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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
400/429

400.閑話~炎熱の外交+微風と水蛇:双蛇鳴鐘

 〔一緒にするな。ひたすらとにかく一緒にするな!〕

 

 最近、こう思ったのは〔『メドゥーサの首』が伝播して『鬼瓦』になった〕と、いう説を検索サイトで、読んだ時です。

 西欧の『ガーゴイル』と『メドゥーサの首』ならともかく。『メドゥーサの首』と『鬼瓦・鬼の面』を〔一緒にするな〕と、思います。


 とはいえ感情的に怒鳴るのでは、駄々をこねるガキと同レベルであり。

 『数字・実例』を出せなくては、ヒステリーに等しい。最低限の分析ぐらい、すべきでしょう。


 そこでまずは『メドゥーサの首』について、考えてみます。

 ”怪物誘導トレイン”によって、破壊の限りを尽くすテイマーたちを、『炎蛇の魔竜鬼(マンダート)』でフラミアが討ち、半月ほどがすぎてから。

 

 炎熱C.V.班の創魔導士フラミア虹珠戦姫フィニーは、山中で客人と合流すべく、待ち合わせを行っていた。


 「・・・来たわね」

 「お待ちしてました」

 『…●ーグルルゥ』


 二人・・が待っていた来客は、一人が巨大な荷台を引いており。その荷物を守るように、一人が前を警戒し、一人と『浮遊する一体(鎧影)』が後ろを固める。

 

 黒霊騎士団に所属する、C.V.の三人一組だった。


 「やれやれ、山道は疲れるわ。予定通り、村に行きたかったのだけど」


 「無理を言ったうえに、お手数をかけて、申し訳ございません。

  こちらはささやかなお土産です」


 「気を使ってもらい、かたじけない。美味しそうな鹿肉だ」


 そうして速やかに『外交』が始まる。


 同じC.V.勢力でも、炎熱C.V.班と黒霊騎士団は、対等ではなく。『身体強化(怪力)』を駆使して、『重量物』を運んでくださったのは、黒霊騎士たちだ。

 当然、フラミアたちは謝意を示し、頭を下げるのが礼儀であり。


 「・・・それで、その『魔竜鬼ドゥーガ』は貴女(フラミア)のものなの?」


 「『火精大蛇マンダート』と名付けました。どうぞ、お見知りおきを」


 『SyァララR~--ー』


 大事な情報を(私たちは戦う気)開示する場(はありません)でもある(と、示した)



 『魔竜鬼ドゥーガ』は、それなりに強力な『魔術能力デザイン』であり。下位C.V.は、その存在・能力を上位C.V.に伝えておく、必要がある。


 もし情報開示を怠り〔痛くもない腹を探られる〕ぐらいだとしても、下位C.V.班なフラミアたちには痛手だが。

 『魔造生物クリーチャー』をイメージして造られた、『マンダート』は自力で養分エサを、狩ることができ。その際、戦闘狂な(黒霊騎士)C.V.と遭遇して、怪物あつかいされたら、大ケガですまないだろう。


