由かっ?」


 瞳は濁り、表情を歪めた王太子は、新しい婚約者の肩を抱いて醜態をさらす。

 そんな元婚約者にアンヌ嬢は静かに問いかけ。


 「胸元を飾る『宝石』の輝きが失われ、濁った色に変わっていますが。

  お気付きになられています?」


 「ハァッ⁉‥・なっ!こ、これはいったい・+‐・」


 胸元で燦然と輝いていた『ダイヤモンド』は、安物のガラス粒以下となり。宝石職人が全霊をかけたカッティングに、有り得ない黒ずみが浮かぶ。

 そうして不穏な『魔力』を放出し、王太子たちの影が大きく広がって。


 「イヤァーーー‐―ー!なにっ、何なの!*?」


 「ミアっ?」


 ”真実の愛”とやらを語る前に、王子に甘えていた小娘が両の腕を突きだす。その二本の腕は王子を突きとばし、物心両面で距離を取らせ。

 ”物語のイベント(悪役令嬢の断罪)”が始まる前に、イロイロなものを終わらせた。


 「ち、違うのっ…その『宝石』が怖かったから‥胸飾りを弾き飛ばそうとシタだけで;+・…w」


 「衛兵っ、宮廷魔術師を呼んできなさい!

  誰か杖を・・棒状の長物を持ってきて!」


 「・・・-・ッ:」×10「キャアーーーッ」×6

 「下がって‥!」「「「お下がりを、こちらへ」」」「避難をっ!」


 王子の胸元を飾る『ダイヤモンド』が突然、輝きを失い。あげくにあり得ない黒ずみが浮かんで、持ち主の『影』が不気味にのびる。


 その怪奇な現象は、『ガーゴイル』など比較にならない衝撃を、貴族たちの物心両面に与えた。

 王侯貴族の権力・財力の象徴である『宝石』が、”呪い”に侵され。加えて〔非常時に何をするか?〕という本性を、渦中の人物たちがさらけ出し、公の場で見せつけた。


 それは不安にさいなまれていた、貴族たちの仮面を容赦なくはがし。


 「違うの‥違うのよ…私は怖かっただけで・・・」


 「虚勢でもいいから、心を強く持ちなさい!槍の心得のある者は、杖で胸飾りを弾き飛ばして・・っ!


  じゅうたん・・テーブルクロスを持ってきなさい。

  気休めだけど、それでダイヤを覆って…」


 残酷なまでに令嬢と小娘の差異を、際立たせる言動が大勢の前でさらされ。



 こうしてデリング王国における、悪役令嬢の物語は始まることなく、幕を閉じてしまった。








 大陸の裏社会を取り仕切っている”盗賊ギルド”は、その知らせを伝えられ。

 可能な限り早く、臨戦態勢に入った。


 「俺たちと組んでいる、貴族の『宝石』が次々とクズ石になっているだとっ⁉」


 「へぃ、『宝石』の輝きが消えたと思ったら、斑点はんてんみたいなシミが浮き出て…

  〔宝石が呪われた〕〔悪行の恨みが、宝石を覆った〕とか、言われて大騒ぎになっていやす」


 「あんの”クソ魔女”がぁ∼ー」



 部下の報告を聞いて、シーフロードのセプトスは頭をかかえる。


 『魔術』を使う”魔女C.V.”どもは、盗賊の使えない『魔力』という凶器をふるう”災厄”だ。

 そんな”魔女”でも、単独行動して色ボケて、甘ちゃんになっていれば。不意打ち、闇討ちで始末することも可能であり。


 悪徳の都から撤退した時は、逆襲の時期をうかがうつもりでいたのだが。


 〔混成都市を築いた”魔女イリス”は、盗賊の弱点を熟知していやがる〕


 拠点間の連絡を断ち、資金源をたたいて、面子を徹底的につぶす。

 今や盗賊は”ノロマな鈍亀”のレッテルをはられたあげく、”シャドウ一族”の踏み台におとしめられ。光神殿の本拠地をつぶされ、『情報網』を確実に削られていった。


 

