386.閑話~アルケミックソルト::
幻想生物・幻獣の中に『一角獣』というのがいます。
額に一本の角を持つ『馬』であり、純血の乙女を好む。
その『角』には癒しの魔力があり、高値で取引されるとか。
こういう夢のある幻想物語だけでなく。
『イッカク』という海獣の一本角を、『ユニコーンの角』と偽ったり。
『ユニコーンの角=男根』と、中傷する。”ユニコーンは色欲の悪魔だ!”と、ユニコーンの紋章を持つ一族を貶めた、話しも聞きます。
そんな『ユニコーン』は、かつては人気のある幻獣?聖獣だったと思います。
もっとも一本角だけではワンパターンになりかねず。童話・寓話などに登場したユニコーンの原型をとどめていない。
『突進せず、癒さない。角が飾りと化したユニコーン』が増えていると、愚考します。
黒霊騎士団に加え、シャドウ一族の幹部が滞在するシグルスの街。
そこにある高級酒場で、冒険者ギルドスタッフのユングウィルは、シャドウの四凶刃タクマさんから『干し肉の作り方』を教えられていた。
「従来の『干し肉』だと、肉の下処理がロクにされていない。状態の良くない肉を塩漬けにしただけ。
そして『塩』自体の品質もよくなかったり。大量に『干し肉』を作ることを優先して、雑な製造法を続けてきた」
これで、美味しい『干し肉』が作れるはずなく。
『風術』で血抜きをして、肉の下処理を行う。『錬金』系統の術で、良質な『塩』を精製する。
そうやって、『味』を優先して『肉』と『塩』を使えば。美味しい『干し肉』を作れるのは、当然の流れであり。
「魚貝の『干物』を戻せば、高級珍味になるように。
手間をかけた『干し肉』を、適切に戻せば、ちょっとした御馳走になる。
まあ、食べてみろ」
「これはっ…⁉」
「上質な『肉』『塩』を使っただけでは。
普通の『肉料理』に『調味料』をかけた物と、同程度になるのがせいぜいだ。
だから『錬金光術』を自在に使う、シャドウは考えた。
〔『干し肉』の基礎を徹底的に追及しよう〕と、な」
干し肉の基礎:『塩の殺菌作用によって、肉を保存する』ことであり。やたらに『塩』をつけて、固くマズイ肉片を作ることではない。
「そもそも『塩』だって、タダじゃないからな。
それで適量の『塩』を、まんべんなく『肉』に塗り込むため、こういうことをする。
『浄化の白にして、美味の透明
愚かなオレらに、白明の輝きを持ちいて、導きを示せ
勇士の歩みに、糧と驚愕を 錬金塩粒!』」
タクマさんの『アルケミックソルト』によって、皿に盛られた塩の粒に『光』が灯る。それらをスプーンですくい、肉へと均等にふりかけ。
ところどころキラキラ光る、妙な肉料理が現れた。
「・・・~-?」
「派手好きな貴族には、こういうのが好きな者もいるが…
実際には素人でも『塩』が認識できるよう、『光付与』で可視化する。
さらに光付与の『魔力』で、塩の粒を覆い。適量をまぶして、肉にもみこむまで、塩を保護する。
『塩粒』のみ限定で、錬金モドキを行うのが『アルケミックソルト』だ」
そう告げてタクマさんが指を鳴らすと、肉の表面で光る粒が消え失せる。
「何というか…地味な『術式』ですね」
「料理メイドなC.V.様の『釜戸女神の魔導』と一緒にするなよ。
ゼロから『塩』は作れないし、海水から『塩』を抽出することもできない。
あくまで『塩』と認識した『物』を光らせて、魔力付与で保護するだけ。
『干し肉』などの旨い塩漬けを、作りやすくする術式にすぎない」
それでも美味しく、少量の塩で作れる『干し肉』が製造できるなら。
食糧事情が改善するかもしれない。お祝い・決戦前に特別な御馳走を食べられるなら、士気も上がるし。雇用につながる・・・かは微妙だろうが。
「それでタクマさんは、この『干し肉』の作り方を教えて、どんな取引がしたいんですか?」
「…話が早くて助かる。なに、大したことじゃない。
