表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
364/422

閑話~メイガスメイドの罠:ベリアルゲーム

 メソポタミアの『スフィンクス』・・・検索してみたら、鷲の翼・ライオンの身体・女性の頭を持つ、怪物とのこと。

 『翼を持つライオン』は、別の怪物を私が混ぜた誤認です。

 大変、失礼しました。


 さて、そんな『メソポタミアのスフィンクス』ですが、とてもイメージしにくい。


 『ネメアの獅子』も、同様のことが言えますが。

 現在ライオンが住んでない地域で『ライオンのモンスターがいる』と、『資料』で知っても。どうにもイメージが広がらない。


 そもそも日本ファンタジー・特撮・アニメにおいて『ライオン=たてがみの生えた雄ライオン』と、いうイメージではないでしょうか?

 ロボアニメの『ゴライオン』では、珍しくたてがみがない『メカ(・・)ライオン』が存在し。手塚先生の『ジャングル大帝』、ミュージカルの『ライオンキング』などに子・雌ライオンのキャラクターが登場しますけど。


 〔それは例外でしょう〕と、言っていい稀少なアニマルドラマであり。

 日本ファンタジーどころか、西欧の幻想美術でも『ライオン=鬣の生えたオス』と、いうイメージだと愚考します。

 『魔術能力デザイン』というものがある。


 『魔術(知識)』『異能力(才能)』のいいとこどりをした『術』であり。先人・異文化など、他者から『知識』の恩恵を受け、編み出される『魔術』の一系統です。


 そんな『デザイン』を使用しているC.V.のフルル(メイガスメイド)は、たまに残酷な事実に気付くことがある。


 その一つは〔盗賊の技術(罠・鍵開けを行う)は衰退している(のに賊はいらない)〕と、いうこと。


 フルルが知る限り、『罠・鍵』の技術発展に関して、”シーフ”たちは全く寄与していない。

 シーフが『宝箱』に仕掛ける罠は、毒針・毒煙・酸に爆発など。少ない手札から発展しておらず。


 『罠・鍵』の技術開発を行っているのは、狩人・職人の皆さんであり。

 ”シーフ”はそれらを盗み奪い、文明の発展を阻害している。

 加えて『警報アラーム』など、恐ろしい『罠・鍵』を製造しているのは、『迷宮ダンジョン』の魔力・仕掛けという有り様です。


 そもそも”盗賊”が行っているのは、『新しい犯罪・凶行』を行うための下準備にすぎず。違法な情報収集(のぞき・盗み聞き)であり。

 女系種族C.V.にとっては、唾棄すべき”変態行為”です。


 そんな状態でC.V.が”シーフ”を評価するはずもなく。


 〔探索でシーフが役立つメリットより、覗き見による被害デメリットのほうが大きい〕

 〔特に”誘拐魔の所業”は万死に値する。赤子をさらい脅迫するなら、連中を放置する都市ごと焼き払いたい〕

 

 〔常在戦場・隙を見せるほうが悪いと、言うなら。『魔術・魔術能力』で無力化してから殺す。『狙撃・呪い』で一方的に抹殺する〕


 このような意見が大勢を占めるC.V.勢力もあり。

 ”シーフ=暴行亜人(ゴブリン・オーク)”という認識で、〔”シーフは”見つけ次第に、攻撃すべき〕と広言するC.V.すらいる。


 そんな中で悪徳都市(盗賊ギルド)に殴りこんだ、イリス様は穏健派であり。

 イリス様とその配下たちは”盗賊ギルド”に容赦はしないものの。本当・・に足を洗い転職をした、シーフは見逃しており。


 加えて”盗賊ギルドを脱退するなど、許さん!”と『組織の掟』を叫ぶ。

 そういう”幹部シーフ”たちを、永久に『この世』から退場させている。



 〔そういうわけだ(もう充分殺した)から。フルルちゃんも”シーフ絶対殺すメイガス”みたいな、C.V.の評判を下げる。

  伴侶(標的)として狙った人間男性が、引いてしまう無体はやめてね〕


 〔‥・・・承知いたしました〕


 フルルのごときに、選択の余地などあるはずなかった。





 

 しかし魔王軍(強硬派)のシャルミナ様が参戦し。

 勢力下においている、シグルスの街という場所でなら。

 イリス様の『グローリーゲーム』を使用したばかりで、乱用が望ましくない、この時期に限ってならば。


 何より”誘拐から、さらに闇討ちの連鎖でC.V.に害をなすシーフ”が、行動を起こすまで待っているほど。戦争種族C.V.は甘い軍団ではなく。


 〔闘技場の利権に食い込もうと、”シーフ”たちに動きがあります。

  連中をけん制し”出来レース”をやめさせる。闘技場で働く者、闘う者の身内が、”賭けの勝敗を操る”などの思惑で害されないよう。


  ”誘拐魔”たちを、徹底的に破滅させてください〕


 〔かしこまりました、シャルミナ様〕


 こういう命令を受け、フルルは暗躍を開始した。




 

