394.閑話~ドタバタする街+フォトンゲーム::
〔『ブーメラン』が返ってくる〕と、いう表現はこれから、いつまで使われるのでしょう?
『く』の字型の『ブーメラン』は、かつて投げると持ち主のもとに返ってくる、ロマン?武器でした。
しかも小型から大型まで、多岐にわたり。
個人的に『大型ブーメラン』が空気を切り裂き、木々をなぎ倒して、持ち主のもとに返ってくる。『斧』の投擲など、ろくに無かった時代ですし。『弓矢』に至っては、狩猟民族・未開地の原住民を”蛮族”におとしめ、彼らの凶器というイメージがあった。
まあ『弓矢』ならば武者・神道系の作品なら、普通に強力でしたし。
『ロビン・フッド』の系譜な、狩人系のキャラが装備すれば『弓矢は、メイン武器』と、いうあつかいだった。
とはいえ『銃器以外の飛び道具は、軽視されていた時代』において。
『ブーメラン』は頭一つ抜けた、ロマン武器だったと愚考します。
モンスターを退治すると『素材』が得られる。牙・角など武具の素材から、血・骨肉など薬の材料になるものまで、様々な『素材』をはぎ取れる。
それら『素材』の中で、最も秀でているのは何か?
四凶刃のタクマの考えでは、『女蛇竜の宝石』だ。『宝石』と言っても『龍』の持つ『龍玉』とは異なり、『眼球』ないし額についた『宝石』であり。
『ヴィーヴル』の脳・頭蓋に近い『部位』で、使われ続けている『身体の一部』であり。体内にある魔石よりも珍しい*ー*>//<ーー*
そんな記憶の旅をしていた、タクマの頭蓋に激痛が走る。
それによって現実に引き戻されると、眼前には殺気を放つ姐御がたたずんで、いらっしゃった。
脱力してたたずむ姿勢は、武術の奥義に至った完成形の一つであり。タクマごときでは遠く及ばない、C.V.様を超えた戦姫だ。
同時に〔不用意な返答は容赦しない〕と、告げる暴威がいる。
「それで?『ブラックテール』というのは、どういう代物かしら?」
「落ち着いてください、アヤメの姐御」
「…質問の内容が悪かったわね。
キサマはリアベル様に手を出したの?欲望を吐き出したの?」
〔立場のある姫長の側近が、そんな”わい談”をなさってはいけません〕
そんな正論を述べることも許さない、姐御の表情に屈してタクマは口を割る。
「『ブラックテール』というのは『ヴィーヴルの魔眼』みたいなものでして…
戦闘力に自信のないC.V.様が、『魔石?』を生成する。『ユニコーンの角』みたいに、体外に露出した『魔力器官』を、長い年月をかけて造り出す。
それの獣人系のC.V.様バージョンみたいなものです…・・・」
「ふうん…『仙狐・キツネの神獣には、尻尾を分け与えて命をつなぐ』と、いう逸話があるとか。
それの『黒猫流ということかしら?」
「はイ、その通りでござイま*・‐」
心音・表情筋などは『身体操作』でごまかせても、体内電流を操る域にタクマは達しておらず。
姐御の閃手によって、速やかな情報開示を催促される。
それに対し、タクマは覚悟を決めて、真相を話した。
「その…戦争を行うにあたって、多岐にわたる状態異常の『邪法』が放たれ。
それを受ける、C.V.様たちは状態異常に対する、『耐性』を獲得なさいます」
「・・それで?」
「その中には『色欲・催眠系』に関する邪法も多く。
それらに対する『耐性』を得たC.V.様たちは、”石女”などと揶揄されることになってしまい・・・」
過酷な戦場で『心身』に傷を負い、『ストレス障害』になるのは、C.V.様も人間と同様であり。
色欲も含めた『精神干渉の魔術』が飛びかう。そんな戦場に立つC.V.様たちは、『生殖本能』だけで夜の営みを成すのは困難だ。
