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ヴァルキリーズ・シティ~混成都市ができるまで、あるいは盗賊連合の滅亡記  作者: 氷山坊主
閑話~混成都市の渦+シグルスの模擬戦闘
388/422

388.閑話~彼女たちの反撃:ブラックフリント

 原型が『ユニコーン』か『ペザサス』なのかは、知りませんが。

 絵画では描かれない、『一角・翼』の生えた『馬の幻獣』が登場することがあります。


 神話・古代の学説を研究する時は、アウトでしょうけど。


 手塚治虫先生が描かれた『ユニコ』のように、爆発的なスペックを発揮することもある。そもそも童話の『男がユニコーンを捕獲した』と、いうのも創作であり。


 『一角・翼』の両方を持つ、馬体の幻獣は有り。全然、問題ないと愚考します。


 もっとも某星鎧で『天馬』が活躍し。『一角』よりも、『翼』のほうが大きく目立つ。『ペガサス』のほうが、神話が多い。

 そのため『ユニコーン』より、『ペガサス』のほうが人気ある感じですけど。

 世の中には〔分相応〕という言葉がある。


 英雄・皇帝など、只人の枠から外れた存在と違い。

 タクマごときシャドウの幹部(四凶刃)では、せいぜい底辺の勇者以下にすぎず。


 実際の多重婚ハーレムは、タクマにとって恐怖以外の何物でもない。


 〔戦いの勝敗は『数』だ!〕というならば、ハーレムは野郎一人が多数・・の女性陣に囲まれている。既に勝敗が決した、人生の墓場に等しく。

 そもそも彼女たちは身分・金銭や立場などで、夫に負けている弱者ではなく。

 個で優っているのに、パーティー他など、タクマの知らないジャンルで包囲網を形成してくる。


 〔『恋愛』は命と人生がかかった、戦場の一つ〕と、考える文明で生きてきた、戦争種族C.V.であり。

 恐ろしい人間の女を超えた、超大魔獣を狩る理不尽な存在だ。






 「そういうわけで、多重婚をする(から逃げられない)男性は互助会サークルを作らないとやっていけない。


  別に野郎(凡夫)雁首がんくびそろえたところで、女たちに対抗できるわけないが。

  

  最低限の避難所・・・男だけで気分転換できる、安らげる(ほんのわずかな)時間?を確保するために。そして文化の違い(カルチャーギャップ)による惨劇を回避するため・・・せめて異文化・未知の風習を、いきなり知らされる恐怖サプライズ?から逃れたいんだ!!」


 「「・・・・…・」」



 シグルスの街に建つ、最高級レストランの個室に呼びつけられ。

 領主で男爵位を持つザリウスとギルドスタッフ(ユングウィル)は、厄介な話を聞かされて、持ち掛けられていた。


 その元凶は混成都市ウァーテルから訪れた、C.V.勢力(シャドウ一族)に属する、タクマという男であり。

 どんなに情けない”泣き言”を垂れ流していても。ザリウスたちの首を挿げ替えられる、権力者であり武力も持つという、極めて理不尽な存在だ。


 派閥のトップは〔最大限の便宜を図るように〕と、告げてシグルスの街に(ザリウスの一族を)厄介事を押し付け(、早々に見捨て)。目端の利く一族の者は、街を見捨てて逃げ出し。

 〔一応、冒険者の連合パーティーです〕と、いう建前によって黒霊(C.V.)騎士団が駐留している。


 その現状に対してシグルスの身分・戦力は、どこまでも無力であり。

 ザリウスは黒霊騎士の通達(決定)に、『承認印』を押す日々が続いている。


 そんな無力感を感じる中で、変化があると思ったらコレだ。


 

 「まあ自分が主人公などと思ったことはないし。情報交換を行える場があるのは、けっこうなんですけど」 


 火属性魔術を操るC.V.5人に加え。黒霊騎士団の幹部C.V.(ナイキス殿)からも求婚されている、ユングウィルがザリウスを見やり。


 「ザリウス様は何故、この場に呼ばれたのでしょう?

