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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
402/429

402.閑話~炎熱の不得手+水蛇の踊り

 ギリシャ神話における『ペルセウスのメドゥーサ退治』について。

 この神話には一つ矛盾した点があります。


 それはゴルゴン三姉妹を討って、名を上げようとした戦士たちは、彼女たちが住まう『形のない島』へ赴き。返り討ちにあって、『石化』したというのに。


 『ペルセウスはグライアイ三姉妹を脅し』て、『ゴルゴーンの住む島を訪れた』となっており。

 〔戦士たちはメドゥーサの住まいに襲来したのに、ペルセウスはグライアイたちに尋ねる必要がある。この差は何なのだろう?〕と、首をかしげます。

 『干し肉が不味い』


 そんな一言で『ネタ話』あつかいされ、軽視されている。

 重要な『保存食』の問題は、改善どころか分析すらされていません。


 もっとも『釜戸女神の魔導(ヘスティアゲーム)』と、いう料理外交を行う『魔導能力コアデザイン』を行使する、料理担当のフリス(メイガスメイド)も同様であり。


 〔『脚のケア・依頼料の分割払い』と、やっていったのだから。

  今度は干し肉の味を改善したいな~〕


 そうつぶやく、ユングウィル様のお言葉を聞き。フリスは自らの”鈍さ・浅慮”に恥ずかしくなった。

 『塩』は生物に必須なため、『最も美味な料理(最重要の調味料)』とされるが。同時に過剰に取り過ぎれば、身体に悪く。


 塩気の強い『干し肉』も、身体に悪いのは明らかです。


 しかも”過剰な塩”のもたらす悪影響には、血液が増えて『高血圧』にかかるというのがあり。頭に血が上って、怒りやすくなったり。血流を操る『身体強化』が、”暴走するリスク”を高めてしまう。


 〔のんきに『実験』して、情報データを集めてからでは、遅すぎます。

  ”過剰な塩”は有害だと考え、速やかに対策をとり。データ収集を行って、杞憂だったら幸運と考えるべき〕


 というより『釜戸女神の魔導(ヘスティアゲーム)』を会得した、料理担当であり。気付きをもたらすユングウィル様に、はべるC.V.フリスとしては。


 〔”塩辛い干し肉”などというモノは、冒険者(皆様)の長期活動を阻害する”害悪”です〕と、先に考えて然るべき。


 アドバイスを受ける以前に、料理担当者フリスから献策けんさくすべきであり。

 長期の旅・冒険において、『水』は生命線なのですから。”渇き”を誘発する”塩辛い干し肉”は、水を浪費させ、思考にまで悪影響を及ぼしてしまう。


 冒険者ギルドから禄をいただいて(のユングウィル様に)いる者(侍る者)として。

 〔もっと冒険者たちの『食糧事情』に配慮すべきでした〕と、フリスは深い後悔にさいなまれ。

 

 〔過去の冒険の記録を読めば、ヒントはいくらでもありました。

  それなのにユングウィル様から、御助言をいただくまで、考えもしない。


  この償いは、問題の焼滅(解決)をもってのみなされる〕


 

 かくして仲間たちも気付かない、フリスの情熱はノーグ村で解き放たれ。

 





