375.閑話~微風と副団長
ギリシャ神話の『スフィンクス』についてのコラムは休みます。
皆さんは『龍騎』以降の仮面ライダーに変身したことは、あるでしょうか?
私はありませんけど。
『ベルトorドライバー』に『カード・メモリスティック』など、【小さな】変身ツールを差し込み。さらに『ドライバー』の仕掛けを動かして、変身ポーズを決める。
上記の件を書く・述べるだけなら容易ですけど。
撮影する時のように、カメラに目線をやり。『腰の変身ベルト』を見ないで、『小さな変身ツール』を『小さな装着部』にはめ込むのは容易ではない。
はっきり言って素人には不可能であり。
これだけだと特撮ネタに過ぎませんけど。
少しばかり突き詰めると、けっこうシャレにならないと愚考します。
参照:ネット版 仮面ライダーディケイド オールライダー超スピンオフ
『土下座』…それは『秘技』である。
嫌々、頭を下げる”偽謝罪”・面従腹背な”醜い姿勢”の類とは異なり。
全てに敬意をはらう。足で踏んでいる地面に感謝する。そうして相手の意表をつき、驚愕した間隙をつく。
そうして周囲に謝罪の『言霊』を放つ。それが『土下座』の奥義であり、始まりの拝礼と言える。
「そもそも俺の『カエルの動作』は、誰かに強制されていない。命運・地位が危なくなり、追い詰められて『フロッグアクション』をしたわけでもないんだ。
だから、そんなに騒ぐことじゃない…・・と愚考する次第でございます」
〔今、と違って〕と、いうセリフを胸中にしまいこみ。
シグルスを守る騎士団の詰め所で、ユングウィルはC.V.ナイキスさんから尋問を受けていた。
〔シグルスの街を守る騎士団が、詰め所を部外者に明け渡していいのか?〕
〔雰囲気、髪の色が変わっているけど。ナイキスさんはどうかしたんですか?〕
〔領主様の使者なら、死を覚悟して任務に取り組め。
ナイキスさんに怯えて、職務放棄するな!!〕
それらの本音を押し隠し。
先ほど炎熱C.V.5人に行った説明より、詳細な『弁明』をユングウィルは行っていた。
黒霊騎士団の副団長だけあって、ナイキスさんは知識・経験のどちらも炎熱C.V.班たちを上回っており。
『呪いをかけられカエルにされた王子(王女)?がいた。だけどカエルと化して、地べたにはいつくばっても、心の持ちようで呪いは解け。
幸せになった物語がある』
俺の『カエルのような動作』は、それをイメージしたものであり。惨めに敗北して、命乞いする『土下座』をしたのではない。
「領軍と黒霊騎士たちの両者が、不毛で偶発的な争いをするのを回避する。
そのために必要な『外交』・・・・・言わば『座礼』による奇襲を行っただけなんだ!!」
誠心誠意をこめて、ユングウィルはナイキスさんに語りかけ。
「そうですか…そういうコトでしたら、問題ありませんね」
「わかってくれたかっ…」
ユングウィルの主張がようやく通り、胸中で快哉をあげる。
勝利とは生死をかけた、戦場だけではない。誰もがそれぞれの分野で心身を削り、己の誇り・未来を獲得するのだ。
ユングウィルは弁論の場で連戦をこなし。そうしてC.V.たちを説得して勝利をつかみ取る。
この勝利は、きっと明日の幸せと成長につながるだろう。
「ですがユングウィル様は、どこで『座礼』を習われたのですか?
