閑話~ハーレム担当者
『猪八戒』はともかく。東アジアでは『十二支』のトリを務めたり。『山神』として『熊』の次くらいに『イノシシ』は信仰されそうですけど。インド~中東地域では、人気がない『獣』だと愚考します。
ゾロアスター教の『ウルスラグナ』、ヒンズー教の『ヴィシュヌ神』などが『イノシシ』に化身するそうですが。
どちらの『神格』も十種類以上の『変幻』の力を持つ神様であり。〔『イノシシ』がシンボルだ〕と、いうのは厳しいと愚考します。
むしろ日本のファンタジーに伝わっている『ネームバリュー』を考えると。『ウルスラグナ』は戦神であり、戦士関連をメインと見るべきであり。『ヴィシュヌ神』は水神であり、『シヴァ神』に並び立つ最上位の神格がメインだと思うのです。
『ハーレム』は大まかに三種類ある。
1)王侯貴族が跡継ぎを作る。政略結婚によって『外交』を行うためのハーレム
2)チートな勇者・英雄が複数の女に手を出し、はべらせているハーレム
3)裏社会のボスが金・権力を使い。たくさんの女を“手込め”にした自称?ハーレム?
人によって連想する『ハーレム』は様々だろうけど。
下級シャドウのフォルカにとって、『一夫多妻』とは『4)効率よく子孫を作ることを目的とした、獣の群れ』と、いうイメージであり。
聖賢の御方様、姫長様の両者からも〔〔C.V.の子孫繁栄のためガンバってね〕〕と、はっきり言われた。ならば忠誠を誓った配下としては、男娼?まがいのことをするしかなく。
〔美形のフォルカなら、ハーレムの主になるのもたやすいだろう〕
〔死ぬ気で“種馬役”を務めろ。【若者】に“姦淫”をさせるな〕
〔美形だけでは飽きられる。軽快な話術で魅了しなさい〕
「・・・-;・」
任務の失敗は死を意味する。事実上の命令に対し〔まだ○○だ!高級娼婦とは芸事・遊戯の清い時間しか、すごしていないんだ!!〕などと、言えるはずもなく。
「一族の名にかけて、C.V.ハーレムの主になってみせる!」
後戻りできない。逃げ場などありはしない。
フォルカは自らを追い詰め。任務と『ハーレム契約』を果たすべく、C.V.パーティーに挑み。
「よろしく、お願いいたしますフォルカ様」
「よし・・ちょっと待とうか」
初っ端からいきなり、つまづいた。
「ご安心ください。パーティーの癒やし担当として、外見こそ少々、幼いですが。
人間の世界に出てきた以上、成人あつかいです。
どうかご存分に、欲望のたぎりを私にぶつけてください」
〔ぶつけられるかぁーー~;-ー〕
そんな風に本音をぶつけられれば、さぞかし楽なのだろうけど。
フォルカは幼児趣味ではなく。加えて女シャドウというのは理不尽の権化だ。
〔任務だから。政略結婚だから。やむを得ず、ヤリました〕と、言って通用する『案件』ではない。『触れた・見た』時点で、後ろ指をサされる。
ちなみに『陰口』の類ではなく。物理的な『手刀』による、後ろから指で刺し貫かれる『後ろ指』だ。
よってフォルカには迅速かつ、適切な対処をとる必要があり。
「いったい、どこから突っ込めばいいんだか・・・そもそも“欲望のたぎり”なんて言葉を、どこで覚えてきた?」
「違うのですか?人間は年がら年中、発情しているのに加え。『発情期』限定でしか『交尾』をしない、獣たちを貶める。あちこちで『ハーフ』を産ませる“色狂い”なくせに・・・」
「言い方っ!それと男性シャドウは、そんなことはしない!」
女性シャドウは“している”ような、危険な表現だが。『感覚』が鋭敏なシャドウ一族は、『感知能力』に明確な格差があり。
『治療』など一部の例外を除き、男性側から女を『感知・解析』することは許されない。もちろん『建前上』は〔感知能力によって、異性の解析を行うことは禁じる〕と、定められているが。
〔娼館で遊んだフォルカなら、ハーレムも平気ですわね〕
〔えー・~チイさい男をC.V.様にあてがって大丈夫^~^〕
〔まあ、傷を癒やせば・・・かろうじて、いけるでしょう〕
「・・・・;-;・」
〔『傷』は装束の下に隠しているのに、どこで調べた!一方的な『身体の走査』に反対!!
