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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
403/429

403.閑話~水蛇を見る者たち:『水那』の多頭蛇竜

 『予言・神託』のあるギリシャ神話において。

 『ハデス』『アテナ』『ヘルメス』という上位神格たちが集い、力の象徴たる『神具』まで、『英雄ペルセウス』に貸し与えた。


 それなのに『情報』だけは、『グライアイ三姉妹』から入手させた。

 戦の情報に関わる、『知恵の女神アテナ』『伝令神ヘルメス』が加護を与えているのに、それは不可解な話だと愚考します。


 『伝説』のお約束だと『神が試練を与えた』と、言えますが。

 

 私は『戦の情報を与える、伝令神ヘルメス・知恵の女神アテナたちが、伝えられない。重要な情報をグライアイ三姉妹は伝えた』と、愚考します。

 C.V.様の『魔術能力デザイン』に、『魔竜鬼ドゥーガ』という系統がある。


 分身・守護霊・使い魔に造魔生物クリーチャーなど、様々なモンスターをイメージした『魔力の塊』であり。術者は『大量の魔力』を消費するうえ、使用できる『魔術』の種類に制限がかかるとか。

 

 そしてイメージした『魔物』によって、『食べ物(コスト)』が異なり。

 『クリーチャー系』の『魔竜鬼』は、自力で外部から養分を摂る。『分身系』のように、術者の魔力を必要とするのは、誕生したばかりの時だけとのこと。



 『酷冷泉こくれいせん』×2『水蛇流剛』『『バーストアクア!!』』

 「「キsyアァアアアーーー」」×??


 「「「「「・~*+;*H;-/*/-~-*」」」」」


 「・・・・…・」


 そんな『ドゥーガ』の知識を与えられ、観察の任務を命じられた。

 下級シャドウのフォルカの眼前で、巨大モンスターたちが解体されていく。蹂躙され、殲滅されて、バラバラにされた肉を呑み込まれ。


 猛獣が草食獣を狩るのとは、絶対に違う”暴虐”が行われていた。


 「ヒっ…ひるむな、かかれぇーー;-!」


 「グルァアアーーー!!」


 裏返った声でテイマーが、モンスターに攻撃を命じ。

 それに従って、巨大なオオカミが悟った瞳で、『多頭蛇竜』へと疾走していく。巨体にあるまじきスピードで跳躍し、その牙は蛇竜の喉笛をとらえ。


 「ッ:*:!・/?*―-」


 『へ~、テイマーの”下僕”にしては、けっこう強いじゃない』


 「キャ⁺*hーーー;∼」


 あふれ出た『青白い血(粘液)?』によって、巨狼の噛みついた口は傷口?に粘着・接合され。牙や口元は『液体』に埋められ、それ以上嚙むことも逃げることもできず。

 そうして脱出を試みる足に、水蛇の群れがたかり。無防備にさらされた、巨狼の脇腹へ『多頭蛇竜』の頭が二つゆっくり近づいて…


 「やめっ、やめてく/*/-」


 断末魔すらあげられず、飼い主のテイマーもろとも、巨狼は『水術?(多頭蛇竜)』の餌食となる。

 それを契機に蛇竜の噛みつき回転(デスロール)や『水のブレス』が、巨大モンスターたちを討つペースを上げていった。



 〔ネコがネズミを狩るのだって、もう少しマシだ…〕


 ネコの狩りならば、『待ち伏せ』か『追いかけっこ』を行い。ネズミは爪・牙にとらえられるまで生存できる。


 しかし、この戦場は『酷冷泉』をもたらす、水気(結界)によって覆われており。

 テイマーどもが様子見したり、魔獣を抑えていた時点で『体熱の放出(酷冷泉)』は始まっている。


 つまり現時点で『水那様の多頭蛇竜ヒュドラ』が猛威を振るっているのは、とどめを刺してるだけ。既に『低体温症』になり、身体の大半が機能不全(状態異常)になったあげく。

