403.閑話~水蛇を見る者たち:『水那』の多頭蛇竜
『予言・神託』のあるギリシャ神話において。
『ハデス』『アテナ』『ヘルメス』という上位神格たちが集い、力の象徴たる『神具』まで、『英雄ペルセウス』に貸し与えた。
それなのに『情報』だけは、『グライアイ三姉妹』から入手させた。
戦の情報に関わる、『知恵の女神アテナ』『伝令神ヘルメス』が加護を与えているのに、それは不可解な話だと愚考します。
『伝説』のお約束だと『神が試練を与えた』と、言えますが。
私は『戦の情報を与える、伝令神ヘルメス・知恵の女神アテナたちが、伝えられない。重要な情報をグライアイ三姉妹は伝えた』と、愚考します。
C.V.様の『魔術能力』に、『魔竜鬼』という系統がある。
分身・守護霊・使い魔に造魔生物など、様々なモンスターをイメージした『魔力の塊』であり。術者は『大量の魔力』を消費するうえ、使用できる『魔術』の種類に制限がかかるとか。
そしてイメージした『魔物』によって、『食べ物』が異なり。
『クリーチャー系』の『魔竜鬼』は、自力で外部から養分を摂る。『分身系』のように、術者の魔力を必要とするのは、誕生したばかりの時だけとのこと。
『酷冷泉』×2『水蛇流剛』『『バーストアクア!!』』
「「キsyアァアアアーーー」」×??
「「「「「・~*+;*H;-/*/-~-*」」」」」
「・・・・…・」
そんな『ドゥーガ』の知識を与えられ、観察の任務を命じられた。
下級シャドウのフォルカの眼前で、巨大モンスターたちが解体されていく。蹂躙され、殲滅されて、バラバラにされた肉を呑み込まれ。
猛獣が草食獣を狩るのとは、絶対に違う”暴虐”が行われていた。
「ヒっ…ひるむな、かかれぇーー;-!」
「グルァアアーーー!!」
裏返った声でテイマーが、モンスターに攻撃を命じ。
それに従って、巨大なオオカミが悟った瞳で、『多頭蛇竜』へと疾走していく。巨体にあるまじきスピードで跳躍し、その牙は蛇竜の喉笛をとらえ。
「ッ:*:!・/?*―-」
『へ~、テイマーの”下僕”にしては、けっこう強いじゃない』
「キャ⁺*hーーー;∼」
あふれ出た『青白い血?』によって、巨狼の噛みついた口は傷口?に粘着・接合され。牙や口元は『液体』に埋められ、それ以上嚙むことも逃げることもできず。
そうして脱出を試みる足に、水蛇の群れがたかり。無防備にさらされた、巨狼の脇腹へ『多頭蛇竜』の頭が二つゆっくり近づいて…
「やめっ、やめてく/*/-」
断末魔すらあげられず、飼い主のテイマーもろとも、巨狼は『水術?』の餌食となる。
それを契機に蛇竜の噛みつき回転や『水のブレス』が、巨大モンスターたちを討つペースを上げていった。
〔ネコがネズミを狩るのだって、もう少しマシだ…〕
ネコの狩りならば、『待ち伏せ』か『追いかけっこ』を行い。ネズミは爪・牙に捉えられるまで生存できる。
しかし、この戦場は『酷冷泉』をもたらす、水気によって覆われており。
テイマーどもが様子見したり、魔獣を抑えていた時点で『体熱の放出』は始まっている。
つまり現時点で『水那様の多頭蛇竜』が猛威を振るっているのは、とどめを刺してるだけ。既に『低体温症』になり、身体の大半が機能不全になったあげく。
大型モンスターを制御するため、テイマーどもが使っていた『枷の魔道具』も、解除されたか怪しいもの。
〔まあ、この巨大モンスターどもが、何に使われるか考えれば・・・殲滅は当然なんだが〕
フォルカはそんなことを、胸中でつぶやくも。
事前に与えられた、『多頭蛇竜?』の知識は〔恐怖をやわらげる〕と、いう仕事をせず。冷たい怖気が、フォルカの心胆を寒からしめる。
そうしてフォルカは何もかも捨てて、逃げ出したい誘惑にかられるが。それをしたら一噛みした巨狼より、だいぶ下の最期を迎えるのは確実であり。
〔『術式』とか、戦闘力で出世するのは断念しよう。
もっと他人に敬意をもって、力を借りて交流することで身を立てよう〕
そんな決断を、フォルカはするに至った。