そのため『淫魔女』のC.V.様が、そういう心身をほぐすことも、珍しくなく。
イリス様たちが『歓楽の街』を認め、娼婦たちの待遇改善を推進している。安直に”盗賊ギルドの金づる”扱いせずに、様々なサポートを行っている。
それは『ストレス関連』の治療を必要とする、C.V.様の事情と無関係ではない。
〔『加速の身体強化』を使う、シャドウ一族も無関係ではないわね。気付いたら『子供の少ない獣』と同程度の・・・・になっていたら存亡に関わるわ〕
問いかけるまでもなく、姐御とタクマの意見は一致する。
聖賢の御方様を疑うわけではないが、昨今は『神』でも”やらかし”が珍しくないのだ。シャドウの幹部として、『備え』を怠るなど論外であり。
『薬効・マッサージ』の類だけで、治療が確立するなら問題ないのだが。
「それで何故、『模擬戦闘』の後に・・・『模擬戦闘で降伏』したリアベル様から、『ブラックテール』の言の葉が出てくるのかしら?」
「…^:^・…;」
本来、『決闘』に敗れた者は、勝者の要求をのむ。不利な交渉を強いられるものなのだが。
リアベル様は『模擬戦闘で降伏』してから、『ブラックテール』の情報を出したあげく、〔あきらめる〕とのこと。
『模擬戦闘』をからめた、外交としては不可解であり。
「すさまじい不穏を感じるのだけど?」
「・・・怒らないで、聞いてくださいます^/^?」
その後、激怒したアヤメによって、タクマは容赦なく制裁された。
盗賊ギルドの権勢が下がり、混成都市が各所に影響力を行使するようになり。
冒険者ギルドは、その猛威にさらされることになる。
〔冒険者が自然の恵みを、考えなしに乱獲したり。『封印』を破壊したあげく、”怪物誘導”を行う。その元凶は冒険者ギルドの『指導』が足りないためだ!〕
そう告げて挑発しつつ、〔アメと鞭〕を使い。混成都市はギルドに、『交渉』を仕掛けてきた。
はっきり言って、冒険者ギルドにとって〔腹に据えかねる言動〕も山ほどあり。
『決闘』で意見をまとめる、ギリギリの外交もあったそうだが。
〔盗賊ギルドと連絡が取れないな~…;〕
〔こっちの使者も、向こうの連絡員も音沙汰ないね~⁺∼;〕
〔冒険者の『斥候職』とシーフギルドは関係ないっ!;⁉一切、関わり無い*:;〕
盗賊ギルドはともかく光神殿の本山まで、たった一日で壊滅したとなると。
冒険者ギルドが組織を守るため、保身に走るのは当然の流れであり。
その結果、冒険者ギルドのスタッフは『依頼料の分割払い』に伴う、諸々の激務に忙殺されることになった。
「だけど、このままではまずいと思うんだ」
「「「「…・・・₋・」」」」「何がっ⁉」
シグルスの街にある冒険者ギルド。珍しい『闘技場』兼『訓練場』が建てられて、各地の冒険者たちが来訪した結果・・・『依頼料の分割払い』すら形になってない、ギルドスタッフの疲労はピークに達しつつあった。
そして、その恨みは一人だけ恵まれた者へと、向けられ。
炎熱C.V.5人どころか、黒霊騎士団の有力C.V.にまで求愛され、ハーレムを作っているように見える。
騎士の血筋を引いてるだけだった、交渉役のユングウィルへと向けられた。
そんな状況でユングウィルは、ギルドの同僚たちを貸し切りにした、レストランへと集め。慰労会の体裁を取り、自らの主張を淡々と述べる。
「元々、冒険者がやらかしてる事なのに。
なんで〔俺たちスタッフが、その尻ぬぐいをしなきゃならないんだ?〕と、いう話しをしたい」
冒険者たちは命がけで、依頼を受けているから高額報酬を得られる。それ自体はギルドスタッフも認め、納得しているが。
冒険者たちが”やらかした”とき、どれほどのペナルティを受けるのか?