  複数のC.V.様どころか、一人の妻もめとっていない。そんな領主様を、どうして呼んだんですか?」


 「それは、ザリウスさんが黒霊騎士団に所属する、C.V.様と『政略結婚』をするからだ」


 「えーっと…・・」


 「・・・~・…・」


 〔そんな話は聞いていない〕と、ザリウスは声を大にして言いたい。せめて来訪前に先触れを出すように、連絡があってしかるべきではないだろうか。


 「まあ悪い話じゃないから、安心していい。


  薄情な寄親みたいに見捨てることはしないし、これからは黒霊騎士(強力な)C.V.様が、後ろ盾につく。C.V.様は正妻の『身分』など求めないし、ハーレム文化だから。

  婚約者ニンゲンがいるなら好きに結婚してかまわない。


  重要なのは『契約』を守ること。そして次代を育むために、『色欲』を開放することだ」


 「「・・・・…・」」



 〔それでは寝所で励みましょう〕と、思えるなら苦労しない。

 そして仮にも領主として、ザリウスは街を守る見通しを立てたかった。


 庶子から他人の都合に振り回され、”傀儡領主”になったザリウスだが。悪運に恵まれ、黒幕が急死したり行方不明になり。かろうじて『労役』を減らすこと、だけは成功した。


 〔あの時の達成感は、何物にも代えがたい〕と、言えるが。せっかく”親戚?”に内輪もめをさせたのだから、もう少しあがきたい。

 

 同時に魔女なC.V.という、絶対者の”奴隷”になることは、避けたいところだ。

 


 「そうしかめっつらするなよ。そこそこ(・・・・)治政をする貴族サマに、夜叉・鬼女(ヤンデレ)の類を押し付けたりしない。


  ちゃんと領主の仕事をサポートするし、C.V.様との連絡役になってくださる。

  例えるならユングウィル殿のお気に入りなフリスさん(メイドC.V.)フレイシア殿(リーダー格)を足して二で割った感じの。


  貴族男性にとって、都合が良すぎるC.V.様がザリウス殿の愛妾になる。こんな幸運は、ちょっとないだろう」


 「「・・・〇・:…・」」


 〔〔そんなに素敵なC.V.なら、お前(タクマ)が娶ればいいだろう〕〕と、いう視線を二人で向けると。四凶刃タクマ表情を固めて(身体強化を使って)沈黙し。


 「・・・:…・」


 「…・・-・:・」


 視線で問いかけられたギルド職員(ユングウィル)は、ザリウスを見捨てて目を合わせない(口を閉ざす)

 『街中で逢引きしたり、ギルドで料理を振舞っている』と、いうウワサは聞いているが。ユングウィル本人からは、その報連相をしてこないという。微妙な隔意をザリウスは感じた。


 こうなったら自ら道を切り開くしかない。そう考えたザリウスは一騎駆けの覚悟を決めて。思い切った問いかけをする。


 「そんなに素敵なC.V.殿なら、タクマ殿のハーレムに加えればどうですか?」


 「いや、ソウシタイのは山ヤマなんDaけど。

  

  『シグルスの街に来た、黒霊騎士団のC.V.様と結婚するのは禁じる』と、いう『契約』を結んで冒険者ギルドをサポートに来たから。

  残念ながら、この街でオレはフリーにすごせる。昔のお気楽身分(下級シャドウ)に戻れるんだ!」


 「「ほ~ー・…・」」


〔〔こいつは(無理に)何を言っている(決まっている)?〕〕


 ザリウスとユングウィルの心は一つになったものの、そろって瞬時に沈黙を決めこむ。

 

 何故なら『タクマの未来は、本人にとって望まぬものになる』と、いう確信に近い予感がするから。

 〔放置して、不幸見物をしよう〕と、いう思惑でザリウスたちの意見は、完全に一致して。


 二人は高級レストランの美酒・食事を楽しんだ。





 

 





