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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
393/422

393.閑話~戦姫たちの会談+微風の動作::

 アイドルではありませんが、『魔獣・幻獣』の類も排泄物は出さないもの。

 それなのに『灼熱の汚物』を出す、『タラスク』はかなり迷惑な竜魔獣でしょう。

 

 『タラスク』が誕生した時代、『毒気を吐く竜』が主流だった。

 そんな時にわざわざ『灼熱の糞』を出す『タラスク』は、火に関連する『油分』を排出する。石油ではないにしろ、悪臭がして引火したり川を汚す。

 そんな『油分の泥=灼熱の糞』を出す、沼の地形が『タラスク』の原型だと愚考します。


 まあ実際のところ、大昔のフランスの地形を調べて、『油分』の『ゆ・あ』の字も出てこなければ。単なる戯言になりますけど。


 とはいえ『タラスクの【伝承】』を検索して、『灼熱の✖』が出てこない。それは”表記しない自由”を、乱用していると愚考します。

 創作・祭りなら、全く問題ないアレンジですけど。資料・検索サイトとしては、アウトでしょう。

 混成都市ウァーテルという、巨大都市がある。

 C.V.イリス・レーベロアによって、一夜で破壊された悪徳の都から、建造された商業都市であり。”盗賊ギルド”や周辺勢力と、表裏で争うことを想定して運営されている。


 一例として、スラム街を解体するため、多岐にわたる施策を行いつつ。

 犯罪者を”盗賊ギルド”につながる者として、容赦のない取り締まりを、執行し続け。周辺都市に利権を提供して、流れてくる民の動きを抑制したり、別の場所での働き口を紹介する。


 ”小娘たちに都市経営など、できるはずがない”

 ”すぐにギルドが都市ウァーテルを奪還する”


 そんな連中の顔色が悪くなるのに、時間はかからず。その後、C.V.勢力に利用されていた道化(捨て駒)であることが知れ渡り、連中は無惨な最期を遂げたとか。


 そんな混成都市ウァーテルを支配する戦姫たちは、傑物と言ってよく。凡人にとって、雲の上の人物と言えるだろう。


 ただし万能の聖人には遠く。失敗も派手に行うとか・・・



 「残念だったわね、イセリナ」


 「くっ…シャドウの教育がなってないからでしょう!」


 「っ‼…だったら重騎士が代わりに、『お役目』に就いたら?」


 ウァーテルの心臓部にして、頭脳を兼ねる。政庁の隠し部屋において、首脳陣の不毛な争いが、珍しく行われていた。


 都市の太守であり、戦争の女王と言える、光属性のC.V.イリスをトップに仰ぎ。

 表の軍勢である陸戦師団を指揮して、文官たちを束ねるイリスの親族?(妹分)である、C.V.のイセリナが腹心を務め。

 そして少数でも多大な戦果をあげられる、シャドウ一族の姫長である扇奈が実働部隊を束ねる。


 彼女たち3人は、先ほどの失態について反省会を行い。同時に日頃のうっ憤を晴らすべく、不毛な会話を交わしていた。


 「…-・あいにくだが、重騎士たちは汚れ役には、就かないと決まっている」


 「外交の担当は、重騎士たち文武官でしょう」


 「婚姻外交はともかく。『制約』によって、ハーレムに関わるのは禁止事項よ」


 「ふん、腰抜けが…」


 「だったら『制約』を破って、”求婚者(飢えた狼)”を解き放ってみる?」



 普段は災厄に対抗するため、強固な同盟を組んでいる。立場・心情の両面で政敵なのに、暴走しがちな主君イリスを抑えるため、普段から協力しあっている。

 そんなイセリナと扇奈の二人が、珍しく争っているのは、ある役職に関してだ。



 その役職とは、多重婚ハーレムの『調整役』であり。


 国家の中心にある後宮ハーレムならば、慣習・法規や権力争いなどで、一応の『秩序』が成立する。きさきたちは、後ろ盾となる実家の意向を無視して、争うことは許されない。


 しかし功績・魔力や戦闘力など、状況によって変わるもので、多重婚ハーレムの『秩序』が左右される。情愛の求めるまま、旦那様との逢瀬を求めるC.V.が現れれば。

 ハーレムの『秩序』が、崩壊すること必至であり。


 