ギルドスタッフとしては『必要だから、ランクの降格で済ませている』と、いう感じであり。
その罰則が、冒険者の悪行を抑える効果があるのか、甚だ疑問だと思う。
「この際、盗賊ギルドの私兵になり、やらかした冒険者のことは忘れよう。
俺たちは裁判官でも、正義の味方でもないからな。
だからと言って、俺たちは冒険者にとって都合のいい、『秘書官』などではないし。労力だけ増えて給料が上がらない、現状に甘んじる気はない」
ギルドスタッフは、定額の給料が保証されており。所属するギルド支部の収入・利益率が上がれば、さらにボーナスが支給され。
それは貴重な文官務めであり。平民にも開放されている、稀少な席であることは間違いない。
だからと言って『依頼料の分割払い』への対応は、単に受付を行うだけでも勤務が増え。
これに依頼人の財産・借金の有無を調べ、商取引の記録を商業ギルドに問い合わせたり。
さらに『分割された依頼料』を回収する際に、いくら事前に調査しても借金取り・徴税の役人がわいて出てくる。連中と交渉したり、小細工を見抜き。場合によっては、ギリギリの交渉をする。
従来のギルド業務ですら、大変なのに。『依頼料の分割払い』に関する業務は、仕事の量・難易度の双方が増大してしまい。従来のギルドスタッフでは対応できず、C.V.勢力の人員を受け入れざる、得なくなっている有り様だ。
そこで少なくない金を払って、ユングウィルはこの席を設け。
「・・・いったい、どうする気だユングウィル?」
「C.V.様・・・いくつかあるC.V.勢力に協力させて、冒険者に新たなペナルティを課す」
「新たなペナルティって・・”呪い”でもかけさせるのか?」
それは一つの手ではある。いにしえの魔術学院などでは『事実上、魔術封じに等しい、呪縛がかけられた』という、伝承もあるそうな。
しかし、それではC.V.勢力に貸しを作り、さらなる要求を出されるだけだろう。
〔外交の悪しき前例を作る〕と、言っても過言ではない。
そんな意見が顔に出ている同僚たちに、ユングウィルは語りた。
「俺が提案したいこと。それは冒険者たちに、『仲裁役』をやらせることだ」
「「「「「仲裁役…・?」」」」」
仲裁役は〔仲を取り持ち、諍い裁く〕と、書く。『交渉人』とも呼ばれる、その役目は面倒なことであり。
暴力のとびかう、争いの世界において。〔仲裁に失敗しました。仲裁の効果がありません〕と、いう報告で使われる、残念な単語だ・・・と言っても過言ではない。
「冒険者といえど、永久に続けられるわけではない。傷病・加齢で引退する者は多く、彼らが再就職するのは困難だ。冒険者ギルドのポストに空きがあって、なおかつ必要な知見を持っている者は少ない。
だが冒険を通して、交渉術を身に着けたり。机上の学問にない、経験知識を蓄えている人も多い。そういう人たちを見出して、試験採用する。そうしてゆくゆくは『分割払い』に専門で対応する、スタッフを育成したい。
そのために様々な争いごとの『仲裁』をして、経験を積んでもらう」
「そう、うまくいくのか…」「偉い貴族の仕事なのでは?」「いや、お偉いさんでも、仲裁を失敗してるぞ」「酒場のケンカを止めるのとは、違うだろう…」「だけど『分割払い』でトラブルが起これば…」
ユングウィルの意見に対し、同僚たちは様々な意見を交わす。
否定的な意見もあるが、提案に興味をもってくれたことは、明らかであり。
そんなギルドスタッフたちに、ユングウィルは決定的な一言を告げる。