 「…そのっ、あの”魔女”どもが、やったとは限らないのでは?」


 「‥てめぇ、死にてえのか?」


 「ひっ‼」


 『宝石』を無価値な”クズ石”に変える。こんな暴虐を行う奴が、”あの魔女”ども以外にいるはずがない。


 万が一、どっかの妖術師が悪さをしていたら、望外な幸運と言えるが。”魔女”への対応で楽観論を語るのは、周囲を巻き込む害悪であり。

 セプトスは殺意をこめて、部下の楽観論を否定する。


 「あ、あ*…・ア・・」


 「幹部を集めろっ‥緊急の会議だ‼一人も欠席は許さんと伝えておけ」


 「ハイぃ――-ー」


 愚かな部下が部屋から飛び出ていく。

 その足音が聞こえなくなったのを確認してから。セプトスはすばやく部屋の『隠し金庫』を開け。


 「また、やられた・…*・」


 逃走資金として袋に分けていた、虎の子の『宝石』がクズ石に変わっているのを確認する。

 『宝石には魔術を込めることができる』と、聞いており。理論上、『灰色・斑点の幻像』を付与?することも可能なのだろうが。


 「いっそ、『呪い』でも込められていれば転売できるんだが…」


 盗賊ギルドの利益になること、簡単に予測できることを、”あの魔女”がやるはずがない。幹部どもを集めたら、まずそのことから説明をしなければならない。


 その繰り返しに、セプトスは心底からうんざりした。












 ”宝石から輝きが失せ、斑点が浮かぶ””宝石がクズ石に変わる”


 そんな”悪夢の魔法”が発せられて、大陸中が震撼した。


 〔『宝石』が穢れて、価値が下がる前に売りさばくぞ!〕

 〔落ち着け!まずは情報を集めてから‥・〕

 〔アアぁーーー、我が家の家宝がっ、財宝と資産が・・;・…〕


 こんな風に誰もが”宝石の変化”で、損害を受けたのならば。嘆きは怒りへと代わり、この”邪法”を放った元凶を討伐する、気運が高まったかもしれない。


 〔『国の至宝』や大貴族様の『家宝』は、”呪い”にかからないそうだ〕

 〔『宝石』が穢され灰色になったのは、悪いウワサのある奴の持ち物だとか…〕


 〔・・・何でも安直に『契約』を破る、無能貴族の”呪われ宝石”が”けがれ”を放出したと、いう話しだぞ〕



 しかし『宝石を変色させる邪法(アッシュティンクル)』は狡猾こうかつかつ、邪悪だった。


 不公平かつ不平等に、『宝石』を穢し変色させて、価値を貶め。

 それら『宝石』を所有する、持ち主の面子・権威に資産を、乱高下させていき。



 〔さすがはケルヴィン公爵の『宝石』です。”邪悪な光(宝石の変色)”をものともしない〕

 〔デリング王家は『王冠の宝石』まで曇ったとか。なんて業が深い王家なのでしょう…〕

 〔マズール商会も被害にあったそうですが。これからは(不届きな)取引相手を、よく【吟味】する(と、契約しない)そうです〕

  

 こんな風に、不変なはずの『宝石の輝き』が、様々な濁り方をしたことにより。大陸中で様々な混乱が引き起こされ。


 〔金なら、いくらでも払う。まともに輝いている『宝石』を売ってくれ!〕

 〔認めない、認められない、許容などできないわ!!!何としてでも、代わりになる『宝石』を手に入れてっ‼〕

 〔我が家の面子が…下級貴族ごときが『綺麗な宝石』をもっているなど、身の程知らずだ。こうなったら強硬手段を使ってでも、『宝石』を入手して…〕



 こうして大陸中に、不穏な空気が流れはじめ。


 『旋矢群!』『旋風閃‼(加速の身体強化)』×2


 「ッ;⁺!」「ひぃ…:」「ガカッ‘-」

 「「「「「ギャァーーーーッ」」」」」


 偶然・・、居合わせた旅人・・のシャドウたちによって、一掃されていった。



 「何故ですっ・・何故、混成都市の下賤者シャドウたちが、我が国にいるのです!」


 「それはまあ、シャドウでも観光か行商をする時がある。男3人だけで、旅に出たくなる時もあるのじゃろう」


 〔〔〔〔〔ねぇよ…〕〕〕〕〕


 『宝石』を強奪したり、購入資金をあくどい手段で得ようとする。

 そういう権力者たちは、国境・領地を越境する狡猾な”賊”と共に、『謎の護衛』によって返り討ちにあい。


 『宝石』が(何故か)無事な王家・派閥貴族によって、不届きな貴族たちは攻撃されてゆき。


 〔”奴”らと共倒れになって、心中するか。それとも”うみ”を出し切って、栄華をむさぼるか。好きな方を選ぶがいい〕


 こんな警告が権力者の枕元に置かれたり、裏取引があったというウワサも流れたが。

 

