385.混成都市での謁見:アルゴスセイバー:干し肉の作り方
『剣道』『弓道』は神聖なもの。
当然、その修練を行う『道場』『道具』も大事なものですが。あまり使われない〔『矢筒』に、神聖さを感じて〕と、言われても困るでしょう。
ちなみに私は博物館で大まかに、二種類の『矢筒』を観ました。
時代劇などに出てくる、円筒・直方体型の『矢筒』が一つ。そこに格子状に紐・木枠をつけて、『矢』が束にならないようにしている。
もう一つは『扇状の矢筒』で、要の部分が『矢筒』になっている。一本ずつ収納した『矢』を、扇状・孔雀の羽根のように開いて、収納している。
面白い『矢筒』だなーと思いました。
もっとも構造が精緻なため、製作コストが高く。さらに雨でぬれたりしたら、矢を収納できなかったり、整備に手間がかかる。
〔おそらく戦場で使うのは、難しいだろうな~〕と、推測する『扇状の矢筒』でした。
使者を装い、やって来た刺客を、イリスは一蹴し。
『自爆』すら封じたその刺客を、家臣に化けた大商人たちの眼前にさらす。
しかしイリスが率いるC.V.勢力は、刺客の不様をさらさせる程度で、終わらせる気は全くなかった。
「・・・・・アルゴスゲーム!!』
さて…哀れな刺客よ・・・オマエに課せられた、役目を果たせ」
「なにぃ⁉Iっtい」ナナw言っDぇー・-ー」
「「「「「「「「「「・・・:…?~・」」」」」」」」」」
『百眼巨人の縛錠』によって動きを封じられ、呂律の回らなくなっている。
シャドウに取り押さえられ、完全に無力化されたはずの刺客に、何ができるはずもない。
商会長たちも、刺客自身も、そう思ったところで”邪気”が漂い。刺客の背面が、血を吸った虱のごとく、膨張し始め。
『シ・ズ・マ・レ・・・そして着衣に宿り、影を作り・・・・・』
既に発動している『百眼巨人の魔導』が、刺客の着衣に仕込まれていた『呪力』に干渉する。
『発動条件』を狂わせ、あえて『大量の魔力』で抑え込み。
『ギGン,gアァァーーーー』
『影はめぐり、安らぎの闇と成り…傲慢にお前を観る客から対価を奪え!!!』
『呪力』が『光属性』に反発し、『闇属性』を帯びる。
だがイリスはその闇を認め、増強するにとどまらず。
謁見の間にいる者たちへ、その波動を拡散させた。
「「なぁっ…⁉」」『『『・・-!;・;!』』』「くっ…」
「「「ほgぇ・!!」」」「『「『オッ;⁺:ぉ‐*ー』」』」
「とりあえず我の後ろに…」「はい、旦那様」
「働きなさいよ、魔導師…」「・・・-・」
『呪力』の波動は、怪奇を呼ぶ。
謁見の間に立ち並ぶ、商会主たちから様々な『呪力』がにじみ出て。
それらは混じり、迷走しつつも。この場で最も高い『呪力』を発する、イリスのもとに這い寄り、集まり。
〔できれば、『魔鐘』に呪いを蓄えたいけど〕
〔ア*ネ*ウ*エ~*ー〕
〔もちろん、公の場で、そんなことするはずないよー・・〕
誘い出された『呪力』と違い、確実に呪い殺す『眼光』を放つ、妹分からイリスは視線を外す。そうして彼女にとっては、安全な処置を行うべく『剣』をかかげ。
『鍛冶場の煉獄…:剣士の命脈・・:汝は我の現身と成り
毒酒の霞、塔の破片、杯の血脂
諸々、陰の災いを受け、宿り、切り裂け・・・アルゴスセイバー!!』
イリスが構える『剣』へと、歪んだ魔力が引き寄せられていく。