 そんなハーレムを結婚した男女だけで運営するのは、狂気の沙汰に近い。

 最低限、形になるまでサポートが必須というもの。『封印の結界』を維持・管理するよう(以上)に、時おり(頻繁に)見回りも必要だ。



 「だけど一騎当千のシャドウですら、〔そんな役目はやだぁーー・⁺;〕と、恥も外聞もなく逃げ出してしまう。

  感覚が鋭く、危機意識が高いのも困ったものだね~」


 「「・・・-・…・」」


 イリスの言葉に対し、家臣としての扇奈、イセリナは不器用に視線をそらす。


 逃げ出せた者はマシで、『魔術能力(理不尽)』の余波・・を受けて、重傷を負った者も少なくない。性欲が減衰したり、トラウマになったり、その被害は計り知れず。

 悪趣味なギャグのようだが、実際に物理法則に厳しい世界で、発生している案件であり。


 そして、その原因は一つずつ確実に、対処する必要があった。



 「魔導師団長・・・・・クララ・レイシアード様がいらっしゃいました」


 「ご苦労、カヤノ。これから極めて重要な話しを行う。

  けっして誰も、この部屋に入れないように」


 「かしこまりました」


 そうして隠し部屋の扉は閉じられた。


 


 


 『身分に関係なく、意見を出し合う』という会議を開くため『円卓』というものがある。


 しかし『酒宴の無礼講』と同様に、権力の世界に『公平』の二文字はなく。

 それは混成都市ウァーテルの隠し部屋でも同様だった。


 『メルトクリスタル』


 強大な『魔力』を込められた呪文が、閉ざされた隠し部屋の壁を溶かして、出入り口を作る。

 一見、『魔力量によるゴリ押し』と思われる、その行為は『特権の行使』であり。


 「ようこそおいでくださいました、クララ様」×3


 都市の最高権力者であるイリスも含め、戦姫3人が立ち上がって、来訪者に敬意を示す。そんな光景は、この隠し部屋以外では決して見られない、奇異なものだ。


 「・・・お互い暇ではない。(先ほどのフォルカとのやり取りは『透視』して把握している)要件だけを簡潔に話しましょう」


 「承知しました」



 かつて”盗賊ギルド”に支配されていた、ウァーテルの建造物は『抜け穴・隠し部屋』の宝庫であり。それらをふさぐ以前に、探すのも困難だった。

 そのため混成都市に滞在するC.V.の中で、最大量の『魔力』を持つクララが、『魔導能力コアデザイン』で対策を行い。


 その過程で、この隠し部屋のようにクララが掌握している、『魔水晶の部屋』がいくつも作られ。その中でのやり取りは、彼女に筒抜けだ。

 先ほどの口論も、その前にフォルカを詰問した件も、クララは既に知っている。



 その前提で、混成都市ウァーテルの支配者たちは、話を始め。


 「いかがですか、クララ様?」


 「あれが常人フォルカの反応というものです」


 「・・・ー・」


 戦姫3人は、魔導師団長の地位にある、クララ一人を包囲した。


 「あの者(フォルカ)マスター(イリス様)のお力を下賜かしされ、多少なりとも腕に自信がございます。

  加えて洒脱しゃだつな性格で、遊び歩いている」


 「そんなフォルカ殿(下級シャドウ)ですが、ご覧になったとおり『貴族家の乗っ取り』任務を希望しました。


  答えにくい質問を行い、心理的な圧迫をかけた後に。最後に好(普通のマシな)条件を提示して、それを呑ませる。そんな心理誘導を仕掛けても、『ハーレムの調整役(高額報酬の任務)』を受けませんでした」