 『大事なドゥーガ(マンダート)』を守るため、弱小C.V.班の外交のためにも、情報開示は重要なのだ。



 「カワイイ…こんな子が本当に『キラー(標的特効)』の能力を持ってるの?」


 『キュル、キュル…』


 「締め上げてるのは『ホーンベアー』か・・こいつのきもは美味しいぞ」


 「よろしければ、そちらもどうぞ」


 「そうか、要求したみたいで悪いなっ!」



 もっとも炎熱C.V.班と黒霊騎士たち、双方とも『外交』は畑違いであり。

 穏便かつ、スムーズにやり取りが行われていく。


 仮にも戦争種族C.V.の端くれとしては、フラミアの『魔竜鬼プライド』に対し、警戒の一つもして欲しいところだが。



 『キュアァァァ・・・』


 「よ~し、よしっ・・・とぐろを巻くなんて、いい子だな~」


 「ファイム…犬っころじゃないんだから、なでるのは程々にしなさい」


 「・・・・-・」×2


 ”怪物誘導トレイン”どころか、”略奪放火”もしてない。

 そんな黒霊騎士たちに『マンダートの特効(恐怖の精神干渉)』が発動しないのは、わかりきっているとはいえ。

 戦闘力・魔力量は隔絶しており。『火精大蛇マンダート』は巨体を縮めて、ペットよろしく愛想をふりまいてる。


 その光景には、フィニー()思うところがあるが。

 荷台の中身を『交換』するため、こんなところでノーグ村からの人目を避けているわけであり。


 「すみません、そろそろ作業に取り掛かりましょう」


 「承知した・・・それで”ソレ”が運搬物なのかしら?」


 「・・:-:*:」×20


 「はい。よろしくお願いしますわ」



 かつてテイマーとして、『モンスタートレイン』を引き起こした。今回、引き起こそうとした連中が、干からび死んだ目という、変わり果てた姿で並んでおり。

 黒霊騎士たちが運んできた荷物と、”ソレ”ら奴隷は交換される。


 本来は『火精大蛇マンダート』の養分になるか。テイマー本隊と戦う際に、捨て駒として使い潰される、”犯罪奴隷”だったのだが。

 ユングウィル様が出した『シャドウへの調査依頼』によって、状勢が激変してしまい。


 『マンダート』がテイマー狩りをする、必要性がなくなった。

 〔『魔竜鬼』に人の血の味を覚えさせるのは、よろしくない〕と、いう綺麗事がまかり通るようになり。



 「使い捨ての兵士でも、娼館送りでも、実験動物にしようとかまいません。

  いかようにも”使い潰し”てください」


 「・・・●ー:・」


 フィニーが非難がましい視線を向けてくるが。

 フラミアにとって”老若男女を生きたまま喰らわせる、テイマーごとき(・・・)”に、奴隷の身分を与えるなど〔温情をかけ過ぎ〕と、いうものであり。


 「こんな臆病者どもを、戦場に送るなど騎士の恥です」

 「鉱山の最奥・最底辺で『呪い』に縛られ、労働するのがせいぜいよ」


 黒霊騎士たちの言葉は、フラミアにとって求めていた内容であり。


 同時にテイマーキラー(怪物使いの虐殺)を行うことなく、『マンダート』は番犬を務める。

 炎熱C.V.班で共有する、『使い魔』となった。










 戦い(暴力)の世界で生きる者にとって、『勝利』は最高の美酒だ。

 大量に飲みたい。毎日のように飲みたい。飲めなければ、手段を選ばず飲めるようにしたい。


 それが『勝利』というものであり。マスターテイマーであるガドロックに対し、盗賊ギルドが求めたモノだ。



 『ドラゴンどもよ、編隊を組んで地表を焼き尽くせ!』


 「ギャ、Gya-ー:~⁺*…*~」×10

 「グル、r/-*~・/~*~」×10?


 しかし現在、その勝利は遠のいており。美酒は忌まわしい、”毒酒”と化しつつある。


 『双竜爪閃そうりゅうそうせん・・・+重鎌弓じゅうれんきゅう‼!』

 

 『見えざる潤いにして、蒼空の爪  命を支えて、命脈を呑みこむ渦よ


  血に飢えしけだものから  数多あまたの恵みを奪い、あらゆる水難を課し  


  泥の滑り、焔の沈黙、風の反逆を持ちて  蹂躙の泡と泉に、いざない囲え


  私たちは螺旋を穿つ   双蛇鳴鍾そうじゃめいしょう‼!』


 「「「「―-;+**`…;*」」」」×???


 断末魔の叫びすら吞み込まれて、獣の軍団が崩壊していく。


 『ブレス』を吐く寸前で、ドラゴンの編隊は体勢を崩し。翼を空しくふるって、墜落していく。

 地上の獣たちは、走破性に優れた『四脚』を滑らせ、折られ。転んだところを、切り裂かれていく。


 当然、怪物亜人(ゴブリン他)たちも無事にすむはずなく。冷やされ(・・・・)、凍えて、恐怖に歪んだ、死に顔をさらしていき。



 「キサマらぁーーー、何者だ!!」


 「”盗賊ギルド”に敵対している者に、決まってるでしょう」


 「あえて名乗れば、”キサマ等”が(風属性の)対策をしていた、術士シャドウかしら」


 気のない返答をしつつ、二人の女シャドウ(アヤメとユリネ)が容赦なくモンスターたちを、蹂躙していく。

 一本だけ脚を残して、他の四肢を痛めつけ(逃げ足を封じ)。『音・匂い』など、獣が重視する『情報』を、”悪辣な魔術(魔導能力)”で掌握していき。

 

