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閑話~妖精霊騎士 vs 炎熱C.V.チーム:デュラハンフェイス

 忠臣蔵には”おかしなところ”が、山ほどありますが。

 その中の一つに『赤穂浪士たちが、ほぼ無傷で討ち入りを成功させた』と、いう点があります。


 その理由として『装備を整え、入念な下調べを行い、作戦を立てて討ち入りを行った』と、いう。要約すると『赤穂浪士たちが備えを充分に行ったから、吉良家を圧倒できた』とのことですけど。


 私はそれに納得できない。創作時代劇・ラノベ主人公ならともかく。

 食うや食わずのの貧乏浪士どもが全員、武術の達人であり。吉良家の家人・用心棒を皆殺しにして、返り血すら浴びてない。実戦経験などなく、老人・元服したばかりの若者たちが、深夜に初めて侵入する屋敷で無双モドキを成し遂げた。


 そんなことが『史実(現実)』で可能なのでしょうか?私は無理だと愚考します。


 しかし赤穂浪士たちの主張では、討ち入りに参加した者たちは無傷に近いとのこと。

 その事実に対し”毒だ暗殺だ”と、いう類の妄想で中傷する気はありません。


 ですが今年、コメディな忠臣蔵の映画を観て、ようやく違和感の正体に気付きました。

 それは大半の忠臣蔵で、赤穂浪士たちに返り血が無いのに加え。


 討ち入りを仕掛けられた、吉良邸から『女性』たちが消えていることです。

〔魔術師は人でなしだ〕と、言われている英雄大戦がある。

 戦姫兼魔女である黒霊騎士団(カオスヴァルキリー)の一員として〔そんなことはない!〕と、ナイキスは宣言したいところだが。物騒な現状において、それは困難なことであり。




 『バーストフレア!!!』

 『バルカン!!』×2


 閃光と共に紅蓮の炎が放たれ。

 その『光炎』に追随して、『小火弾』の群れがナイキスに殺到する。

 冒険者たちをおとりにして隙をついた連携は、なかなかに厄介だけど。


 ナイキスの『妖精霊騎士デュラハン』を理解していれば、有効打になったかもしれない。



 『心臓にて命脈を刻む、かぶとの眼光  片腕に座せし、仮面にして鎧のいただき


  怪奇と魔力、妖精と精霊の連関れんかんを持ちて 


  影なき揺らぎに、静寂をもたらせ・・・ 


  首無し騎士の怪奇(デュラハンフェイス)


 『頭髪』に魔力を流し、ナイキスの表情を恐ろし気に加工していた。

 だが『偽りの首無し騎士(デュラハン)』を装っていた『術式』は、楽しいお面ではない。

 一般の黒霊騎士C.V.にとっては、頭部を防護する『兜』であり。ナイキスにとっては、高威力の『魔術』に対抗するため、『魔力を蓄える護符』を兼ねる。



 その魔力を解放することで、膨大な『魔力の強制力』により『バーストフレア』の高熱を霧散させ。


 [決闘とはいえ、血生臭い殺し合いは、したくないのだけど]


 片腕にかかえた、頭の入ってない『魔術兜マジックヘルム』から、言の葉を発する。

 同時に『バーストフレア』の魔力を伴う衝撃波を、ナイキスは『髪の兜』で受け止めた。

 刃帯衣ソードケープ刃の髪(エッジヘアー)などの精緻さに、ほど遠い『無骨な術式(髪のカブト)』が、首への負荷すら一切通すことを許さず。


 「・・・それは、申し訳ございません」

 「・;ッ⁉」「「「・・・…・」」」


 毅然と背筋を伸ばすナイキスの姿に、フレイシアたちC.V.兵士チームは動揺を隠せないでいた。

 本来なら〔一度で効かなければ、効くまで『バーストフレア』を撃ち続ける〕と、いう戦いを彼女たちはしてきたのでしょうけど。


 乾坤一擲けんこんいってきの策が破られた、防御術士ディフェンダーのフレイシアが率いるチームは防御型の集団だ。そんな彼女たちが、奇襲以外で格上C.V.(ナイキス)の防御を破るのは絶望的であり。