 「そういうわけで、まず”美味しくない(塩辛い)干し肉”が、どうしてできるか。

  私なりに考えてみました」


 「そうなんですか…」


 〔圧が強い。目が怖い。熱気が重い…!:〕



 『冒険者ギルドへの依頼料を分割払いにする』と、いう仕組みを作る『布石』を打つため。

 ノーグ村へとやって来た、ギルドスタッフのユングウィルは、メイドC.V.(フリス)の情熱にさらされていた。


 もう少し具体的に述べると。


 『調理する魔導(ヘスティアゲーム)』によって、美味しい料理を作り。女子供たちに、その調理技術を惜しみなく教え。

 村中の『包丁』を研ぎ、『釜戸』を整備してから。それらの技術指導を行い。


 『食事事情』に貢献しまくって、村人たちの胃袋を、フリスは掌握した。



 〔フリス様に村に残ってもらうには、どうしたらいいだろう〕

 〔村長の長男と結婚してもらい…〕

 〔・・・無理じゃね?〕〔だよなぁ〕〔全然、釣り合わない〕

 〔〔・・・+・;〕〕

 〔だからって、あの小役人に(ユングウィルの)囲われているとか(側室でいいのかよ?)…〕



 その後、こんなやり取りが、あったとかなかったとか。

 ちなみに村長一家は、屋敷を半ば明け渡し。ユングウィルたちが広いスペースを占領して、ノーグ村に滞在している。


 もう、この時点で『分割払いの詳細な条件を決める』『きっちり依頼料を分割して払ってもらう』と、いう『交渉』は成ったも同然だが。


 戦争種族C.V.なフリスさん(・・)は、さらなる追い討ちを、お望みのようであり。



 「”マズイ干し肉”ができる理由は、大まかに三つあります」



1)材料の『肉』が血抜きできていない。『塩』の製塩技術が低いなど。『材料』に問題がある。


2)『肉の保存を最優先にして、味は二の次にする』と、考えたり。塩漬けする技術が低すぎるため。『干し肉』が塩辛くても〔そういうモノ〕と、考えてしまう。


3)上記の理由により製造された”マズイ干し肉”を、調理もせずにパンと水で流し込むから。行軍中など、どうしても『調理』をできない状況ならともかく。

 調理を行い、『美味しい干し肉』にするのが大事です。



 「私たちが重視すべきは、3)の『干し肉を調理』することになります。


  簡単な処理で、麦がゆ・スープに混ぜたり。農作業で汗をかき、身体が『塩』を求める人々に、軽食として提供する。

  これだけでも『干し肉』の味・必要性ニーズは改善されます」




 冒険者のように『料理をするとモンスターが寄ってくる』と、いう過酷な旅をしている最中ではなく。ノーグ村は平和で、貧しい村だ。


 そのため昼食を食べないのが、ノーグ村では当たり前なのだが。

 