 カオス(C.)ヴァルキリー(V.)という戦争(・・)種族がいる。

 彼女たちは経済・技術に芸術など、様々な『分野』を戦場に見立て。勝利を勝ち取るべく日々、研鑽し知識も収集する。


 とはいえ、やはり主戦場は血みどろの『戦場』であり。魔王軍の主力を自負する、黒霊騎士団ともなれば、その演習は激しいものとなり。



 『『『『『ダークスラッシュ!!』』』』』

 『ダークスライサー!』×4


 『闇の大剣』が一斉に振り下ろされ、『闇属性の飛刃』が広域に放たれる。

 その攻撃は『下級竜』ならば、余裕で討伐できる威力があり。人間用の闘技場で放てば、施設ごと地面を切り裂いただろう。


 そのためシグルスの街から、少し離れた郊外で演習場を急造し。さらに『結界』をはって、副団長ナイキスが力を解放して監督を行っていた。


 『シゃxァっ!』


 「「「ッ⁺!」」」「まだよっ!!」「包囲陣をくずすなっ!」

 「こうなったら…」「駄目だ・・遠距離魔術ではリアベル様にHぁ*`!」


 一匹の黒猫(C.V.)を仕留めようと、激しい演習が繰り広げられる。


 『鎧影』が怪光を放ち、『黒猟犬ハウンド』が包囲網を形成し。

 そして主力の黒霊騎士たちが、次々と斬撃を放つ。


 空気を震わせ、大地に爪痕を刻む。その発生源となる『魔力の咆哮』は、8級C.V.の域を完全に超えた、精鋭軍団の証だった。


 「遅い、鈍い・・そしてつたない!」


 しかし、それほどの戦力をもってしても、黒猫獣人のC.V.リアベルには遠く及ばない。

 速さで圧倒し、『幻影・歩法』で惑わし、柔の技で攻撃をそらす。さらに動作の読みあいで、実力差が如実にょじつに表れ。


 『『『『・・・――・』』』』『・・・-―・』


 「そこっ…『悲運爪ロンリネス』」


 「くぅっ、『ハードヘルM*;*』


 一瞬の隙をついて、リアベルの『術式()』が黒霊騎士の『兜』を捉える。

 それを皮切りに、次々と連携を崩していき。


 「『幸運牙ハピネス』…『双尾鏢ファンシー』・・・」


 「それまでっ!!勝者、リアベル!!」


 『ムチ状の術式(ファンシー)』が遊撃手ハウンドたちを打ちのめしたところで、ナイキスが演習の終了を告げる。

 そこには最後までリアベルの『幻影』に対抗できず。不本意な結果に打ちひしがれる、騎士C.V.たちがたたずむも。



 「続いて『術式』を移行する、『儀式魔術』を行う…・」


 「総員、奮起せよ!

  この『儀式』に騎士団、ひいては魔王軍の未来を左右する、可能性が秘められている。

  

  『悪鬼を目覚めさせ、沈黙させる魔鐘ましょうを鳴らそう』

  全員、配置につけ!」


 『『『『『ブラックブレイブ!!』』』』』


 『『ウォオオーーー!!』』


 『『鎧影ガイストよ…その身をささげ・・・』』


  

 実戦にも等しい『魔術儀式』の発動が告げられ、瞬時に黒霊騎士たちは士気を取り戻す。

 そうして『魔術陣』が組まれ、覗き見する”賊”たちを、一掃してから。


 「準備はいいかしら、リアベル」


 「誰に言っている…私もこの身・命運を賭けているわ・・」


 既に『契約』は結ばれているものの。

 あえて愚問を発し、リアベルとナイキスは呼吸を合わせる。


 同時に『魔術陣』の中にある闇属性の魔力が『収束』され、陰影を描いていき。


 『氷獄の帳にして、天の裂目(オーロラ)を映すもの』


 『奈落の漆黒にして・・妖精騎士デュラハンの兜であり、眼光たるもの』


 リアベルとナイキス二人、闇属性の『魔力』が激突する。

 互いに闇属性ながら、その性質は異なり。獣と騎士、夜空と地底、そして柔と剛の『魔力』が、優位を取ろうと激突し、渦巻いていき。


 

 