 モンスターたちが幼い獣のように、(哀願して、)鳴こうと(命乞いを)するも。無慈悲に首を刈られ、顔面の穴から血を吹き出していき。


 〔〔人肉の味を覚えた怪物は、一匹たりとも逃さない〕〕と、ガドロックたちにもわかりやすく、宣告してきた。

 そして怪物たちを従える、テイマーたち(ガドロックの部下)の処遇は、問いかける必要もなく。


 「「「オマエたちっ!命を削ってでM*pB*b…」」」

 「「「「ムチがっ、フェロモンがっ、エコ‐~/:*:*/」」」」


 青ざめた表情をもたらす元凶は、『状態異常デバフ』のためか。それともろくな抵抗もできず、感覚が乱され、死の恐怖に囚われたせいなのか?


 はっきりしているのは、”凶風の魔女(アヤメ)”だけでも、命がけなのに。”濁流の魔女(ユリネ)”が加わり、二()倍の災厄が奇襲をかけてきた。

 その戦況は絶望的であり。ガドロックの育てた軍団が、壊滅するのは、もはや避けられず。


 「ガドロック様っ・・」


 「うろたえるなっ!こうなれば『禁術』を使うしかない…」


 「「「「「・・・:‼;」」」」」


 殺された従属モンスターたちの『魔力』を取り込み、戦闘力を増大させる。

 『身体強化』より体への負担が大きく、モンスターの怨念をかかえる『魔人』と化してしまい。

 下手をすれば”盗賊ギルドからも、”狂犬”として命を狙われる。そんなリスクを、かかえてしまうが。


 〔逃走すらままならない、この現状ではやむをえん・・〕



 そう胸中でつぶやき、ギルドへの不満を飲み込む。

 ガドロックたちが受けた仕事は、無力な農村を破壊する、楽な仕事であり。”依頼がなければ動かない冒険者”の隙を突くだけ。タイミングが全ての(狩りですらない)『捕食』だった。


 無論、”足の速い魔女(シャドウのアヤメ)”が襲来することは、想定しており。トカゲの尻尾(オトリの捨て駒)を用意して、村人をわずかに生かし、『焦土作戦』も準備していた。


 〔それなのに”水をキレイに”などとほざく、”偽善の魔女(シャドウのユリネ)”が湧いて出ただけでっ・・〕


 分散していた怪物の群れも、潜伏させていたモンスターも、そそのかしていた”裏切り者(捨て駒)”すらも。

 ことごとく壊滅させられ、こうしてガドロックは追い詰められていた。


 感覚・戦闘力に加え、権謀術数まで食い破る。”シャドウの魔女メスイヌ”を〔我が物にしたい〕と、いう征服欲もあったが。

 ガドロックの胸中は、完全に憤怒で満たされており。


 

 〔殺す、コロす、喰い殺す…確実に逃がさず狩る!!そうして悪徳の都をトriガ*+*ーー⁉*;〕


 「あらユリネ、貴女の『仕掛け』が効いたようよ」


 「・・・私がやらなくても、侍女頭アナタ窒息させ(肺をつぶし)たでしょう。手柄の”オメグミ”とか、やめてくれないかしら」


 『ヒューーーH;H;H*…*/:~!』


 

 なんて”凶悪な魔女”なのだろう。

 周囲の『魔力』を支配して、他者の『魔力吸収』を許さないどころか。『体液()呼吸()』の両属性から、弱体化を仕掛けてくる。

 内臓も、感覚器も、血の流れすら、つぶしにかかる”凶悪女”どもが、緊張感なく雑談をかわし。


 「やめっ//*」「Bp;Bk;Bb*」×3「か、身体がぁぁぁ!*」


 それなりに使えた手駒たちが、踏みつぶされる。

 何らかの『術式』を使ったはずだが。ガドロックの知覚では、その正体を認識することすら、もはやできず。”魔女ども”の所業は『虫けらをつぶす行為』と、しか言いようがない。