 「いたぞっ、こっちだ!」「このアマ、もう逃がさねぇ!!!」

 「キサマが炎熱C.V.のフルルかっ!」


 「そうですけど…”盗賊”が私に何か用ですか?」


 シグルスの街の一画。あまり治安のよろしくない区画を、フードをはおったフルルは歩き回り。

 そんな彼女を、人相のよろしくない連中が取り囲む。


 「ボスがキサマをお呼びだ。黙ってついてこい!!」


 「ええっ⁉イヤですけど」


 「キサマの都合など知ったことか!おとなしく…」


 問答無用とばかりに、ゴロツキたちの手が伸びてくる。

 それに対し、フルルは落ち着いて『合言葉コマンドワード』を唱え。


 『ベリアルトーチ』


 「「「ひぅっ⁉」」」「キぃ+Rぉー‘ーっ!」「「どわぁあ!!」」

 「ひるむなぁー;男の意地wオ‐ー~!;?!」


 ゴロツキたちの身体に、次々と『妖火』が燃え上がる。ソレは全身に広がらず、表皮をわずかに焦がす『低温・・の妖火』にもかかわらず。

 穢れたほむらを目の当たりにした、”シーフ”たちは絶叫し恐慌に陥る。


 その醜態は『火を怖がる』と、いうケダモノの本能を完全に逸脱しており。


 「そんなに怯えないでくださいよぉ。まるで私が放火魔みたいじゃないですか。

  威嚇いかくの炎、玩弄がんろうの怪火・・・ユウカンなオスが怖がるモノではないでしょう?」


 「てっ、てめぇHァ・・!;?」「治せっ!モドせぇ…;・」

 「ひぃ・・ヒ、ヒィ!!」


 フルルの挑発に対し、”シーフ”たちは虚勢すらはれず、戦意の失せた視線を向ける。そうして追い詰めすぎると〔窮鼠きゅうそ猫を嚙む〕と、いうこともあるのだが。


 フルルの打った『布石』は、しっかり機能しており。


 

 〔『無価値な◎◎(ベリアルゲーム)』という呪縛がばらまかれた〕

 〔金庫・宝箱の解錠に失敗すると、『ベリアルゲーム』に呪われる〕

 

 〔早く『ベリアルゲーム』を解かないとタたなくなる。

  オスの機能が減衰し。盗賊ギルドへの上納金がけがされ、使えなくなる〕



 こんなウワサがシグルスの街中に、短期間で流されたあげく。


 〔盗賊のくせに鍵・罠も解けないのか?〕

 〔あんな奴らに、金を納めるとかバカバカしい〕

 

 〔そんなことを言ったら制裁されるぞ!

  だけど一人でいるC.V.小娘フルルを、捕らえることもできないようでは…〕


 こんな悪評まで流れ。

 シグルスの街に潜む”盗賊ギルド”は、何故・・か単独行動しているフルルを追いかけまわし。闘技場では使えない、フルルの『魔術能力ミミックインフェルノ』に翻弄ほんろうされるも。



 『侵略の火にして(ふ~^ー、まいった)不毛な戦輪(参りました)


  悪辣な翼を持ち(やっぱりたった)虚飾の焦土(一人のC.V.)に降りる者よ(小娘では、盗賊) 先達の(ギルドに)警鐘は響かず(勝てそうもないし)


  ”仲直りし~ましょっ!”

  

  偽りの正義は(もちろん)渇きの灰を(アナタたちへの)等しくもたらす(魔術能力は解きますし)


  かくして宴の(和平の証として)皿は汚れ、杯は(闘技場の経営に)苦みをたたえ(協力してもらう)

 毒酒と嘲笑(というのは)をもって名誉を堕とす(いっかが^~^ー)

  

  ベリアルゲーム(悪い話じゃない)…・・・…(でしょう)?』



 こうして和平協議を冒涜している、『災いの魔導能力(ベリアルゲーム)』が白昼堂々(言の葉と共に)と発動されてしまい。


 「これで”シーフ”とは仲良くする。

  闘技場の『賭け金』で、リッチに暮らしてもらうことになりました^~^」


 「「「「「・・・;・:・」」」」」


 フルルの言葉を聞き、裏社会の住人たちから安堵の吐息がもれる。

 いずれ破綻する和平だとしても。ひと時の平穏を得られ、呪縛(ED)の恐怖から逃れられる。


 そう考えた連中は心の隙を作り。

 『ベリアルゲーム』の本当(広報)の呪縛にからめとられていった。




 無論、そんな甘い話などあるはずなく。勝手にシーフにされたのに加え。


 「”誘拐魔”な人買いは、”シーフ”じゃないから。

  『仕掛けの業火(ミミックインフェルノ)』を解くまで、『無価値なオス(ベリアルゲーム)』も解除されないですよぉ^:^」


 「「「「「「「「「「・・・*・;…・」」」」」」」」」」


 フルルのほうから和平条約を破ってきた。


 



