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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
414/429

414.閑話~魔王軍との交渉+ガルグイユとの対戦:ガルグイユの魔竜鬼:光術の隠形

 『メドゥーサの首をかたどったものには、魔除けの効果がある』と、いう考察があるようですが。


 私は『メドゥーサの首(をかたどった美術品・装備)』は、よくて敵を驚かせ、『威圧』する。はっきり言えば『多数の敵を瞬殺する、チートなペルセウス神話』にあやかって、敵を殲滅する『願望』の現れであり。


 仮にそれを行ったりすれば、”殺戮者”になりますから。

 『メドゥーサの首』を持ったものは、イメージダウンになる。


 落ち着いたデザインが求められる『魔除け』に、『メドゥーサの首』は遠い存在だと愚考します。



 一方、『鬼瓦』こそ『魔除け』の建築であり。素晴らしい日本文化の一つだと、考えます。

 偉大なる魔王ハーミュルズ様の魔王城。

 その3分の一は、それぞれ『ダンジョン』『研究所・修練場』『生活スペース』に分かれており。その優れた拠点には、優秀なC.V.たちが大勢集った。


 しかし魔王ハーミュルズ様にとって、最も大事なのは『正室・側室たち(ハーレム)』であり。

 彼女たちに待ち望んだ『変化・・』が現れ。『育児』に時間をかけ、重点を置きたいとなれば。


 魔王城を築いた初期に、外交上の理由で預かっていた、側室候補(・・)たちの居場所はなくなってしまう。


 『魔王城の大改築を行う』と、いう宣言が行われ(建前によって)

 側室候補(・・)のC.V.たちが、魔王城から遠く離れたで『修行・研究』するよう、命じられるのは自然なことでしょう。




 とはいえ露骨に”追放”を行っては、”怨恨の種”をばらまき。後の世に”禍根”を、確実にもたらしてしまう。


 そのため長寿で強力な(生殖能力の低い)上位(側室)C.V.たちと【ある約束】をして、彼女たちを遠征させて。

 〔上を目指したいなら、魔王軍に利益をもたらせ(側室にするとは言ってない)〕と、いう大義名分()出して、側室候補のC.V.たちを混成都市(シャドウ一族)の勢力圏に送り出し。


 上位C.V.の監視・誘導のもと、有望な男性シャドウの『ハーレム』に、側室候補(・・)たちを入れる。

 魔王様の『側室』になるため、無為な時間をすごすより。腕の立つ男性シャドウの『正室』になったほうが、はるかに将来性があると『誘導』する。




 これが魔王軍の意向であり。

 黒霊騎士団長のシャルミナ様をはじめ、他にも数人の上位C.V.様が遠征におもむかれます。



 「冒険者ギルドに属するユングウィル殿は、この状況でうまく立ち回り。

  カップルを成立させる、『婚姻外交』を行ってもらいたいのです」


 〔・・・そんな婚姻外交があるかっ:・!〕


 

 冒険者ギルドの職員にすぎない、ユングウィルは心の底から怒鳴りたかった。


 魔王様が『育児?』に集中したいのは、大変けっこうなお話だが。

 それに巻き込まれるユングウィルは、いったいどれほどの敵を作るのだろう。


 〔魔王軍に内通した〕と、騒ぐ”連中”はいるだろうし。


 何よりシャドウ一族の中で、許婚・恋愛模様が荒れていれば、〔火に油を注ぐ〕ことになる。ユングウィルは心の底から死にたくなかった・・・となれば、やるべきことは一つ。



 「魔王城の新たな『改築』に、ご協力したいのは山々ですが。

  未だに『闘技場の興行』も形になっておらず。シグルスの街は、発展していると言い難い。


  シグルスの街で働く、冒険者ギルドのスタッフとして、私が『仲人役』を務めるのは無理があります」


 「そうかしら?


