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梟(フクロウ)の侍女シャドウ:魔梟鳴峰

 樹木・農作物をかじる、害獣のネズミを狩る『ふくろう』は、人間にとって極めて【重要な鳥】だと考えます。そして同時にあつかいの難しい鳥でもあると愚考します。


 一昔前に〔『フクロウ』を退治したら、ネズミが増え。農作物への被害が甚大なものになった〕と、いう番組を見たことがあります。

 そして〔「農薬で『ミツバチ』を殺した結果、受粉できず実もならなくなった」ことを、もう忘れたのか〕と、その時は上から目線で考えたのですが。


 検索をしたら〔『フクロウ』は巣に近づく人間を襲う〕とのことです。そうすると〔『フクロウ』が果樹・農地の近くに巣を作ったら、農作業をする人を襲う〕わけで。農家の方が身を守るために、フクロウを駆除するのは当然のことでしょう。


 “偉そうなこと”は家の中で家族にしか、言ってませんが。かなり恥ずかしくなりました。

 アヤメ配下の戦闘集団・・・『鳥型の使い魔』を使役する侍女シャドウたちは、アヤメの弟子として『感知による戦闘』を学ぶ。召使い・側近としての役割より、護衛を担当する(戦闘重視の)女シャドウということになっている。


 しかし、その実態はC.V.ハーレムに対抗しようという、不穏分子の集団であり。


 〔もしC.V.ハーレムが『女一人(C.V.)男たくさん(シャドウ)をはべらせる』などという形態ならば、とっくに血の雨がふっただろう〕と、言う四凶刃(藤次)もいるくらいだ。


 実際のところ、彼女たちが戦姫C.V.といさかいを起こした『記録』はなく。シャドウをめぐって争うことなど、唯の一度もない。そのため人生の墓場(C.V.ハーレム)に囲われている幹部シャドウ(四凶刃)の言葉など、一顧だにする必要も無いだろう。



 ただ彼女たちは少しばかりメンバーの入れ替わり(結婚して引退)が多く。同位の女シャドウたちの中で、明らかに発言力が強いととか。






『結界』それは『魔力障壁』に覆われ、閉ざされた世界と言える。

 ならば『障壁』がなく、境界がないに等しく。その代わり『結界?の範囲』が広大で、破壊した際に『信号代わりに』使われる魔術は何と呼ぶべきだろう。


 そんなことを考えつつ侍女シャドウ木乃美このみは『使い魔梟(フクロウ)』を音もなく飛翔させ。“怪物行進モンスターマーチ”の状況を観察し。

 一方で妹の志乃美しのみは『使い魔梟(コノハズク)』を使役して、地上のモンスターたちへ無数の『灯明』を降り注がせる。火力などない『灯明』の術式が、“怪物行進モンスターマーチ”を編成していたモンスターの身体に付与され。


 これから始まる殲滅の『目印』と化す。


 「「「「・;ー・~・・ッ!」」」」「「ぎゃ、ギャッ!?」」「「「「「・+^・;--ー」」」」」


 『モンスターたちは、だいぶ動揺しているようね・・・』


 『だからと言って、見逃すわけにはいかないよ』


 『承知しているわ、木乃美姉さん。私たちは「神通の転移魔法」など使えないのだから』


 侍女シャドウたちは、C.V.様のような『魔術能力(理不尽)』を行使することはできない。

 そのため“外法”によって、“怪物行進”への参加を強制された『獣』を見出し。それらだけを元の住処へ、安全に帰すことなど不可能であり。


 〔“怪物行進”に参加したモンスターたちは容赦なく殲滅しなさい〕と、侍女頭アヤメ様から木乃美たちは命じられている。


 これらのモンスターたちが行進(進軍)したルートを、全くずれること(異常事態の)なく逆走する(奇跡が起きる)ならともかく。

 混乱し、逃げ散って、別ルートを戻ったら。そもそも元の住処へ戻らず、適当なエサ場(人間の集落)へ居付いたら?