 大型モンスターを制御するため、テイマーどもが使っていた『枷の魔道具(封印)』も、解除されたか怪しいもの。


 〔まあ、この巨大モンスターどもが、何に使われるか考えれば・・・殲滅は当然なんだが〕


 フォルカはそんなことを、胸中でつぶやくも。

 事前に与えられた、『多頭蛇竜?』の知識は〔恐怖をやわらげる〕と、いう仕事をせず。冷たい怖気が、フォルカの心胆を寒からしめる。


 そうしてフォルカは何もかも捨てて、逃げ出したい誘惑にかられるが。それをしたら一噛みした巨狼より、だいぶ下の(惨めな)最期を迎えるのは確実であり。


 〔『術式』とか、戦闘力で出世するのは断念しよう。

  もっと他人に敬意をもって、力を借りて交流することで身を立てよう〕


 そんな決断を、フォルカはするに至った。











 この世界の『魔術』は、物理法則を超越できない。

 物理的に難しいことは、『魔術』で行うことも困難です。


 ただし!一部の上位陣は、そんな法則(制限)すら利用してしまう。


 『魔力量・魔術の精度』が感情の影響を受け。

 『水』が熱によって『気体・液体・固体』の三態に変化するならば。


 魔力で構成される『魔竜鬼』も、『術者・・の願望・イメージによって、三形態・・・に変わる』と、いう非常識な『術理』が編み出され。



 『魔竜鬼』である『水那』も、三形態を姉様ユリネから与えられた。


1)乙女の姿を取る。思考力に秀でて(一般常識を記憶し)、維持コストが低い人間態

2)蛇竜の姿で、『捕食・魔力吸収』に特化した『水蛇』の形態

3)そして1)2)を併せた『水蛇使い』は、最も戦闘・魔術に優れている


 〔こんな『ドゥーガ』の三形態なんて(は結婚してなければ)、初めて(、イロイロと)見るわね…(実験したい)


 重騎士の副団長ガルドさんと結婚し、色ボケ状態な魔導士C.V.(クララ)サマも、こんな風に言っておられ。

 ユリネ姉様の実力を、遅ればせながら気付いた、妥当な評価と言えるけど。

 

 

 〔だけど”蛇女”のように、嫉妬深くなったり。必要以上に”凶悪”になって、怪物の力をふるうのは困るのよ。

  幸い学習する頭はあるようだし、少ししつけてあげるわ〕


 〔ッ!?〕


 あの女っ…姉様を悩ませるだけにとどまらず。『水那』よりも、はるかに強暴・・・凶悪な侍女頭アヤメから、人間世界にまぎれる『礼法(常識?)』をたたきこまれ。

 散々、痛い目にあわされたけど。


 ”共食いする寄生虫以下”と、いう”下衆()”と同レベルにならないよう、教えてくれたことは、感謝しなくもない。


 それに〔痛かったですw、ユリネ姉様ーー^ー^〕と、いう風に甘えたり。

 その憩いの時を見て、頭痛をこらえる侍女頭を見ると。


 一矢報いて〔勝利の美酒を飲む〕と、いう気分を味わえ。


 〔いつか絶対に、仕返ししてやる〕と、いう甘い夢に『水那』がひたれる。

 それらのことは楽しみもあったのだけど。



 〔ちょっと、来なさい〕


 〔何っ!?たとえ侍女シャドウだろうと、『水那ワタシ』に命令する権限は…〕


 〔い・い・か・ら、来なさい〕


 〔アツっ!;・・・姉様っ、助けて姉Sァ+;*ー〕


 

 その後、『水那』は記憶の一部がToんだり。侍女頭さんが、優しく手加減していたことを、文字通り身をもって刻まれ(・・・・・・・・)

 

 〔二度とニンゲン??(と緋蛇)を侮らないようにしよう〕と、決意するに至り。




 〔・・・-*~〕


 〔ふ~ん、このくらいだと人間シャドウ男性(のフォルカ)は怯えてしまうのか…〕


 定期的に人間観察を、『水那』は行うようになった。

 

 〔実力本位〕とさえずって、混成都市を一夜で奪われ。姉様たちに連敗すると、陰口をたたくしか能のない”賊”は、どうでもいいけれど。

 空の水気に『魔力』を呼吸して、『水那』のゴハン(魔力)を提供してくれる。まっとうな人間たちに怯えられるのは、彼女としても本意ではない。


 「ギャp、ぴ*;~ー~/!!ーh」×5


 もちろん手ごろなサイズの魔獣を、引き裂いて食べれば『養分』を取れるが。

 美味しくないし、姉様たちと一緒に食べれない。生態系も乱れて、後始末していく手間コストが高すぎる。


 何より『おっかない記憶(チョットキナサイ)』が、ヨミガエリそうで怖気がはしる。『魔竜鬼ドゥーガ』という存在的に、そんなことあるはずないのだけど。

 誰に聞いても、教えてくれないし。姉様が優しく頭をなでてくれるから、このままでいいのでしょう。



 〔『ドゥーガ』のことは秘密だから、あちこちに尋ねては駄目よ〕


 〔はい、ユリネ姉様!〕


 〔・・・;・+・(いくらなんでも)、:・―^・;(、やりすぎよ)