この世界の『魔術』は、物理法則を超越できない。
物理的に難しいことは、『魔術』で行うことも困難です。
ただし!一部の上位陣は、そんな法則すら利用してしまう。
『魔力量・魔術の精度』が感情の影響を受け。
『水』が熱によって『気体・液体・固体』の三態に変化するならば。
魔力で構成される『魔竜鬼』も、『術者の願望・イメージによって、三形態に変わる』と、いう非常識な『術理』が編み出され。
『魔竜鬼』である『水那』も、三形態を姉様から与えられた。
1)乙女の姿を取る。思考力に秀でて、維持コストが低い人間態
2)蛇竜の姿で、『捕食・魔力吸収』に特化した『水蛇』の形態
3)そして1)2)を併せた『水蛇使い』は、最も戦闘・魔術に優れている
〔こんな『ドゥーガ』の三形態なんて、初めて見るわね…〕
重騎士の副団長さんと結婚し、色ボケ状態な魔導士C.V.サマも、こんな風に言っておられ。
ユリネ姉様の実力を、遅ればせながら気付いた、妥当な評価と言えるけど。
〔だけど”蛇女”のように、嫉妬深くなったり。必要以上に”凶悪”になって、怪物の力をふるうのは困るのよ。
幸い学習する頭はあるようだし、少し躾けてあげるわ〕
〔ッ!?〕
あの女っ…姉様を悩ませるだけにとどまらず。『水那』よりも、はるかに強暴・凶悪な侍女頭から、人間世界にまぎれる『礼法』をたたきこまれ。
散々、痛い目にあわされたけど。
”共食いする寄生虫以下”と、いう”下衆”と同レベルにならないよう、教えてくれたことは、感謝しなくもない。
それに〔痛かったですw、ユリネ姉様ーー^ー^〕と、いう風に甘えたり。
その憩いの時を見て、頭痛をこらえる侍女頭を見ると。
一矢報いて〔勝利の美酒を飲む〕と、いう気分を味わえ。
〔いつか絶対に、仕返ししてやる〕と、いう甘い夢に『水那』がひたれる。
それらのことは楽しみもあったのだけど。
〔ちょっと、来なさい〕
〔何っ!?たとえ侍女シャドウだろうと、『水那』に命令する権限は…〕
〔い・い・か・ら、来なさい〕
〔アツっ!;・・・姉様っ、助けて姉Sァ+;*ー〕
その後、『水那』は記憶の一部がToんだり。侍女頭さんが、優しく手加減していたことを、文字通り身をもって刻まれ。
〔二度とニンゲン??(と緋蛇)を侮らないようにしよう〕と、決意するに至り。
〔・・・-*~〕
〔ふ~ん、このくらいだと人間男性は怯えてしまうのか…〕
定期的に人間観察を、『水那』は行うようになった。
〔実力本位〕とさえずって、混成都市を一夜で奪われ。姉様たちに連敗すると、陰口をたたくしか能のない”賊”は、どうでもいいけれど。
空の水気に『魔力』を呼吸して、『水那』のゴハンを提供してくれる。まっとうな人間たちに怯えられるのは、彼女としても本意ではない。
「ギャp、ぴ*;~ー~/!!ーh」×5
もちろん手ごろなサイズの魔獣を、引き裂いて食べれば『養分』を取れるが。
美味しくないし、姉様たちと一緒に食べれない。生態系も乱れて、後始末していく手間が高すぎる。
何より『おっかない記憶』が、ヨミガエリそうで怖気がはしる。『魔竜鬼』という存在的に、そんなことあるはずないのだけど。
誰に聞いても、教えてくれないし。姉様が優しく頭をなでてくれるから、このままでいいのでしょう。
〔『ドゥーガ』のことは秘密だから、あちこちに尋ねては駄目よ〕
〔はい、ユリネ姉様!〕
〔・・・;・+・、:・―^・;〕
そんなやり取りをしてから、『水那』は恐怖と手加減の大事さを感じ。
連絡役を観察して〔『手札の魔術』を、どのくらい使うべきか〕を、考える。『水蛇体』による『吞み込み技』は評判が悪く。『多頭蛇』のブレスと噛みつきを、連携させるのは『見事な戦術』と言われた。
そうやって『水那』は学び、成長し続ける。
シグルスという街があります。
その街にある冒険者ギルドには、『闘技場』を兼ねる訓練場が建てられ。それに伴う人材・物資が運び込まれることで、少し景気が上向きになりました。