「言っておくが、『仲裁』は失敗してもらっても、一向にかまわないぞ」
「はいィ!?」×5
物語の主人公でもあるまいし、冒険者への依頼を100%達成できる者など、いるはずがない。まして上級貴族の『仲裁』ですら失敗し、厚顔無恥が”横暴”を正当化しているのが、この世の中だ。
まっとうな交渉・公平な仲裁案だろうと、成功する確率は低い。
「もちろん”厄介な仲裁”は、身勝手な連中に担当してもらう。
夫婦ゲンカ・家庭内暴力や借金のトラブルなど、”面倒な仲裁”に関わり。そうして世間を知り痛い目に合って、荒くれ者がおとなしくなるだけでも儲けものだ。
仲裁役に任じられた、冒険者が賢くなれば、なおよし。不幸にも心身に重傷を負い、仲裁を失敗するようなことがあれば。
その時は大義名分をふりかざし、冒険者ギルドの力を使ってでも、『仲裁』を成功させる」
「「「「「・・・:…:・」」」」」
ヤクザな交渉・仲裁だと、ユングウィルも思う。
要約すると、冒険者とギルドの力を使って、もめごとを鎮静化させる。
その交渉を行うことで、冒険者ギルドの影響力を増して、『依頼料の分割払い』に伴うゴタゴタも解決する。文盲でも交渉力に優れた人材を見出し、冒険者ギルドの組織を強化する。
無論、失敗すればリスクもあるが。他人様の迷惑を考えない冒険者を、教育する『授業料』だと割り切ってしまい。
その”負債”は不良冒険者たちに、背負ってもらう。奴らが相争う者に挟まれ、半殺しになるか。依頼を失敗・逃走して、面子をつぶすかは状況によりけりだが。
〔依頼にないモンスターにやられた。ギルドの調査が甘いせいで、依頼に失敗した〕と、いう言い訳が通じない。昼日中、衆目の前で仲裁を失敗すれば、不届きな冒険者を大っぴらに処罰できる。未熟な冒険者に警告する、『見せしめ』として利用できるわけで。
「ユングウィル・・・それはちょっと悪辣すぎないか?」
「『法規・軍法』がない状態で、武力が野放しになっているほうが害悪だ。
そもそもC.V.勢力の提案によって、冒険者たちは力を増し、報酬も上がるだろうけど。そんな冒険者たちを野放しにするほうが、問題ではないのか?」
1)『脚のケア』を行って、冒険者の活動範囲が広がる→依頼失敗で周囲に損害を与えても、高飛びして逃げ出す。
2)『依頼料の分割払い』によって、依頼件数と報酬が増える→世間を甘く見たり、散財して身を持ち崩す。
3)上記の二つに伴い、浮気をして恋愛トラブルを起こす→C.V.様を怒らせて、理不尽に連座制によって、制裁される。
4)訓練場で疑似モンスターと戦い。闘技場で仮面をつけた剣闘士になり、名誉・経験と報酬を獲得する。
「おい、まさか…・+・・」
「無論、俺はそんな愚行をしてないし、する気もないっ‼
ただ時々、黙って後ろに立たれたり、背筋がヒヤッとしたり、半眼で見られるときがアリ。
そういう時、弁明が通じなかったり。〔力技など論外すぎるぅ~-~〕と、いう確信をすると。
〔争いなんて虚しい〕と、口々に言ってくれる。〔広報戦をしてくれる、ゴロツキがいるといいなぁ~:~〕と、思っただけだ」
〔この野郎、ふざけんなっ!^!〕×5
ユングウィルのセリフを聞いて、ギルド職員たちは無言で席から立ち上がる。
彼らの意思は一致しており、”ユングウィルという人災”を避けるべく、足早に立ち去っていき。
それから数日後・・「混成都市から強制される前に、新しいチームを発足させる」と、いう辞令がギルマスから出され。大勢のギルドスタッフが硬直した。
