397.閑話~キラーゲーム2::+金輝の侵略
『ガルグイユ』という水竜の伝承がフランスにあります。
某宇宙帝国の水中メカの名称で初めて知りましたが。『ガーゴイル』の原型となったドラゴンであり。
検索すると退治され、リンチされたあげく、焼き殺され。
その亡骸がさらし首になって、『ガーゴイル』の原型になったとのこのこと。
西欧では『ドラゴン=悪魔』のイメージがあり。『ガルグイユ』の首が『悪魔像』になるのは自然なこと・・・・・ではないと愚考します。
北欧神話の世界と化した『始原の巨人』。
無数の毒蛇怪蟲を産み出す『アジ・ダハーカ』。
『女神カーリー』と激突した、出血から分身を産み出す『魔神』の一柱。
これら世界の存亡を左右する、神格ならば『遺骸からモンスターが産まれる』でしょうけど。
聖人に捕らわれ、大衆に私刑で殺される。その程度の『ガルグイユ』を、魔神以上の神秘と同列に扱うことはできず。
頭が『ガーゴイル』と化した、『ガルグイユ』は稀少な水竜だと愚考します。
冒険者という稼業がある。
『何でも屋』あつかい、されることもあるが。厳しい社会で、そんな便利な職業はなく。
肉食獣に様々な種類がいるように、冒険者も得手不得手があり。
モンスターを討伐するにしても、野外で大物狙う勇者もいれば。害獣を間引く、狩人のような冒険者もおり。
一般人がイメージするように、旅から旅を重ねるアドベンチャラーもいれば。
動物が『縄張り』を守るように、一か所の拠点に執心する者もいる。
当然、冒険者の活動スタンスによって、パーティーの編成も変わり。
受ける依頼・狙うモンスターも、ある程度傾向がある。
一見、万能無敵な勇者でも。高すぎる戦闘力ゆえに、市街地で探し物をするのは苦手だ・・・と、いう話しは珍しくない。
「・・それで?」
「こんなバケモノを相手にできるかぁーーーッ」
「Sイギュr∼ーーーー;ー*」×10
『野犬退治』ということで、オルフェイたちが受けた討伐依頼。
それは四脚が異様に長く、口が大きく裂けた”犬型?魔獣”を退治する・・・・・と、いう怪物退治ですらなく。
『ン⁺nん∼~ー』『オボっ;ッ⁉;』『ヒh:ひーーー』
「来るなっ、こっちに来るんじゃねーー」「いやっ!?」
「くらえやぁーー!」「;…+・・」
体表に生きた?人間を、貼り付け?縫い付け?生やしたような?
『犬型怪物』が美しいと錯覚する、”おぞましい妖獣”が群れとなり。奇声をあげて、疾走してくる。
”アンデット”と”妖獣”を混ぜた?思考が理解することを拒む、”悪趣味”と対面することだった。
「こんな”バケモノ”と戦うなんて、聞いてないぞ!!」
「サイショは野犬だったんだ…それがいつの間にか、変わってしまった。
依頼にウソはない!!」
〔信じられるかーーーー!〕と、怒鳴りたいのは山々だが。
依頼人に情報収集を、期待するのは難しく。冒険者ギルドの『偵察』を待っていては、かかった時間の分だけ、犠牲者が増えるリスクがある。
討伐依頼で『モンスター』の正確な情報を、得るのは困難であり。
『Kコ;こ*~^∼』
「死ねぇーー」
『/ゴっ/gごぉ*ー』
「なぁっ⁉傷が…・」
”妖獣”に負わせた傷がミミズのように這って、貼り付けられた?人身へと移る。
それによって苦鳴・”体液”と悪臭が、人型の口から吐き出され。
オルフェイたちの士気を、容赦なく削っていく。
「ひるむなっ‼敵モンスターは傷を負ったぞ。
このまま、どんどん攻撃しろっ!」
「・・・冗談じゃねえ」
苦鳴に呪われ、”体液”で病気になるのか?