それらは刀身を汚すと同時に、『剣』に魔力を宿らせ。次にやって来る『ナニか』を切り裂く『刃』へと、一瞬だけ成る。
「さあ、くるなら来なさいっ!」
本来、『百眼巨人が持つはずのない聖剣』を、イリスはふるい続ける。
速く、力強くふるいながら、時折いたわるように『鞘』へと納め。『魔術能力』を付与した、一時的な『聖剣』によって『吹き出た陰』を霧散させていき。
「マタネ、陽と対になり回るモノ…今度は神聖じゃない光として歓迎するよ」
〔・*・*・*…・〕
〔団長閣下⁉どうか、お怒りをぉ…〕
陸戦師団の主従二人が、そろそろ危険なことになるのを、イリスは視界の隅から外し。
改めて、招待した商会主たちに話しかける。
「皆さん、気分はどうですか?『胸やけ』がしたり、『五感』に不自由はありませんか?」
「「「「・・-*・」」」」「「「「・・・:…~?」」」」
「「これは、いったい…」」
口で問いかけつつ、イリスは商人たちの『眼球』を『アルゴスアイズ』で解析して、健康状態を調べていく。
『呪いに対処』する前と、現在の『眼球』にどのくらい差異があるか。充血を調べる以前に、目を保護して覆っている、『水気』の質・量を解析し。目の張り・『虹彩』など、『眼球』の表面を調べるだけでも、健常さを計る『情報』はいくらでもあり。
「どうやら皆さん健康な様子。
それじゃあ、催しも終わったし、帰っていいよー」
「お待ちください、イリス様!!いったい何が今、起こったのです!?」
刺客が捕らえられ、強力な『魔術』が行使された。
そこまでは商人たちも認識できたが、不気味なナニかがわからない。何もないところに、小娘が剣を振って、不可視のモノを切り裂いて?いたのは推測できるが。
詳細を語られず、詳細を知ることができない。それは不快と不満をもたらし。
商人たちからすれば・・・
〔〔〔〔〔何があったのか、真相を話せ〕〕〕〕〕と、言いたいだろうけど。
「教えっなーーー~い!」
「「「「「・・ー・…・」」」」」「「「「「・!-・・・」」」」」
イリスのふざけた返答で、謁見の間に沈黙が落ちる。
「ここで『歪んだ魔力』について、話すことは簡単だけど・・・
その『情報』に、商人として適正な対価を払えるの?
もう一つ、ボクは”光神殿”を叩き潰したけど…奴らの後釜に座る気は、欠片もないからね~
皆さん、冷静な判断ができると思うけど。万が一があるから、詳細は話せないかなっ⁉」
「「「「「「・・・・・ッ」」」」」「「「「「・・・-・…」」」」」
『魔術』すら扱えない商人たちに、もっと危険な『呪術』を教えるなど論外だ。たとえ今は『呪術』を使う気が全くなくとも。商売敵と争い、傾いた店を立て直すため、『呪術』に頼ってしまう。そのリスクを、イリスは少しでも減らしたい。
だったら秘かに『百眼巨人の魔導』『百眼巨人が持たぬモノ』を使い、”質の悪い呪い”を解くべきなのだろうけど。
「とはいえ高額の税金を納めてる君たちに『刺客退治を見せるためだけに、呼び出した』と、いうのは時間の浪費が過ぎるし。
特別に『ヒント』ぐらいは、あげようか」
「「「おおっ、ありがとうございます!」」」「「「感謝をっ・・」」」
「「「「・・・^⁺・」」」」
もったいぶったイリスの『言霊』に、商人たちが飛びつく。それは『呪いの楔』と化し、『金輝の魔導』を呼び込む『裏口』を形成していき。
「それじゃあ、ここからはイセリナに任せようか」
「承知しました、聖賢様!