混成都市からほど近い暗い森。日の沈んだ、そこには数十人の遊撃兵が潜み、襲撃の時を待っていた。
「・・・・:・」×20「・・・ー・」×20「・・・…:」×10
誰もが息を潜めつつも、力を蓄えている。自他共に認める精鋭であり。彼らが動くときは、一つの村が焼き討ちされ、地図から消えることになる。
精鋭にあるまじき、”山賊・暴行魔”な所業だが。眉をしかめつつ、”盗賊ギルド”の手駒である、遊撃部隊は口をつぐむ。
「今度こそっ…」「・・・*…・」「合図はまだかっ…」
何故なら、彼らは兵士だから。命令に従うよう訓練され、勝利を渇望する。
そんな遊撃兵にとって、敗残は悪夢でしかなく。都市を攻略しようとして、連敗続きな戦況を変えるべく。確実に勝利できる、食糧供給の拠点を襲うことにしたのだろう。
それは敵国の生産能力を低下させる『作戦』であり。村人たちにとって、最悪の”人災”であり。シャドウ一族にとっては、”害虫”の襲来だった。
『フォトンセット!!』
「ッ⁉」「なぁ‐!!」「くぐっ…落ち着けっ、迎えう*+//*」
暗い森の中に、『術式の照明』が次々と点灯する。まるで舞台照明のように華やかだが、その目的は”盗賊ギルド”の遊撃兵をあぶりだすことであり。
「二重の円陣を組めっ!内部の者はボウガンを構えろ。合図と共に・・」
「・・:・」×20「ー・・・」×20
複数の『照明』が敵兵を探すように投射される。実際にはとっくの昔に、”連中”を捕捉しているが。今や『光明の術式』は”賊”たちにとって、恐怖の権化でしかなく。
「まだだっ・・タイミングを合わせて、8時の方こ
『フォトンショック!!』
Gぉオオオー*OOOO:*-」
「ぎyィアアアア!*!」×::「目がっ、メgァッァ!*」×;`
下級シャドウの部隊長にすぎないフォルカは、聖賢の御方様から『術式』の手ほどきを受けている。
無論、『光術の攻撃力をなくす代わり、超絶の力を得る』と、いう聖賢様の『制約』を、フォルカごとき凡夫が守れるはずがなく。
彼にできるのは、『目つぶし術式』を少しばかり改良するだけだった。
「・・+そこだっ、死ねぇーーー!」
「*/;っ…⁉」
『投光する光球』の一つを、フォルカと勘違いした者が、ボウガンで狙いをつける。同時にボウガンの弦が異音を発し、ボルトは射出されず地面に散らばる。
「っ!!、いかん退避し」
『(フォトン)ショック!!…ニードル!』
「「「「「ギgャーアアアaアア!!」」」」」
落ちたボルトから『目つぶしの閃光』が放たれ、円陣を組んだ兵たちの視界をふさぐ。
同時に連中を包囲するように、たくさんの『閃光の針』が降り注ぎ。刺さった『術式の針』は、遊撃兵たちの『痛覚』に直接的な干渉を仕掛け。
「イタイ、いダイ、痛い!!;‐」「目がっ、目ガァあアア!*?」
訓練によって痛みへの『耐性』を持つ、兵士の尊厳をフォルカは破壊していく。
想定してない痛み、未知の激痛に加え、『視覚』を通して脳に負荷をかける。
人間文明の訓練で『痛みへの耐性』を得たとしても。C.V.様の技法は、それらを崩す手段を複数種類、見出しており。
フォルカたちに下賜された『術理』など、ほんの入り口にすぎない。
下級シャドウとしては、目の前の”賊”たちを反面教師にして、修練を積み重ね。『ハーレムの調整役』という役目を、お断りした失態を償う必要があり。
そんな雑念をいだいていた、フォルカの前で”賊”の遊撃兵が吠える。
「いつまでも、『光属性』が通じると思うな!