獣を狩って、『風術』で血抜きをした肉を提供する。その作業は、俺たちシャドウが専門に行う。
お前ら冒険者やギルドには、肉への塩もみをしてもらいたい。干し肉の製造をメインに、共同で販売業を行う。
そういう取引をしたいんだが」
「・・・冒険者ギルドにとって、魅力的な提案ですね。
とはいえ、初めての案件ですから、持ち帰って考えさせてください」
ユングウィルの返事に、タクマさんは目を細める。一瞬、獲物を狙う、狩人の視線になるも。
「まあギルドに持ち帰って。相談するといい。
ただし時間制限があるから、早めに結論を出してくれ」
「承知しました」
そんなやり取りを交わしてから、ユングウィルは豪華な食事を楽しんだ。
豪華な食事をユングウィルは楽しみ。
ほろ酔い気分でキルドの寮に帰ってから。ユングウィルは、即座に酔い覚ましの『ポーション』を飲み干す。
そうして炎熱C.V.の一人を呼び出した。
「フリス、お前の意見を聞きたい。
この『干し肉の製造法』と『アルケミックソルト』について、どう思う?」
「〔仲良く分業して、干し肉を作ろう〕と、いう可能性はございません」
ユングウィルの問いに、フリスは即答する。
『神秘の魔術』を編み出すより、難易度は低いとはいえ。『神秘ではない魔術』を開発するのも、人間にとって充分に難しいことだ。
そんな術式の一つを、出会って間もないギルドスタッフに教える。
どう考えても不自然であり。
盗賊ギルドを圧倒するシャドウの力をもってすれば、分業する人手を集めるくらい、造作もないだろう。大金で人を集め、暴力で従えたとしても。
権勢をふるうシャドウ一族に、文句を言える者などいないだろうし。
よほど悪辣なことをしないかぎり、『干し肉作り』で不平など出るはずもない。
「とはいえ炎熱C.V.の『術式』で、シャドウ様の意向を探るなど不可能でございます。できることと言えば、『ヘスティアゲーム』で美味しい肉料理を考案する。
それと『干し肉』から塩抜きをする、方法を考えることぐらいです」
「・・・塩抜きか」
「はい。火属性C.V.の『料理を作る魔導』では、不得意な調理工程ですけれど。
それでも『シチュー』など、料理の一部に『干し肉』を使い、塩辛さを軽減する。あるいは一味欲しい野菜の味付けに、『干し肉』を刻んだものをふりかける。
そんな風に、他の料理に流用することを念頭に、『干し肉』を加工することを提案いたします」
『干し肉』が不味い最大の理由は、『保存』を優先しているから。
本来、『味』『栄養価』『分量』などを考えて作られる食事に、『保存性』という要素が加わる。そのため『保存性』は、食事における他の要素を押しのけてしまい、不味い干し肉ができてしまう。
『だったら保存性を削って、味を良くする。保存できる時間を削ったり、他の料理に流用する調理を考える』
これが料理担当の考えであり。
ユングウィル、他の炎熱C.V.班も同意する提案だったのだが。
『妖精騎士の疾走!!』
「・・・+:;」
現在、ユングウィルは爆走する黒霊騎士C.V.ナイキスにかかえられ、タクマさんのところへ急行していた。
〔『干し肉』作りに協力するから、『塩』を用意したい。他にも人員・作業場など必要なんだが、心当たりはないか?〕
多重婚を行ううえで、『干し肉作り』の情報は共有すべきと考え。
黒霊騎士団No2のナイキスに、礼儀として話しかけ。
その半ばで『アルケミックソルト』のことも話したら、その瞬間にナイキスの顔色が変わってしまい。
「ユングウィル様!この件は誰に話しました・・?:?」
「『干し肉作り』のことだからフリスには話した…」
「・・~:∼・フウ…」
ユングウィルの返答を聞き、ナイキスは〔首の皮一枚つながった〕と、いう表情を浮かべる。
そうして無理に平静を装い、何が起こっているかユングウィルに告げた。
「『アルケミックソルト』は『干し肉作り』の術式などではありません」