もっとも、それは富に群がる”俗物”たちが、動き出すのと同義であり。
『闘技場の興行』を取り仕切る、黒霊騎士団としては、早急に行政と連携していきたい。
『法整備』も含め、『闘士・冒険者』たちを守る施策を、領主ザリウス様に取っていただき。
〔不毛な権力争いをする、親族の皆様には退場を願います〕と、申し上げたい。
「それで?」
「黒霊騎士団に所属する『防御術士』メリダ…
7級闇属性のC.V.メリダ・フロートスとして、領主ザリウス様にはいくつか珍しい物を、ご覧になっていただきたいのです」
そう告げながらメイド服をまとったメリダは、人間男性を闘技場の地下へと案内する。
地上の闘技場は完成し、何度か訓練が行われ、『興行』も開催されているが。
地下の工事は、これからが本番であり。
『建築法』など存在しない。あっても『貴族の屋敷より、立派な家を建造してはならない』と、いう程度の”ザル法”では『地下施設』の想定すらしておらず。
「いつの間に、こんなものを掘ったんだ…」
「『ダンジョン』と言えば、黒霊騎士団では地下迷宮なのです。
そして地上にいくら冒険者の皆さんがいても、地下からの攻撃を考慮されていませんから。
防衛担当としては、地下に最低限の『防御施設』を作る必要があります」
「・・・○ー●・・」
メリダの建前に、ザリウス様は白い目を向けてくる。
黒霊騎士団の主力は、『狂戦士』をルーツとする魔術騎士であり。所属している術者・遊撃騎士たちは、そのサポートを行う。
そこそこ万能な軍団ですが、本領を発揮するのは『攻勢を仕掛ける』時であり。『敵の撃破』こそを念頭に置いています。
『ダンジョン』に罠を仕掛けて活用する、器用な軍団ではなく。
もし『ダンジョン』を使うとしたら、ボス部屋で侵入者を待ち受ける。あるいは慎重な攻略集団の拠点を襲う、突破戦力として死力を尽くす運用になり。
『ダンジョン』の構造を複雑化させ、侵入者を罠にはめるのは、コストの浪費というもの。
黒霊騎士たちにとって、『ダンジョン』の利用方法は別にあり。
「一応、地下の防御施設というのは、偽りではございません。
もしも黒霊騎士団がシグルスの街から撤退する場合、冒険者の皆さんに闘技場を守ってもらわねばまりませんが。地下から攻めてくる術者・モンスター、どちらに対しても戦闘経験が少ないようですし。
〔少しばかり、地下での戦闘訓練を受けていただきたい〕と、思っているのも事実です」
「・・・・:-・・」
魔王軍に所属する黒霊騎士団は当然、【魔王様】の意向こそが最優先であり。
戦争種族として、突発的な戦況にも対応する必要があります。
シグルスの街に駐留して行う、『任務』を賜りましたが、その重要性は最優先事項ではなく。
〔ザリウス様の後ろ盾になって、全面的に支援します〕と、いう『契約』を現時点で結ぶわけにいきません。
そんな言葉遊びをするメリダに、ザリウス様は視線で先を促してくる。
「とはいえ、地下で戦闘訓練を受ける、冒険者様の選定は時間がかかりますし。
それまで地下施設を、有効活用できる案件があるなら。その案件を軍議にかけるのも、やぶさかではございません」
「ほう、ありがたいことだな」
C.V.勢力で武装集団の黒霊騎士が、領主の座をめぐる争いに、表立って介入するわけにはいきません。
武力で威圧すれば、恐怖と反発を招くばかり。
財貨で調略する『搦め手』は、不得意ですし。黒霊騎士団の目的を考えれば、〔調略はデメリットが大きい〕と、いうのが本音です。
とはいえザリウス様が自力で、街の権力を掌握するまで、待ってもいられない。
そこで〔地下施設をザリウス様へ、秘かに貸与します〕と、いう取引によって、ザリウス様の権勢が高まればよし。敵対派閥が不用意に動けば、黒霊騎士がそれを迎撃することを理由に、介入する手もあり。
そしてザリウス様には、メリダたちが求めるモノを提供していただく。
そんな思惑を抱きながら、メリダは別の提案を行う。
「とりあえず、急にこんな提案をしても返答は難しいでしょう。