 “怪物行進”がロゴニアの町へ襲いかかった際の惨劇が、別の場所で分散して発生するわけで。

 シャドウ一族は『巻き込まれた獣』に同情している場合では無かった。



 『風術信号(総員、攻撃)×9』



 『『かしこまりました、アヤメ様!』』


 侍女頭アヤメ様の指令がとどく。同時に『奏竜焦爪』の結界が崩壊を始め、その『効果』をゆっくりと変えて行き。同時に結界の『崩壊音』が、アヤメ様の完全勝利を伝えてきた。


 『“賊将”および“外法(自爆)装置”の処分を完了・・・総員、モンスターたちの殲滅を優先して!』


 『旋風閃!』×7


 『結界の崩壊音(風術の合図)』を解析した木乃美の指示が伝達され、侍女シャドウたちが『身体強化(旋風閃)』を発動させる。そうして混乱するモンスターたちを斬り伏せ。逃げ出す『獣』の首筋を突き刺し、両断していった。


 『姉様っ!』


 『ええっ!』


 同時に敵本陣から人影が跳躍し、高速で飛翔してくる。『魔力の大量放出』を行って、夜空を飛ぶのはアヤメ様であり。


 『この場は任せたっ・・』


 『『かしこまりました!!』』


 『女』シャドウのトップであり、木乃美たちの守護女神だ。彼女たちも姫長(扇奈)様に、一定の忠誠心はあるものの。現状、『女』シャドウの尊厳・プライドを守ってくださるのはアヤメ様であり。忠誠心の『比率』は、その影響を受ける。


 本来なら姫長様の側近シャドウとしては、モンスターの殲滅が完了するまで、アヤメ様は指揮をとるべきかもしれない。

 だけど〔御身を、肉親を、大事なものを優先してもらって、かまわない〕と、木乃美たちは思っている。そもそもアヤメ様は充分にシャドウ一族のため、身を削っており。これからも最前線で戦い続けるでしょう。


 ならば木乃美たち侍女シャドウとしては、殲滅の任務ぐらい片付けられないようでは、アヤメ様に侍る資格すらないというものだ。


 『必ずや侍女頭アヤメ様に、ご満足いただける戦果を!』


 『志乃美っ・・合わせて!もう「奏竜焦爪そうりゅうしょうそう」が消滅してしまう』


 『はいっ‥木乃美姉さん!』



 英雄様・大賢者様にとって、敗者()の『結界・異界』など朝霧のごとく消え失せるのでしょうけど。木乃美たち二流の『術式使い』にとって、『結界の残骸・残滓』すら大事な魔力の塊だ。

 まして彼女たちは一時的にとはいえ、『奏竜焦爪』を維持している。その魔力を再利用する資格は充分に満たしており。


 『黒の双眸そうぼう』                『金の両眼』


 『賢者の視界は、全てを見渡し』       『愚者の疑問は、頭をめぐらす』


 『昼の羽毛は、惑いて転がり』        『暗夜の翼は、静寂を翔ける』


 『『されど両爪は、等しく鼠賊そぞくを狩り  その意、その声は守護者を讃える』』


 『『魔梟鳴峰まきょうめいほう』』




 『フクロウ』と『コノハズク』二羽の鳴き声が、モンスターの集団へと響く。それは『魔境まきょう』の響きであり、『獣』の本能を刺激する。命の危機を知らせるのと同時に、冥府の無情を突き付けた。


 「「「・・..-‐―ーッ」」」『『『『:...-~;ー!?』』』』「「Hxi‥`―ー」」


 『怪物行進』の“外法”に捕らわれていたモンスターたちは多岐にわたる。その種類は様々であり、本来は群れを作らないモンスターまで集団を形成していた。そのため“外法”から解放されたところで、同族の争いが始まりかねず。その後は戦いの消耗を回復させるべく、本能のまま狩りを始めかねない。


 そんなモンスターたちへ、一様に冷たいモノが降りかかった。


 「ななっ!?」『グルゥ、Lァっ!』「この悪寒は・・嫌な予感がするぞ!」『ブモっ!?モォ~;-!』


 それは知性がある中の下モンスターも同様であり。悪寒は怖気おぞけと化し、怖気は死の予感へと変わっていく。モンスターたちの狂暴性・人への敵対心は鳴りを潜め。『獣』の生存本能を優先し、ロゴニアの町から離れるべく逃走していく。