  たとえ万軍を率い、莫大な資産を持っていようと。”盗賊ギルド”の影がちらつく連中など、信用に値しない。

  短期間で5名もの(炎熱)C.V.から信頼を勝ち取った、ユングウィル殿を私たちは大変評価している」


 「お褒めいただき、ありがとうございます。


  そういうことでしたら、私のメイドであるフリスは『釜戸女神の魔導(ヘスティアゲーム)』を行使できますから。

  食事・・事情の面から、新たな道を模索するC.V.様たち(元側室候補)を、サポートさせていただきます」


 「・・・~・(仕方ないか)それは助かる。よろしく、お願いするわ」



 〔魔王城の後宮ハーレムから退出した、元側室候補(C.V.)様を個別・・に面倒を見る。男性シャドウと結婚させる『仲人役なこうどやく』は、お断りします。


  その代わり、混成都市の勢力圏に来られた、C.V.様たちが少しでも快適にすごせるよう。食事の『レシピ』を教えたり、料理の作り方をフリスに教えさせます〕


 物理法則が厳しい、この世界において『食事』は重要であり。次代を育んだり、力を求めるC.V.様たちにとって、『食事メニュー』は人生を左右しかねない。

 そのため台所・釜戸で料理の補助を行う『ヘスティアゲーム』は、一生を左右する『効力』を持ち。自らの身体作りから、パートナーの親愛度稼ぎまでもこなす、かなり重宝する『魔導能力コアデザイン』だ。


 『異種族の結婚』を成し遂げようとする、C.V.様にとって『戦略的な魔導』とすら言える。


 そんな『ヘスティアゲーム』を行使する、メイガスメイド(フリス)に頼って難題を解決する、ユングウィルは情けない御主人様だが。


 女シャドウを敵に回す”自殺行為リスク”を考えれば、〔はるかにマシ〕と、言えるし。

 メイガスメイドは主人に仕える職種で、力を有効活用されることこそ喜びだ。


 万が一にも、元側室候補のC.V.様と距離が近付くよりも、炎熱C.V.班の能力を有効活用したほうがいいだろう。



 〔既に『魔王城のハーレムを縮小する』と、いう初耳なことが起きている。

  万に一つを警戒して、し過ぎることはない。

  

  ここは接触を断って、全力で保身に走るぞ!〕



 こうしてユングウィルは一つの危機を乗り越え。

 『フリスの覚醒(フルルの暗躍)』という、後回しにしていた危機に取り掛かり。



 『将来の激務』を抱えることが、確定した。

 









 

 魔王軍のメルフィナ様が『ガルグイユレギオン』によって、デリング王国の水源を攻撃するのを、下級シャドウのフォルカは止めさせる。

 しかし『瞬流星(魔術能力)』によって、気絶させたと思っていたC.V.ディアニー様が起き上がり。メルフィナ様の『魔竜鬼ガルグイユ』との対戦・・を、フォルカに強いてきた。



 『首を斬られ  頭をさらされ  頭蓋ずがい魔像ガーゴイルに変えられし水竜よ


  再生の時を流れ、水妖(ー:+)は集い  復活の場を整えるべく、怪魚(+-:)はめぐる


  そして逆襲と勝利のために、魔群(:+-)は猛り


  濁流の邪竜は姿を現し  侵略者の橋と渡河を、ことごとく阻め  


  再臨せよ・・ガルグイユ!!』


 充分に『魔力』を練り上げた詠唱によって、甲羅を背負った亜竜『水邪竜ガルグイユ』が、出現する。鋭角な頭部から、『肉食魚』の牙が生えそろい。その目が放つ『眼光』はフォルカが遭遇した、どの魔獣よりも鋭かった。


 「先手必勝…『フォトンダーツ』」


 『ギィっ*・!』


 そんな『水邪竜』に真っ向勝負を挑むほど、フォルカは自信家ではなく。

 『亀』の鈍重な身体を持つ『ガルグイユ』に対し、速攻を仕掛け。目・口腔にひざの皿など、装甲の薄そうな箇所に『光術式フォトンダーツ』を放ち。


 「効かないっ!」


 「ッ:!!」


 『ハン㏉アアーーー』


 巨大な陸ガメの外見にあるまじき速さで、『ガルグイユ』が突進してくる。

 馬車ほどの体躯が、フォルカの眼前に迫り。


 『旋風閃せんぷうせんっ』


 『ゴLuラッ⁉』


 『身体強化(旋風閃)』によるバックステップからの加速で、フォルカは難を逃れる。

 同時に審判役・・・この対戦を企画した元凶のC.V.様に、視線で訴えた。



 〔この『ガルグイユ』は手加減・寸止めは、できるんですか?〕


 〔ムリに決まってるね~〕


 〔・・-⁺-…・〕



 「こ・のぉーー~、逃げるなっ!」


 勇ましい口調とは裏腹に、胸元で手をあわせるのは、自らをかばっているのか。それとも闘争心を奮起させているのか?