 そんなやり取りをしてから、『水那』は恐怖と手加減の大事さを感じ。


 連絡役シャドウを観察して〔『手札の魔術』を、どのくらい使うべきか〕を、考える。『水蛇体』による『吞み込み技』は評判が悪く。『多頭蛇』のブレスと噛みつきを、連携させるのは『見事な戦術』と言われた。


 そうやって『水那』は学び、成長し続ける。

 










 シグルスという街があります。

 その街にある冒険者ギルドには、『闘技場』を兼ねる訓練場が建てられ。それに伴う人材・物資が運び込まれることで、少し景気が上向きになりました。


 もっとも、それは富に群がる”俗物”たちが、動き出すのと同義であり。

 『闘技場の興行』を取り仕切る、黒霊騎士団(C.V.勢力)としては、早急に行政と連携していきたい。


 『法整備』も含め、『闘士・冒険者』たちを守る施策を、領主ザリウス様に取っていただき。

 〔不毛な権力争いをする、親族の皆様には退場を願います〕と、申し上げたい。



 「それで?」


 「黒霊騎士団に所属する『防御術士(ディフェンダー)』メリダ…

  7級闇属性のC.V.メリダ・フロートスとして、領主ザリウス様にはいくつか珍しい物を、ご覧になっていただきたいのです」


 そう告げながらメイド服をまとったメリダは、人間男性ザリウスを闘技場の地下へと案内する。

 地上の闘技場は完成し、何度か訓練が行われ、『興行』も開催されているが。


 地下の工事は、これからが本番であり。

 『建築法』など存在しない。あっても『貴族の屋敷より、立派な家を建造してはならない』と、いう程度の”ザル法”では『地下施設』の想定すらしておらず。


 「いつの間に、こんなものを掘ったんだ…」


 「『ダンジョン』と言えば、黒霊騎士団(魔王軍)では地下迷宮なのです。

  そして地上にいくら冒険者の皆さんがいても、地下からの攻撃を考慮されていませんから。


  防衛担当ディフェンダーとしては、地下に最低限の『防御施設ダンジョン』を作る必要があります」


 「・・・○ー●・・」


 メリダの建前に、ザリウス様は白い目を向けてくる。



 黒霊騎士団の主力は、『狂戦士ベルセルク』をルーツとする魔術騎士であり。所属している術者・遊撃騎士たちは、そのサポートを行う。

 そこそこ万能な軍団ですが、本領を発揮するのは『攻勢を仕掛ける』時であり。『敵の撃破』こそを念頭に置いています。


 『ダンジョン』に罠を仕掛けて活用する、器用な軍団ではなく。

 もし『ダンジョン』を使うとしたら、ボス部屋で侵入者を待ち受ける。あるいは慎重な攻略集団の拠点を襲う、突破戦力として死力を尽くす運用になり。


 『ダンジョン』の構造を複雑化させ、侵入者を罠にはめるのは、コストの浪費(生兵法)というもの。


 黒霊騎士たちにとって、『ダンジョン』の利用方法は別にあり。



 「一応・・、地下の防御施設というのは、偽りではございません。

  もしも黒霊騎士団がシグルスの街から撤退・・する場合、冒険者の皆さんに闘技場を守ってもらわねばまりませんが。地下から攻めてくる術者・モンスター、どちらに対しても戦闘経験が少ないようですし。


  〔少しばかり、地下での戦闘訓練を受けていただきたい〕と、思っているのも事実です」


 「・・・・:-・・」

 

 魔王軍に所属する黒霊騎士団は当然、【魔王様】の意向こそが最優先であり。

 戦争種族として、突発的な戦況にも対応する必要があります。

 シグルスの街に駐留して行う、『任務』をたまわりましたが、その重要性は最優先事項ではなく。


 〔ザリウス様の後ろ盾になって、全面的に支援します〕と、いう『契約』を現時点・・・で結ぶわけにいきません。


 そんな言葉遊び(内情ばらし)をするメリダに、ザリウス様は視線で先を促してくる。


 「とはいえ、地下で戦闘訓練を受ける、冒険者様の選定は時間がかかりますし。


  それまで地下施設を(もしザリウス様に)、有効活用できる案件があるなら。その案件を軍議にかけるのも、やぶさかではございません」


 「ほう、ありがたいことだな」



 C.V.勢力で武装集団の黒霊騎士が、領主の座をめぐる争いに、表立って介入するわけにはいきません。

 武力で威圧すれば、恐怖と反発を招くばかり。

 財貨で調略する『搦め手』は、不得意ですし(嫌悪しています)。黒霊騎士団の目的を考えれば、〔調略はデメリットが大きい〕と、いうのが本音です。


 とはいえザリウス様が自力で、街の権力を掌握するまで、待ってもいられない。


 そこで〔地下施設をザリウス様へ、秘かに貸与します〕と、いう取引によって、ザリウス様の権勢が高まればよし。敵対派閥が不用意に動けば(強行策に出れば)、黒霊騎士がそれを迎撃することを理由に、介入する手もあり。