 『魔力をかき集め…しBとく…蟲:-^・・ーー』


 こうしてガドロックの意識は、闇の中へと沈んでいった。






 そうして、しばらくしてから『ガドロック』の意識が浮上する。

 『身体の増強』ではなく。仮死状態からの『蘇生』を、『大量の魔力』を消費して成し遂げる。『獣の奇跡』をマスターテイマーとして、ガドロックは成し遂げ。


 「〔そろそろ混成都市ウァーテルに戻ってきなさい〕との、お達しよ。侍女頭が、こんな所(シグルスの街)で油を売っていては、困るでしょう」


 「あらあら、『こんな所』呼ばわりとは、ひどいわね///」


 「ギッ/Gy/ぎゃ/!!」


 問答無用で切り裂かれた。踏みつけられ、動きを封じられ、無力化される。

 それらを息をするように、ガドロックは執行され。


 「食糧庫(農村)の管理・防衛もロクにできない。無能な領主一族が治める、街にすぎないのでは?」


 「そんなことはないわよ。これからシグルスの街は、タクマ(貴女の兄)が築く『ハーレム』によって発展していく」


 「へえ‥」


 「∼~!…`」


 瞬時に空気が凍り付く。

 明けない夜が訪れ、怪火光オーロラが踊る、水底に引きずり込まれていく。戦闘どころか、感知を拒否する”おぞましい魔力”が、周囲を侵蝕しはじめ。



 「ヤッホー、二人ともご苦労様~」


 「お待ちしておりました、イリス様!」×2


 ”冷たい魔力”が『陽光の輝き』によって、溶け消える。

 ただし、それは『邪悪』が”聖なる光”によって、打ち払われたのではなく(・・)


 単なる暴力が、凶悪な理不尽によって、圧倒されたにすぎず。

 ガドロックにとって、虚しい”死んだふり”の始まりだった。


 「みN;*g-…p」


 「アヤメもユリネも、順当に強くなってるね~

  このくらいの相手だと、もう敵ではないんじゃない?」


 「・・・:・+(滅相もない)


 「確かに討伐だけなら、問題ございませんが・・・山野を切り裂き、残党を逃してしまっては、【依頼】に差し障りが出かねませんので」


 「こらこら、そこは〔民草に被害が出ないよう、”ケダモノ”は一匹も逃さない〕と、言うべきところだよ。

  『アヤメは減点(それじゃあ)・・ユ(一緒に)リネも連帯責任だね(グローリーゲームを)』」


 『『申し訳ございません(かしこまりました!)』』


 〔何なのだ、ナンなのだこいつはっ…;・・〕


 ガドロックの心を絶望が、覆いつくしていく。

 ”こんな”連中を敵に回すなど、自殺行為でしかなく。『情報収集』に長けている盗賊ギルドが、この”理不尽”を調べず、伝えないなど。


 ガドロックたちモンスターテイマーに対する、裏切りにも等しい。

 裏切られた、裏切られたに違いない。まさか偽装して、ガドロックたちを狩りにかかった、などということが・・-;・


 『だからボクと一緒に戦功を焼こうよ。名誉を軽んじ、低ランクからまた始め・・・テイマーの栄光を地の底へ、堕とそう』


 『かしこまり(ザコの首狩り)ました、聖賢様(は、無価値な灰へ)!!』


 〔・・・-・⁉〕


 ガドロックの意識が、最大限の警戒をうながす。

 だが何をされるかわからず、不安ばかりが増大していき。


 三者から冷たい視線を向けられていることに、ガドロックが気付いたのは色々と手遅れになってからで。


 『栄光の宴にして  愚弄ぐろうする盤上よ


  名誉は斜陽の刻限と共にまきとなり  名声は夜の宴と共に、酒精と消える


  されど虚栄は戯れに駒を進め  [風聞と流言に、踊りて狂い]


  悪辣なる遊興は、[知識を泡沫と化し]  叡智を[玩弄がんろうの奈落に沈める]


  合魔導術…グローリーゲーム(栄光を愚弄する遊戯)!![!!]』


 ガドロックの大事なモノが失われていく。

 何もかもが、光に灼かれ、風に引き裂かれて、泡と消え去る。


 そんなイメージと共に、ガドロックの意識は完全に消失した。










 ネタバレ説明:『双蛇鳴鐘そうじゃめいしょう』について


 上級シャドウで、姫長の側近を務めるユリネの『魔導能力』であり。

 扇奈やアヤメと、有意義な(空恐ろしい)試合を可能とする、稀少な能力です。



 主な能力として、大気中の水気を使って、『状態異常デバフ』をかける。


1)空気中の水分に『粘性』を与えて、動きを阻害し、息を詰まらせる。

2)空気中の水分に『音・香り』を取り込み、放出したり。光を屈折させて『感知妨害』を行う。

3)空気中の水分によって、熱を過剰に(凍らせたり)放出させて、低(、氷を作るの)体温症に陥らせる(とは異なります)