 土地(不動産)の販売で、心理を利用することがある。

 『悪い物件→さらに最悪な物件→普通の建物』と、いう風に土地を見せると。

 最後に案内された『普通の建物』を、土地の素人である客は『素晴らしい物件』だと誤認してしまう。


 それを真似して、イリスたちもフォルカに心理誘導を仕掛けた。

 

 『女性の好みを尋ね(嫌な質問)』→『女シャドウの(答えただけで破滅)尊厳を問い(する質問)』と、いう”ストレス”をかけていき。

 最期にイセリナが救いの手を差し伸べるように、『任務の選択』を行った。


 それによりフォルカは異動を受け入れ・・・・・る確率を高め。

 仕組みが確立してない『C.V.ハーレムの維持・管理(調整役)』と、いう『危険な任務』を自ら選択するよう誘導し。

 結局、フォルカは『貴族家乗っ取り』任務を選択して、『調整役』への誘導は失敗してしまう。


 もっとも本気で『ハーレムの調整役』を都合したいなら、扇奈かイリスが直接、フォルカに命じればいいだけのこと。

 少なくとも任務を『選択』する自由など、役人を束ねるイセリナは与えない。


 戦姫3人の本命は別にあった。



 「このように多少、腕が立つくらいでは『多重婚ハーレム』を負担に感じてしまう。

  自分より強かったり、『魔力』の高いC.V.に囲まれると、人間(男性)夫婦生活が(色欲が)成り立たなくなる(減衰してしまう)


  その証拠が下級シャドウ、フォルカによる事実上の任務拒否であり。高額報酬を提示しても〔(他人の)ハーレムに近づきたくない〕と、いう意思表示です」


 「・・・それで私にどうしろと?」


 イリスの屁理屈混じりな口上に対し、クララ様は半眼になるも。とりあえず話しを聞く、姿勢を取る。


 「…プリンセスガードであるクララ・フィム・レイシアード様は、ガルド将軍(私の副官)との夫婦生活に集中していただきたい。


  上位C.V.として配下に殿方を紹介する、義務があるのは承知しています。

  しかし最優先すべきはクララ様、ガルド殿たちが『次代を育む』ことであり。他のことは、全て後日に挽回できます」



 〔今日できることは、今日の内に終わらせる〕と、いうモットーを持つイセリナが、主義を棚に上げてクララ様に訴える。

 その理由は上位C.V.としても、強大すぎるクララ様の『魔力量』にあり。


 ”盗賊ギルド”と争って、水源・上流に”病毒の素”を流されていた、時期ならともかく。現在は混成都市が優勢になり、”病毒”をまく連中は、この世から永久に退場してもらっている。各種対策も並みのC.V.で、構築できるようになった。

 こうなるとクララ様の『魔力』は、機嫌を損ねて(営みを妨害されて)暴走してしまう、”リスク”のほうが大きく。


 せっかく重騎士たちを一夫一妻制にして。副団長のガルドとクララ様が円満に過ごせる、『風潮』まで作り。他にも様々な布石を打ってきたイセリナたちの努力が、徒労になる事態は何としても避けたい。 

  


 〔都市ウァーテルも安定してきたし。そろそろ旦那様ガルドにも、第二夫人を見繕いましょう〕


 〔絶対にやめてください〕×3



 こんな穏健なやり取りが、成立するはずがなく。もの凄く嫉妬深いくせに意地を張る、クララ様に一夫一妻を満喫して、平穏に生きて(おとなしくして)もらうため。


 〔人間男性が必ずしもハーレムを好むとは限らない。C.V.としては多重婚が理想だけど、例外はあってしかるべき。ハーレム生活をサポートする、『調整役』も決まらなかったし。


  お願いですからクララ様には、婦夫・・生活に集中して、満喫なさってください〕


 この意見を通すため、戦姫3人は一致団決して事に当たり。

 

 

 多大なコストをかけて、ようやく困難を打倒したのであった。






 


 



