閑話~メイガスメイドの罠:ベリアルゲーム
メソポタミアの『スフィンクス』・・・検索してみたら、鷲の翼・ライオンの身体・女性の頭を持つ、怪物とのこと。
『翼を持つライオン』は、別の怪物を私が混ぜた誤認です。
大変、失礼しました。
さて、そんな『メソポタミアのスフィンクス』ですが、とてもイメージしにくい。
『ネメアの獅子』も、同様のことが言えますが。
現在ライオンが住んでない地域で『ライオンのモンスターがいる』と、『資料』で知っても。どうにもイメージが広がらない。
そもそも日本ファンタジー・特撮・アニメにおいて『ライオン=鬣の生えた雄ライオン』と、いうイメージではないでしょうか?
ロボアニメの『ゴライオン』では、珍しく鬣がない『メカライオン』が存在し。手塚先生の『ジャングル大帝』、ミュージカルの『ライオンキング』などに子・雌ライオンのキャラクターが登場しますけど。
〔それは例外でしょう〕と、言っていい稀少なアニマルドラマであり。
日本ファンタジーどころか、西欧の幻想美術でも『ライオン=鬣の生えたオス』と、いうイメージだと愚考します。
『魔術能力』というものがある。
『魔術』『異能力』のいいとこどりをした『術』であり。先人・異文化など、他者から『知識』の恩恵を受け、編み出される『魔術』の一系統です。
そんな『デザイン』を使用しているC.V.のフルルは、たまに残酷な事実に気付くことがある。
その一つは〔盗賊の技術は衰退している〕と、いうこと。
フルルが知る限り、『罠・鍵』の技術発展に関して、”シーフ”たちは全く寄与していない。
シーフが『宝箱』に仕掛ける罠は、毒針・毒煙・酸に爆発など。少ない手札から発展しておらず。
『罠・鍵』の技術開発を行っているのは、狩人・職人の皆さんであり。
”シーフ”はそれらを盗み奪い、文明の発展を阻害している。
加えて『警報』など、恐ろしい『罠・鍵』を製造しているのは、『迷宮』の魔力・仕掛けという有り様です。
そもそも”盗賊”が行っているのは、『新しい犯罪・凶行』を行うための下準備にすぎず。違法な情報収集であり。
女系種族C.V.にとっては、唾棄すべき”変態行為”です。
そんな状態でC.V.が”シーフ”を評価するはずもなく。
〔探索でシーフが役立つメリットより、覗き見による被害のほうが大きい〕
〔特に”誘拐魔の所業”は万死に値する。赤子をさらい脅迫するなら、連中を放置する都市ごと焼き払いたい〕
〔常在戦場・隙を見せるほうが悪いと、言うなら。『魔術・魔術能力』で無力化してから殺す。『狙撃・呪い』で一方的に抹殺する〕
このような意見が大勢を占めるC.V.勢力もあり。
”シーフ=暴行亜人”という認識で、〔”シーフは”見つけ次第に、攻撃すべき〕と広言するC.V.すらいる。
そんな中で悪徳都市に殴りこんだ、イリス様は穏健派であり。
イリス様とその配下たちは”盗賊ギルド”に容赦はしないものの。本当に足を洗い転職をした、元シーフは見逃しており。
加えて”盗賊ギルドを脱退するなど、許さん!”と『組織の掟』を叫ぶ。
そういう”幹部シーフ”たちを、永久に『この世』から退場させている。
〔そういうわけだから。フルルちゃんも”シーフ絶対殺すメイガス”みたいな、C.V.の評判を下げる。
伴侶として狙った人間男性が、引いてしまう無体はやめてね〕
