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閑話~『神聖術』のカベ

 閲覧注意!ロクでもない話です。食事中とか、これから食事する人は読み飛ばしてください。

 江戸時代の『腑分け』の話です。




 江戸時代の『腑分け』:要するに人体を『解剖』して、その仕組みをお医者さんが知ることです。

 あるパラレル時代劇を読んで、思ったことを書きます。〔当てずっぽうにちがいない〕と、ぜひ笑い飛ばしてください。


 江戸時代の記録で『腑分け』の言葉が最もメジャーなのは、『杉田玄白』『前野良沢』の『解体新書』に関してでしょう。オランダ医学書『ターヘルアナトミア』を入手した、『杉田玄白』たちは刑場で行われた『腑分け』に参加し。


 〔『ターヘルアナトミア』の正確さに驚嘆して、それを和訳した『解体新書』を執筆した〕


 これが日本史に出てくる『腑分け』の場面であり。先人の偉業に、頭が下がるばかりです・・・とまあ教科書・歴史書にここまでは載っているでしょうけど。

 15才以下が読む本に載せられない“ロクでもないオハナシ”は後書きで行います。 

 『魔術』と個人の『異能力』をかけあわせた。『蓄積された知識(マジュツ)』と『才能・欲望(イノウリョク)』の、いいとこ取りをした『魔術能力デザイン』が、編み出された理由はいくつかある。


 だがあえて二つにしぼるとしたら。『人間の知識(マジュツ)』を奪い取って、C.V.勢力の『魔術能力』を強化する。貴族の『軍勢』・神殿の『神聖術』という『物量』に、小数派のC.V.勢力が反撃して退かせて我を通す。


 そのための『魔術能力』であり。

 『視線の魔力に干渉する』と、いう技巧派あつかいされる『魔術能力アルゴスゴールド』といえど、凶悪な『力』を秘めている。



 「おのれぇーーっ!」「来たぞっ、絶対に通すな!!」「あわせて、唱えよ・・」

 『『『『『御身のしもべを、お守ください  ホーリーウォール!!!』』』』』


 神殿の通路をふさぐべく、防御陣が築かれ。その防御力を強固にすべく、『神聖術』による障壁が展開される。

 『物理法則』を無視できない、この世界の『魔術』において。『魔術障壁』は『城壁』を造るに等しい、『魔力・技術力(コスト)』が必要であり。


 信者たちの蓄えた『魔力』を使い、『神殿』にはられた『結界システム』を利用している。その『神聖障壁ホーリーウォール』とやらは、高い『魔術の技能』で構築された。〔光神殿を守ろう〕と、いう意思の具現化したモノなのだろう。


 「まあ、ボクの目には“自分たちの信仰だけが尊く。他は低俗でくだらない”と、いう“狂信の嘆き”が映っているけど」


 「「ここは我らに、お任せください聖賢の御方(イリス)様!」」


 やる気を見せる双子の女シャドウたちに、イリスはわずかにうなずき。


 『『雷魚は潜み  されど水の閃は、蟲を射抜く・・・雷光魚!』』


 双子シャドウの短縮された『呪文』が、相乗して『魔力』を操る。その増幅された『魔力』はヒカリの群れとなって、『神聖術ヒカリの障壁』に侵蝕を行い。


 「バカなぁっ!?」「・-・・ひるむな!数ならこっちがう・+;`?」「あぁア・・・」


 『神聖術』を唱えていた、神官兵たちを動揺させる。連中からすれば、自らの『神術』に干渉されるなど、自らの『信仰』を否定される。そう錯覚するほどの、大事なのだろうけど。


 「・・・ウルカっ!」


 「任せてサキラ・`・これでっ!」


 二人の『障壁への侵蝕』に対し、神官兵たちは『魔力』を絞り出して、『神聖術』を増強する。


 それに対しウルカたちは『侵蝕の圧』を弱め。防御陣の『障壁』が、増強するのを手伝い。


 「「「ッ!?」」」「「「「「-;-・`・!/?」」」」」


 増強されすぎた(・・・)『障壁』は、光学情報を遮断する『とばり』と化し。

 都合良く(オート)『換気』を行っていた『障壁』は、密閉された『牢』となる。


 「「「・;・*!:!」」」「い、息がgァ;・」「「「「・・・*・」」」」


 その『牢』は防御陣で守りを固める、神官兵の全てを呑み込む『牢獄』となった。


 「・・侵蝕の初撃で、空気成分(二酸化炭素)を操作したのか。

  しかもさっき『アルゴスゴールド』で被術者の意思が、『守り』を求めるよう、誘導したのを応用しなのかな」


 「「聖賢様の『デザイン』を参考にいたしました」」


 武術には、相手の動き・技を誘導する『駆け引き』があり。

 イリスたちも〔守りを強固にしたい〕と、被術者が願うように、不安をあおった。わずかな『魔術能力』を放つタイミング・リズムに死角の突きかた。他にも広範囲に、多方面から『魔力の波動』を流し・侵蝕させるなど。