 はっきりしているのは〔こんな素人メルフィナに、”危ない魔竜鬼(ガルグイユ)”を使役させるな!〕と、いうことであり。


 もしも『ガルグイユレギオン(水妖魔群)』で都市に被害など与えていたら、お優しいC.V.(メルフィナ)様は『精神』が病んだかもしれない。

 フォルカは他人事ながら、不安になった。


 「逃げていません(フォトンセット)。こういうのは回避しているのです(フォトンモノクル)


 「減らず口を・・『ガルグイユ』やって!!」


 『シャGu(ヘビー)ラァ~--(アクアボール)!』


 

 『ガルグイユ』の口から通常の『水球』よりも、重そうな『水塊』が吐き出される。同時に巨体の足元から『水』がわき出し、複数個の『水球』と化す。

 それらは、それぞれの速度でフォルカを囲むように動き。フォルカが設置した『光術式の布石(フォトンマーク)』を、ゆっくりとだが確実に破壊していく。


 『術式』の罠・連鎖を多用するフォルカにとって、『魔力』を認識できるC.V.様は相性が悪すぎた。


 「これだからC.V.様とのバトルは嫌なんだ…

  おれ達、凡夫の努力を、たやすく飛び越えていく」


 「やったっ!これが『ガルグイユ』の力というM


 「メルフィナっ!『ガルグイユ』に緊急防御をっ(トロンネイル)!!」





 世の中には『不文律』というものがある。『明文化』されておらずとも、禁止されている。あるいは義務化されていることがあり。

 対戦の最中に、勝敗を左右する助言を、外野が行うのは問題だろう。


 〔まして『術式』で介入したあげく、刃をつきつけるなど、『不文律』以前の問題だ〕と、フォルカでなくとも思うだろうが。



 「あの…ディアニー様・・私は何かやらかしたでしょうか?」


 「まずは私が提案した『対戦』に、乱入したことを謝罪しよう。

  そしてC.V.の隙をついた、『ステルス(隠形術)』を称賛するわ」


 「・・ありがとうございます」



 しかし暴力・身分差は、そんな『不文律』をたやすく破壊する。

 あるいは異文化のすれ違いは、悲劇・惨劇を呼ぶと言うべきか。


 巨体の『魔竜鬼ガルグイユ』に仕掛けた、フォルカの起死回生の一撃は、ディアニー様に防がれ。


 あげくに”暴行魔”に向ける視線を、フォルカは向けられていた。

 とても〔対戦の最中に、割り込むとは何事か!〕と、フォルカが詰問できる状況ではない。



 「そのうえで問う。貴様は先ほど『何』を仕掛けようとした?

  『術式』の効果は、何かしら?」


 「『光術式』による『透明化・魔力の隠蔽』で、C.V.様たちの『目』から逃れることは、不可能と考えました。


  そこで少し距離をとって『狙撃』を行う・・・・・『呪符』を高速で射出する『装置』で、不意をつき。『ガルグイユ』に目くらましを、仕掛けようと思っていました」


 「・・・・・●:・」


 フォルカはディアニー様の詰問に対し、馬鹿正直に返答する。今後、あるいは既に敵対してるC.V.に対し、自殺行為な『情報開示』を行っていると思うが。

 ディアニー様の『眼光』に、類似している『視線』をあび続けてきた。フォルカは『勘』の命じるままに、自らの『手札』をさらし。


 「そう…・・まず、一つ言っておく。

  私たちC.V.の戦いは”奴隷狩り・暴行魔”との戦いという面もある。

  