残虐な盗賊ギルドは端金のために、他人を殺し
無知な奴隷商人は人を活かすことなく、浪費するのみ
そして秩序を唱え、生き血をすする愚劣に弔いはできず
かの者たちの死臭は、如何にして消されたか。
貴方たちは、考えたことがあるのか?」
『魔導王の黄金』をイセリナに発動させるふりをして、商人たちの反応をイリスは探る。
正直、『情報を抜き取る魔導』を使えば、手っ取り早く商人たちの胸中を探れるのだけど。
最近、『透視・遠見』で”盗賊ギルド”の拠点を、見透したばかりであり。
『魔術の制約』がだいぶ緩んでいる。
そのためグレーな商人たちに、読心に等しい『ソロモンゴールド』を乱用するのは、イリスのルール的に許されず。
イセリナには『魔導能力』の偽装発動を行ってもらい。
イリスは”少し怖い話”を商人たちに伝えた。
この世界の『魔術』は物理法則を無視できない。
だから物理的に不可能な『死者蘇生』は論外であり。
不滅不壊の『マジックアイテム』『空間魔導』も存在しないし、行使するのは不可能だ。
それは『死霊魔術』も同様であり。
石が水の流れによって、削られるように。『霊体』は大気中の『魔力』により、損耗・浄化?されてしまう。
『ゾンビ』のような『屍操術』も、『ネクロマンサー』だけが低コストで数を従えることは、不可能であり。『魔人形』『ゴーレム』1体を操るのと同様に、魔力コストがかかってしまう。
『術者』の技量が未熟なら、相応のスペックにとどまる。体がちぎれても動き続ける『ゾンビ』を使役するなら。武装させた方が戦闘力を、上げられるだろう。
「・・・とまあ、ここまでは『ネクロマンシー』の基礎なんだけど。
風が凪ぎ、よどむことがあるように。
大気中の魔力が循環しないと、『ネクロマンシー』のコストが下がったり。強制力が増して、通常では有り得ない『不死者』を使役してしまう」
「「「「「「「「「「・・・:…・」」」」」」」」」」
「戦場・スラムの遺体を、ろくに埋葬しなかったり。
”囚人・奴隷を安直に殺したり””下水道に放り込めば、屍が消える”と、いうことを大都市の人口で行えば。
死臭が漂い、『ネクロマンサー』が身の丈に合わない『力』をふるえる。そういう”冥界モドキ”になるんだけど・・・」
実際のところ、イリスたちが悪徳都市を落とすまで、”盗賊ギルド”が幅をきかせていた。魔術シロウトたちが、王様気分を味わっており。
『ネクロマンサー』たちは、『魔導の片鱗』にすら至れてなかった。
「この”フシギ”が、どうして発生したか。商人の情報網で、何か知らないかな?」
「それは、天上の『神』が加護を…」「・:⁉・バカっ」
「「「・・・*ー・」」」「「「「「・・・-;+!」」」」」
商会主の発言で、謁見の間に流れていた空気が一変する。
ここは”光神殿の本山”を壊滅させた、C.V.勢力の中心部だ。いくら善政をしいていても、その発言には注意が必要であり。
「やだなぁ~:ー”光神殿の生臭”なら、ともかく…
たかだか信者を弾圧するはず、ないじゃないか。どこの暴君なのかな~^~」
「そうですよね…ハッハッハ.ァ⁺:・`;」
「「「「「「「「「ッ*/:h…#;―-ーЖ」」」」」」」」」
年輩な商人たちの『受け』がいいように、イリスは友好的な口調で話していた。
それなのに”暴君”を見る視線を向けられ、謁見という『情報交換』の場は、半ば強制的に終了し。
謁見している間は、動揺していたくせに、最後に尻尾を出した。『質問』の答えを既に知っている”奴”を、イリスはしっかり捕捉した。
現在、不自然なくらいにぎわっている。
黒霊騎士C.V.をはじめ、少なくない冒険者たちも訪れているシグルスの街。
そこで最近、改装された高級酒場の一室で、ユングウィルは彼と面会していた。
「よう、兄弟っ!アヤメ姐さんにしぼられて、大変だったなぁ」
「どうも…タクマさん」
安くない料金を払った部屋に、高い酒・料理が所せましと並べられている。
本来なら仕事中だろうと、『接待』を理由にして、楽しむところだが。
ユングウィルの目の前に座る相手に、欠片も隙をみせるわけにはいかず。
ユングウィルは借りてきた猫のように、縮こまって着席の許しを待つ。
「おいおい、遠慮するなよ。さあ、仕事を忘れて、食べて飲め!!