 〔開墾という、重労働をしている期間だけでも・・・〕

 〔耕作も、充分に重労働ですから・・・〕


 交渉とも言えない、こんな誘いにより。村人たちは、最低限の軽食を、昼間に取るようになっていき。


 〔昼食を食べ過ぎては、午後の作業に差し障ります。あくまで汗をかいた分だけ、『兵糧』の補給をしましょう〕

 〔戦いは『命』を左右します。そして村の皆さんにとって、作物を育てることは『戦』に等しい。でしたら『戦働き』には、相応の『補給(食事)』が必要でしょう〕


 〔イヤ、わしらが駆り出された戦では、ロクな食い物もなく…〕


 〔女性種族C.V.として、男性だけが昼食を取るなど、認められません〕


 ノーグ村の風習・備蓄食料フトコロなどに配慮しつつも、反対意見は説き伏せられ。

 細かく刻んだ干し肉入り、少量の雑穀粥ざっこくがゆを昼間に食べ(で塩分を補給し)、村人たちの心身は向上していき。


 その分、農作業の効率も上がっていった。




 〔『魔導能力ヘスティアゲーム』とか、関係ない所でも食事改善しているな~〕


 そんなことを考えていたユングウィルの予想を、フリスは軽々と超えて行き。


 「”塩辛い干し肉”は保存食ではなく。肉が加味された『塩』と考えてもらい、『調味料』として使う。

  それを身体が『塩分』を求める、一働きした正午(タイミング)に提供する。


  これで第一段階(・・・・)は成功しました」


 「うん、ちょ~っとだけ、フリスは待とうか」


 ノーグ村にもたらした、フリスの影響は甚大であり。

 当初の交渉目的を考えれば、予定を早めてノーグ村を去ってもいいくらいだ。


 しかしフリスとしては『食事改善の炎でノーグ村に焼き討ちをかけている?』に、等しい文化的侵略を行って、〔第一段階〕などと仰る。

 残りの滞在期間と『フリスの手腕(・・・・・・)』を考えれば。


 計画が完了した時に、ノーグ村が原型を保っていられるのか。周囲への影響とか、ユングウィルのが、怖くなってきた。


 「フリス…まず、ゆっくり話し合おう。

  夜は長いんだし、情報交換は大事だ。改革とか、ショックが強いとデメリットが肥大化してしまう」


 「ユングウィル様が、それをお望みなら・・・」


 そんなやり取りを交わしつつ、ユングウィルはきゃしゃな身体を、ベットに運び込み。

 念入りに互いの理解を深め合ってから、フリスの計画を詳しく聞き。






 「どうぞ召し上がってください」


 「・・・●:●」


 「ひとかけらも残さず、召し上がってください」


 翌朝、温厚なフレイシア(リーダー)から、精力のつく肉料理を完食するよう。ハーレムの主は、怖い笑顔で勧められた。






 

  

 

 わかりやすく攻撃力の高い『火属性の魔術』には、いくつか不得手がある。

 『開墾』も、その一つであり。火力を必要とする『鍛冶・錬金』ができるなら、将来的に使い道もあるが。


 まず『水・食糧』を確保しなければ、『開墾』する以前に生きていけず。

 『地水風の他属性』に対し、火属性は『荒れ地の開墾(サバイバル)』において、どうしても見劣りする。


 そして、それは自然豊かなノーグ村でも同様であり。




 「くっ…また逃げられた!!」


 「・・・というか、私たちが『狩り』をするとか、無理があるでしょう」


 ノーグ村で新たな畑を作る『開墾作業』において、駄目だしをされ。『狩り』を志願した炎熱C.V.のフィニー、フルルは、森の中をさまよっていた。

 

 〔街のメイドさんは綺麗だな~〕

 〔凛々しい、女剣士さんって良い!〕

 

 そんな風にチヤホヤされていた・・・物珍しさで2人が村人の興味をひいていたのは、最初のうちだけ。


 〔フラミアさん(攻撃力アップ)の魔術で、腕力を増したら、新しい畑を作るぞ!〕

 〔勝手なことは、フレイシア様が許さないわ!〕

 〔フリスお姉様…ずっとノーグ村にいてください〕


 『魔術』に特化したフラミアの付与魔術、フレイシアの指揮能力に加え。

 頭の固い老人たちも認めざるえない。料理全般に関連する技術指導()、フリスは行っていき。


 ノーグ村の住人たちは、ユングウィルも含めて炎熱C.V.3人を、受け入れていったのだが。


 ノーグ村に来た当初、村人たちを威嚇いかくしたり。火力重視の『術式』を習得しているものの、村人たちに『技術指導』できるほど、積み重ねたものがない。

 フィニーとフリスの2人は、肩身の狭い思いをすることになり。


 〔こうなったら、獲物ニクを狩って、村人にアピールするっ!〕


 〔オーーーー(滞在も一月を)、行くよっ(切ったのに)、ファイトっ!(、よくやるわね~)

 


 こうして山の中に入った2人は、『火属性の不得手』を再び味わっていた。


 『この領域の魔術は、物理法則と互いに干渉しあう(を無視できない)


 この法則、以前の問題として、『火属性』はとても目立つ。

 そのため野生の獣に接近を気付かれ、逃げられまくっていた。


 「こうなったら、囮作戦で…いや挟み撃ちなら・・・」


 「・・・まあ、やってみよっ!」


 普通の村人は、人間を捕食するモンスターの生息地、近くになど住めない。

 そして普通の野生動物は『火』を怖がり。『火の魔力』を帯びる、剣呑な炎熱C.V.から、速やかに逃走する。


 そのため故郷のように拠点を出たら、弱い魔物(タンパク質)の方から、フィニーに襲いかかってくることはなく。

 フルルの技能では、動物の警戒をくぐりぬけつつ、痕跡を見つける。獲物を捕捉することは困難であり。


 「見つけたっ!!『ファイアーボu』」


      「っ⁉…『バルカン!』」


 何とか遭遇した『熊』を、フルルは『得意の魔術(バルカン)』でハチの巣にされた。


 「ちょっと…何をするの⁉」


 「それは、こっちのセリフよ~*ー」



 『火属性の魔術』は全般的に火力が高く。獲物の毛皮を焼きつくし、肉の大半を炭化させかねない。


 しかし、その程度ならマシであり。


 物理法則が厳然と存在する、この領域において、高火力の『術式』は常に、火災のリスクを伴うことから。


 火ダルマになった獣が、転がったり狂乱すれば”山火事”になりかねず。高威力の『火炎魔術』が獣の肉体を貫通すれば、『火矢』を放ったに等しく。

 

