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閑話~アドバイザーと炎熱C.V.

 ギリシャ神話における『アポロン神』『アルテミス女神』が、誕生したエピソード。『双子神』を産んだ『女神レト』の神話は、重要な意味を持つと考えます。


 そもそも『女神レト』は、数十年もの間・・・下手をすると明治以前の長きに渡って、『女神』から人間の王女へと格下げされていた。

 そのことを考慮すれば誕生神話で『・・・全ての大地で出産ができず、新しくできた(・・・・・・)【小さな島】・・中略』と、いう一節が疑わしい。『新しくできた島』とやらは実際の『聖域モノ』を、『女神レト→人間の王女』と同様に矮小化している。

 そんな可能性があると愚考します。


 『新しくできた(・・・)』では無く。新たに『発見された・交易を行うようになった』であり。

 『島』というのも『浮島・海面に突き出た、矮小な岩盤?』などではなく。『ギリシャ以外の国家・文化圏』ではないでしょうか?


 『女神レト』を格下げした一件に加え。

 『多芸(医術)神アポロン』も『他所の疫病を司る神格』に由来している。『古代世界』の医療技術が脆弱で、『大勢の人が病死する』ことから。『魔神パズス』などと同様に、『疫病の(アポロン)神』がもっと上位の神格だった可能性を考えると。


 『女神レト』の産所となった、『小さな島』も格下げされていると愚考します。

 冒険者とは『冒険をする者』と、書く。ただし年がら年中『冒険』をしていたら、命がいくつあっても足りない。生きて、稼いでいくため、『冒険?(未知)』に関する情報を集め、経験を積む。


 たまに『挑戦(冒険)』はするも、『依頼(冒険)』を成功させるために、励み続けるのが冒険者であり。


 そんな冒険者たちにとって、シグルの街に造られた訓練場での経験は貴重なものだ。

  最低でも(下位)C.V.の『火属性(攻撃)魔術』を体感して、知ることができるし。そもそも『攻撃魔術に馴れる訓練を行う』と、いう機会は騎士団でも容易に得られない。

 その経験は『敵からの攻撃魔術一発で、戦闘不能になる』と、いう悪夢を防ぐ・・・可能性をわずかながら高める貴重なものだ。



 ただし、それらは善意の大盤振る舞いなどではなく。C.V.様たちにも、しっかり利益があることを、助言者アドバイザーのユングウィルは知っている。

 

 『火属性魔術(攻撃)』による、『手加減を行う訓練』ができる。『耐火術式』を人間にかけて、その効き具合をデータ収集する。

 さらに『カオス(C.)ヴァルキリー(V.)』たちは女系種族であり。中位以上のC.V.様はともかく、訓練場に出張っている下位C.V.様は『男性』に接する機会が少ない。


 〔冒険者=人間男性ではありません。あくまで参考、程度に考えてくれ〕


 〔〔〔〔わかりました!ユングウィルさん〕〕〕〕

 

 こういうやり取りが必要ではあるものの、異性にふれる機会を得られる。C.V.様たちにも利益が出る、『訓練』が行われていった。



 



  冒険者ギルドの『訓練場』を活かす。


 その一つとして下位C.V.様たちが『火術式』を放ち。それを受けた冒険者たちが、『攻撃魔術』に馴れて対応できるようにする。訓練場で『攻撃魔術』を既に受けることで、実戦で放たれた『攻撃魔術』に動揺しないよう、経験をつむ。


 それはC.V.様・シャドウ様たちから特別な【依頼】を受けることになった。冒険者たちの特権であり、義務でもある。

 

 〔”賊”から攻撃魔術を放たれて、【依頼】を失敗しました〕と、いう戯言たわごとが許されない。

 そんな冒険者たちが実力を伸ばす『訓練』は、チャンスであり義務でもある。冒険者たちが戦闘力を高め〔【依頼】を妨害する“賊”・障害を駆逐する〕と、いうのは責務なのだから。


 よって冒険者たちは『訓練場』で、『攻撃魔術』に対抗する訓練を行うのは、必須事項と化しているのだが。



 「ふざけんなっ!俺たちに『魔術対策』の訓練など必要ねぇ!!」

 「まったくだ。冒険者に(騎士ができない)訓練など不要だろう」

 「そもそも『魔術』の手札をさらすなど、言語道断だぞ・`・」



 無論、そんな正論だけで荒くれ者(冒険者)たちが、おとなしく『訓練』を行うなら苦労しない。


 加えて世界は冒険者たちだけで、回っているわけでは無く。

 冒険者と名誉・面子を争う騎士団や。C.V.様の『魔術』に嫉妬する、人間の魔術師たち。そして彼らに金で雇われるチンピラ、配下で裏工作を行う『密偵』たちもおり。



 『訓練場』が活用されるようになって、しばらく時間が経ち。

 〔わずかながら、その成果が出てきたかどうか〕と、いうところで連中が大挙して、シグルの街に押し寄せてきた。


 「・・・“ヒマ”なのですか?」


 「シィッ(静かに)シィー・ー(してください)


 〔そんなことをしているヒマがあるなら、修練に時間を費やせばいいのに・・〕〔重要な【依頼】を受ける、冒険者の特権に口をはさむな!〕〔まっとうに生きている者に、鍛えた冒険者が脅威となることはない〕


 こういう正論・本当のコトを告げても、連中が説得される可能性は皆無であり。


 何より“まっとうに生きていない(・・)、生き血をすする連中”にとって、『訓練』を受けた冒険者たちは、間違いなく脅威となる。

 〔C.V.様の手札・配下として、無能な権力者たちを脅かす〕と、ユングウィルは確信しており。連中が妨害(嫌がらせ)を仕掛けてくるのは〔先見の明がある〕と、言えなくもない。