 ギルド施設の改築によって、冒険者たちが集いつつあるシグルスの街。

 そこには黒霊(C.V.)騎士団が駐屯し、シャドウ一族の幹部アヤメが来訪していた。その目的は混成都市ウァーテルの命運がかかっている、C.V.との外交をサポートすることであり。



 クララ・フィム・レイシアードという、天災級ハイロゥの『魔導能力コアデザイン』をふるうC.V.を、ガルドとの一夫一妻制(結婚生活)によって封印する(色ボケさせる)ため。

 

 本来なら多重婚ハーレムを推奨している、C.V.ルールを一時的に忘れ。ハーレムを築いているシャドウを出張させて、クララ様の目につかないようにしたり。

 ハーレムを築くことなく、C.V.の乙女たちから逃げ出した(追われている)弓兵タクマを、シグルスの街に左遷させる(隔離する)など。


 混成都市の権力者たちは、団結し協力して、必死に『外交?』を行ったのだが。




 『フゥー‥—ーー(ブラックバイザー)!!』


 「・・/・ーーッ」

 

 侍女頭シャドウのアヤメはリアベル様という上位C.V.・・・あるいは超上位C.V.様の眷属と『模擬戦闘』を行っていた。 


 旋風の拳と閃手の爪が、交錯しつつうなりを上げ。立ち位置を取り合い、互いの手札を読みあう。


 そういう普通(魔拳)の手合わせは終わり。『感知の魔術能力デザイン』による、『情報』の奪い合いが、開始された。


 「/-ハッ:!」


 リアベル様の視線(魔眼)を遮るべく、足で地面を削り、『風術』で巻き上げる。

 その砂風に対し、リアベル様も足刀で地面を削り、『魔力の影』が閃く。


 「・ーー‼:ッ!」


 『うごめく』でなく『閃く』影に対し、アヤメはさらなる砂風を吹きつけ。同時に大きく跳躍して、リアベルの『術式』から逃れる。


 「⁉…ふうん、初見でコレに対応できるなんて、たいしたものね・…」


 「・・・・・」


 リアベル様の賛辞に対し、アヤメは冷静な表情を保つ。

 一族に似たような『術式の連鎖・応用』を使う者がいたから、反応できただけ。


 リアベル様の削った地面には『感知の呪力(ブラックスタンプ)』が仕込まれており。それを踏みつけると『足に(サイズ・)関する情報(部位の強化魔力)』など、高速戦闘を得意とするシャドウの情報が、根こそぎ奪われかねない。


 『泥玉』として『魔力の影』と共に、それをぶつけられればどうなるか?

 アヤメは『模擬戦闘』だろうと、試す気は一切なく。


 『/-/+双竜爪閃‼!』


 地面・建物にそって這って翔ける、『小風刃の群れ』で『伏せられた呪力(ブラックスタンプ)』のかげを切り裂く。ある程度を切ったら、『模擬戦闘』の場である闘技場に旋風を放ち、滞留する空気(呪力)はらわねばならず。


 「さあ、次っ・・静寂の戦いをしましょう…」

 

 「これは、無理ね…」


 そうしてアヤメは一つのことを断念した。

 




                  

 風が疾駆し、陰が舞う。


 四凶刃シャドウの弓兵タクマの眼前で、二人の女傑が『模擬戦闘(凶悪バトル)』を繰り広げ。

 哀れなシャドウは何もかも投げ捨てて、逃げ出したくなった。



 〔いったい、どうしてこんなことになったのだろう?〕


 何度も繰り返してきたタクマの問いに、答えてくれる者は今日もいない。


 ちょっと格下の『邪竜』をタクサン始末しただけ。『妖鐘閃弓』の副次効果で、編み出した『術式』を下級C.V.様にばらまいたり(教導・進呈したり)

   