 炎熱C.V.たちが、山林に放火したも同然になってしまう。



 「そういうわけで・・・『ファイアーボウ』から『イグニスアロー』を射るのは禁止よ」


 「承知した・・・もう帰って、『木炭』でも錬成しない?」


 「気持ちはわかるけど…いい機会だから、『火術』以外の戦闘技術を鍛えなおすのは・・・●ー」

 

 言の葉を続けようとしてフルルが『発火信号(フリントワード)』を送ってくる。

 〔何者かが接近している〕と、いう警鐘にフィニーも剣をぬき。


 「お初にお目にかかります!C.V.様…シャドウ一族のフォルカと申しますっ」


 この領域にいるC.V.勢力の中で、トップのイリス様に仕える人間シャドウが現れる。

 その顔は青ざめ、引きつっており。


 「皆さんは、お腹が空いていないでしょうか・?;」


 〔〔あっ・・これ、絶対にダメなやつだ〕〕


 フィニーは瞬時にフルルと意思疎通を行った。


 

 







 〔知識の巨人の肩に乗って、発明をする〕だったでしょうか?


 サヘルさん、タクマ兄様たちは、天才的な思考で新たな『術式』を、編み出し続けますが。それらは先人の知識を学び、活かした成果にすぎないとか。


 一例をあげると。


 現在、冒険者たちの脚をケアすることで、彼らの行動力を増大させる。

 前衛・後衛で『脚力』の差が大きい、冒険者パーティーの『足並みの乱れ』を、防止するため。

 ユリネ姉様たちも、影から色々とサポートを行いましたが。



 この計画は『悪辣な怪物誘導モンスタートレイン』を観た後に、知識のひらめきがあった。

 間違っても”トレインを観て、思いつきました”などと、いう事実は秘匿すべきであり。


 ユリネ姉様の妹であり、魔力の塊(魔竜鬼)でもある『水那』からすれば。

 〔面倒くさいオハナシですね~〕と、言いたい言霊セリフを胸中に呑み込んでいる。




 何でも『怪物暴走モンスタースタンピート』が起こると、脚が遅い・サイズが小さい魔物は踏み殺されてしまう。足が速く・サイズが大きい魔物が、前者を踏み殺して、事実上の間引きを行う。

 それを目の当たりにした姫長(扇奈)様が、冒険者パーティーにも似たようなトラブルがあると察し。


 その対策の一つが『脚のケアを行う』と、いう企画だそうです。

 難しい外交?のやり取りで、黒霊騎士団に企画は譲渡されたそうですが。


 世の中には『怪物誘導』の迎撃すらできない、弱兵ニンゲンがおり。

 ”トレイン”の通り道に村があり、村人たちが貪り食われている。


 そんな”おぞましい事態”に、有効な対策をうてない、無能領主があふれており。



 〔あげく食料供給をする村が滅びて、食料不足に陥ったあげく。”重税・奴隷の売買”など、”悪政”の連鎖をやらかす。

  いい加減にして欲しいね〕と、聖賢様は仰られた。



 そういう救いようのない”愚か者”たちは、こういう事(スキャンダル?)を責めるしか、自尊心を保つ術がなく。


 〔冒険者やギルドの(ものすごく)イメージアップのため(面倒だから)、黙っていましょう〕


 〔承知しました、ユリネ姉様〕


 そんなやり取りを交わして、『水那』は本音を呑み込んでいるものの。


 〔”トレイン”を行う、テイマーと”盗賊ギルド”。それと奴らに従うモンスターを、全滅させればいいだけでしょう〕と、いう『本音』を実行に移すべく。


 『水那』は広域から水気を集め、『水の蛇体』を巨大化させていき。



 『雨雲は影を映し  雨音は肉に響き  雨水はのどを潤す


  されど泉は冷たく、沼は昏く  湖は生命を育み、呑み込む


  ならばワタシ(水那)は水の長虫を創り  蛇を束ねて、竜を惑わそう


  濁流の根に、抗う牙を突き立てるべく…水蛇流剛すいじゃりゅうごう・・・○-○』

  

