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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
389/422

389.閑話~双陽炎扇::+観賞中のお話

 私は”忠臣蔵”を、吉良上野介公を誹謗中傷したあげく。”冤罪テロ=討ち入り”を仕掛けた、狂気の時代劇だと考えており。

 私の説を否定したいなら〔ご立派な”忠臣蔵”と同じことをされても、文句はないな〕と、までは言いませんが。〔赤穂浪士アレと同じ連中が増えたら、対処できるのか?〕と、ぐらいは思っています。 


 さてそんな『忠臣蔵』を正当化される際に、色々な資料が出されますが。その中でも一番ひどいと思っているもの。


 それは〔吉良上野介が欲しがりな性格で、浅野藩の領地・塩田の技術を欲しがった〕と、いうものです。


 吉良上野介公が、どのくらい物欲があり、美術品などに執着したのか?その詳細は知りませんけど。

 江戸幕府260年の時代に、欲しがりの殿様など、いくらでもおり。その殿様たちが他藩の領地を欲しがってトラブルが発生していたら。刃傷沙汰は毎年のように発生したでしょう。


 そもそも『国替え』というのは、リスク付きの一大事業であり。江戸から離れた赤穂藩の土地は、『旅費』が莫大になる、場所的なデメリットも伴う。

 

 ”そんな赤穂の土地・塩づくりの技術を、美術品を欲しがるように求めた”と、いうのは難癖・侮辱の合唱でしかありません。

 ”領地と美術品の差異・重要性がわかっていない”と、中傷しているに等しい。


 こちらも相応の反論をしたいと考えます。

 扇奈・セティエールとイセリナ・ルベイリー。

 それぞれシャドウ一族と陸戦師団(重騎士)を束ねる二人は、本来なら政敵であるべきだ。


 次々と『術式』を編み出し、C.V.の他勢力と友好関係を築くシャドウ一族。

 混成都市ウァーテルの政経を司り、莫大な富を生み出す巨漢の文武官たち。


 世間の軍人・官僚とは異なる。いびつと言っていい役職が、役割分担を行うのは困難であり。加えて聖賢をふるうマスター(イセリナ・ルベイリー)の寵愛得るべく相争う。


 それが常識的な政権・権力なのだろうけど。



 〔そんなっ…『自傷術式ドゥーム』を使用禁止にするなんてっ⁉〕

 〔ぼ~くっは、かっわいいメイドっさん~・-―〕


 〔ガルド君!!休むのも仕事だし(もっと、私をかまって)重騎士(部下)たちを働かせ(放って、)ないと。(私を愛して)



 こういう困った上位C.V.が、複数人いらっしゃるため。

 普通の神経があれば、派閥争いなどする気になれず、できるはずもない。


 かくして歪な二つの派閥は、協力体制で連携をとり続け。

 今回の決闘裁判が、開かれる。


 〔ウァーテルにつくか、”盗賊ギルド”と心中するか〕と、いう圧力をさらに強める、『決闘の舞台』が幕を開け。






 「それではこれより『決闘』を開始する。

  双方、互いの名誉をかけて、全力を尽くし。決闘後は遺恨なく、粛々と戦いの結果を受け入れて・・・」


 決闘前の口上が、立会人の貴族から告げられる。

 その半分は無意味な定句じょうくにすぎない。


 同時に血に飢えた戦士の、殺し合い(決闘)に歯止めをかける、崇高な儀式であり。

 本来なら扇奈も真摯しんしに耳を傾けたいが。


 「それではH:‘


 「死ねぇ!‘『デアボリカインフェルノ‼!』」


 対戦相手が開始早々に先制攻撃を、扇奈に向けて放つだけならともかく。

 貧乏くじを押し付けられた、立会人のブレッキン伯爵をも抹殺にかかるならば、そうも言ってられず。


      『双陽炎扇そうようえんせん


       じめeぇ!!」


 「❕ー‼ッ?…なにi*>>>-**」


 初撃の『火属性(無詠唱)魔術』で、立会人を抹殺する。その『魔術』を無効化するのと、同時に”対戦相手シーフ”の腹を扇奈は蹴り飛ばす。

 何らかの再生能力が発動しにくいよう、体内に衝撃を透し。身体の空気循環を封じるため、『空気に魔力付与(を扇奈が支配)』を行って、肺への『酸素吸収』を軽く封じ。


 「・・・⁉なっ、なな、いったい?:‼」


 「危ないから逃げなさい・・・いえ、護衛をつけるわ。誰かある!」


 「承知っ!」


 「こらっ、決闘の立会人としてぇーー・ー~」


 ブレッキン伯爵を保護させてから、蹴り飛ばした”盗賊バボス”を扇奈は見据え。同時に複数の『音波(風の魔力)』を放ち、戦場の広域感知・解析を行う。

 そうして、しばらくすると顔面を血みどろにした、”肉塊バボス”が大きく跳躍し。


 「死にやがれっ『デアBb

 