女がやるなら、男のほうか`ら:も;!*?〕
フォルカたちの『主張』は、徹底的に弾圧され。同意見だと思っていたトモダチは、ことごとく保身に走り。
かくしてフォルカはC.V.パーティーの“種馬役”を命じられたわけだが。
〔服をはだけられたら、『詰み』だろうな〕
今ごろ気付いたコトだが。
この寝室へ向けて『透視の魔術』がかけられ、C.V.がのぞき見をしている。しかも不穏にゆらぐ『魔力』を、フォルカごときの腕前で『逆探知』できるという。
〔『透視』を行っているであろう、情緒不安定なC.V.様の良識は期待できない〕と、いうロクでもない結論を、フォルカは出さざるを得ず。
そんな状況で、小柄なC.V.様の手が着衣のボタンに伸びていき・・・・・
「・・-・それでいったい、どうやってその状況から逃れたんだ?」
「逃れられるハズないだろう。
〔大恩あるリーダーの面子をつぶしてもいいのか!〕
〔子供が産まれてから、早く産まれた理由を、どう説明する気だっ!?〕と、いう言霊を必死になって放ち。
そうして呆然としている彼女に『時間稼ぎ』を行って、〔ハーレムより、こっちの方がお得だ〕と、何とかアピールを成功させて・・・・・」
〔そんな冒険と修羅場をくぐり抜けて、C.V.様の『ハーレム?』に囲われたと・・・〕
そんな『予測』を胸中に隠しながら、元盗賊は下級シャドウの聞き役に徹する。誰かに言いたくても話せない、『秘密のお話』を吐き出させて。
フォルカさんの心が少しでも安らぐよう、ムントは真摯に話を聞き続けた。
〔大変だったな。これからもガンバレよ^・^〕
〔たくさんのC.V.をはべらせて“贅沢”を言うんじゃねぇ!〕
〔ハーレムの主に乾杯だ!!お幸せに~・ー〕
C.V.勢力に敗れ捕らわれ、奴隷兵に近い『衛兵』の身分を与えられた。立場の弱いムントが、こんな本音を垂れ流し。万が一にも下級シャドウたる、フォルカ様の不興を買えばどうなるか。
『『『『『『『・○+●ー』』』』』』』
下級シャドウにあるまじき、複数の高価な装飾品が、ムントを心底怯えさせる。まるで『眼球』のように輝きが変化し、フォルカさんの周囲を警戒するような。
〔盗んだら呪われる〕と、いう確信をムントにいだかせる。C.V.パーティー7人と同じ数の『装飾品』に恐れおののきながら。光の消えたフォルカの『両目』を見ないよう、ムントは聞き役に徹し。
「お強いシャドウさんも大変だ・・今日は忘れて『ボードゲーム』で遊ぼうぜ・;・!」
「おう!アンタは良い奴だなぁ・・」「イカサマ・『術式』と賭けは無しだぞ!」
「ゲームなんってウッソさぁ~、(性的に)捕食する順ー番っを決ぃめる~」
「この『酒』をくれてやろう。最近、“何故”か酔えなくて・・ー;・」
右の耳から、左の耳へとシャドウさんたちの『セリフ』を聞き流す。
そうして〔これ以上、ハーレム事情を聞くのは危険すぎる〕と、いう確信をいだきつつも。ムントハは『接待プレイ』で、集まってきた男性シャドウたちを、もてなして楽しませる。
〔邪神官を蹂躙するような、C.V.様たちが解き放たれたら・・ハーレムの中心にいる男シャドウが倒れたら、大惨事になる〕
そんな本音を胸中に隠しながら。『機密情報』に触れないよう、細心の注意をはらって、ムントは男シャドウをもてなし。
翌日
「貴様を接待衛士および『道化師』へと任命する。喜べ、奴隷身分から解放だぞ!!!」
「・・・-・~・ダレを接待するんです?」
「それは、役職の担当者に尋ねるように・・さあ、行けっ!」
衛士隊から文字通り、誇張ぬきで追い出され。男性シャドウを慕う、C.V.パーティーによって連行されていった。
清潔な広いスペースで育てる、『スペイン・ヨーロッパ諸国?』だと。『豚』も賢く、きれいな家畜になるそうです。
しかし『イノシシ』の生態から推測すると。『母イノシシ+うり坊』という育児の集団しか作らない。『羊・山羊』や『牛』のように、成獣の群れを作らない『猪・豚』を、広い場所で飼うのは手間がかかる。
そうすると『養豚場』と同じように、狭いスペースで密集して飼うようになってしまい。不潔な上に、『病』への抵抗力も弱くなる。
そのため『猪・豚』の人気はアジアで低くなる。少なくとも〔神様の『化身・騎獣』としては、ふさわしくない〕と、いうあつかいになったと愚考します。
もちろん現代ならば〔豚肉を焼けば、肉の中にいる『雑菌』を殺せる〕と、いうのは周知の事実であり。〔『豚(肉)』は不浄だ〕と、いう教えに対して、近代の日本人は首をかしげるでしょう。
しかし日本も含め、昔の人々にとって『火』は神聖なものであり。何より『火』を燃やすための『燃料』は、治安の良い現代日本のように入手できる物ではなかった。
“性悪領主”なら『かまど税』の類をかけたでしょう。燃料を軍需物資として、権力者が管理したり。安易に『火』を使えば〔豊かな奴がいる〕と、考える“盗賊・山賊”に狙われかねない。
そういう地域において『肉をしっかり焼かないと、中毒を起こす豚の肉』と、いうのは『燃料』をたくさん浪費する。“無駄にぜいたくで、不浄なモノ”と、いうあつかいになってしまい。
『疫病』のリスクも高い『時代・地域』において〔不人気になるのは当然でしょう〕と、推測します。