〔‥・・・承知いたしました〕
フルルのごときに、選択の余地などあるはずなかった。
しかし魔王軍のシャルミナ様が参戦し。
勢力下においている、シグルスの街という場所でなら。
イリス様の『グローリーゲーム』を使用したばかりで、乱用が望ましくない、この時期に限ってならば。
何より”誘拐から、さらに闇討ちの連鎖でC.V.に害をなすシーフ”が、行動を起こすまで待っているほど。戦争種族C.V.は甘い軍団ではなく。
〔闘技場の利権に食い込もうと、”シーフ”たちに動きがあります。
連中をけん制し”出来レース”をやめさせる。闘技場で働く者、闘う者の身内が、”賭けの勝敗を操る”などの思惑で害されないよう。
”誘拐魔”たちを、徹底的に破滅させてください〕
〔かしこまりました、シャルミナ様〕
こういう命令を受け、フルルは暗躍を開始した。
「いたぞっ、こっちだ!」「このアマ、もう逃がさねぇ!!!」
「キサマが炎熱C.V.のフルルかっ!」
「そうですけど…”盗賊”が私に何か用ですか?」
シグルスの街の一画。あまり治安のよろしくない区画を、フードをはおったフルルは歩き回り。
そんな彼女を、人相のよろしくない連中が取り囲む。
「ボスがキサマをお呼びだ。黙ってついてこい!!」
「ええっ⁉イヤですけど」
「キサマの都合など知ったことか!おとなしく…」
問答無用とばかりに、ゴロツキたちの手が伸びてくる。
それに対し、フルルは落ち着いて『合言葉』を唱え。
『ベリアルトーチ』
「「「ひぅっ⁉」」」「キぃ+Rぉー‘ーっ!」「「どわぁあ!!」」
「ひるむなぁー;男の意地wオ‐ー~!;?!」
ゴロツキたちの身体に、次々と『妖火』が燃え上がる。ソレは全身に広がらず、表皮をわずかに焦がす『低温の妖火』にもかかわらず。
穢れた焔を目の当たりにした、”シーフ”たちは絶叫し恐慌に陥る。
その醜態は『火を怖がる』と、いうケダモノの本能を完全に逸脱しており。
「そんなに怯えないでくださいよぉ。まるで私が放火魔みたいじゃないですか。
威嚇の炎、玩弄の怪火・・・ユウカンなオスが怖がる火ではないでしょう?」
「てっ、てめぇHァ・・!;?」「治せっ!モドせぇ…;・」
「ひぃ・・ヒ、ヒィ!!」
フルルの挑発に対し、”シーフ”たちは虚勢すらはれず、戦意の失せた視線を向ける。そうして追い詰めすぎると〔窮鼠猫を嚙む〕と、いうこともあるのだが。
フルルの打った『布石』は、しっかり機能しており。
〔『無価値な◎◎』という呪縛がばらまかれた〕
〔金庫・宝箱の解錠に失敗すると、『ベリアルゲーム』に呪われる〕
〔早く『ベリアルゲーム』を解かないとタたなくなる。
オスの機能が減衰し。盗賊ギルドへの上納金が穢され、使えなくなる〕
こんなウワサがシグルスの街中に、短期間で流されたあげく。
〔盗賊のくせに鍵・罠も解けないのか?〕
〔あんな奴らに、金を納めるとかバカバカしい〕
〔そんなことを言ったら制裁されるぞ!
だけど一人でいるC.V.小娘を、捕らえることもできないようでは…〕
こんな悪評まで流れ。
シグルスの街に潜む”盗賊ギルド”は、何故か単独行動しているフルルを追いかけまわし。闘技場では使えない、フルルの『魔術能力』に翻弄されるも。
『侵略の火にして、不毛な戦輪。
悪辣な翼を持ち、虚飾の焦土に降りる者よ 先達の警鐘は響かず。
”仲直りし~ましょっ!”