 さらに『決闘ルール』に縛られて戦う。 

 格上のナイキスを『殺さず』に、降参させるか戦闘不能にするのは、勝利条件をさらに困難にしてしまい。


 「冒険者たちをけしかけた・・・本当の対戦相手は貴女たち(バイスラー)と、いうことでいいのかしら」


 「いかにも。8級火属性のC.V.フレイシアおよびチーム(バイスラー)も含めた5名。

  ハーレムの地位を賭けて、ナイキス様に決闘を挑みます!」


 「いいでしょう…受けて立つわ!!」


 こうして本当の決闘が始まったのだが。

 既に『バーストフレア』をしのぎ、解析して、対抗策を組み立てている。

 ナイキスにはかなりの余裕があり。


 「このっ‼」『ヒートクロー!』『ファイアニードル』


 「無駄よ・・・『デュラハンゲーム!』」


 白兵戦を挑むフィニーたちを、ナイキスは落ち着いて迎え撃つ。

 『妖精霊騎士の凱装(デュラハンゲーム)』で再び表情を加工(顔を隠)して、闇の鎧によって『動作の起こり』を覆い隠し。


 黒霊騎士のパワー・『闇属性魔術』のけん制(放つフリ)を駆使して、まずはメイガスメイド二人に襲いかかった。


 「『焦熱動床バーンスライダー!!』・・・フルルとフリスは後退っ!

  二人は援護と創魔導士フラミアの護衛をお願い。私が前に出る!」


 その攻撃を『移動床の術式(バーンスライダー)』によって、フレイシアはメイガスメイド二人を後退させ、しのぐものの。

 同時にナイキスはフレイシアの切り札を察してしまい。


 「この決闘・・・私が勝たせてもらう!」


 「何をっ・・⁉」


 『デュラハンチャレンジ!!!』


 闘技場の地面に対し、踏みしだいた『足跡』を目印・起点にして、ナイキスは『呪術』をかける。『足跡』という点をつないだ、広範囲に重鎧の『防御術式』をかけ。

 闘技場を『デュラハンゲーム』の陣地へと変成させていき。 


 「この場で『バーンスライダー』による移動ができるか、魔力消費コストは今まで通りなのか?私に教えてくれないかしら」


 「『バーンスライダー』はフレイシアの『魔術能力(誇り)』よ。

  そうやすやすと、破れると思うなっ!」


 そう告げてフレイシアは地面を滑るように移動するも。

 他のメンバーを『バーンスライダー』に乗せる頻度は激減してしまい。


 「なめるなーー‘-ッ‼」「「「・・-+・」」」


 〔このまま、確実に押し込む・・・〕


 決闘の流れは、完全にナイキスがつかんでいた。


 


 