 基本的に、『この世界の魔術は物理法則を無視できない』と、いう制限がある。

 イセリナ殿の財貨を例に挙げるなら『払った財貨(魔力)の分しか、物は買えない(神秘を引き起こせない)』と、言うべきか。


 ただし絶対の法則というわけではなく。『膨大な魔力』を消費すれば、ある程度の物理法則を無視(ルールを逸脱)することは可能であり。


 例えば店に売ってない(超常の神秘な)商品を(現象を)大金を山積みして(莫大な魔力によって)購入するように(引き起こせる)

 売り手の反感、”賊”・権力者の標的になるリスクを無視すれば、そういうこともできなくはない。


 ただし『大金で購入』すれば、様々なリスクを伴うように。『膨大な魔力』の行使は、普通に危険すぎる。

 そのため仲介者をはさんだり、普段から治安を向上させるなど、『通常価格』で購入できる環境を整えるように。


 『魔力のゴリ押し』をするにしても、ひと手間(儀式魔術)かけるの(を行うの)が通例だ。




 『黒き獣の瞳は輝き、獲物の影を見通し』


 『落日に走り、宵闇に馬を駆り、深夜に戦輪を回し』


 リアベルとナイキスのC.V.二人も例外ではなく。

 己の(黒猫)イメージ(デュラハン)を唱え主張しながら、『魔力』を練り上げ。


 「「シッ!:!!」」


 リアベルは閃手をふるい、ナイキスは拳打によって、練り上げた『魔力』を発してぶつけあい。

 そうして肉と魔力が、ぶつかり合う音が響き続け。


 ぶつけた『火打ち石』二つから、『火花』がはじけるのと同様に。

 激突する二人の『魔力』から、『法則を変える力』が弾けて瞬き。


 「「今っ…『ブラック(黒霊の)フリント(火打ち石)!!』」」


 凝縮された『魔力』が、ひときわ強く激突する。

 それは『膨大な魔力』に一瞬だけ匹敵する、『暗黒物質ダークマター』を生成し。


 『『『『『火花をここに、たき火の焔を…』』』』』

 『『ウゥーーーー!!』』

 『『可能と障害の扉を、燃やして進む・・・』』


 リアベルとナイキスが起こした『火種』を、速やかに黒霊騎士たちの『魔術陣』が増幅する。本来なら長い年月をかけて達成すべき『事象』を、『魔術陣』の内部に広がる『闇の魔力』がくみ取り、組み上げ。


 『我らは求める、塩水の術理(アルケミックソルト)を!!』×11


 こうして『生理食塩水の錬成(アルケミックソルト)』は、黒霊騎士団に所属するC.V.の精神に、刻み込まれていき。




 ある人物オトコの波乱が、めでたく確定した。


 









 巨大な港を持ち、文化の境い目に位置する混成都市ウァーテル。

 治安を改善し、公平()のある司法が執行される。加えてそれなり(・・・・)に自由な商売が行われる、ウァーテルには大陸中の富が集まり。


 同時に”悪徳都市”とは比べ物にならない、広大な商路が建設され、富が循環するようになり。もはや”盗賊都市””光神殿の本山”の負け惜しみに、耳を貸す者は大幅に減少した。


 そんなウァーテルには3人の戦姫がおり。


 聖賢を行使して、一夜で都市を陥落させるイリス・(偉大な)レーベロア(マスター)様。

 金輝の調律者にして、瞬間の宰相イセリナ・ルベイリーのC.V.姉妹に加え。


 シャドウ一族を束ねる扇奈・セティエールの3人が、ウァーテルを治める権力者3人だ。


 とはいえ戦姫3人は同格の支配者ではなく。

 あくまでイリス様が絶対の女王であり。次に政経・司法を采配するイセリナがNo.2の位につき。


 人間の扇奈は配下シャドウの功績をアピールして、イセリナの政敵を演じる。

 マスター(イリス様)が『自傷の魔術(ドゥーム)』を使わないよう妨害したり。イセリナが権力を握って暴走しないよう、対抗派閥をまとめる『ポーズ』をとる。


 戦姫3人の中で、扇奈は最弱の立場であり。

 たまに功績を立てて、有用性を示さないと〔狡兎死こうとしして走狗烹そうくにらる〕と、いうことになりかねない。

 

 そんな扇奈にとって、今回の件は点数稼ぎのチャンスだった。


 「”渾沌都市”に巣くう、凶悪なる"魔女"とその下僕たちよ!!