「それは・・・『アルケミックライト』の下位互換ということか?」
風呂の汚れに『光付与』を行う。酒の余計な不純物に『光付与』を発動する。
そうして『光付与』に伴う、加重で汚れを沈め、成分調整を行う。
清潔な風呂・澄んだ美酒と良性カビをもたらす。そんな『錬金光術』のウワサは、遠くシグルスの街にも流れており。
初耳な『錬金塩分』は、塩作りのできない。精製された塩粒に『魔力付与』を行う『調理の術式』と、ユングウィルは思っていたが。
「私たちC.V.の『魔力抵抗』は、『治癒術への抵抗』もしてしまいます。そして腕のいい『治癒術士』ならば、その『魔力抵抗』を突破できるのですが・・・
基本的に、人間の世界にC.V.の『ヒーラー』は降りてこない、ことになっています」
そのため黒霊騎士C.V.だろうと、治療には『医術』が必須であり。
過多な使用は『副作用』を伴うものの、しっかり成分調整された『適量の塩水』は、命をつなぐ効果をもたらす。
「たまに『万能薬』『魔力血液』と勘違いされ、乱用すると危険ですが・・・」
血管に『霊薬』を流し込む、『聖具・術式』は魔王軍で共有されている。
そのため『魔術薬・医療設備』の整っていない、人間の世界において。清潔で、成分調整も可能な『塩水を作る錬金術』は大きな意味を持ち。
「『干し肉作り』や『錬金薬』の素材として、『塩水』が作られる。それに伴い『アルケミックソルト』が使用されるのは、黒霊騎士団として大いに歓迎します」
「・・・-・」
〔『干し肉』を使った、料理レシピを考えている場合ではない〕とも言う。
「だけど、それなら爆走して目立つのはまずくないか?」
「・・・+*:…・」
よほどナイキスは動揺していたのだろう。
その後、〔一定レベルの『身体強化』をできず、『医術』も未熟な人間は『塩水』を使うべきではない〕と教えられ。
タクマさんの所に訪れ、交渉するのは〔準備をして、先触れを出してから後日にしよう〕と、いうことになった。
混成都市ウァーテル。C.V.勢力が支配し、シャドウが飛び、重騎士が闊歩する。
”盗賊ギルド”が一掃された、そこは各地をつなぐ交通の要衝となり。
莫大な商品・財貨の取引が日々行われ、多様な文化が華開く。
古代の書物に記載される、『自由都市』と呼ぶ者も少なくない、都市となった。
しかし、それは誤りであり。
事実上、光属性C.V.のイリス・レーベロアとイセリナ・ルベイリーたち二人が、権力を一手に握る。
混成都市では〔他人を食い物にする、”賊”にくれてやる富はない〕〔富を奪い、傷病の死亡率をあげる、”詐欺師”の類は極刑に処する〕と、いう『C.V.ルール』が暴威をふるっており。
”盗賊ギルド”に上納金を払っていれば、たいていの犯罪が認められる。
そんな”悪徳都市”のルールで動いていた者にとって、地獄の門が口を開いた。
「お願いです、神官様!」「貴方様だけが、頼りなのです!!」
「どうかっ、どうか、お願いします・・」
「「「この”呪い”を解いてください!;!」」」
「ええい、鎮まれっ…当然、お布施は持ってきたのだろうな!」
都市ウァーテルにそびえ立つ光神の神殿に、大店の主人たちが人目を忍んで、来訪し。
そうして怯えた表情を隠すことなく、神官サディルフに救いを求めた。
「無論でございます」「「どうぞこれを・・」」
「・・・ふむ」
そうして出された『解呪』へのお布施10万Blは、サディルフにとって満足のいく額だった。いつもケチな商人どもが、迷わず適正な浄財を差し出す。
そのことに顔がにやけそうになるも、サディルフは平静を装って『呪い』の症状を尋ね。
「何ぃ!?」
「「「・・・…・」」」
やはり商人どもは強欲だと、サディルフは改めて思い知った。
商人どもは”忌まわしき魔女”にして”背教の女魔将”、イリスのもとを訪れ。
そうして”アルゴス”の邪法をかけられ、『目』が不自由になったとのこと。