 炎熱C.V.4人を率いるフレイシアは、冒険者たちを雇って8級C.V.ナイキス様にけしかけた。

 衆目がある訓練場(闘技場)の決闘で、その行いは後日に悪影響をもたらす。

 決闘ルール・約束事を破る、”小細工”を肯定する『前例』になるかもしれない。


 とはいえフレイシアたちは『戦争種族C.V.』であり。どうしても勝たねばならない『戦い(決闘)』がある。


 本来、フレイシアたち炎熱C.V.(チーム)が受けるはずだった、騎士・魔術師協会勢力との『決闘』をナイキス様に、割り込まれ奪われ。

 その”横暴”を認める・・・幾ばくかの『対価』で了承するのは、今後も永遠にナイキス様の言いなりになることを意味する。



 〔また(・・)言いなりになるというの?〕

 〔ヤダ、ヤダ、ヤダッ・・〕〔イヤよっ…`・・・〕

 〔何とかなりませんかしら…〕



 兵士C.V.として、戦場で散るか、生き延びるかは時の運だけど。


 〔多重婚ハーレム後塵こうじんを拝するのは、もううんざり〕と、いうのがチーム(バイスラー)の総意であり。


 〔黒霊騎士団長シャルミナ様と『契約』を結べるなら、ヒトとの『決闘』()、お譲りいたします〕


 〔・・・仕方ありませんわね。『決闘』を3連戦にして、最終戦に乱入するのを認めましょう〕


 〔寛大な差配に、感謝いたします。

  勝利の暁には、私をユングウィル様の・・:・敗北した時には・・・〕


 〔ソレは認められませんわ。敗北の『代償』は・・-・`〕


 こうしてフレイシアはシャルミナ様を通じて、ナイキス様との『決闘』にこぎつけたのだが。





 「はぁあーーっ!!」『ファイアーウィル!』『ファイアアローズ‼!』


 フィニーが切りかかり、それをメイガス(フルルと)メイド(フリス)が援護する。

 『身体強化(ファイアー)の付与(ウィル)』が前衛フィニーにかけられ、『十数本の火術矢(ファイアアローズ)』が援護をするも。


 「・・-・ッ」([デュラハンゲーム(ガイストクライ)])


 強化された斬撃が受け止められ、『魔性の咆哮(ガイストクライ)』が放たれる。

 フィニーの身体を盾にして、『魔力』が震動し。フルルたちの『魔術』が霧散させられ。


 「そろそろ準備はできたかな?」


 「なめるなぁーー/*!:」


 (ヘビーアッ・・)


 フィニーの身体が弾き飛ばされ、同時に追撃の『闇属性魔術ヘビーアッシュ』が展開される。

 

 『焦熱動床バーンスライダー‼』『おとりの怪火(デコイフォービー)


 それに対しフレイシアは死に体のフィニーを『バーンスライダー』で移動させ。

 フラミアは『ヘビーアッシュ』の標的を、『おとりの怪火』へと、かろうじて移動させる。


 だがそれはフレイシアの切り札である『バーンスライダー』の情報を開示する。

 『敵味方の双方を、移動させられる』と、いう『大事な手札』を観客の目にさらすことであり。


 同時に炎熱C.V.チームの消耗を増大させていく。



 「・・*ー:`ー・」「ハッ、ハッ、ハァッ・・」「くぐっ・ー・」

 「これほどとは・・・」


 フレイシアの『切り札』を使っても、劣勢の流れを変えられない。

 魔術戦・物理戦闘の両面で、ナイキス様はフレイシアたちの上をいき。連戦どころか、先ほどの冒険者たちとの決闘すら負担になっていない。


 そしてチームの仲間たちが、有効な攻撃を放てるのも、あと数回になっていた。










  ネタバレ説明:『デュラハンフェイス』について


 『魔()』の説明を端的に言うと『大量の魔力で、敵の術に干渉する』と、いう『力技な術』であり。

 本来なら魔力量に秀でた上位・・C.V.が、格下の魔力持ちに対し、威圧も兼ねて仕掛ける『術』です。


 一応、8級C.V.のナイキスが、『正攻法』で仮にも8級C.V.(フレイシア)たちに行えることではなく。下準備・駆け引きや小細工を含めての『デュラハンフェイス』です。


 そもそもナイキスのイメージする『デュラハン』は適当であり。主要イメージは『妖精霊騎士』ですが、『亡霊騎士』のスペックも取り込んでいます。


 では『デュラハン』の正確な伝承とは、何なのでしょう?


 騎乗している『デュラハン』の武装は?

 『核・急所』は『首』なのか、『胴体』なのか?『鎧の部位』は操り人形にすぎず、『闇属性魔力』が本体だったり。意表をついて、『騎馬・戦車チャリオット・影』が主人ということもあり得る。