オルフェイたちは自らを犠牲にして、知りたくない。
それにこの”妖獣”どもは、悪趣味極まりない”人畜の融合体”ではあるものの。『血の臭い』がせず、パーティーメンバーも傷すら負ってない・・・・・となればオルフェイが出すべき指示は一つしかなく。
「撤退だっ!回収できるなら、体液を持ち帰るぞ」
「おおっ!」×5
「待ちやがれっ!依頼を投げ出すなど、それでも冒険者ガ/*/ー∼*ッ:」
「っ⁉」×6
しかし、その判断は遅すぎた。
突然、依頼人の代理を名乗る男が血しぶきを上げる・・・にもかかわらず、その身体は倒れることなく、不気味な痙攣を繰り返し。
「少し見回りをしていたら、面白いモノがいるわね。もしも正体を知っているなら、私に情報を教えてくれないかしらぁ」
「‼*+-…!」×6
正真正銘のバケモノが出現した。
気持ち悪いだけの”妖獣”とは、ヤバさが違う。ヒトの天敵であり、獲物を逃がさない捕食者であり、敗者を弄ぶ蹂躙者を兼ねる。
オンナの形をした脅威の出現に、オルフェイは”妖獣”を無視して、速やかに臨戦態勢を取り。
『八妖輪陣』
「-…-ー:ー」×6「kコgグ…:!」×12
最重要の『選択』で、間違えてしまったことを、オルフェイは思い知る。
厄介だと思っていた”妖獣”も含め、バケモノ以外の全てが硬直させられ。
「・・・貴方たち冒険者は無詠唱とやらが好きだから、模倣したのだけど。
気に入ってもらえたかしらぁ?」
「た、頼む…オレはぁ・:-ー~いいカラ、仲間Dけハ…*」
「ヒトをいったいナンだと思っているのかしらぁ?・・・って、これじゃあまっとうな冒険者には、『妖術師』にしか見えないわね」
「「「「「「・・・::ー・」」」」」」
誰一人、一匹?として、彼女を『妖術師』ごときと誤認する者など、この場にいない。
だがその真実はオルフェイたちに、不幸のみをもたらすわけで。
「…ごめんなさいねぇ。ちょっぴり妖気を感じたから、また”賊”が何か外法を使ったと思ったのだけど。
なんてことはない、私たちと同じ…・・」
彼女のつぶやきを、オルフェイの耳はとらえることができず。
だが強い妖気がおさまった空気に、安堵の息をもらし。
「一応、前後の事情を教えてもらおうかしら。
とはいえ依頼内容をペラペラしゃべるようでは、冒険者失格でしょうし。
そうねぇ…〔おバカな依頼人の命が惜しければ、情報を吐いてね~〕と、でも言えば教えてくれるぅ?」
「なっ・・」
「ガあぁあ‐ー*~*…*:っーー」
オルフェイが一言を述べる間すらなく、訳ありな依頼人の口から、絶叫が吐き出される。
それに対し万能ではなく、耐拷問の訓練を受けていない。普通の冒険者が対抗策を打てるはずもなく。知ってるかぎりを、洗いざらい吐くしかなかった。
冒険者ギルドに闘技場が建てられ、黒霊騎士団が駐留するシグルスの街。
そこでは様々な思惑が飛びかい、諜報戦が行われ。闘技場を兼ねる訓練場では、経験を積もうと冒険者たちが集まっている。
しかしその裏で進行している、真の厄介事を知っている者は少数だった。
「…お手数をかけますシャドウ様。
そしてシグルスの街に、よくいらっしゃいました…」
「貴女が、『コレ』を産み出したの?
どういうことか納得のいく、説明をしてくれるかしらぁ」
「もちろんでございます」
礼節をもって対応するC.V.リアベルに対し。女シャドウは、嫌悪を隠そうともせず問いかける。
それはC.V.を貴人として扱う、シャドウ一族としては珍しいことであり。
同時に只人が目撃したら、迷わず逃走するであろう、戦闘の始まりだった。
「まず『コレ』は、いったい何かしら?」
「『占い』に使う道具であり…”誘拐魔ども”の成れの果てになります」
『魔力』によって造られた”妖獣”に、半死半生の”誘拐魔”が半ば融合させられている。
悪趣味な”ソレ”は、リアベルが『ジュデッカシャドー』によって、急造した使い魔であり。どの勢力に”ソレ”が討伐されたかによって、リアベルが今後どのように動くか決定する。