この周辺だとシャドウ一族の殿方、それもごく一部の方しか、土下座はしないようですけど」
「・・・・・-・;・…:」
「私は不安なのです。
〔女には強気で押して、絶対に譲るな!それでも男の形勢が悪いなら土下座して謝ればいい。それで女の怒りは鎮まるぞ〕と、いうような。
”古い悪習”に染まっていないか。私は不安でなりません」
〔バレてる…おもいっきりバレてるーー・-〕
多重婚・ハーレムと表現は様々だが。絶対権力者なはずの『王』ですら、後宮の女たちに気を使う必要があり。
ましてC.V.様たちとの重婚ともなれば。資産・魔術・情報に戦闘力と、多方面でユングウィルより優れている、女性たちに『包囲』されることになる。
チート英雄などではないユングウィルたちが、そこから逃れるなど論外であり。
せめて避難所・気分転換をする場として、男たちの同盟を作ろう・・・ということになり。
『(素人)外交』ぐらいしかとりえのない、ユングウィルがその運営に携わるのは、当然の流れだったのだが。
〔土下座してC.V.様たちから幻滅されれば、一人の時間が増やせるぞw〕
〔ちょっと助けたぐらいで、ハーレムに参加したがる魔性の女をふるいにかけられる!〕
〔『ちょっと』・・・?〕
シャドウ野郎たちの甘言に、うっかり乗るとこだったが。その”失言”でユングウィルは踏みとどまる。
『ちょっと』で厄介な魔物を狩り、攻略法を見出し、特効薬を作り。
あげくに強力なC.V.様の一族に、短期間で次々と希望をもたらしている。
そんな幹部シャドウの言葉を信じられるはずもなく。かと言って露骨に逆らい、シャドウの不興を買うのも破滅への一歩というもの。
考え抜いたユングウィルは、土下座というサプライズで利益をもたらす。
”不毛な争い”を止める『手札』の一つとして『フロッグアクション』を使いつぶしたわけだが。
〔純情な炎熱C.V.班のメンバーには通じても、修羅場をくぐっている副団長さんはお見通しか。だけどこのまま全面降伏するのも・・・〕
〔・・:・:…〕
そうしてユングウィルはダメもとで交換条件を出し。
やっぱり全面降伏を行った。
「・・・・・と、いう話を魔王の騎士から、うかがったのだが。
何か、申し開きはあるか?タクマ」
「・・・その~大昔に小耳にはさんだ、チンピラ理屈を*ッ;+*・・」
腹に衝撃を受けた・・・そう思った瞬間に、タクマの身体は宙を舞い。
せめて『受け身』を取ろうとするも。
『・ー・~・』
侍女頭で姐御で姉弟子?な、アヤメさんの『術式』で、一瞬だけ身体が緊張し。
次の瞬間、受け身を取り損ねた、タクマの身体が小屋の壁にたたきつけられる。
小屋の壁を破壊しないよう、威力を抑えた蹴りだったが。受け身をとれなかった身体が、驚愕を加算してタクマに痛みを伝達し。
「キサマもこれからはシャドウ幹部になる。
たまに羽を伸ばす程度ならば、ともかく。悪い遊びは控えるように」
「もちろんですっ、アヤメの姐御:*ォーー―ー‐」
顔面を片手でつかまれ、たかだかと持ち上げられる。
とっさに『呼吸法』で、タクマは窒息対策をこうじるも。
船が悲鳴をあげる『幻聴』が響くだけで、意識が飛ばされることはなく。
「*^/:ー://`・/…!;!!」
だからタクマは、つかまれてきしむ頭蓋の痛みにもだえ。
〔今日の姐御は、おヤサシイな~〕と、意識の片隅で考えていたのだが。
「ハァ…・・・どうやら私はキサマの評価を誤っていたようだ。
よって一族から監視役をつける・・霧葉ッ!」
「御前に」
「ぬ、なぁ!:⁉」
呼ばれて現れた女シャドウに、タクマは芝居・駆け引きでなく、心底から驚く。
何故なら霧葉さんは、藤次兄ぃの多重婚に加わる、予定の監視役と聞いており。
そもそもタクマには桐恵という、狂猛な女シャドウがつくのだ。
どう考えても容量を超えており。
〔女鎌切みたいに、オスに襲いかかってきたりして~^:^〕
〔知らないのか?女蜘蛛だって、オスをタベチャウ種類もいるんですよ?〕
そんな不毛なやり取りで、ほんのわずかでも人生の大墳墓?を忘れようとしたのだが。何故、この場に霧葉さんがいるのだろう?妹さんにふさわしい男か、タクマを査定する時間は終了したはずだが。
「そうかっ‼もっと詳しく査定するため…・・」
「よろしくねぇ…ダ・ン・ナ様」
「・・~・・ー・」
一縷の希望すら許されず、タクマに現実がつきつけられる。
だって霧葉さん、桐恵さんたちはハーレム以前に、結婚願望すらなく。
いくつか多重婚を維持する『ルール』が存在するとはいえ。はっきり言って当てにできない、C.V.様たちのハーレムルールを監視して。野郎シャドウが刺されたり、破滅したり、C.V.様の魅力に溺れないよう。
ハーレムの主である男に助け舟を出す。戦争種族ハーレムに対し、武力も使って調整を行う、偽婦人が霧葉さん姉妹の役割だったはず。
それなのに彼女がシグルスの街にいるなんて・・・・・
「むぅ…霧葉さんと桐恵さんが監視する担当が、交換に・・」
「・・なるわけ、ないだろう。どういうことか、説明してもらおう姉上?」