アヤメの姐さんと面会をして、無事に帰ってきた。余所の人間が、それを成すなんて、ちょっとした勇者あつかいだぜ?」
〔そんなところに、アポ無しで放り込むな!〕と、ユングウィルが告げるためには、対等な立場が必要であり。タクマさんとユングウィルの立場は隔絶している。
しんなユングウィルの不満を察したのか。タクマさんは、まず謝罪してくる。
「・・・悪かったって。別に殺されそうになったわけじゃないだろう?」
「・・・・・〇:〇」
恐怖にふるえ、格上と戦い、命をすり減らす。
そんな戦場に等しい交渉を、年がら年中したくない。
ユングウィルは不毛な争いを調整する。あるいは”性悪な駄々こね”をしている、特権持ちの足元をすくうのが、せいぜいであり。
他人より珍しい功績だから〔大手柄を立てた〕と、周囲に錯覚させたにすぎない。
〔そして炎熱C.V.やナイキスさんを、呼び寄せると知っていたら・・・〕
果たして冒険者ギルドの交渉役など、務めていただろうか?
C.V.様たちに依存する、男娼まがいのことをしていたか。あるいは〔家名を取り戻す〕と、いう夢を達成するため、別の道を模索したかもしれない。
何故ならC.V.勢力とのつきあいは、”貴族に返り咲くのを阻害する”と、ユングウィルは感じているから。
そんなことを考えているユングウィルに、タクマさんは明るく話しかける。
「しゃ~ねぇなあ・・・それじゃあ、お前に儲けの種を教えてやる。
下級シャドウ?に頼めば、一発で財源の一つになるんだろうが。
今でも忙しい、あいつの『錬金光術』を、こき使ったら。(間違いなく、ぶち殺されるからなぁ)」
不穏なささやきと共に、ユングウィルに伝えられたこと。
それは『干し肉の作り方』だった。
ネタバレ説明:『アルゴスセイバー』について
作中にも書きましたが。
本来、『剣』の逸話などない『百眼巨人』に、『護法?剣』を持たせて、今生の『呪い』に対抗する。(『アルゴスゲーム』を発動した、イリスの認識では)軽度の『呪術』を、消去する呪術系の『魔術能力』です。
『神聖・聖なる力』を使いたくないイリスが、不幸をもたらす『呪術』を破壊したい。
そういう願望から編み出された『魔術能力』であり。
『術式干渉』と同様に。『呪術』の対象・向かう方向を、イリスのふるう『剣』に変えて。
『刃に帯びた呪力』を、一時的に『光刃に錬成』し。次に寄ってきた『呪術』を破壊する。
〔効率とか、リスク計算とか、色々とおかしい〕と、忠臣たちから非難の大合唱をされている。頭のおかしい『魔術能力』です。
イリスとしては『アルゴスゲーム』で場を支配したうえで。
〔格下の『呪術』を解呪してるだけ〕〔解析した『呪術』だし、安全マージンはとっている〕と、言っています。
ちなみに、この申告の信用性は半々であり。
混成都市などイリスの拠点で、高額な納税者を保護する場合は、余裕をもって使いますが。
戦場で仲間・配下にかけられた『呪術』に、対抗する際は『安全マージン』など、完全に度外視であり。
『イリスが最も得意とする、剣技で解呪を行う』と、いうイメージを通すため。『アルゴス』にありもしない『呪いを受ける邪剣』を造り。解呪をする『一瞬だけ聖剣』にする。
〔普通に『解呪』をすると、妹たちがうるさいから。激戦を繰り広げる、どさくさに『危険な解呪』をやってしまおう〕と、いう。
心底、頭のおかしい考えで、編み出された『デザイン』であり。
敵の呪術使いにとっては、『悪夢なデザイン』です。『剣技』で解呪をするのは、まあともかくとして。
心をすり減らす大激戦の真っ最中に、『解呪?』を行う・・・と同時に『呪術干渉』を並列発動し。『呪術返し』どころか、『呪術暴走』を引き起こし、大混戦に引きずり込む。
〔〔〔〔〔あいつは絶対に頭がおかしい〕〕〕〕〕と、敵から完全に”狂姫”あつかいされてしまう。
それが『アルゴスセイバー』の正体であり。
今回の使用は『試し斬り』をしたにすぎません。
以上、『アルゴスセイバー』のネタバレ説明でした。