だいぶ無茶な方針を、リアベルの一族に認めさせる建前として、”妖獣を放った”のだが。
「『占い』で未来を決めるなら。コインの裏表を当てる方法で、決めて欲しいのだけれど?」
「その占術では、私の願望通りの結果が出ますから…」
「・・言い方が悪かったわねぇ。シャドウが狩りをする場所に、”穢れた獣”を放つなと言ってるの」
聖賢様に仕えるシャドウ一族からすれば。『魔術』・C.V.様の悪評は、そのまま主君の悪評につながる。
〔C.V.とはいえ、”妖獣”を放ったのは別勢力です。我々は、そんな”邪法”を使いません〕と、弁解しても。
『魔術』に怯え、連敗している者たちは、誰もそんな主張を受け入れないだろう。間違いなく逆襲のチャンスと考え、騒ぎ立てる。
しかし、そんなことは不可能だ。
「シャドウ様の主張は、いちいちごもっともでございます。
5級黒天属性のC.V.リアベル・ヴィダーシュの名にかけて、今後は一切このようなことは起こさないと、誓います…」
「ふうん?ならば『アラクネ使い』の…」
「それはダメです」
「・・っ!」
偽りの名乗りを始めようとする、女シャドウを押しとどめ。
リアベルは彼女に『作法』を説く。
「私は本当の等級・属性を名乗りました。ならば貴女も、同様に(名乗りを)返すべきです」
〔不毛な争いを望む。大事なものを傷つけられ、どうしても戦いたいというなら、別ですけど〕
『最期のキラーゲーム』で造った”融合妖獣”は、民草どころか”窃盗犯”を殺すことも禁じている。邪魔者を押しのけるため、甘噛みぐらいは許しているが。
『”奴”らが血をすすれるのは、”誘拐魔”だけ』と、リアベルは行動制限をかけており。善良な冒険者にご迷惑を、おかけしたものの。何一つなせず、リアベルのところに戻らされたことは、既に把握している。
「私はしがない、掃除屋なのだけど?」
「そうなのですか?だとしたら、シャドウ一族の見識を疑いますが…」
「ッ…中級シャドウ、八妖の霧葉・セプテール。リアベル様の『誓い』を、確かに承りました」
「私の『誓い』を受け入れてくださり、ありがとうございます。
無論、”妖獣の素材”は、いかようになさろうとご自由です。
とはいえ、それでは手数をかけて、”妖獣”を運ばれた霧葉様の労に釣り合わないというもの。
もう少しばかり、私の『魔術能力』を披露いたしましょう…」
「…・⁉‐」
リアベルの申し出に、霧葉殿は迷わず警戒態勢をとる。『魔力』を高め、『お遊戯』を土に戻し、速やかに後退した。
それを見やってから、リアベルは心身の奥にある魔力を、目覚めさせるべく。
全身を行使しての『詠唱』に取り掛かり。
『獣の王にして、血塗れの爪 狩猟の群影にして、砂塵の闇に凍える牙
幾千の夜を見つめ 再生の蛇と競い 飢えをもたらす鼠を狩れ!
その後、小さき身を街に招き 自由の心を、屋根と炉端に彼は誘う
狂猛な獅子は、仮面と共に去り 命と歓喜を、私は鳴らす
バステトサバイヴ!!!!』
『全身での詠唱』が完成して、リアベルの心身が変成していく。
『さらわれた家族を取り返す』という建前で、”誘拐魔”への憎しみに可能性を売って編み出した。『(誘拐魔を)殲滅する魔導』の制約が解け、『呪力』が排出されていく。
それは今まで得た戦闘経験・高めた魔力を失うという、デメリットをリアベルにもたらし。
同時に主と家族が守った、『宝物』をリアベルに再びもたらす。無論、物理法則にうるさい世界で、そんなことは不可能なのだが。
リアベルのイメージと、C.V.との『契約』に伴う、大魔力が『キラーゲーム』を強制的に分解していき。
「心音が血を…呼吸が息を届ける肉を…心電がハラワタの連動を…」
「・・・…:+」
リアベルの心身を、『バステトサバイヴ』が変身させていく。
それは強固な鎧甲・自在の妖毛すら無い。次代を育み、旦那様を閨に誘うための華奢な身体であり。
「「「「「「ン――ッ:n;フ――-⁉」」」」」」
「あら…ナニを怯えているのかしら」
常人には猛毒に等しい『魔力』を、操れる心身もリアベルは構築していく。