 『山の火炎をおうぎは鎮め  火炎の山は、旋風で猛る


  ならば両翼でほむらを、両の目で燐火りんか


  両脚で駆けて、炎羅をとらえる爪を用い


  ほうおうよりも速く、災禍を惑わす双扇をふるえ


  双陽炎扇そうようえんせん!!!』


 風属性をメインに『地水火属性』に干渉する、扇奈の『旋天』が『妖しの術』を発動させる。

 マスター(イリス様)の『神聖でない光』から学んだ、『熱量の低い妖火』が戦場に広がっていき。

 

              +*ボb*bビィ?:*…〗ガハッ・・キサマぁー、何をしたっ、ナNiをしだ∼*;」


 「そろそろキサマ等の助太刀が『攻撃魔術』を放つと思って、『火術の妨害(双陽炎扇)』を決闘場所の外周に()発動したわ。


  もちろんキサマの無詠唱モドキ(魔術の石筒)は、既に対策済みよ」


 そんなセリフを吐きつつ、扇奈は『火術による妨害(双陽炎扇)』を外周から、さらに広域へと拡大していく。

 最初は波紋のように、広がってからは渦のイメージで『双陽炎扇』を操り。


 「なめるプBギっー>>>*/>」


 決闘相手だった(・・・)バボスとやらに、蹴りの衝撃を浸透させる。この男には複数の理由から、生きてもらわねばならず。一切の抵抗を封じる適量のダメージを、扇奈は蹴り技によって与え。



 「撃てっ、撃ちM*;ー>>>;<」

 「「「「「ファイあァ*:+‐>>>>/;<」」」」」

 「「「「「*:⁺ー>>>>>;<!!」」」」」


 そんな益体もないことを考えながら、扇奈は次々と『双陽炎扇』で”シーフ”の助太刀を転がしていった。

 


 『双陽炎扇』:熱量の無い『妖火』によって、敵の『攻撃()術』に干渉・分解する。さらに『目印』を付けた被術者(対象)に、『妖火』を付与したうえで『妖火の勢い(バーニア)』によって『強制移動』を行わせる。


 「「「「回るっ⁉目がMaww;Rw*ooo~」」」」

 「「「ひぃgギ₋―₋₋₋₋gg*…*ガガっか」」」

 「「!*?ヤメろぉo;oo;o-―~」」   


 強制移動と言っても、『盤上の駒』を移動させるのとはわけが違う。


 魔術抵抗が低い者は、回転を伴う移動を強いられ。バランスを崩した者は、地面を削って線を引く、掘削くっさく道具と化し。

 そして『双陽炎扇』の火勢は、実力者たちを高空へと放逐ほうちくする。平衡感覚を保てないよう、揺らされ回転しながらの上昇は、連中の哀願する声を遠くに響かせ。


 「‥*弓兵っ、急いで『例のところに』放て…大至急だ!!」


 「ほう・・・キサマか…」


 扇奈が確かに戦闘(再起)不能にした、肉塊バボスの口が配下に指示を出す。同時にその腹部が黄土色に染まり、魚の浮袋のように膨らみ始め。


 『緋蛇炎鐘ひじゃえんしょう!』


 「*ー*!;?*P…*⁇」


 扇奈の影からにじみ出たカヤノによって、何も成すことなく燃え尽きる。


 膨らんだ腹の中(バボス)には、感知するのもおぞましい”邪法の産物(黄金蟲と卵)”がうごめいており。

 おおかた”怪物誘導”でも仕掛けて、決闘をなかったことにする、陰謀だったのだろうけど。

 