 しかし〔将来的に、既得権益(無能な)を得る連中(権力者)を脅かす〕と、何となく感じていても。今のところ、その確信があるわけではなく。


 〔気にくわないC.V.勢力が、また何か企んでいるから、妨害しよう〕と、いう連中に対して、ユングウィルは『遅滞戦術』が有効だと判断する。


 〔貴公たちを、おびやかすことはありません〕〔モンスターの放つ『攻撃魔術』に対策するためです〕〔袖の下(ワイロ)を渡すから、依頼主によろしく伝えてください〕


 こういう時間稼ぎをすれば〔そのうち実力をつけた冒険者が、連中を駆逐くちくするだろう〕と、ユングウィルは長い目で見ていたのだが。



 

 「けっ、小娘魔女(C.V.)の”腰ぎんちゃく(ユングウィル)”ごと・・・」


 『焦熱動床バーンスライダー!』


 「「ッ!!・・どわぁーー*?;!」」


 

 会議場の床が『火炎魔術』で瞬時に覆われ、暴言をつぶやいた連中が転倒する。

 彼らは灼かれながら赤い絨毯じゅうたんを滑り、下位?C.V.様フレイシア様の足下へ、強制的に移動させられ。


 「踏み砕くっ・・」


 「ッ‘*`!」「まっ・・‘*`」


 

 「よせっ・・フレイシア!・!!」


 「・・・承知です」


 危うく彼女のブーツが汚れるのを、ユングウィルは制止する。

 

 だが一応の激情は抑えられたものの。フレイシア様の殺気は、周囲を睥睨へいげいし続けており。

 〔次の暴言は容赦なく踏み殺す〕と、押しかけて来た連中に対し、わかりやすく宣告していた。


 「おのれ、無礼者めが・・;・」


 『・・●ー●』


 「「「「ヒィっw;・*」」」」


 「・・・-・え~と、それでだな・・」


 この状況で“無駄にプライドの高い連中”をなだめすかす。は怯えているものの、後日に必ず報復を企む連中と交渉を続けるのは、完全にムダな努力であり。


 「話し合いがまとまらなくて、本当に残念だ。


  冒険者チンピラ?、騎士様に魔術師ギルド。それぞれの不満を取りまとめ、建設的な会議をしたかったのだが・・・・・そちらに、その意向がないなら仕方がない」


 「「「・・・ー・ッ」」」


 「『決闘』で全てを決めよう。強いほうが、全てを得る。

  それでいいな?」


 「何をっ・・・・・(言っている)!`!;?」


 ユングウィル自身も”乱暴な話”だと、心底思う。

 この手の決闘が清廉公平クリーンに行われるのは、『英雄譚オハナシ』の世界だけであり。

 これからの密談・根回しや裏工作を考えると、今からでも『決闘?』を撤回したいのだが。


 『フレイムバイザー setup●ー●バーストウォール』×4


 「「なぁっ・・!?」」「・-;*・ッ!」「「「キサマらぁーーー!!」」」


 とっても(・・・・)手際よく会議場の壁を『爆砕』して、下位C.V.様たちが突入してくる。

 彼女たちの戦力が必要となる、事態も想定していたとはいえ。それは『決闘』を行ったり、交渉(脅迫)?を行うためではない。


 あくまでユングウィルの護衛を行うため、不測の事態に備えてであり。

 おそらく挑発ですらない、蔑視のつぶやきを騒乱に拡大する。不毛な争いで、C.V.様の『魔術』を披露ひろうするためではないのだが。


 「ご無事ですか、ユングウィル!」

 「動くな!!不審な動きをすれば、容赦なく殲滅する!」

 「「・・まあまあ。(ヒートビーンズ)談の最中なの(リボルビング)ですし、落ち着きましょう(シューターゾーン)」」


 「その通り!まずは落ち着け・・このヒトたちと『決闘』することになった。

  激情はそこで発散しろ!!」


 「「「「「・・・ー;・」」」」」 


 〔まあまあ〕などと、言ってるC.V.様が一番、物騒な『魔術』を発動寸前でいる。


 そんな予想をしながら〔やっぱり『決闘』を利用して、C.V.様たち(・・)鬱屈うっくつを晴らす必要がある〕と、ユングウィルは結論づけた。 

 『多芸神アポロン』もしくは『双子神アポロンとアルテミス』の両方が産まれた場所は、ギリシャの『デロス島』だとのことです。


 『デロス島』は人間にとっては大きな島ですけど。『巨人』と戦っていた神々にとっては、小さな島だったのか。あるいは文化の面で、小さい(=遅れた)島としてあつかわれたのか?

 そこらへんは不明です。


 何故ならギリシャ神話は、新しいほうでローマ時代にまで続き。古い時代だと『アレクサンダー大王』どころか、ペルシアの侵略に対抗していた『都市国家ポリス』の時代・・・よりもっと古代になってしまい。


 それほどメジャーではない神話が、誤訳され変節して忘れられるには、充分な時間がすぎています。

 デルフォイの神託所ならともかく。星座神話に出てこない、神話の聖地(デロス島)は、大半の日本人にとって『謎の島』であり。


 『地中海で遭難する、古代の航海術を考えると。デロス島は重要な船の中継地点だった。ペルシアなどオリエントの文化・神格が流入する地点なのかな~??』と、いう程度の推測しかできず。


 考古学的には、もっと色々あるのでしょうけど。ファンタジー的に、流用は難しい感じであり。

 『女神レト』の難しい神話を考えると。文字通り〔触らぬ神に祟りなし〕と、考えます。

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