「あらあら…そんな怖い顔しないでよ、桐恵。
たかだか『竜爪獣』使いのシャドウでは怖くなるわぁ」
「ハァ・・・私はこれから黒霊騎士団と取引を結ぶ。
ハナシアイはそれが終わってから、遠くで行うように」
最強の侍女頭様ですら、既に持て余している。
その状況に、タクマは絶望的な事態を確信した。
『Slvg Adfk.:~:ー:ー』『ー+-+~+Vz.,hfkd Cnzfi』
冒険者ギルドの訓練場であり、闘技場を兼ねる施設。
そこには黒霊騎士団とシャドウ一族の者たちが、それぞれ数名集い。
それぞれ組織の副長二人を、緊張しながら見つめていた。
「・・確かにナイキス殿と確認しました」
「…同じく。アヤメ殿にお会いできて、光栄ですわ」
〔〔〔〔〔第一関門を突破…〕〕〕〕〕
二人の口上に一瞬、安堵の空気が流れるも。『術式』による身分確認など、”戦乱の証文”以下であり。これから行われる外交交渉の成功を保証するものではない。
せいぜい〔即座の殺し合いはしない〕と、いう程度の『会釈』みたいなものだ。
そんな不安にさいなまれている、配下の心情など知らぬように、お二人は言の葉で『契約』を結んでいき。
「それでは改めまして…シャドウ一族で侍女頭と副長を務めます。
風属性のアヤメ・姫沙薙と申します」
「先の名乗り、ご丁寧にありがとうございます。
6級闇属性C.V.を改めまして…
黒霊騎士団の副団長、5級天属性のナイキス・エル・ハーヴィルと申します」
魔術師で異能者のC.V.様は、本来なら異文化に寛容なのだが。それでもいくつかの例外事項は存在する。
”条約は破るためにある””法律は知ってる人だけの味方””騙される方が悪い”と、いう類な”賊のルール”は破滅と決まっており。
さらに『魔術式』の交換は、最大限の誠意が求められる。
そのため人間の名乗りと、C.V.勢力に属する者の『名乗り』は異なり。
今回の場合だと〔契約で不誠実なことをしたら、『名前』を楔にして『呪術式』をかけます〕と、いう威圧・脅迫の意味合いがある。
そんなアヤメ姐御とナイキス様の外交は、四凶刃のタクマですら近づきたくない、『魔力渦』のぶつかりあいであり。
〔こんな街中で、やめてください!〕と、勇気を振り絞って申し上げたいが。
「地水火風の四大属性を、同時に高レベルで展開できるというもの。感知ができる『虹属性』とは隔絶した暴威であり。
オレの正室は強いなぁーーー」
「「「「「・・・-;…」」」」」
黒霊騎士団・・魔王軍C.V.・・もしくは天属性C.V.様なのだろうか?
ナイキス様がユングウィル殿のハーレムで、正室の座を獲得するには『儀式』が必要であり。その『魔力』が炎熱C.V.班の5人に伸びて、覆っていく『意味』など、タクマは心底から知りたくなかった。
とはいえ、このまま『魔力の儀式』だけで『魔術の交換』が成立するなら、重畳であり。
「それでは『試し合い』をいたしましょう」
「承知しました。黒霊騎士団からは『デュラハンヘルム』を・・」
「シャドウ一族からは『重鎌』を提供しましょう」
先ほどと変わらない、穏やかなやり取り。
しかし、それは鞘から妖剣を抜刀する、寸前の静けさであり。
「総員、構えろ…始まるぞっ」
「「「「「・・・;…・」」」」」
「『竜角鬼』を…」「やめなさい、刹那の時間稼ぎにすら、ならないわ」
「「「・-・+・…ッ!!」」」「負けないっ!」
「「「ハァアーーーー!!!」」」
超常の域で、暴威をふるわれる方たちは、敵の『障壁』を通常攻撃??で破壊なさる。
それは闘技場などで、観客を守るための『障壁』すら、朝露も同然ということであり。
「落ち着いて、『魔剣』の一撃をたたきつけろ!
二人一組で当たれ・・・消耗した者は大盾に斜角をつけた下で休息しろ!!」
『ベリルバース‼』
〔まだ早いっ・・・〕
こうして闘技場の有効活用が始まった。
さて素人のチャレンジで、ライダーベルトに変身ツールを、差し込みそこねたたとしても。小さな変身ツールを取り落としたり。ベルト・ツールが傷つくだけで済むででしょう。(本物のファン・コレクターは激怒しますが)
しかし時代劇で使う『模造刀で納刀』する時、同様のことをしてしまうと。『鞘』を持つ左手指を自傷して、しまいかねない。
さらに侍の時代に『真剣の納刀』を失敗すると、突き指ですまない自傷をしてしまう。
泥酔・発熱・疲労や怨恨などで、興奮しているとき。あるいは才能・修練が足りなく、自分の実力を見定めていない三流剣士だと。
『真剣の納刀』を失敗するという、事故はいくらでも起こり得る。
そして面子・恨みつらみの世界において、左手の自傷は致命的な連鎖になります。
例えば”納刀もできないバカ”とウワサを流すだけで、殺し合いになってしまう。
”傷に汚物を塗る”と、いう類の”迷信治療”が横行していたら。そのまま破傷風にかかったり。”エセ祈祷”のお祓い代金で、しぼり取られる。
先日、観賞した【侍タイムスリップ】で、巧みな『納刀シーン』をアップで拝見してしまい。そんなことを考えました。