今日のところは、『こちら』をご覧になってください」
「ほう、何を見せてくれるんだ?」
「『魔導能力』の発動を、失礼いたします。
『門の柱は扉を支え 富が行き交い、栄枯はめぐる
されど巨人の影はそびえ、たたずみ、不動を望み
眼は開き、見据え、見渡し続ける
秘密を映さず、集めず、暴くことなく
ただ旅人を見送り、待ち人を数える 巨人像の瞳…』
「・・・・-・」
『感知能力』とは、とても言えない『コロッサスアイ』が発動する。
だが、その鈍さが『外交の場』では有用なことがあり。
『巨人像』と言うには小さい、巨人像の頭部が『幻像』を投影し。
「それでメリダ殿…オレにいったい何を見せたいんだ?」
「ザリウス様にシグルスの現状を、お伝えしたい。今日はそのために、ご足労いただきました」
二人の周りには、護衛の黒霊騎士3人が周囲を警戒し。
シグルスの街を治める領主ザリウス様が、メリダの様子を観察している。
そんな中でメリダはシャドウ一族との『契約』で、許された『幻像』を『術式の目』から投影させ。
「ー:*+・・・…・∼」
『酷冷泉』×2『+~∼□:』『『バーストAQ;!!』』
人外魔境な『大魔獣』の暴威が、映し出された。
人間を捕食する、強力であろう魔獣たちが、青色の『多頭蛇竜』一体?に、圧倒され蹂躙される。ただでさえ凶悪な『ヒュドラ』が、遠距離攻撃・様々な近接攻撃を『連携』させることで、その威力を何倍にも高め。
なんとか一矢報いようとする魔物は、複数の蛇頭に反撃されて、何倍もの報復を受ける。
それはメリダの目から見ても、ゾッとする『幻像』であり。一般の黒霊騎士C.V.たちに討伐を命じたら、凄惨な結果になることは確実でしょう。
まして一般の人間が見たら、質の悪い残酷劇に等しい。『怪物暴走』より恐ろしい、大魔獣の猛攻を観て、ザリウス様は平静を装い。
「それで・・この魔獣がシグルスの街に襲いかかってくるのか?」
「ご安心ください、ザリウス様。こちらの『多頭蛇竜』は、混成都市に所属する『魔竜鬼』でございます。
倒されている怪物は、”誘導”によってテイマーに操られた、街を襲いかねない『人喰い怪物』であり。『水那様』は街を守っていると言えます」
メリダの説明を聞くも、ザリウス様の顔は引きつったままであり。
〔『多頭蛇竜』よりはるかに強いC.V.が、既にシグルスの街に入っています〕などと、事実を言える空気ではありませんでした。
ネタバレ説明:『水那の多頭蛇竜』について
上級シャドウ、ユリネの『魔竜鬼』であり。
『悪魔契約』にも等しい強制力をかけて、『可能性』を分け与えることにより、『義妹』にした。魔術文明を持つC.V.の目から見ても、”狂気の沙汰”なイメージで創られた、『ドゥーガ』が『水那』です。
その創造手段は一発で『禁術』に指定され、上位C.V.クララ・レイシアードの監視下にあるほど。(実際には『水那』がやらかしたら、イリスが責任を取ることになっています)
そんな『水那』の戦闘形態が『多頭蛇竜』であり。その外見は『八岐大蛇』に近いですが、混成都市の文化圏で『ヤマタノオロチ』は知られていないため。
『ヒュドラ』と呼ばれています。
『水蛇の群れ』を従え。首の数は、状況にあわせて1本~18本に増減し。脚はなく、『胴体・尾』は『八岐大蛇』と同様の蛇体であり。
全長は5m~3階建ての家ぐらいまで、変化します。
敵の体温を奪い・放出させて『低体温症』にする、『酷冷泉』の術式を多用し。
そうして麻痺・疾病や意識混濁になった敵に、複数の蛇体で攻撃する。
頭突きを行い、噛みついて、呑み込む。『雑きんをしぼる』ように蛇体をねじり、呑み込んだ敵を締め上げ。さらに蛇体を折り曲げて、呑んだ敵の全身も折り曲げていく。
そのまま蛇体ごと水面にたたきつけ、呑んだ敵に『衝撃』を透す。
袋叩きが可愛らしい、『呑み込み技?』を使えます(ちなみに、これを使う時『水那』は激怒しているため。呑み込まれた”エモノ”は気絶・ショック死で、逃れることすらできない…とか?)