このことを糾弾すれば、”魔女”の信用も失墜する・・・とはいかない。
光神殿の本山をも落とした、”魔女”の権威は絶大であり。”最大の篤神”をやらかしたのに、”魔女”を糾弾する非難の声は小さく。
都市ウァーテルを牛耳る”魔女”の権勢は、それほどに強大であった。
そんな中で豪商の老人たちが『目が不自由になった』と、今さら訴えても。”魔女の悪行”を責める、『証拠』として成立するはずもなく。
大金を積まれたくらいで、”魔女の勢力”と敵対するのは、神殿にとってあまりにもリスクが大きすぎた。
『コ・ン・ニッチワーー』
「「「「・・*:-・‼?」」」」
しかし実際の状勢は、サディルフの想像をはるかに超えて最悪だった。
『透視の魔術』は壁を透過する。『攻撃魔術』は術者を巻き込まぬよう、手指から離れた空間を『起点』に発動する。
これらの術理を流用すれば、神殿の一室に『派手な光術式』を展開するなど造作もない。
「「「ヒ〇ィ*+ー―-ー」」」「グ;わwアアー‐∼ー!!」
そして神殿の祈祷所に、絶叫が響いた。
「・・・あれっ⁉『フォトンフラッシュ』に火力はないんだけど」
「太守閣下・・・この者たちには、『暗視を付与』なされていたのでは、ございませんか?」
「アハハッ、やだなぁ~ガルド将軍。
この前、集めた商人たちに『不幸を祓うおまじない』をかけたけど。ちょっぴり副作用に苦しむだけで、苦情を言われるだけだった。
こんな風になるのは、『ボクの術式』だけが原因じゃないよ~^・^」
「・・・*:・-・」
軽口を叩きながら、神殿の一室に押し入り。当たり屋と同じ表情で被害者を嘲笑する、イリスを陸戦師団副長はため息交じりに見ている。
まっとうな武人の彼からすれば、弱者をいたぶるイリスの言動は、眉をひそめるものだろう。周囲には護衛の重騎士たちもいるし、トップにふさわしい言動を、お願いしたいのだろうが。
「悪いけど、そろそろ権力を移譲して、名声も下げたいんだよね~」
「・・・承知しました」
言の葉と『光術信号』の二つで、イリスはガルド将軍に意思を伝える。その内容に、忠臣は頬を引きつらせながらも平静を装い。
護衛の重騎士たちに、神官と豪商たちを囲むように命じた。
そんな部下たちの配置が完了するのを待ち、イリスはおもむろに口を開く。
「そろそろ、この前の返事を聞きたいと、思ってね~
ついでに”刺客が持ち込んだ呪い”に巻き込まれた、商会主の皆さんには『大変な迷惑』をかけたから。お詫びに『商売のネタ』を持って来たんだけど…・・
光神殿と仲良くしている商会主には、必要ないよねっ」
「「「・・・:・⁉」」」
イリスの言葉に、『術式』の衝撃から回復してない、豪商たちの表情が歪む。
〔『商売のネタ』が欲しい!〕〔いったい、どういう状況なのだ⁉〕〔自分たちだけ『利権』を得られないのは不公平がすぎる!!〕
そんな思考が胸中で渦巻いているのだろうが。老獪なだけあって、身の危険も感じており、言葉を選んでいるのだろう。
「おォのれえー―――‼!:・:”この神殿まで破壊する気かっ⁉」
あるいは神官の失言を待っているのか?”魔女”の二文字を呑み込んだ狂信者を、冷ややかに見ながら、イリスは選択を迫る。
「まあ、お互い不幸な行き違いがあるようだし。
ボクの質問に誠実にコタえたら、この件は『なし』にしてもいいよー」
『”盗賊ギルド”に殺された、大勢の人々はどこに消えるのか』
〔その質問にとっとと答えろ〕と、いうイリスの通告に商会主たちは慎重に口を開き。
「無論、イリス様の御威光で・・・」
「世界の法則が、死者たちを冥界に・・・」
「弱者は強者の糧となるよう<*/…・」
言ってはいけない内容を、イリスに発してしまう。
「なんだか最低限の善政をしくと、甘ちゃんとか陰口たたかれるし。
ちょっと”暴君”ごっこでもしてみようか」
「おやめください、イリス様!