我らが『秘宝』を、目の当たりにするがいい・・『ダークグラス!』」
『合言葉』によって発動した、”眼甲モドキ”が、『魔力』を帯びる。
それによって、フォルカの『目くらまし術式』は、『闇属性の術式』に遮られ。
『光があれば、影を作り 巨大なる影は、星夜と安寧をもたらす
されど狭量なる愚者は、憤り、目を閉じ、全身を硬くし
灰の空を、狂乱と共に仰ぐ フォトンブラインド‼』
「なぁ`!*-ー」×50
『フォルカが発動させた術式』によって、全ての光を奪われる。
『夜目がきく』というのは『夜間のごくわずかな光でも、見ることが可能』と、いうことであり。真に無明の世界で、『視覚』を維持できるわけではない。
その程度を理解してない”愚か者”が望む通り、フォルカは連中から『光属性の魔力』を遮断する。眼球に一切の『光』が届かないよう、あらゆる光を屈折させ。
「まだだっ・・音を聞いて…」
「・・・・^-^」×5
実戦と悪ガキケンカの区別がつかない、連中の耳に『複数の音』を送ってやる。
指笛を響かせ、足音で鼓動の拍子を刻み。少しばかり、『怪光球』を投げ。
それからしばらくたたずに、遊撃部隊は取り押さえられた。
ネタバレ説明:『フォトンゲーム』について
『光術・閃光』によって、敵に目くらましをかける『術式群』であり。
『魔力量』が低く、『属性魔術』を会得できなかったシャドウたちを、フォローするため。試験をクリアした者に、イリスの『百眼巨人の魔導』を劣化コピーさせたものです。
はっきり言って『アルゴスゲーム』とは比べるべくもない。
『アルゴスゴールド』のように、他者の『術式』に干渉できないし。『アルゴスアイズ』のように『感知を逆探知』することもできない。
本来は『光術信号』の精度を上げ。複数言語を『フォトンワード』で送受信したり、暗号化に対応するなど。『光子の通信』を行う『術式』だったのですが。
混成都市で最強のC.V.イリスの『ちょっと』は、全くシャレになっておらず。
『目つぶし閃光』を放つだけにとどまらない。
出力・射程に並列発動など、あらゆる基本性能が”暗殺神官”の『フラッシュ』を上回っており。
1)光球・光線など『遠距離攻撃』。トラップなど『設置タイプ』の術式二種類に分けられる。なお武装に付与して、条件付きで発動するのは『設置タイプ』になります。
2)性能を底上げする、『結界』をはれる。威力よりも操作性・発動速度が強化され。主に『設置タイプ』の性能が上がる。
3)『目つぶし閃光』とはいえ、『敵を失明にまで、陥らせるのは禁止』という制約をかけている。攻撃力も低く、術者本人の指一本分の威力?しかない。
4)本来の使用目的である『フォトンワード』は、素で性能が上がっており。”賊の劣化コピー”どころか、陸戦師団の『フォトンワード』よりも精度が高い。
5)『光は闇から産まれ。闇は光が作る影が、巨大化したもの』と、いうイリスの術理を習得し。『闇属性』による『対抗魔術』が、ほぼ全く効かない。10倍ぐらいの技量差がないと、『破術・魔術封じ』は無効化される。
ちなみに今回、遊撃兵を捕らえたのは、『設置タイプの閃光』になり。
連中が待機して把握していたはずの場所を、瞬時にトラップゾーンへと変えた。加えて『目つぶし』を仕損じても、『術式』をかく乱に使った。
そういう未知の攻撃によって、フォルカたちは遊撃兵を圧倒してます。
以上、『フォトンゲーム』のネタバレ説明でした。
そんな『ブーメラン』ですが、昨今だと『回転してブーメランが戻ってくるのはファンタジー武器』と、いう感じになっており。
『実戦で使えるレベルの威力を維持して、ブーメランが返ってくるのは空想科学』と、いうイメージが広がったのか。
それとも英雄大戦など、アプリゲームで様々な『弓矢』が猛威を振るい。
その流れに圧倒されたのか。
あるいは『ブーメランの競技』が開催されるようになり。
〔その神聖な『競技道具』を、殺人凶器にするな〕と、いう暗黙の了解がなされた。
ぶっちゃけ、いくらでも様々な『飛び道具』を調べ、知ることができる今日この頃。アボリジニの皆さんが神聖視している『ブーメラン』を、凶器あつかいするのは苦情ものであり。
『本来は木製のブーメランを、金属で制作して武器化する。くせのある武器を使い手にあわせて、調整するのはコストかかり過ぎ』と、いうことになり。
〔ファンタジー武器としての『ブーメラン』は消えていくのかな~〕と、愚考します。