 「侍女長カヤノ…私たち(・・)の計画では、”邪法の脅威”を取り除くべく。貴女が『緋蛇』の呪術式を、華々しく使うはずだったのだけど?」


 扇奈の言葉に対し、カヤノは『呪力』を送りながらも、丁寧に返答し。


 「申し訳ございません、扇奈様。

  敵のたくらみが、想定より悪辣すぎて、焦ってしまい。


  やむをえず『呪術式(緋蛇炎鐘)』を、早急に発動いたしました」


 『ぎザmァあ*∼*;*/*--ーー*!!』


 『双陽炎扇×4』


 「ギュyW:ッ!」


 仕方ないから扇奈も”蟲袋ムシブクロ”に『旋天の焔(双陽炎扇)』を重ね掛けする。

 強制移動の『派手な術式』ではなく、もろくなった部位をねじりひしゃげさせ、圧縮する『噴射の炎』を発動させ。



 〔『魔神蟲アバドン』の件はおおやけにできないから、わかりやすい手柄を侍女長カヤノたち(・・)に立てさせたかったのだけど…

  これは、今回()駄目そうね〕


 そんなことを考えながら。

 飛来してきた『竜』の両翼にも、扇奈は『双陽炎扇』をかける。

 右の翼が上昇し、左の翼が下降するよう、交互に『噴射の炎(双陽炎扇)』をかけ。断末魔すらあげられず、翼と逆回転で長い首()、ねじられ墜落していく。哀れなトカゲの親玉を横目で見ながら。


 扇奈はカヤノの褒賞について思案していた。




 『天秤の皿をゆらす突風  玉座の両輪を砕く鳴動


  迷路で迷い、十字路で交錯し  静寂にして、大乱の息吹いぶきと共に


  鏡の狭間はざまに捕らわれしモノを、冥府にいざなう魔鐘を鳴らせ


  魔鏡鳴鐘!!』


 ただし、その両脚・意識の一部は、別の広域魔術(魔鏡鳴鐘)を地中に侵蝕させており。

 地中からの『脅威』をすり潰した後に、地上の『双陽炎扇』を増幅させて、大輪の花(阿鼻叫喚)を決闘場に咲かせた(響かせた)











 冒険者の闘技場(訓練場)が建てられ。それに伴う好景気にわくシグルスの街。

 その冒険者ギルドの一室では、魔術(C.V.)文明による『幻灯の術(魔術映像)』が披露されていた。


 カーテンをしめた暗い部屋で、亜竜と怪蛇が巨体をぶつける『幻灯』が躍動し。爪でえぐり、魔眼の光が放たれ、剣棍の尾が火花を散らす。

 そうして互いの『必殺技』で趨勢すうせいを決する、機をうかがう駆け引きは、手に汗を握る迫力だった。


 そんな『幻灯』を、初めて観る者は興奮を隠せず。

 