 〔世の中には『需要と供給のバランス』と、いうものがあるけれど。


 売った娼婦・男娼(ニンゲン)を消耗させ、合法的・・・なぶり殺しにする。

 そうやって娼館の人員を減らし、人身売買への必要性ニーズを高める。


 そんな”誘拐魔”は絶対にユルさない。


 そもそも直接、人殺しをしない”誘拐犯”は、”穏やか犯罪”と誤認されているようだけれど。

 私の『魔術能力ミミックインフェルノ』を代償イケニエにしてでも、”誘拐魔”たちは破滅させるから〕


 ちなみにこれらのことをシャドウ(サヘル)様のコネを使って、色町住人の一部に説明し。待遇改善の『誠実な契約』を結んだら。

 心当たりのある『職業人・・・』の協力もめでたく得られ。


 情報収集を行い、流言があっという間に広がったとか。 



 








 ネタバレ説明:『ベリアルゲーム』について


 『無価値な悪戯』『悪辣な玩弄』と訳される、『破滅の魔導』であり。

 術者は敵勢力に対する、効率よく攻撃できる『特攻バフ』を獲得し。さらに名誉をおとしめ、忘却させる『催眠・広報』の術式を得たり。

 

 ”脅迫”を行う際、その対象を威圧・混乱させてしまう。悪魔な『魔導能力』です。



 『名声⇔魔力』を操り、転換する。敵の『権威・記録』を貶めたり、抹消する『クローリーゲーム』という『魔導能力』がありますが。

 それと似た系統で、敵を破滅させることを重視した『魔導能力』です。


 もっとも『グローリーゲーム』の使用者は、イリスのように凶悪・狂猛・最凶の戦闘力によって、犠牲者を蹂躙する必要があり。


 『ベリアルゲーム』は弱い下位C.V.が使用する分、追加の代償を必要とする。『特攻』という敵戦力を打倒する『付与バフ』がつく分、厄介な代償を必要としています。


1)敵勢力を破滅させた後、『ベリアルゲーム』は封印される。

2)『ベリアルゲーム』に絡めて、使用していた『魔術能力ミミックインフェルノ』のスペックが大幅に下がる。

3)『ベリアルゲーム』を使用したことに伴う戦果は評価されず、報償は一切与えられない。

4)『ベリアルゲーム』を使用する目的は、敵を破滅させることに限定され。

 その敵と和解したり、協力することすらない。


 大まかにこれらの制限を課されますが。敵勢力が強大・有能で、術者の手に余る場合だと。さらなる『代償・負荷』が課され、『ベリアルゲーム』の威力・強制力を増強する必要があり。 


 その『代償』の際限がなくなってしまう。『悪魔との契約』(自らも破滅)という面(するリスク)を持ち。

 

 魔術文明を持つC.V.ですら、使用にはリスクを伴う。使用者が暴走するなら、同族のC.V.から粛正されることすらありうる。

 危険極まりない『魔導能力』です。



 なお『ベリアルゲーム』に性欲を低下させる効果はなく。『媚薬』とは真逆の『鎮静()』などを塗り、ハッスルさせない小細工を弄していました。



 以上、『ベリアルゲーム』のネタバレ説明でした。

 そのため『たてがみ』が生えるはずもない、メソポタミア・ギリシャのスフィンクス(ス()ンクス)は、認識すらされていない。

 〔人気がどうの・・・〕以前の問題であり。


 『ギリシャ神話の挿絵・コミックには登場する』

 『スフィンクスが登場する、ギリシャ神話の絵画に描かれている』

 『バスタード(ダークシュナイダー)で、()雄スフィンクスが魔将軍に率いられ・・・略』


 RPG ・カードゲームのモンスターには、さすがに『女顔スフィンクス』もいるでしょうけど。

 

 昔のファンタジーのほうが、『女顔スフィンクス』は登場していた。情報があふれている現代のほうが、『スフィンクス』の出番は減っている。


 〔はやりすたり〕と、いうか。

 〔他に魅力的なモンスターが、いくらでもいるのだから。わざわざスフィンクスを出さなくていい〕と、いう感じがします。


 もっとも私に他人様のことを、どうこう言う資格はなく。個人的にファンタジーのネタとして、スフィンクスは候補にすらなっていない。

 イメージの範囲外にいるというか。頭では魅力があると考えるのですが。


 感性的に〔スフィンクスは全く想像できない〕と、いう有り様です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