4)空気中の水分に『重量』を付与して、『機動・加速』を妨害する。


 雨天・砂漠地帯など。周囲の地形・環境や敵との相性によって、どの『デバフ』を優先するかは変えますが。

 『双蛇鳴鐘』が発動しているフィールドで、ユリネは普通に近接戦闘をこなし。『デバフ』に苦しむ敵を、強化した拳足で殴り・蹴って、締め上げながら投げる。

 

 まさに〔溺れる犬を棒でたたく〕と、いう『魔導能力』として、味方と情報共有しているのですが。



 〔この程度で、あの女(アヤメ)にかなうわけ、ないじゃない〕と、いう意向により。


 空中に『術式の足場』を作り。手や全身でもその『足場』を利用し、体操・蛇身の動きを空中で、自在に行うアヤメと同様に。

 ユリネも『水気の足場』を作り、ほぼ同様のことができます。ただし速さ・感知と体術ではアヤメが上、範囲・持続性と阻害ではユリネが上です。



 そしてユリネの切り札の一つは、『経穴』を突いたり。衝撃を体内に透すことであり。

 

 上記の『デバフ』によって、血行を悪くしたり。緊張・ストレスなどで、体内に負荷をかける。

 そうすることで、『経穴』『透し』による影響を、大きくするのですが。



 単純に敵の水分に干渉して、ダメージが倍増する状態にする。


 例えば結膜()は常に『涙』で覆われ。『舌』・『鼻腔』は濡れていますが。

 これらを乾燥させて機能不全にしたり、逆に水気を増やして溺れさせ。その状態の敵に、身体強化の掌底を叩きつけるというのが、ユリネの戦法であり。


 大半のモンスターは、ほぼ瞬殺できます。今回、登場したガドロックたちでは、全く勝負になりません。

 全身の水分を操れなくとも。急所の水気を、瞬間的に干渉する。もしくは持続的に、波で岩を削るように影響を深めていく。


 『デバフ』『身体強化』を同時発動して、連携させるのが『双蛇鳴鐘』の本領であり。

 相棒で、義妹で、『魔竜鬼』の『水那』がいなくても、ユリネはシャドウ一族の『10指』に入る、実力者です。


 

 以上、『双蛇鳴鐘』のネタバレ説明でした。

 『首だけになっても、見た者を石化させてしまう、メドゥーサの首』


 髪の毛一本一本が『蛇』になっており。顔は神話によって、『ワニ』っぽかったり。美女だったり、眼光が怖い異形の顔だったり。

 いくつかバージョンはありますが、『髪が蛇』なのは共通して・・・おらず。


 オトナの事情により(書くのが面倒?なのか)髪が触手になってる、『メドゥーサ』もいるようです。


 『蛇=竜=地母神』と、いう神話を考えると。髪が『無数の蛇』になっているのは、女怪どころか、『偉大な女神』になってしまいます。

 そこまでいかずとも『蛇=再生=生命力』と、いう魔術的な見地から考えると。


 『生命力のある髪を持つ、神秘の存在(メドゥーサ)』と、なってしまい。やはり女怪・怪物から、離れた存在となってしまう。


 そもそも男女・古今東西を問わず、人間にとって『髪』は大事な存在であり。

 『髪を生やしたい』と、祈り願う人々は多かったと、愚考します。


 まして古代は『毛生え薬』の効能は低く。『神々・神秘』は身近に有り。

 王侯貴族のステータスとして、『容姿』はかなり重要事項だった。


 ぶっちゃけカリスマを持つにも、『結婚外交』をするのにも容貌は重要であり。『文化』によって、美男美女の基準は異なるでしょうけど。

 命が軽く、風邪で亡くなる者もいる、古代世界において。権力者たちの『健康』が重要視されるならば、髪の量・質は一目で素人が『健康状態』を測れる。極めて重要な『判断基準』であり。


 『髪が蛇』なメドゥーサ、ゴルゴン三姉妹は、かなり信仰された女神だったと、思うのです。

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