  今日は貴様らの滅びる日だっ*⁺;・かっカ・覚悟ォォォ*:`…・」


 「バボス様っ⁉」「いかん、すぐ後ろへ運べ!」

 「承知し‘*`t…/*・・」「「「:・;⁺/-ー―!」」」


 宣戦布告の口上すら、満足に述べることもできず、”邪法使い”が醜態をさらす。

 そんな”盗賊ギルド”の使い魔を冷ややかに見据えて、扇奈は問いかけをする。


 「どうやら『風属性の魔術』を阻害する『結界』をはって、そちらに有利な戦場を作ろうとしたようだから。お望みどおり、空気の流れを停滞させたのだけど…


  しっかり呼吸ができないなら、『結界』を破壊しようか?」


 「「「「「「「・・・;+*・-・(このバケモノが)」」」」」」」


 わかりやすい表情を向けられ、扇奈は『決闘裁判』の中止を提案したくなるも。

 心の底から軽蔑する連中に引導を渡すため、”茶番”を継続する。


 「とはいえ、仮にも周辺貴族の代表として、決闘に参加する勇士を相手にするのだから。

  私も名乗りだけはするとしよう。


  混成都市ウァーテルの支配者にして、聖賢をふるう御方。

  イリス・レーベロア様に仕えるシャドウを束ねる扇奈・セティエールとは、私のことよ」


 『加速の身体強化(旋風閃)』を行使して、耐えられるよう。『薄い空気の結界(高地トレーニング)』で鍛えた呼吸法で、扇奈は『魔力の声』を響かせる。

 その『声』は決闘を行う草原ばかりか、後方の都市イェルクゥにまで響き渡り。


 『鎮まれっ、静かに、抑えろぉー―』


 「・・・・・~:」


 さっそく馬脚をあらわす”盗賊バボス”に、扇奈は迅速に処断したい誘惑にかられる。




 数日前、はからずもイリス様が老人(商人)たちに、情けをかけてから。

 弱者の”盗賊ギルド”が流言で、濡れ衣を着せてくる。”イリス様が神殿で狼藉を働いた”と、いう類のデマを流すのは、扇奈でも予想がつき。


 文官のトップで軍師を兼ねる、C.V.イセリナ・ルベイリーは当然、対抗策を用意していた。


 〔混成都市が成立し、各所に多大な富が流通するようになりました。

  そこで、そろそろ旗色を、はっきりさせてもらいたい。


  富を食いつぶし、財貨に寄生する。

  無能な”盗賊ギルド”に、従来の『諜報ノゾキ』を任せて、税金の中抜きを許すのか。


  それともイリス様の巨大商圏に協力して、商機と美食を楽しむのか?


  速やかに『態度』を示しなさい〕


 事実上の降伏勧告に等しい。この宣告によって、マスター(イリス様)への”中傷”など消し飛んだ。混成都市ウァーテルを支配するC.V.勢力を怒らせれば、今までのように商業圏ウァーテルの恩恵を受けられない。


 それを通告する『当然(降伏)の勧告』によって、ウァーテルがもたらす富を貪っていた、領主・商会たちは大きく動揺し。


 ”盗賊ギルド”に至っては『死刑宣告』に、聞こえただろう。

 仮に領主を傀儡にしたところで、〔邪悪な賊を討伐する〕と、いう大義名分を振りかざすC.V.勢力に蹂躙され。それ以前に領主たちが混成都市側につけば、公権力とC.V.勢力に挟撃されてしまう。


 流言・呪いのアイテムで、裏工作をしている場合ではなかった。



 

 〔それで不毛な争いを避けるために、決闘をすることになったのはいいけれど〕


 始まる前から暗殺・裏工作に”嫌がらせ”とやりたい放題であり。あげく決闘場には『風属性の魔術』を封じる仕掛けを潜ませ。一対一の決闘ルールではないとはいえ、恥知らずな数の『助っ人』を呼んでいる。