 あくまでウワサにすぎず、真実は闇の中に消えていった。


 





 


 

 ネタバレ説明:『アッシュティンクル』について


 様々な物に『影』をもたらす。『術の対象』から、光沢・輝きを失わせる『呪いの魔導』であり。逆に輝きを強化することも可能な『魔導能力コアデザイン』です。

 『ティンクルハザード』『グレイシャイン』という別名もあり。使い方によってはC.V.文明にすら大打撃を与えかねません。


 宝石・ドレスから髪・肌などまで、きらめきをくすんだ灰色で覆い。文化・経済に文字通り、破滅的な混乱をもたらす、極めて影響力の高い『魔導能力コアデザイン』です。


 

 とはいえ今回・・は、『次代を育成する(人間と結婚したい)C.V.が、活動しやすい環境を整える』と、いうのがイリスの目的であり。

 〔混成都市ウァーテルを中心に、文明レベルを底上げしたい〕と、いうのが本音です。


 そのため悪徳貴族の所有する『宝石類』から、輝きを失わせる『呪い』をかけ。

 〔『契約』を守らない”横暴貴族”は、財貨も面子も失うぞ〕と、いう外交(脅迫)を仕掛けています。


 そして誠実な貴族の『宝石』には、『魔導の呪い』をかけず。

 そうすることで良識派な貴族の権威を、底上げさせ。


 主に”盗賊ギルド”とつながりのある、”横暴貴族”の『宝石』を穢して価値を下げてしまい。

 価値を下げるどころか〔『宝石』を守れず、『契約』も守れない無能貴族〕と、いうレッテルをはり。信用・面子など、何もかも失わせる。


 『魔導能力アッシュティンクル』によって宝石の輝きを奪い、いきなり権威を失墜させると。周囲に被害をもたらす、王族の王冠・王錫おうしゃくなどは『魔導』の対象に、あまり(・・・)しませんが。


 

 『広域の文化』を破壊し、宝石職人を”冒涜”していると言って過言ではない。

 極めて凶悪な『魔導能力』です。

 もちろん『鬼は全て邪悪!』という伝承のある、地域も少なくありませんが。

 『鬼』に代わる『守護者』がいたり。


 戦乱が忘れられるレベルで少なく。『鬼・怨霊』を鎮める文化が育たなかったり、忘れられた。

 逆に”魑魅魍魎な外道”が多すぎて『(権力者でなく)鬼が邪悪だ!』と、叫ぶ声が大きく。『鬼』を悪役にした方が、”イロイロ”と都合が良い。


 そういう地域もあるのでしょうけど。


 やはり日本各地には、『鬼を祀る』文化が多数あり。『守り神』として畏れられ、敬意を払われてきた。

 そういう【歴史】や文化が日本にあります。

 

 流行り廃りがあり。近年の作品でも『虐殺に等しい、石化能力は邪魔!』という、あつかいをされている『メドゥーサの首』と、一緒にしてほしくない。


 

 もう少し身も蓋もない事を言うと。


 『髪が蛇の群れ』と化している『メドゥーサの首』は作るのも、磨いて保全するのも、コスト高で面倒くさく。

 『流行った時』にしか作られない。略式・簡易版を苦労して作っても、今度は『メドゥーサの首』と認識されなくなる。


 そんな面倒くさいものを、身近にあるべき『魔除け』と、イメージできるでしょうか?〔無理がある!〕と、申し上げたい。


 角・牙をつければ、子供でもイメージできる。見習いから玄人職人まで、製作に情熱をかけられる。そんな『鬼の面』こそ魔除けにふさわしいデザインであり。管理・保全も『蛇化した髪』より、圧倒的に行いやすいのが現実であり。


 コスト・イメージの両面で、『鬼の面』は『メドゥーサの首』を圧倒していると考えます。

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