 『人間態』の『水那』が、大気中から水気を集め、魔力を練り上げていく。

 それらは雲間に『大蛇の影』を描き。それによって、テイマーどもが頭上を見上げたところを、足元から『分身体(細胞)の水蛇』をけしかけ・・・



 「ちょっとっ!何か切り札とかないの~-~?」


 「「「っ*;-:」」」「「「「Gぁポbbb*ー/」」」」

 「「Gィy∼・/~ゥぅぅ*;」」「「「「「や*/m+*pkpk」」」」」


 『水那』の声に、応える者はなく・・・正確には返事を返せる者はおらず。

 テイマーも巨大モンスターたちも、等しく顔面に水球に覆われ(溺れながら)。『無数の水蛇』に噛みつかれ、締め上げられて、一部は呑み込まれていく。


 もちろん『水那』が使役する『分身体』たちは、『毒・溶解液』の類を使うことはせず。ドラゴンのように、肉をかみちぎれる口の構造をイメージできない。


 そのためワニの真似事をして、デスロールを行い肉を引き裂く。『分身水蛇』を『多頭蛇竜ヒュドラ』のように合体させ、蛇体を複腕アシュラのように使い、巨大モンスターを力任せに引きちぎる。


 「グォオオオーーー*:*^~//∼*+*


 真人間の目がある、都市・街道では凄惨な血の雨が降って(スプラッターで)、できないことも。『トレイン』の足並みをそろえるため、巨大モンスターを山間に集合させている、へき地なら思いっきり行える。

 はっきり言えば、無防備な村人を残虐に捕食し、踏み潰す。”トレインの駒”ならば、どんな殺され方をしても、文句は言えないでしょう。

 

 そんな大義名分を思いながらも。

 巨獣の唾液・急所の血流を凍らせ、体温を奪いながら。久しぶりに『暴力』をふるう快感に『水那』は酔いしれ、質の悪い魔力を吸収していき。


 「あの…『水那』様。そろそろ、よろしいのでは;?;」


 「そうだね~…巨大モンスターは、どうせ”捨て駒”だろうし。もう食べてしまおうか」


 そのセリフに監視役のシャドウは、平静を装おうとして失敗した。

 ちなみに某検索サイトでは『グライアイ三姉妹を脅して、神具を管理している半女神ニュムペーの居場所を探させた』とのこと。


 私が今まで読んできた『ペルセウスのギリシャ神話』と、大幅に違い。

 『女神アテナ』が『冥界神ハデス』『伝令神ヘルメス』の神具を、『冥府』つながりで借り受けているなら、ともかく。


 半神・山河の精霊であるニンフたちが、『上位神格の神具』を管理しているなど、初耳どころではなく。不用心なうえに、神が神具を英雄以外に預けて、使えない時期があるなど。

 

 『ギリシャのメジャーな神々』を貶めている、ようにすら感じます。

 〔全く信用できない〕と、申し上げたい。


 とはいえ『ペルセウスがグライアイ三姉妹から情報を得た』と、いう点に関しては、私が知ってる『ギリシャ神話』と共通しており。

 この点が、そもそも不可解です。


 神話でなく、『昔話』ならば。神話でも上位神格の『加護』が関わらない(・・)なら、『仙女・魔術師に助言を求める』と、いうのもわかるのですが。

 『冥府』を束ねる『冥界神ハデス』。冥界への伝令も務める『伝令神ヘルメス』。そして現世と冥府を行き来する『フクロウ』を眷属にする『戦女神アテナ』


 『予言』があり、『神託』のある神話世界において、これほどの神格が三柱もそろい。

 『グライアイを脅して、尋ねて、情報を得なさい』と、言ってるに等しい。実際、『ペルセウス』にそういうことをさせた。


 〔なんかペルセウスの神話は、おかしくないですか?〕と、愚考します。

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