偽りの正義は、渇きの灰を等しくもたらす。
かくして宴の皿は汚れ、杯は苦みをたたえ
毒酒と嘲笑をもって名誉を堕とす
ベリアルゲーム…・・・…?』
こうして和平協議を冒涜している、『災いの魔導能力』が白昼堂々と発動されてしまい。
「これで元”シーフ”とは仲良くする。
闘技場の『賭け金』で、リッチに暮らしてもらうことになりました^~^」
「「「「「・・・;・:・」」」」」
フルルの言葉を聞き、裏社会の住人たちから安堵の吐息がもれる。
いずれ破綻する和平だとしても。ひと時の平穏を得られ、呪縛の恐怖から逃れられる。
そう考えた連中は心の隙を作り。
『ベリアルゲーム』の本当の呪縛にからめとられていった。
無論、そんな甘い話などあるはずなく。勝手に元シーフにされたのに加え。
「”誘拐魔”な人買いは、”シーフ”じゃないから。
『仕掛けの業火』を解くまで、『無価値なオス』も解除されないですよぉ^:^」
「「「「「「「「「「・・・*・;…・」」」」」」」」」」
フルルのほうから和平条約を破ってきた。
〔世の中には『需要と供給のバランス』と、いうものがあるけれど。
売った娼婦・男娼を消耗させ、合法的に嬲り殺しにする。
そうやって娼館の人員を減らし、人身売買への必要性を高める。
そんな”誘拐魔”は絶対にユルさない。
そもそも直接、人殺しをしない”誘拐犯”は、”穏やか犯罪”と誤認されているようだけれど。
私の『魔術能力』を代償にしてでも、”誘拐魔”たちは破滅させるから〕
ちなみにこれらのことをシャドウ様のコネを使って、色町住人の一部に説明し。待遇改善の『誠実な契約』を結んだら。
心当たりのある『職業人』の協力もめでたく得られ。
情報収集を行い、流言があっという間に広がったとか。
ネタバレ説明:『ベリアルゲーム』について
『無価値な悪戯』『悪辣な玩弄』と訳される、『破滅の魔導』であり。
術者は敵勢力に対する、効率よく攻撃できる『特攻』を獲得し。さらに名誉を貶め、忘却させる『催眠・広報』の術式を得たり。
”脅迫”を行う際、その対象を威圧・混乱させてしまう。悪魔な『魔導能力』です。
『名声⇔魔力』を操り、転換する。敵の『権威・記録』を貶めたり、抹消する『クローリーゲーム』という『魔導能力』がありますが。
それと似た系統で、敵を破滅させることを重視した『魔導能力』です。
もっとも『グローリーゲーム』の使用者は、イリスのように凶悪・狂猛・最凶の戦闘力によって、犠牲者を蹂躙する必要があり。
『ベリアルゲーム』は弱い下位C.V.が使用する分、追加の代償を必要とする。『特攻』という敵戦力を打倒する『付与』がつく分、厄介な代償を必要としています。
1)敵勢力を破滅させた後、『ベリアルゲーム』は封印される。
2)『ベリアルゲーム』に絡めて、使用していた『魔術能力』のスペックが大幅に下がる。
3)『ベリアルゲーム』を使用したことに伴う戦果は評価されず、報償は一切与えられない。
4)『ベリアルゲーム』を使用する目的は、敵を破滅させることに限定され。
その敵と和解したり、協力することすらない。
大まかにこれらの制限を課されますが。敵勢力が強大・有能で、術者の手に余る場合だと。さらなる『代償・負荷』が課され、『ベリアルゲーム』の威力・強制力を増強する必要があり。
その『代償』の際限がなくなってしまう。『悪魔との契約』という面を持ち。
魔術文明を持つC.V.ですら、使用にはリスクを伴う。使用者が暴走するなら、同族のC.V.から粛正されることすらありうる。
危険極まりない『魔導能力』です。
なお『ベリアルゲーム』に性欲を低下させる効果はなく。『媚薬』とは真逆の『鎮静剤』などを塗り、ハッスルさせない小細工を弄していました。
以上、『ベリアルゲーム』のネタバレ説明でした。
そのため『鬣』が生えるはずもない、メソポタミア・ギリシャのスフィンクス(スピンクス)は、認識すらされていない。
〔人気がどうの・・・〕以前の問題であり。
『ギリシャ神話の挿絵・コミックには登場する』
『スフィンクスが登場する、ギリシャ神話の絵画に描かれている』
『バスタードで、雌雄スフィンクスが魔将軍に率いられ・・・略』
RPG ・カードゲームのモンスターには、さすがに『女顔スフィンクス』もいるでしょうけど。
昔のファンタジーのほうが、『女顔スフィンクス』は登場していた。情報があふれている現代のほうが、『スフィンクス』の出番は減っている。
〔はやりすたり〕と、いうか。
〔他に魅力的なモンスターが、いくらでもいるのだから。わざわざスフィンクスを出さなくていい〕と、いう感じがします。
もっとも私に他人様のことを、どうこう言う資格はなく。個人的にファンタジーのネタとして、スフィンクスは候補にすらなっていない。
イメージの範囲外にいるというか。頭では魅力があると考えるのですが。
感性的に〔スフィンクスは全く想像できない〕と、いう有り様です。