 『目撃者?に死をもたらす』と、いう伝承もあるが。『かに死をもたらした』という正確な伝承ではなく、信頼度の低い『迷信』っぽい。


 こんな感じであり。

 〔『デュラハン』の伝承はもとから、適当あやふやなのでは?他所の怪異伝承と混ざっているのでは?〕・・・と、愚考します。


 そんな『デュラハン』から、ナイキスが『魔導能力デュラハンゲーム』を編み出したのは、『ある部位』に着目したから。


 〔『胴体』がデュラハンの本体なら、『首無し頭部』にある目鼻耳(感覚器)から、情報を得られているのか?〕

 〔『胴体から分離した(首無し)頭』が本体なら、巨大な『胴体・四肢』を、どんな『術理』で操作しているのか?〕


 これら『頭部⇔胴体・四肢』が肉体的には『離れ』ているが、魔術的には『連結』している。ナイキスは『この不思議』を疑似的に再現しようとして、『デュラハンゲーム』を編み出し。


 3種類の『魔術・術式』を、ほぼ同時に発動させ、有用に連動させようとしています。



 しかし3種類の『魔術』を発動させるには、相応の『魔力』が必要であり。

 8級C.V.のナイキスでは、どう逆立ちしても『魔力量』が足りない。

 そしてこの面倒な世界において、悠長に『魔力補給』ができるほど、実戦・魔術戦は甘くはなく。


 『闇の魔術で隠(デュラハン)蔽し、手品(の顔・伝承)のように注意をひい(惑わし)て、偽物を用(威圧して)意しよう(偽ろう)』と、いう小細工を弄して『魔力補給』を、敵に気付かせず行う。


 『空気中の魔力・地中の魔力・敵味方の残留魔力を吸収して、魔晶石を消費する』

 これら様々な『魔力補給』を手品のように、隠してせる


 これが『デュラハンフェイス』の正体であり。

 かき集めた『魔力』を放出するのは、偽装を行う布石の一つにすぎません。

 吉良家は家柄の高い名家であり。他家の武士に『作法』を指導する、礼節を重んじる一族です。当然、”男子厨房に立たず”と、いう感じであり。

 雑事を『女性たち』に行わせていた。当時の武家のならいとして、『女中』に吉良上野介公の身の回りの世話をさせていたわけで。朝から働く彼女たちは、吉良邸に泊まり込んでいたわけですが。


 ”忠臣蔵”は、そういう女性たちを消失させ。『赤穂浪士vs用心棒だけ』というシーンに置き換えていますけど。


 実際のところ、それは”ねつ造”にしても、かなり悪質な部類であり。


 〔赤穂浪士が襲撃してきた!殿様を守らなければ!!〕


 〔だけど侍女・女中たちを、見捨てていいのか?〕

 〔本当に討ち入りを仕掛ける、血に飢えた浪人だ。そいつらの道義を信じろと?〕

 〔ただでさえ、吉良家はあることないこと言われ、悪者あつかいだ。悪鬼の浪士どもが、女中を殺害したり、”暴行”などすれば。吉良家・・・が何を言われるか知れたものではない!〕

 〔・・・というか、女中が辞めたり、求職希望がなくなれば。屋敷の維持管理が、できなくなる〕


 〔いかん、何としても女性たちを守れ!!〕


 『かくして吉良邸にいた武士たちは、暗闇の中で女性たちを探す。守ったり、逃がしたり、殿しんがりをつとめることになり。

 慣れない諸々に苦労する吉良家の武士たちを、赤穂浪士たちは余裕をもって、めった刺しにしましたとさ』


 これが根も葉もない”誹謗中傷”の類だとおっしゃるなら。

 ぜひとも『返り血をあびた装束』をまとった赤穂浪士たち、および『吉良邸に女中たちがいる』という。物理的・当時の武家屋敷の『史実的』に、あり得る”忠臣蔵”を製作してもらうか。


 あるいは納得のいく『赤穂浪士たちの装束が、きれいな理由』と、やらをご説明願いたい。


 どちらもできないなら『返り血を消した脚色』を、行っている。一つ『脚色』を行ったなら、さらにもう一つの『脚色』を行い、『吉良邸で働く女中たち』を都合よく消した。


 それでは『女性をかばう吉良家の武士に、赤穂浪士たちは襲いかかった』と、言われても文句が言えない。結局、忠臣蔵は江戸時代の時点から、複数の”ねつ造”を繰り返していた。



 こんな『論法』が通ると思うのですが、いかがでしょう?

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