少し説明:シャドウ一族による『干し肉』の作り方
『干し肉』:『衛生』・『魔術関連』をのぞき。ほとんど西洋中世の文明レベルなケイジアスにおいて。『干し肉』は貴重な保存食であり。同時においしくない、塩辛い食べ物にすぎません。
水・火(燃料)を食事に使う分だけ、自由に使える環境なら。
干し肉から、塩分をとり出してスープを作る。他の料理に、その塩分を流用することも可能でしょう。
(ちなみに”某ギルド”は”かまど税””井戸税”など、”重税”をかけており。
混成都市が成立した時点で、きっちりオハナシして、それらの”重税”は撤去されました。
乱用・浪費はダメですが、常識の範囲で『水道・かまど』は使えるようになり。
”某ギルド”は、住民から総スカンをくらったとか)
とはいえ旅人・冒険者たちにとって、『水』は貴重であり。料理を作れる『火』をつけるのは、けっこうな手間がかかります。
そのためシャドウ一族は、二つの方法で『美味しい干し肉』の作り方を模索しました。
それは『風術』によって、下処理を行う。『錬金術』によって、加工を行うというものです。
『風術による下処理』は、以前に少し書いた『獲物の血管に、風術球を通して血抜きをする』と、いうものであり。
肉が臭くなる原因となる、『獣の血』を風術球で押し出し、排出させる。血の匂いを『風術で感知』して、迅速かつ精密な『血抜き』を行う。圧縮空気を送風して、血を飛ばす。
〔そうして『質の良い肉』を素材にして、『干し肉』を作ろう〕と、いうのが下処理であり。
ほぼ『水術』でも代用できます。
ただしイリスの定めた『制約』で、『水術によるミイラ化』は絶対禁止になっており。干し肉の製造で、水分を抜くのに『水術』は使えません。
続いて『錬金術』による、『干し肉』作りについて。
忙しく、他にいくらでも儲かる『アイテム』を錬金できる。そんな『錬金術師』が、干し肉を錬成するはずありません。
そのためシャドウなど、他職業と兼用で『錬成』を行う。三流どころの『錬成』を行うわけですが。
『塩』『獣肉』以外の素材だけで、干し肉を作らないと赤字になる。今までの干し肉と同程度の『コスト』しか、かけられません。
そのため干し肉を作る、作業部屋に『結界』をはる。肉に『付与術』をかけ、適量の塩しか獣肉に含まれないようにする・・・などの方法は却下されました。
そうして採用されたのは『塩の錬成』であり。
干し肉を作るのに特化した『塩を錬成』する。しょっぱい干し肉から、『錬成して塩』を分離する。
殺菌作用のある薬草を『塩に錬成』して、少量の塩で干し肉を作りやすくする。
肉のほうも燻製にする。食糧を入れる袋・包む布に、雑菌が入らないよう、浄化の付与を行う。『塩の錬成』を大量に行い、コストを下げる・・・など。
『塩の錬成』以外にも、様々な作業が必要ですが。少しは雇用に貢献し、一般人と協力するプランがあり。
多少、値ははりますが、士気を高める経費と割り切っています。
以上、シャドウ一族による『干し肉』の作り方を、少し説明しました。
博物館に展示されていた『矢筒』。
一見、弓矢の付属物であり。展示物としては、刀・鎧と比べ地味に見えます。
しかし〔街道一の弓取り〕という言葉が、戦巧者の名将を示すように。
『弓矢・弓兵』を、どう運用するかが、軍勢を指揮するうえで要だった。
もっと言うならば、弓兵をどこに移動させ、待ち伏せさせるか?それが戦の勝敗を決したと愚考します。
そして『馬は山を移動・登るのが苦手だ』と、いう歴史研究から考えると。弓矢をあつかう兵士・武士たちは、和弓・太矢の重量物をもって、山の傾斜を移動しなければならず。
矢を収納する『矢筒』の重要性は、高かった。抜刀術のように、矢筒から矢を取り出し、弓につがえるのも、訓練が必要であり。ひょっとしたら速さを優先して、矢を弓につがえる技術も、存在したかもしれない。
そんな風に『矢筒』を見学して、色々と想像してしまう。博物館で楽しい見学を、させてもらいました。