 「タクマさん、今日は稀少な物(幻灯映像)を見せてくださり、ありがとうございます!」


 「こうれは、すごい・・混成都市ウァーテルでは、いつもこんな『幻灯』が見れるのか?」


 そんなギルド職員(ユングウィル)シグルス領主(ザリウス)たちとは対照的に、弓兵シャドウの四凶刃タクマは不自然に沈黙している。


 「・ー・~・」


 「「・:・・-・(しらけるな~)」」


 〔ユングウィルたちと一緒に騒いで、興奮しろよ!〕と、までは言わないが。

 この『幻灯』を持ってきた者として、それなりに自慢したり、最低限の空気を読んで欲しい。そんなユングウィルたちの願いはタクマに届かず。

 『幻灯』の鑑賞は不完全燃焼に終わってしまう。


 だが身分・武力で最底辺な、ユングウィルが沈黙するわけにはいかず。


 「素晴らしい『ゲントウ』でした!ウァーテルには、このようなものが豊富にあるのですか?」


 「ああ…こいつは『魔竜鬼ドゥーガ』による、観覧試合だ。

  C.V.様が操る『魔力の塊(使い魔)』にすぎない、『ドゥーガ』は生物ではないし。

  役者・演者の情熱が昇華して、魅せる舞台には遠く及ばないだろう。


  今日、二人にこいつを観てもらったのには、わけがある」


 「「・・・…・」」


 くたびれた様子のタクマさんに、ユングウィルたちは居住まいをただす。

 前回、聞かされた男の避難所(サークル)は、実にくだらないものだったが。今回も同じとは限らないわけで。


 立場の弱いユングウィルは、しっかり身構える。


 「これから侍女頭アヤメの姐御が、知らないC.V.様と歓談をなさる。

  一応、黒霊騎士団に所属している、C.V.様だからオレ達には関係ないはずなんだが・・・


  〔心を強くするため、『こちらの幻灯(迫力ある竜バトル)』を観賞するように〕と、いうお達しなんだが。

  お前らは、どう思う?」


 「「・・ー・*:・」」


 〔〔知らねぇ~よ〕〕


 喉元のどもとまで出かかったセリフを、二人で呑み込み。ユングウィルは素早くザリウス様と視線で語らう。知り合って間もない二人が、簡単に意思疎通アイコンタクトなどできるはずないのだが。


 何故か、その時は呼吸があってしまい。


 「黒霊騎士のC.V.副団長ナイキスさM…さんを正室に迎える、私が新しいC.V.様をめとることはないかと」


 「こちらには縁談など一切、話されていない。そしてアヤメどn…様が一領主の結婚に口出しすることはないだろう・・・(多分!)」


 〔〔だから、我々を巻き込まないでくれ〕〕


 そんなユングウィルたちの要望は、タクマさんに届くことなく。


 「そして俺は『黒霊騎士C.V.様と結ばれることはない』と、いう『契約』を結んでいる。

  つまりこの『亜竜 vs. 怪蛇』の映像から読み取るべきは、〔合同訓練のお知らせ〕と、いうことだな!」

 

 〔それはないだろう〕と、ユングウィルは思う。

 条約・契約の大半は、強者が破るモノであり。C.V.様・アヤメ様たちの話しを聞くかぎり、タクマさんの立場など吹けば飛ぶ、木の葉に等しい。


 ならば『結婚不可の契約』とやらも、上の意向で破られると推測するが。


 「とにかく平静を保つことが重要だ…

  どんな争い、にらみ合いに、『鬼気』の削り合いだろうともっ・・亜竜・怪蛇の捕食と比べれば、たいしたことない。

 〔どうということ無い〕と、念じて冷静顔面クールフェイスを死守する。


  常に毅然とした態度を保つことが、大事なんだっ!」


 聞いたことのない表現が、追い詰められた表情タクマから垂れ流される。

 なんかイロイロと終わっている気がするが、それを指摘するのは無情というものであり。


 「「・・・:=・」」


 〔〔適切な距離を保ちつつ、絶対に関わらない〕〕


 ユングウィルとザリウス男爵の判断は、再び同調し。



 それが後の人生を左右すると、神ならぬ身では知るよしもなかった。










 ネタバレ説明:『双陽炎扇そうようえんせん』について


 強力な『風属性の魔力』によって、『地水火の三大』に干渉し。他にも規格外のセンスで、『光闇陰陽』を限定的に操る。

 そんな『旋天属性』の扇奈が操る、『妖火の術式』が『双陽炎扇』です。


 作中にも書きましたが、敵の『火属性魔術』『大火』を分解・吹き飛ばし、鎮めて消火する。

 物体に『妖火の噴射・勢い(ロケット・バーニア)』を付与して、強制移動を行わせる。


 大まかに、この二つが『双陽炎扇』の効果になります。



 かつてシャドウの隠れ里は、超常の存在による”放火(自爆)”の被害にあい。

 加えて混成都市ウァーテルを警備する際は、”盗賊ギルド”から散々、”放火”を仕掛けられ。


 その結果、〔”放火魔”には一切、何もさせず。さらに無力感で絶望させる〕と、いう扇奈たち(・・)シャドウ一族のイメージが集約され。『西遊記の芭蕉扇ばしょうせん』のように、消火を行う『双陽炎扇』は編み出されました。