 未知の『魔術』に相対する者の心に、揺さぶりをかける方法など、いくらでもあり。

 『障壁』を単に侵蝕され、破壊されるよりも。さらに大きな被害が出るよう、ウルカたちは神官兵たちに『心理誘導』をかけたのだが。


 〔育成のしかた、間違ったかな・・・〕


 「「さあ、参りましょう聖賢イリス様!」」


 イリスのつぶやきは、誰にも聞かれること無く、消えていった。









 引き連れた護衛シャドウのほとんどを、神都の街中に放ち。二人だけ護衛(ウルカとサキラ)を連れて、イリスは本神殿へと突入した。


 その理由は非戦闘員の命を、“無駄”に失わせないため。

 『術式干渉アルゴスゴールド』で動きを封じ、重しの『光鎧』を着せた『市民たち』を、衰弱死させないためだ。


 自動オート大人数・・・の動きを封じる『魔術』は、極めて稀少であり。

 イリスの『アルゴスゴールド』は、格下の術者を一掃したり、訓練を行うためのもの。イリスの心血を注いだ『魔導能力コアデザイン三態トリニティの一つではなく。


 あくまで『魔導能力アルゴス』から編み出した、『魔術能力デザイン』にすぎない。そのためイリスがかけている『コスト・キャパシテイ』も三割以下の少量であり。


 『拘束された人間が、ストレス・うっ血によって死傷する』と、いう『物理法則』を無視することはできず。急造アレンジした『アルゴスゴールド』で、大殺戮を行う気が無ければ。


 「・・・少し『アルゴスゴールド』を強くかけすぎたかな」


 「いかがなさいます?」


 「神都に住む者たちの『心を折ること』が目的であって、間接的な殺戮を行うことは、本意ではない。衰弱している者・明らかな非戦闘員を束縛している『光鎧』は、(シャドウたちが)解除して回って。それと火を使っていたり、高所にいて『光鎧』を解いたら“事故”になる所への、フォローもお願い」


 「「「「「「「「かしこまりました、聖賢の御方(イリス)様!」」」」」」」」


 速やかに行動するシャドウたちを、イリスは見送り。



 〔やっぱり『聖賢の(カシコイ)御方様』と、呼ばれるのは恥ずかしすぎる〕

 〔今回の件で、『聖賢』の呼び名は返上にならないかな~〕と、いうことを切に願うも。



 「それでは護衛(ワタシタチハ)は我々、(ゼッタイニ)二人だけで行います(ハナレマセンカラ)

 「ウァーテル(姫長様に命)攻略の時(じられた)以来でございますね(時のことは忘れません)


 「そういえば、そうだったかな・・?」

 

 「「よろしく、お願いいたします【聖賢の御方様】」」


 「・・・・」


 その願いは、かなえられそうもなく。







 「キサマらっ・・こんなことをして、ただですむと思っているのか!」

 「神罰を恐れよっ!」「ひぃッ-~」「まさか神都が、ウァーテルと同様に落ちるなど・・・」


 「まあ、本来なら・・光神教を信奉する勢力に、ボクは袋叩きにあうだろうね」


 神官兵やクルセイダーを鎧袖一触にたたきのめし。神殿の最奥にある、隠し扉を切り裂いて、イリスたちは大聖神官の一党を追い詰めていた。

 『隠し扉』はあったものの。『エンチャント』によって、『防御アップ+接着』をかければ、造作も無く封鎖されてしまい。


 光神教の『信仰』とやらのために、散々“やらかした”連中の頭をすげ替える。

 そのことにイリスはためらいなど無かった。

 


 戦国時代が終わった江戸時代は、いくさがなくなり平和になりました。そのため山ほど“問題”があったとはいえ、『記録』が書物として残され。口伝を継承する者が、戦火に巻き込まれることも無くなった。

 そこから知識を得たお医者さんが、『医術』を発展させ。現代と比べ、ヤブ医者が多かったとはいえ。“傷口に汚物を(苦しんで)ぬって治す(死にます)”と、いうような“迷信”は駆逐されていったと愚考します。


 そんな江戸時代において、『腑分け』は早急に行わねばならない重要案件であり。『土葬』が主流だった時代に、大半の人々が忌み嫌っていようと。風習・宗教的にマズかろうと、『腑分け』は絶対に執行する必要があったと推測します。


 理由は“おぞましい迷信”の知識も、蓄えられ横行したから。“新鮮・・な人体の●●で薬を作れば、□×病が治る”と、いうような“おぞましい迷信”で治療を行おうとしたり。“●●すれば『デリケートな治療』ができますよ”と、いうような“詐欺”が行われ。


 “それら”を叩き潰すため、早急かつ確実に『医術』を発展させなければならない。特に武家・資産家で“家を守るため、外法もやむなし”などと、考える者がいると。本当にロクでもないことになるわけで。


 もはや〔腑分けは忌むべき事〕などと、言っている場合ではなく。『迷信撲滅』のため、『ターヘルアナトミア』が翻訳される以前から、『腑分け』は行われていき。“祈祷で病を治す”と、いうようなカルトは勢いを失ったと愚考します。

 

 少なくとも昔話で〔病を癒やす〕たぐいの“オハナシ”は、選別され激減し。

 “不届きな祈祷”をやっていた坊主・神主が辻斬り?にあう・・・という時期が存在したんじゃないかな~・・・と妄想します。まあこんな内容、歴史書に記すなど論外ですし。時代劇でも創れないでしょうけど。

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