 『身体強化』の副作用で、『月のもの』が乱れたり、性欲が減衰したり、旦那と倦怠期マンネリになってしまった。

 そんなC.V.様たちをマッサージ・メンタルケアで回復の可能性を示しただけ。


 野郎どもはリフレッシュさせ、『夜の楽しみ』を示して、『ハッスル』させたにすぎず。


 〔オレは悪くない…こんなことで『一夜妻にしてください』と、言われたら。

  誰でも逃げ出すに決まってるだろうが!!〕


 とはいえ、こんな主張をしたところで、潔癖な姐御たちが納得するはずもなく。兄としてはユリネ、水那の姉妹に合わせる顔がない。

 だから『特権』を行使して、聖賢イリス様に武者修行(功績)をなかったことにしてもらった、はずなのに⁉



 そういう不毛な自問自答をしているタクマの前で、『模擬戦闘』の戦況に変化が現れる。


 「~(…ー/・・~」


 「…ー・っ」


 リアベル様の爪が、姐御アヤメの装束を切り裂いていく。

 だがタイミングがずらされ、『滑っている』と言うべきか。リアベル様から発刊し、血の匂いが濃くならず(・・・)、漂いもしない(・・)


 一瞬、どこぞの『見切りの達人』みたいに、『皮一枚で回避してるのか?』とも思ったが。

 『感知の魔導能力ブラックシーカーゲーム』を行使するリアベル様は、『見切り』の動作を解析することで、連続しての回避を許さない。

 殺し合いならともかく、『模擬戦闘』でリアベル様の爪・魔力を見切れるほど、姐御と彼女に実力差はないはずだが。


 「~^/・/∼~ー」


 「酔っぱらってる…いえ違う、これは・・」


 「:~-∼‥//+/ハッ!」


 「*/*ー・…∼」


 酔っ払いの動きを模した『酔拳』ではない。敵に『部位の身体強化』をかけて、バランスを崩させる姐御の得意技は、『魔力』を視れるC.V.様にはきかない。


 そうしているうちに、リアベル様の身体が傾き。


 「…無念だが、降参する。この『模擬戦闘』は貴女アヤメの勝ちよ」


 「勝利を喜びつつ、降参を受け入れた貴女リアベルに敬意を払う・・・

  実際、この『連動』を使わせた相手は、数えるほどしかいないわ」


 激闘を繰り広げ、目と目で通じ合う。それは戦士たちの美しい光景だった。



 一瞬だけの…


 「光栄だけど、無念のほうが大きい。

  『模擬戦闘』に敗れた私は、『ブラックテール』をあきらめるわ」


 「「…・ハイ!?:?」」


 リアベル様の言の葉によって、氷・ガラスや朝露のごとく、美しい光景は砕け消え去った。









 ネタバレ説明:アヤメの『動作』について


 物理法則のうるさい世界において、『飛行の魔術』は墜落の危機を伴う、諸刃の剣であり。

 シャドウ一族の『魔力量』では『墜落するリスクの方が高い』と、イリスに判断されました。


 そこで編み出されたのが、『低空飛行』による歩法であり。『従来の歩法』や跳躍などと、併せて使うことにより、”シーフ”を圧倒する機動力を、シャドウ一族は得られたのです。



 しかしアヤメは、その成果に満足せず。かと言って、新たな術理を一から編み出す、時間もない。


 そこで彼女が編み出したのは、『全身を使った低空飛行』であり。

 『空気・風術の足場』を作って、『空中歩行・疾走』する術理を、参考にしています。


 『足場』だけでなく、『縦横のポール』『樹木』『岩場』を、『術式』によって発生させ。

 『手足』も含め、あらゆる身体部位で『術式(上記)の力場』を使って、動作に活かす。


 腕・ひじ・肩から、背中・腰の側面にひざすね・足首など。

 ボールを動かす・水泳で水をかく・ダンスで魅せる、身体部位の全てを『術式の力場』に触れさせ、『動作』に活かす。


 『術式の力場』も棒・水塊・マット状など、多岐にわたり。『力場』に身体部位を引っかけ、制動ブレーキをかける。『力場』を崩壊させること()念頭に、蛇のごとく『術式の(大きい)力場』を這い進む。


 敵からすれば空中で這ったり、泳いだり、体操の演舞をしたあげく、武術の歩法まで仕掛けてくる。トリッキーだけど、練り上げた武術の動作も行ってくるという、カオスな動作であり。