 とはいえ〔どうせ生兵法の『火術』をシャドウが覚えても、熱量はたかが知れてる〕と、いう計算もあり。『燃焼不可』の制約を、この『妖術』は課されました。


 そして『妖火噴射スラスター』の術式は、扇奈から侍女頭アヤメへの対抗心が半分。

 絶対的な主君(マスター)イリスへのあこがれが入り混じって編み出され。


 敵に『身体強化』をかけて、強化するのと同時にバランスを崩す、アヤメの通常攻撃。

 神聖ではなく、熱量もないイリスの『光属性術式』


 これらを掛け合わせて、扇奈は『妖火の噴射(双陽炎扇)』を編み出し。


 扇奈の感知能力(風属性)で捕捉された標的は、頭・四肢・胴体の前後両面という、全身どこにでも『妖火の噴射(バーニア)』を強制付与され。


 アヤメの『敵への身体強化』と同様にバランスを崩すだけでなく。

 強制飛行・落下に地面の引きずり回し。移動にとどまらず、強制『回転』もさせて消耗を強いる。


 イリスの『光術』と同様に、熱量はない『妖火』ですが、攻撃力はかなりあり。移動を強いられている最中の敵に、扇奈・配下シャドウによる、容赦ない追い打ちを仕掛け。

 『ボール』も同然の敵に、事実上の不意打ち・死角からの攻撃を可能とします。


 他にも自身・荷物に『妖火の噴射』をかけて、輸送したり機動力を強化する。

 無詠唱・静音詠唱に結界など、状況にあわせて使用でき、今回のように重ね掛けも可能であり。

 そんな風に、色々と応用方法がある『術式』と言えるでしょう。



 とはいえバランス崩しの妙技・精度では、アヤメのほうが数段上であり。

 到底、『攻撃力が無い』と言える術式ではないため、『制約』もゆるく。イリスの術式と比べ、速さ・強制力で劣る。


 一定以上の『魔力抵抗』を、全身にくまなく発動できれば、防げる術式であり。

 格下を狩る、広範囲術式というのが『双陽炎扇』への評価です。


 

 もっとも他人様の『魔術』を評価できるのは、上位C.V.様ぐらいであり。

 死角・関節部やダメージを受けた部位など、『魔力抵抗』が下がる身体部位など、いくらでもあるし、作られるわけで。

 中の下クラスの飛竜だと、長い首をねじられながら、きりもみ墜落を強いられてしまう。暴行亜人の上位種でも、口内に『妖火の噴射(を吐いて)』を付与され、頭部ボール移動バウンドを強制されてしまい。


 たいていの者は、悲鳴すらあげられず敗北してしまう。

 恐怖以外の何物でもない術式が、『旋天の火炎術式(双陽炎扇)』です。



 以上、『双陽炎扇そうようえんせん』のネタバレ説明でした。

 さて”忠臣蔵”を否定する者として、『浅野内匠頭は体調不良だった』という説を推したいです。


 そもそも、浅野内匠頭が体調不良なのは100%浅野家の責任であり。

 それで『勅使の饗応役』でヘマをするのも、浅野家の失態です・・・とまあこう言うと”忠臣蔵”がお好きな人は、こう考えるでしょう。


 ”吉良上野介がイジメをしたから、内匠頭は体調を崩した。内匠頭が病だったとする、『資料』は噓っぱちだ”・・・と。

 吉良上野介公の側からすれば〔”忠臣蔵びいき”の資料で中傷されてる被害者は、こっちの方だ〕と、言いたいですが。

 互いに資料の正確さを証明する手立てなどないので、主張は平行線をたどってしまう。


 そこで中立の人が100%正確だと認める『資料』から、”忠臣蔵”側の主張を否定します。

 その『資料』とは、江戸時代の”刃傷沙汰”に関する、『事件の記録』です。


 江戸幕府の勤務・儀式中に、”刃傷沙汰”は7回発生してますが。その中で失敗したのは、内匠頭も含めてたった2件だけ。

 そして失敗しているもう一件は、問題行動の”悪名”がとどろいた水野家の者であり。


 まともな剣の稽古をしていれば、襲撃する側が有利なのは、しっかり『数字』で示されています。


 しかも”忠臣蔵”において、浅野家は『武』を尊ぶ家とのことですが。

 そんな浅野内匠頭が、吉良上野介公の背後から襲い掛かって仕損じる。控えめに言っても体調不良であり。はっきり言えば『大名剣法』にしてもひどすぎで、上記の水野家と同レベルな状態だったでしょう。


 このように私は浅野内匠頭の病を、悪しざまに書きましたが。


 ”重要な『勅使の饗応役』の最中に、吉良上野介がイジメをした”

 ”欲しがりな性格で、浅野家の領地・『塩精製の技術』まで欲しがった”


 こんな風に中傷するのは、吉良家からすれば、同程度に”老害”あつかいの侮辱でしかなく。


 〔同じことを言われても、文句はないな〕と、言わせてもらいます。

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