  そして『呪符』で頭部を狙うのは、身体の操作を奪おうとする。

  『僵屍鬼きょうしきの操作術』につながる”邪法”であり。〔見つけ次第、問答無用で攻撃していい〕と、定めるC.V.も少なくない」


 「・・・;・:*…・」


 〔そんな話、聞いたことない!〕と、叫べるのは強者の特権であり。

 C.V.ディアニー様の実力を見誤っていた、フォルカが言えば主君の”恥”になってしまう。


 むしろ〔問答無用で尋問する〕に、とどめたディアニー様は温情がある方だと言える。


 「えっと…・・私の『ガルグイユ』はコントロールを奪われたりしない!」


 「…そうね。『魔竜鬼ドゥーガ』の特性の一つに『コントロールの簒奪さんだつに耐性をもつ』と、いうのがあるから。理論上は悪意のない『呪符術式』で、『ガルグイユ』が奪われる可能性は、ゼロに近いでしょうけど」


 「だったら・・・」


 「だからと言って、万が一にも『コントロールを奪う術式』は見逃せない

  『仕込み(・・・)』は終わっているようだし」


 「・・・『フォトンカード…リリース』」


 ディアニー様の要請(命令)に対し、フォルカは速やかに応じる。

 そうして『ガルグイユ』の鱗の隙間・とがった装甲の裏側に『潜ませた紙片(小さな呪符)』を、全て除去し。


 「『ガルグイユ』さんに仕込んだ『術式(布石)』は、これで全てです」


 「な、な`・な…」


 「・・どうやら術者を観覧席に保護して、『魔竜鬼ガルグイユ』だけをけしかける。そんなハンデだけでは足りなかったようね。


  6級光属性のC.V.ディアニー・ルベイロアの名にかけて『対戦』の降参を宣言するわ」


 「何なのっ!:?私より『魔力』が低いのに、どうしてっ…!!」


 騒ぐメルフィナ様をスルーして、フォルカはディアニー様を見つめる。


 『イリス・レーベロア様』『イセリナ・ルベイリー様』


 〔主君であり、混成都市ウァーテルのトップを占める、御方の名字に似ていますね。

  『瞬流星(気絶の術式)』を防げたのって、『相性』とか全然まったく関係ないのでは?〕


 フォルカは、そんなことを考え。


 『ア^タ^リ~^(フォトンワード)


 聖賢の御方様の『お身内』であることを示す『符丁』を、『光術文字フォトンワード』で瞬時に送られ。

 


 フォルカは心の底から震え上がった。

 


 


 



 

  

 ネタバレ説明:『ガルグイユの魔竜鬼ドゥーガ』について


 魔王ハーミュルズの側室パルティナの妹であり。元側室候補だったメルフィナが使役する水邪竜ガルグイユの『魔竜鬼(ドゥーガ)』です。

 水を変成・放出する『水邪竜の魔導(ガルグイユゲーム)』とは、全く別の『魔術能力』になり。併用はできできません。



 外見は『亀の頭の代わりに、首の長い亜竜(水邪竜)の頭部が付いている甲羅』と、いう『魔力の塊(ドゥーガ)』が『コア』となっており。『核』の部分は、固体・固定されて変化しません。

 その代わり『尾・四脚』は、メルフィナの意向によって3形態に変わります。


1)陸上の活動に適し、防御力・パワーに秀でた。巨大な陸ガメ(恐竜)の脚・尾が生えている形態。


2)泳ぎが得意で、低コストで『魔竜鬼ドゥーガ』を維持できる。巨大なウミガメ(アーケロン)の四肢・ヒレを持ち、『水草の尾』が生えている形態。


3)『水の魔術』を巧みに使い、『魔力』を吸収・蓄積する能力が高い。

  『尾・四肢』から、複数の触手が生え。甲羅の下部が粘液体スライムで覆われている。


 