他にも侍女頭の技を盗み?、敵の五感を阻害する『水のブレス』を吐きつけるのですが。たいていのモンスターにとって、『ウォーターカッター』『重圧放水』でしかなく。
三分の一の首でブレスを吐き。三分の一の首で近接攻撃を行い。残りの首は予備・防御を行う。毒液を持つ、同じサイズの『ヒュドラモンスター』と比べ、けた外れな『武技?・蛇頭の連携』を、『水那の多頭蛇竜』は行います。
そして、その原因は混成都市のトップ陣にあり。
都市を滅ぼす凶悪なC.V.・能力者たちが、『水那の多頭蛇竜』と戦闘訓練を行い続けた。普通の魔物では経験しえない、格上の暴威に敗れて、戦闘経験を積んだ。
〔ほらほら、敵はボクより容赦ないよっ!〕
〔結婚生活にも、たまに刺激は必要よ〕
〔(汐斗様を慕う者として)手合わせ願います〕
こんな感じの理不尽が10名ほどもおり。『水那』は貴重な戦闘経験を、とってもたくさん積みました。
そのため同じサイズ・魔力量の魔物に、『水那』はまず負けない。自惚れず、強くなることにどん欲になり、油断もしない。
間違いなく『強力なドラゴン』レベルの戦闘力を持つのですが。
『この程度で、強いなんて言えない・!;』と、己を鍛える毎日を、必死に過ごしています。
『ステンノ、エウリュアレのゴルゴン姉妹が寝ている間に、ペルセウスはメドゥーサを討った』と、いうのは星座神話・検索サイトの、どちらでも共通しているくだりですが。
『その寝ている時間を、グライアイ三姉妹からペルセウスは聞き出した』と、いうのはいかがでしょう。
『メドゥーサ』を退治するにあたって。不死のステンノ、エウリュアレの姉2人が眠っているのは、最重要事項であり。できれば『メドゥーサ』も眠っている時間に、襲撃をかけたい。
しかし『石化能力』を持つ、『メドゥーサ』たちの住まう島を、下手に覗き見すれば。神々といえど『石化』・・・はしないにしても。『神々のルールに抵触する、過度な干渉になった』と、いうのが一つ。
そしてもう一つが、神格・神話の『魅力』のため。
『ゴルゴン三姉妹』が強力で、当時の『青年』ペルセウスにとって、はるかに格上だとしても。
神々の口から〔寝ているメドゥーサに襲いかかりなさい〕とは、命じられないでしょう。
そんなことをすれば『神々の権威・ギリシャ神話の魅力』も下がってしまう。
ゴルゴン三姉妹が寝ている時間を教えるのも、実質〔寝込みを襲え〕と言ってるに等しく、よろしくない。
そのため『グライアイ三姉妹』に別の情報を伝えさせ。間接的にゴルゴン三姉妹が寝ている『時間』に、ペルセウスを誘導した。
ペルセウスが赴く以前に、『メドゥーサ』によって石化された者たちがおり。
何とか逃げ延びて、石化能力・住処の位置を伝えた者がいる。
加えてギリシャ神話の『神具』は、持ち主の『神』が所持しているのが、普通であり。
それらの事から考えると。
『グライアイ三姉妹』がペルセウスに伝えた情報は、『ゴルゴン三姉妹』が寝ている時間であり。
運試しで突入して、『ゴルゴン三姉妹』に袋叩きにされる、事態だけは避ける。そのために必須な、『時間の情報』だと愚考します。