 極めて厄介な動きを、アヤメは行ってきます。


 ちなみにリアベルとの『模擬戦闘』では、自らに『双竜爪閃』の『小風刃』を当てて、加速・制動を行っていたのに加え。

 『自作自演(双竜爪閃)』で自らの服を切り裂き、〔私は爪の間合いを、見誤ったの…?〕と、いう不安をリアベルに抱かせ。彼女の『感知の魔導能力ブラックシーカーゲーム』をかく乱し、負荷をかけていました。



 以上、『アヤメの動作』に関するネタバレ説明でした。




 追記:アヤメは一族のため、この『術理(動作)』をそれなりに手間をかけて、編み出したのですが。


 『術式の力場⁇を発生させて、それを感知して掌握するのは難しい』『力場に身体を引っかけて、裂傷ができました』『力場を使って動けるレベルまで、全身を鍛えて操作するとかムリ』『修練ならともかく、実戦では怖くて使えません』


 〔〔〔〔要するに、難易度が高すぎるんですw〕〕〕〕と、いう意見でほとんどのシャドウは一致したとか。しかも『風属性』でないと、高速機動には使えない術式であり。


 「飲めっ、飲んで忘れましょう!」

 「『認識変動アルゴスプリズム』を使えば、何人かは会得できる!」

 「ちょっとニーズ(幼少のころから)に合わないぐらいで(、習わせればいい)落ち込むなんて(それと軟弱もの)、貴女らしく(たちは性根を、)ありませんわよ(焼いて修正します)

 

 ・・・と、いうやり取りが交わされたとか。

 さて個人的な『竜魔獣タラスク原型モデル』に関することは、これぐらいにして。

 次は『タラスク』の幻想に関することについて。


 ライオンの頭、3対6足の熊脚に『亀の甲羅』を背負っている『タラスク』。

 西欧文化圏の『ドラゴン』どころか、世界中の『魔獣・妖獣』と比べても、奇抜な合成魔獣です。


 とりあえず『ライオンの頭』『それをアレンジした恐ろしい頭』は、『タラスクの強さ・恐怖』を表している。

 『亀の甲羅』は西方では珍しいですけど、『水魔竜ガルグイユ』も甲羅を背負っていますし。東方の『玄武・亀幻獣』と同様に、水に関連すると考えていいと愚考します。


 そんな『タラスク』の身体部位で、特に重要なのは『熊の6脚』ではないでしょうか?

 『熊の足』という時点で、レア過ぎますし。それが『6脚3対』となれば、世界レベルで稀少です。


 日本だと『山の神・使い』な熊ですけど。

 嫌われている『タラスクの熊足』は、おそらく『熊の規格外チート』を表している。


 そもそも『タラスク』の伝承が生まれた『時代』は、現代のフランス・スペインより『森』が広く。『ヒグマ』も多数、棲息しており。森での遭遇は、恐怖以外の何物でもなかったでしょう。時速50キロ前後で、山河を踏破する脚力に加え。力だけでなく、その爪は下手な罠を器用に外すとか。


 そんな熊脚が6脚ある『タラスク』は、本物の『熊』・怪獣『ガメ〇』のように、二足で立つことはなかった。その代わり4脚に1対2脚が加算され、『熊』より走破性・水辺での活動が優っている・・・と、イメージされた。


 近隣の『水魔竜ガルグイユ』よりも、水陸両用の竜魔獣として、『タラスク』は恐れられたと愚考します。


 もっとも熊の6脚を持つ『タラスク』だと、『熊』に風評被害をもたらす。

 『亀の甲羅』『恐ろしい頭』とアンバランスすぎるので、怪獣・爬虫類?の脚に置き換えるアレンジが、様々な作品で行われており。


 〔これも時代の流れかなぁ~〕と、考えます。

 ぶっちゃけドラゴンなら、恐竜・爬虫類系の身体パーツで統一したほうが、かっこいいですし。

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