 『外交努力』をすれば生存の可能性はあるのに、決闘を穢して無事ですむと思っているのか。扇奈は決闘後に、ぜひとも聞いてみたいと思った。











 ネタバレ説明:『ブラックフリント』について。


 C.V.文化の認識では、『膨大な魔力』で超常現象を引き起こす。魔力のゴリ押しで、ある程度の無茶を押し通す『魔術儀式』の一つです。


 術理としては、二人の同格で(リアベル)位C.V.(ナイキス)が、火打ち石を使うように、『魔力』をぶつけ合い。それによって生じた『火花=稀少な魔力を』を魔術陣(C.V.集団)で増幅する。


 ”生け贄の儀式”『杯に魔力を充填する』という、魔術儀式と比べると。はるかに魔力量が少なくて済み。

 同時に桁違いのリスクを伴う『魔術儀式』です。


 というのも『火打ち石』は、同じ硬度の『石』をぶつけているわけではなく。

 片方のもろい石から、欠片がはがれて火種と化す。『その散った火花で火をつける』と、いう仕組みであり。


 これを生身のC.V.二人でやれば、片方が身を削られるか。最悪、両者の心身がつぶし合って、共倒れになりかねない。

 そういう危険極まりない儀式で、『異常な魔術』を発動させよう。


 これが『黒霊の火打ち石(ブラックフリント)』の正体です。


 ちなみに魔術陣を形成する、黒霊騎士C.V.たちは、この事実を知らず。

 〔私たち二人の秘術だから、真似することを禁じる〕と、いう宣告で再現禁止になっています。



 そして今回、発動した『ブラックフリント』の使用目的ですが。

 パワー・防御に特化して、不器用な黒霊騎士C.V.たちに『アルケミックソルト』を会得させること。


 『アルケミックソルト』の会得が遅れることは、生理食塩水(条件付き代用血液)の精製が遅れ。助けられる命を助けられない・・・かもしれない。

 もっと言えば、不器用な黒霊騎士C.V.たちが、『生理食塩水』の用法に失敗して、患者の命を儚くする。そのリスクを断ち切るために、強硬手段の『ブラックフリント』をナイキスは発動させ。


 一方のリアベルは『アルケミックソルト』の強制力を強化する。周囲の魔力・敵の妨害などで、不良品の『生理食塩水』が作られることを防護する。

 『アルケミックソルト』を編み出した、某術者?を守るために『魔力のゴリ押し』を仕掛けました。



 これらが今回の『ブラックフリント』の内実であり。

 美しいC.V.二人が額・傷口をぶつけあう、激痛とリスクを伴う。


 配下の黒霊騎士C.V.たちはもちろん。団長のシャルミナが知ったら、大荒れすること間違いなしという。色々な意味で危険な儀式(ブラックフリント)を、リアベルとナイキスは二人で行っていました。

 

 一応、〔結婚したら二度とやらない〕と、二人で約束しています。(そんな話を信じる友人(C.V.)は、皆無ですけど)



 以上、『ブラックフリント』のネタバレ説明でした。

 ギリシャ神話だと、『ペガサス』も乗ろうとした者を、振り落として転落死させている。それなりに『ペガサス』は凶暴なはずですけど。

 〔落馬するのは、未熟な乗り手の自業自得だ〕と、いう考えなのか。名もなき勇者・蛮勇の士なので、『ペガサス』の被害者は認識されてないようです。


 そもそも『ペガサス』の由来は、『海神ポセイドン』『女怪メドゥーサ(形のない島に住む女神)』であり、『海』との関連が強い幻獣です。


 一方、ギリシャ神話には『半人半馬ケンタウロス』の亜人がいる。ギリシャ人も略奪をしている歴史を棚上げして、『騎馬民族』を蛮人・亜人あつかいした存在がいる。


 そう考えると〔『ペガサス』の正体は高速船で、『翼』は帆なのかな~〕と、妄想します。

 キマイラ退治の神話では100%、これは妄想話ですけど。『ペルセウス』が遠国に飛翔した神話だと、一分いちぶくらいはアリだと愚考します。

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