 そしてザリウス様には、メリダたちが求めるモノを提供していただく。


 

 そんな思惑を抱きながら、メリダは別の提案を行う。


 「とりあえず、急にこんな提案をしても返答は難しいでしょう。

  今日のところは、『こちら』をご覧になってください」


 「ほう、何を見せてくれるんだ?」


 「『魔導能力コロッサスゲーム』の発動を、失礼いたします。


 『門の柱は扉を支え  富が行き交い、栄枯えいこはめぐる


  されど巨人の影はそびえ、たたずみ、不動を望み


  まなこは開き、見据え、見渡し続ける


  秘密を映さず、集めず、暴くことなく


  ただ旅人を見送り、待ち人を数える  巨人像の瞳(コロッサスアイ)…』


 「・・・・-・」


 『感知能力』とは、とても言えない『コロッサスアイ』が発動する。

 だが、その鈍さが『外交の場』では有用なことがあり。


 『巨人像コロッサス』と言うには小さい、巨人像の頭部(魔力の塊)が『幻像』を投影し。


 「それでメリダ殿…オレにいったい何を見せたいんだ?」


 「ザリウス様にシグルスの現状を、お伝えしたい。今日はそのために、ご足労いただきました」


 二人の周りには、護衛の黒霊騎士3人が周囲を警戒し。

 シグルスの街を治める領主ザリウス様が、メリダの様子を観察している。


 そんな中でメリダはシャドウ一族との『契約』で、許された『幻像(映像)』を『術式の目(コロッサスアイ)』から投影させ。


 「ー:*+・・・…・∼」



 『酷冷泉』×2『+~∼□:』『『バーストAQ;!!』』


 

 人外魔境な『大魔獣(魔竜鬼)』の暴威が、映し出された。


 人間を捕食する、強力であろう魔獣たちが、青色の『多頭蛇竜ヒュドラ』一体?に、圧倒され蹂躙される。ただでさえ凶悪な『ヒュドラ』が、遠距離攻撃ブレス・様々な近接攻撃を『連携』させることで、その威力を何倍にも高め。

 なんとか一矢報いようとする魔物は、複数の蛇頭に反撃されて、何倍もの報復を受ける。


 それはメリダの目から見ても、ゾッとする『幻像』であり。一般の黒霊騎士C.V.たちに討伐を命じたら、凄惨な結果になることは確実でしょう。

 

 まして一般の人間が見たら、質の悪い(明日は我が身の)残酷劇に等しい。『怪物暴走スタンピート』より恐ろしい、大魔獣の猛攻を観て、ザリウス様は平静を装い。


 「それで・・この魔獣がシグルスの街に襲いかかってくるのか?」


 「ご安心ください、ザリウス様。こちらの『多頭蛇竜(水那様)』は、混成都市に所属する『魔竜鬼(同盟者?)』でございます。


  倒されている怪物は、”誘導”によってテイマーに操られた、街を襲いかねない『人喰い怪物』であり。『水那様』は街を守っていると言えます」


 メリダの説明を聞くも、ザリウス様の顔は引きつったままであり。

 〔『多頭蛇竜』よりはるかに強いC.V.(シャルミナ様)が、既にシグルスの街に入っています〕などと、事実を言える空気ではありませんでした。


 



 

    






 ネタバレ説明:『水那の多頭蛇竜ヒュドラ』について


 上級シャドウ、ユリネの『魔竜鬼ドゥーガ』であり。


 『悪魔契約』にも等しい強制力をかけて、『可能性』を分け与えることにより、『義妹』にした。魔術文明を持つC.V.の目から見ても、”狂気の沙汰”なイメージで創られた、『ドゥーガ』が『水那』です。

 

 その創造手段は一発で『禁術』に指定され、上位C.V.クララ・レイシアードの監視下にあるほど。(実際には『水那』がやらかしたら、イリスが責任を取ることになっています)



 そんな『水那』の戦闘形態が『多頭蛇竜ヒュドラ』であり。その外見は『八岐大蛇』に近いですが、混成都市ウァーテルの文化圏で『ヤマタノオロチ』は知られていないため。

 『ヒュドラ』と呼ばれています。

 