 〔まあ、逃がさないんだけど〕〔使い魔梟(コノハズク)、右側の集団を狩る様に伝えて〕


 『―+・ー(旋風閃)』×7


 生き残った魔物の中で、最も足の速い『鹿モンスター』を狙うよう。前衛の侍女シャドウたちに志乃美が伝令を出し。心得た彼女たちが、静かに迅速に襲撃を行う。

 それによって最も逃走の可能性があった、脚力を持つ『獣』が倒され。


 そこからは強い肉食獣シャドウのほうが、獲物の草食獣(モンスター)より足の速いという。生態系を壊すこと必定の殲滅が開始された。











ネタバレ説明:『魔梟鳴峰まきょうめいほう』について


 木乃美、志乃美の姉妹シャドウが、協力して放つ『魔術能力』です。


 主に『視線の魔力(魔眼)』を広域に放射して、敵勢力を不安におとしいれる。〔視られている、探られている、狙われている〕という不安をあおり、ストレスを増大させ。〔術者を探さなければ。下手に動くわけにはいかない〕という誤った判断をさせ。時間・リソースを浪費させます。


 よく言えば〔敵をかく乱させる〕、悪く言えば“嫌がらせを行う”ための『魔術能力』であり。中途半端な『気配察知』『獣の感覚』を使える武人・術者に消耗を強いる。


 以上、訓練や演習で使う。木乃美、志乃美の二人だけで発動する『魔梟鳴峰』の説明でした。

 実戦で使われる『魔梟鳴峰』はこんな甘い効果では無く。援護する侍女シャドウたちと、先制をしかける侍女頭アヤメがいます。



 そもそもアヤメに従う侍女シャドウたちは〔『感知能力』で戦の趨勢を決する〕ことを旨としており。〔『魔梟鳴峰』も敵方の感知能力者を無力化つぶして、シャドウ側は一方的に感知・偵察を行う〕と、いうことを目的としています。

 そのため〔術の対象をしぼる。魔力消費を増やす。目印をつける〕などの条件を満たし。

 『魔力の波動(魔眼)』で幻聴を聞かせたり。皮膚感覚を刺激して、見当違いの『嫌な予感』をいだかせたりします。


 ちなみに今回の戦いで、敵勢力はアヤメの『奏竜焦爪』によって既に負傷・消耗しており。そこに追い打ちをかけて、『夜風の冷気』を傷口に送っていました。『狙撃する』という『視線の魔力』もそこに追加されています。

 この状況で『旋風閃』×7の追撃に対抗でる将がいたら、まさに希有な名将でしょう。



 なお『魔梟まきょう』は『魔鏡』『魔響』であり、『魔境』にかけており。

 『魔響』はフクロウの鳴き声。『魔境』はフクロウの棲む深山・深い森の『霊気』に通じ。


 『魔鏡』は木乃美・志乃美たち二人・・の『瞳』です。彼女たちが『魔梟鳴峰』を発動する際、お互いを見合って姿を観測し。同時に相手の瞳に映った『自分』を見すえ。

 変則の『合わせ鏡』を形成し、『魔梟鳴峰』を発動する条件をややこしく(・・・・・)しています。


 以上、『魔梟鳴峰』のネタバレ説明でした。




 〔ところで『フクロウ』の評判を良くする広報についてですけど・・・〕


 〔凶悪な“怪物行進”を崩壊させた、セイギの鳥という名声を広めれば!〕


 〔(無理があると思う)〕〔(ねつ造もいいところね)〕

 〔(妖怪フクロウ?)〕〔〔・^・`・・〕〕

 〔(オウルベアって、カワイイわね~)〕〔(デマを流さないでくれるかしら)〕

 鳥が巣を守るのは当然のこと。そして肉食で狩猟者の『フクロウ』が、接近する人間を敵と考え襲うのも、考えてみれば自然の事でしょう。

 そういう事実に考え至らず、フクロウ駆除をした人にマウントを取ってしまった。誠に汗顔の至りです。


 なお某番組では、そういう『フクロウ』の攻撃性を放映していません。だからと言って“オレは悪くない”などということには一切ならず。

 

 下手に『フクロウ』の攻撃性を番組メディアで知らしめると。『梟喫茶』にとっては、営業妨害であり。私のような考えの足りない者が、“フクロウ駆除”をやらかしかねず。


 〔大変な苦労をなさった農家の方に、道化になっていただき。『フクロウ』の重要性をアピールした方が、メリットが大きいだろう〕と、いう計算をしたと私は愚考します。あくまで憶測ですけど。


 ちなみに検索のほうも、『フクロウの攻撃性』については一行軽く記載されているだけであり。間違っても『フクロウ』を凶悪な害鳥あつかいなどしていませんので、悪しからず。


 結局、『フクロウ』との接し方はデリケートな問題であり。何とかうまく共生して、ネズミ狩りをお願いしたいと愚考します。

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