しかし都市を護り、”脅威”を滅殺するためには、必要最小限の強度にすぎず。
領主C.V.リアベルの主君である、ルイリナ様がご覧になったら苦笑するレベルでしかない。
そんなことを考えながら、リアベルは猫のような笑みを浮かべ。
「ああ、こういう時にヒトは〔見たなぁ~~‼〕と、恫喝するのでしたね…」
「・・・・・」
「「「「「「…・…・――—」」」」」」
その後、シグルスの街中に”醜い悲鳴”が響き渡った。
カオスヴァルキリーは戦争種族だ。
『魔術』を修め、『知識』を蓄え、まともな文化に敬意をはらう。
そうして、あらゆる分野で勝利をつかみ取る、多角的な戦闘民族と言えなくもない。
はっきり言って、たいていの『人類文明』を圧倒する戦力を有しており。それは悪徳都市を一夜で落とした、その後を見れば明らかでしょう。
〔だけど占領とか、”皇帝ごっこ”とか面倒くさいんだよね^~^〕
権力に執心する者たち、不様に悪徳都市から逃げ出した”賊”どもが、耳にしたならば。激怒すること必定な本音により、人類の各勢力は保たれている。
そして中の下C.V.なイセリナの胸中も、主君で姉上なイリスと似たようなものであり。”選民思想”のラリッた頭で、血塗れた財貨を得るなど、おぞましい行為でしかない。
まして次世代を育むのに、恋慕・セッ▽✖を重視するC.V.たちにとって。愛想を振りまき、心が死んだ”奴隷”と夫婦になるなど、論外であり。
『経済戦争』という戦場に立つイセリナにとって、正気を疑う”理屈”・『術理』が飛びかい。混成都市の文官トップとしては〔とっとと貴族と婚約でもすれば?〕と、思いつつも『外交』に赴く日々をすごしている。
「貴様ぁ…我が領に戦争wお仕掛けるつもりかっ、ただで済むと思ってtいるのnか!;」
「そんなくだらないことをする気はございません」
「だったら、ナンでっ⁉なんでポロス男爵家を責めるのnだ!?」
〔キサマを見せしめにするため。”賊”の甘言に乗って嫌がらせをする、領主が目ざわりだから消えてもらうため〕
戦士・権力者にとって侮られることは、多大な不利益をもたらし。感情的にも認められない。
そしてイセリナはわりと寛容で、陰口くらいは大目に見るが。”ヒトどうしで共食いをする連中”の尊厳を守ってやるほど、お優しい性格ではなく。容赦なく破産させて、利益に変える。
そしてイセリナたちの『光術』を防ぐとウワサされた、『ダークグラス』を購入してしまい。それに伴う損失・信用低下に苦しむ貴族たちに、露骨で”不公平”すぎる経済攻撃を仕掛けた。
『離間策』を仕掛け、初見の『経済攻撃』を行い。シャドウに依頼して『使者』から手紙を奪ったり、行き来を妨げ。”盗賊ギルドの傀儡”という悪評を、同盟者たちにばらまいた。
〔他国・他領が軍備を増強したら、対抗策を立てるのは当然よ。だから『ダークグラス』を購入するのはかまわない。
とはいえ今回の件で学び、もう少し貴族たちには賢くなってもらわないと〕
ちなみに『ダークグラス』を使って、『目つぶし閃光』の対策を企てた、貴族たちには警告を行ったり。低金利の貸し付けを行っている。
さすがに直接、警告をしても無駄なので。話の通る寄親・豪商を通し、『偏光によって闇を作れば、ダークグラスは目隠しと化す』と、伝えている。
それにしても、長年にわたる”盗賊ギルド”の悪影響があるとはいえ。C.V.の次代を育むお相手として、今の貴族たちは愚かすぎる。
歴史に学ばず、コスト計算もできないバカは、一夜の相手にすら使えない。
そんな胸中を明かすことなく、イセリナはポロス男爵を追い詰めていく。
「”冒険者の依頼に詐欺を仕掛ける””依頼料の分割払いを行う村に、臨時重税をかける””盗賊ギルドに情報を流す”
これらは混成都市への敵対行動であり。同程度の報復を、私は行ったにすぎません」
「そんなっ…冒険者ごときを何故、気にかける?臨時収入を得た村人が、領主に献上を行うのは当然のことだっ!!それに”盗賊ギルド”が勝手に調べただけで、ワシは知らん…」
「そうだったのですか?