 これがメルフィナの『魔竜鬼ガルグイユ』です。

 それぞれ長所が短所となっており。


1)鈍重かつ不器用

2)陸上ではザコ。3形態の中で、最も低スペック

3)高コストなうえに、暴走のリスクをはらむ


・・・という有り様です。


 もっとも『亜竜』だろうと、『竜』の一種に違いはありませんから。


 短所が鈍重な『1)陸ガメの四肢を持つ形態フォーム』だろうと、オオトカゲより動きが速い。

 『2)ウミガメの四肢を持つフォーム』ですら、中型猛獣モンスターの牙をはじく、防御力を持っています。


 『3)触手を持ち、スライムで覆われている』は切り札であり。『甲羅の硬度』『泳ぎの速さ』を除いて、1)2)に全ての面で勝っています。


 

 以上がメルフィナの『魔竜鬼なガルグイユ』の性能であり。彼女のイメージする『水邪竜』を、『魔力の塊』を介して具現化している。

 『強いガルグイユ』をメルフィナなりにイメージして、護衛役・攻撃手段にしていますが。

 

 『3)のスライム状』は魔力の塊(魔竜鬼)として、不安定であり。確かな自信・エゴを持つ、C.V.が使役する『ドゥーガ』には、全く通用しない。

 格下や『ガルグイユ』に怯えている者は、圧倒できても。姉であるパルティナが使役する『ガーゴイル』をはじめ、側室C.V.の『魔竜鬼』には、まず勝てない。


 『ガルグイユ』という『亜竜の種類』で呼ばれている。固有の名称がつけられてない(・・)のも、メルフィナの自信がない事の現れであり。

 C.V.姉のパルティナが改善を試みて、失敗・悪化させたこともあります。



 以上、『ガルグイユの魔竜鬼』に関する、ネタバレ説明でした。





 ネタバレ説明:『光術の隠形』について


 『ガルグイユ』との対戦で、フォルカは『呪符』を見えなくしている。『魔力を認識』できるC.V.のメルフィナが、気付かないうちに『呪符』を『ガルグイユ』の体表に貼ったり。

 ディアニーに防がれたとはいえ、『魔竜鬼ドゥーガ』の頭に『呪符』をはる、寸前になりました。



 その手段はいくつかありますが。


 今回は『高速』での投擲を行い。『フォトンダーツ』で注意をひいて、極薄の『呪符』を放つ。

 この二つを、フォルカは使いました。


 『魔力を認識できる・見える』と、言っても。

 それは『動体視力も優れている』『遠くの魔力を視認できる』と、いうのとイコールではありません。

 

 まして『透明化を警戒し。フラッシュで目つぶしされるのを防げば大丈夫!』と、メルフィナは思い込んでおり。

 〔『フォトンダーツ』が通用しない⁉〕と、フォルカが慌てて見せれば、警戒心もゆるむというもの。


 さらにメルフィナはディアニーに守られ、『魔竜鬼』の操作に集中していられました。それは『頼りのガルグイユの巨体』『フォルカの身体・術式』によって、死角が増えるということであり。


 

 対戦するバトルゾーンの隅っこギリギリに、『呪符の射出装置』を設置したり。

 『色々と併せた特殊呪符(フォルカの魔術能力)』を秘かに動かすのに、都合が良かった。



 フォルカがメルフィナを翻弄できた理由は、こんな感じです。



 以上、『光術の隠形』に関するネタバレ説明でした。

 『鬼瓦』は、その『位置』がまず絶妙です。


 寺社の建物で、『屋根の高所』にありながら。真正面から見えない、『側面』に位置している。

 『仏像・御神体』よりも高所にありながら。『側面』に置かれ、『本尊』より目立つことはなく、その存在を立てている。



 それに対し、『メドゥーサの首(の美術品)』は悪目立ちしており。

 英雄とメドゥーサ、どちらが主役なのか、わかったものではない。


 ガーゴイル・悪魔像の設置場所も、微妙であり。 

 本命のボスにはべっているのか、門番をしているのか?家臣・儀仗兵よろしく並んでいるのか?


 二心のある家臣なのか。『肉壁』になる気のない、二流の番兵にすぎないのか。

 ガルグイユの首を切った『戦果』を誇る、オブジェクトにすぎないというパターンもあり得る。


 『魔除け』以前に、文化としても適当であり。

 〔流行り廃りのあるモンスターと、日本文化の『鬼瓦』を一緒にするな!〕と申し上げたい。

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