 『水蛇の群れ』を従え。首の数は、状況にあわせて1本~18本に増減し。脚はなく、『胴体・尾』は『八岐大蛇やまたのおろち』と同様の蛇体であり。

 全長は5m~3階建ての家ぐらいまで、変化します。


 敵の体温を奪い・放出させて『低体温症』にする、『酷冷泉こくれいせん』の術式を多用し。


 そうして麻痺・疾病や意識混濁になった敵に、複数の蛇体で攻撃する。

 頭突きを行い、噛みついて、呑み込む。『雑きんをしぼる』ように蛇体をねじり、呑み込んだ敵を締め上げ。さらに蛇体を折り曲げて、呑んだ敵の全身()折り曲げていく。

 そのまま蛇体ごと水面にたたきつけ、呑んだ敵に『衝撃』を透す。


 袋叩きが可愛らしい、『呑み込み技?』を使えます(ちなみに、これを使う時『水那』は激怒しているため。呑み込まれた”エモノ”は気絶・ショック死で、逃れることすらできない…とか?)



 他にも侍女頭アヤメの技を盗み?(教えられ)、敵の五感を阻害する『水のブレス』を吐きつけるのですが。たいていのモンスターにとって、『ウォーターカッター』『重圧・・放水』でしかなく。


 三分の一の首でブレスを吐き。三分の一の首で近接攻撃を行い。残りの首は予備・防御を行う。毒液を持つ、同じサイズの『ヒュドラモンスター』と比べ、けた外れな『武技?・蛇頭の連携』を、『水那の多頭蛇竜』は行います。



 そして、その原因は混成都市のトップ陣にあり。

 都市を滅ぼす凶悪なC.V.・能力者たちが、『水那の多頭蛇竜』と戦闘訓練を行い続けた。普通の魔物では経験しえない、格上の暴威・・敗れ(・・)て、戦闘経験を積んだ。


 〔ほらほら、敵はボクより容赦ないよっ!〕

 〔結婚生活にも、たまに刺激は必要よ〕

 〔(汐斗様を慕う者として)手合わせ願います〕


 こんな感じの理不尽が10名ほどもおり。『水那』は貴重な戦闘経験を(誰もが恐れる)、とってもたくさん(本当の理不尽)積みました(と遭遇し)



 そのため同じサイズ・魔力量の魔物に、『水那』はまず負けない。自惚れず、強くなることにどん欲になり、油断もしない。

 間違いなく『強力なドラゴン(都市を滅ぼせる)』レベルの戦闘力を持つのですが。


 『この程度で、強いなんて言えない・!;』と、己を鍛える毎日を、必死に過ごしています。

 

 『ステンノ、エウリュアレのゴルゴン姉妹が寝ている間に、ペルセウスはメドゥーサを討った』と、いうのは星座神話・検索サイトの、どちらでも共通しているくだりですが。


 『その寝ている時間タイミングを、グライアイ三姉妹からペルセウスは聞き出した』と、いうのはいかがでしょう。


 『メドゥーサ』を退治するにあたって。不死のステンノ、エウリュアレの姉2人が眠っているのは、最重要事項であり。できれば『メドゥーサ』も眠っている時間に、襲撃をかけたい。


 しかし『石化能力』を持つ、『メドゥーサ』たちの住まう島を、下手に覗き見すれば。神々といえど『石化』・・・はしないにしても。『神々のルールに抵触する、過度な干渉になった』と、いうのが一つ。


 そしてもう一つが、神格・神話の『魅力』のため。


 『ゴルゴン三姉妹』が強力で、当時の『青年』ペルセウスにとって、はるかに格上だとしても。

 神々の口から〔寝ているメドゥーサに襲いかかりなさい〕とは、命じられないでしょう。


 そんなことをすれば『神々の権威・ギリシャ神話の魅力』も下がってしまう。

 ゴルゴン三姉妹が寝ている時間を教えるのも、実質〔寝込みを襲え〕と言ってるに等しく、よろしくない。


 そのため『グライアイ三姉妹』に別の情報を伝えさせ。間接的にゴルゴン三姉妹が寝ている『時間』に、ペルセウスを誘導した。


 ペルセウスが赴く以前に、『メドゥーサ』によって石化された者たちがおり。

 何とか逃げ延びて、石化能力・住処の位置を伝えた者がいる。

 加えてギリシャ神話の『神具』は、持ち主の『神』が所持しているのが、普通であり。


 それらの事から考えると。


 『グライアイ三姉妹』がペルセウスに伝えた情報は、『ゴルゴン三姉妹』が寝ている時間タイミングであり。

 運試しで突入して、『ゴルゴン三姉妹』に袋叩きにされる、事態だけは避ける。そのために必須な、『時間の情報』だと愚考します。

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