あいにくポロス男爵の”不勉強”さは想定してなくて・・・ウァーテルで同じことをしたら、”知りません”で済まないですから」
「キッkサマァーー!‐」
依頼料の分割払いに伴い、冒険者及びギルドに多大な投資を、イセリナは行っており。その投資先を攻撃するなど、イセリナにケンカを売っているに等しい。
取引先の依頼人に、重税をかけるのも同様だ。
そもそもイセリナは”詐欺師の悪行”による、”破滅の連鎖”を幻視してしまう。
一家心中・治安悪化から”詐欺師の増殖”まで、多大な損害を認識しており。それに事実上、協力している貴族も同罪と決めている。
『極刑』なら温情をかけすぎで、『(拷問死からの)さらし首』が標準だ。
そして身分によって、量刑を判断することなく。貴族が好む”合法的な手段”で、地位・財貨を奪ってから『刑』を執行する。標準の『刑』が執行できる、状勢を作ると決めている。
そんな益体もないことを考えながら。剣をぬこうとするポロス男爵を、イセリナは冷ややかに見つめ。
「そこまでだ!!この諍いは我が預かる!」
「⁉…・・」
ノックもなしに押し入ってくる、闖入者を迎え入れた。
ネタバレ説明:『キラーゲーム』について
”誘拐魔”を探し、追い詰め、殺すために編み出された。
特攻・攻撃力アップをメインにする、『○○キラー』と異なり。
”誘拐魔”を探し出す、『感知能力』に特化しており。他にも”誘拐魔”を惑わす『術式』を集合させた『魔導能力』。
それがC.V.リアベルのふるう『キラーゲーム』です。
それを聞いた、C.V.イリスはこんなことを仰いました。
〔そんな甘っちょろい、能力なわけないんじゃない?〕・・・と。
ちなみにリアベルには既に感知に特化した『ブラック(シーカー)ゲーム』という、『魔導能力』を構築しており。単に”誘拐犯”を探すだけなら、それだけで事足りる。
加えて彼女の主君は超上位C.V.であり。『魔眼の逆探知』を教えた、イリスの師匠です。
『普段は他人のプライバシーを尊重し、そのアピールをなさい。そして他人の秘密を暴き、平和に”寄生”する者が仕掛けてきたら。一切、容赦することなく、敵のプライバシーを蹂躙しなさい』
こんな教えをイリスに与え。相棒C.V.と比べ、穏健派と言われている、諜報担当のC.V.ルイリナです。
そんなルイリナが関わる『魔導能力』が、どうなるかと言うと。
”誘拐チーム”だけでなく。”誘拐稼業”を成立させる、人身売買・汚職役人などを壊滅させる、『凶悪な魔導』が『キラーゲーム』の正体であり。
ゾンビ・ヴァンパイアなどが、犠牲者を『下位眷属』にしてしまうのと同様に。
リアベルの『キラーゲーム』は、爪で傷つけた者を、『下位獣人』に変えてしまう。”誘拐組織”を壊滅させるため、情報収集をさせる『使い魔』に変えて、情報収集に運用する。
これがリアベルの『キラーゲーム』の正体であり。同族C.V.にすら、知られたら”狂犬・禍つ猫”あつかいされる『魔導能力』です。
当然、こんなやばい能力を所有して、人間と夫婦になるなど論外であり。タクマと婚約する前に、『キラーゲーム』を滅却する必要があった。
そのためシグルスの街に引っ込んで、魔力を高めたり、儀式魔術の支度を行い。黒霊騎士団の持つ『呪力』をあびたりするなど、準備を整え。
呪術で人を『使い魔』にぬいつけ、悪目立ちする『ジュデッカシャドー』を使うなど。本当に面倒くさい儀式を行い。
『キラーゲーム』を素材・燃料にして、『バステトサバイヴ』を編み出していました。
ちなみに『キラーゲーム』によって『下位獣人』へと変えられた人間は、外見上ほとんど変化はなく。せいぜい体毛が増えるぐらいです。
ただし鼓膜・眼底など、外から見えにくい『感覚器』及び神経に、『呪いの傷』を刻まれており。自分が『使い魔』に変えられたことを、一生知ることなく情報を蓄え続け。
リアベルが『符丁』を発すると、その蓄えた情報をトランス状態になって伝達してしまう。
『気付かないうちに、裏切り者を作っている』と、言っても過言ではなく。バレたら仲間のC.V.からも、白眼視される。人間なら魔女狩りが、確定するでしょう。
正体を知られたら、絶対ダメな『魔導能力』であり。
この情報を隠蔽するため、上位C.V.は”誘拐魔の属する勢力”を、徹底的に殲滅し。この件を解決するため、タクマもがっつり巻き込まれています。
以上、『キラーゲーム』のネタバレ説明でした。
まあ身も蓋もないことを言えば、神話ネタが伝わった。著作権など無かった時代で、当時はネタを流用しても、合法ですし。メジャーな『ギリシャ神話』が、『ガルグイユ』のお話に伝播した可能性もあると、愚考します。
ちなみに『ガルグイユ』の能力に『水を吐き出して、水難・水害を起こす』と、いうのがありますけど。
これは『権力者的』に、かなり有用な能力ではないでしょうか?
『洪水が起こるのは、ガルグイユのせい。”重税をかけてる権力者”が、治水を失敗したせいではないし。まして天上の天使が、大雨の天罰を落としたせいでもない』と、いう”言い訳”に有用だと思います。
当時の技術的に、水害対策を行うのは困難であり。そういう言い訳は、グレーゾーンだと思いますけど。
悪政を行い、教義で『科学』を否定する連中が、べったり癒着している。
そういう”権力者・宗教屋”にとって、ものすごく『ガルグイユ』は、重宝する悪者であり。きっと何度も復活して、水害を引き起こしたと推測します。