『例の術式』の件で、この者たちも生かすことになったのでは?」
「そうだったねっ/‘/`…と」
「「「・・・…⁺⁉」」」
『身体強化』を行ったイリスの両肩を衝撃が、かすめる。
そうして神殿の一部が、吹き飛ばされた。
ネタバレ説明:『錬金塩分』について
『塩』と認識したものを、『魔力』で覆う術式です。
それによって『塩』を可視化したり。塩を計量して、品質を解析する。肉・野菜や水に、溶けるのをコントロールする効果があります。
海水から塩を作ったりは、できませんし。溶液などから、既に溶けた『塩』を分離することもできません。
もともとは、歓楽街で顔役を務めるサヘルの使う。『錬金光術』の下位互換にすぎません。
精製塩を『魔力付与』によって覆い、あつかいやすくする『術式』です。
そのため干し肉をはじめとした、保存食を作るのに使われ。
保存食を作るのに、どの程度『塩』を使えば殺菌効果があるのか。獣肉の部位に、どのように塩を塗り込めば、美味・保存性を両立できるか。
そのデータを取るため、『塩』を可視化して保護するため。
『アルケミックソルト』は使われていました。
しかし物理法則を『魔術』が無視できない、この世界において。
C.V.の魔術への抵抗力は、『治癒術・ポーション』の治癒力にまで、抵抗してしまい。優れた医術があっても、『魔力を帯びた血液』を拒絶して、輸血できない有り様です。
そのため魔術抵抗に対処して、『治癒術』を使えるC.V.ヒーラーは、尊敬されているのですが。当然、人数が少なくて、とても手が回らず。
この状況に対処できる『生理食塩水』を、作れるかもしれないのが『アルケミックソルト』です。
無論、『生理食塩水』の使用には副作用も伴い。使用には専門知識が必要なのですが。
『錬金塩分』で作った、高品質?な『生理食塩水』を少量だけ用い。副作用を『身体強化』で乗り切る。そうして『疑似的な輸血』を行う、可能性があるのが『アルケミックソルト』であり。
『輸血』が可能になれば、『様々な手術』をしても、命をつなげられるかもしれない。
ナイキスが礼儀を投げ捨てるほど、動揺しているのは、そのためです。
そんなユニコーンのもととなった獣は『サイ』が有力だとのこと。古代世界の伝言ゲームで、サイが『ユニコーン』と伝えられ。”その角に薬効がある”と”デマ”が流れ、絶滅しかけているとのこと。
ネットが広がる現代世界でも、似たような状況であり。〔昔のことですね~〕と、言えないのが残念です。
ちなみに私はサイに続く、二番目の『ユニコーン』になった候補として。槍騎士・槍をふるう騎馬兵を推薦します。
単純に『弓騎兵・遊牧民の騎馬兵=ケンタウロス』だったなら。『ユニコーン』も『恐ろしい突進をする槍騎馬兵だったのでは?』と考えており。
騎士が戦場の華型だった時代でこそ、騎馬の武装は『槍の長柄武器』が当たり前になっていますが。
ユニコーンが登場した古代世界において、馬具・馬術のどちらも未熟であり。満足に槍をふるう騎兵は、貴重で恐れられた。鐙が発明されるまで、槍を馬上で操れる騎兵は、すさまじい脅威だった。
それに加えて、戦場で手柄を立てられるよう、馬に『ユニコーンの攻撃・突進力』が宿ることを望んだ。
こんな感じに『ユニコーン』は槍騎士・騎馬突撃に関わる、幻獣だと妄想します。
さすがに資料ゼロで、この説を推すのは厳しいですから。あくまで私の妄想ですけど。