魔王の黒霊騎士~騎士のC.V.
『明治政府』それは日本の権力機構の中でも、最も『資産』を必要とした。『資産』がなければ、破滅するリスクがあったと愚考します。
『徳川幕府』までの権力者は、日本で最強の『武力』があればトップに立てました。
しかし『明治政府』の場合だと。自分より『軍事・資産』の両方で上回る、諸外国との外交を成功させる。外交関係を維持する必要があります。
ある程度の『交際費』に加え。〔商売をしたほうが得だ〕と判断させる『資産』が重要であり。
さらに武家政権のように、敵勢力を安易にとりつぶす。『失業浪人』があふれ、治安が悪くなる事態は避けねばならない。商売の邪魔だし、経済成長の障害になる。
ぶっちゃけ弱小・無能な藩は、事実上の取りつぶしを行っていますが。使える人材がいる大名家には配慮する必要がある。『派遣バイトの口入屋』とは異なる、しっかりした再就職先を用意しなければならず。
政権交代の混迷期に、再就職先の『国営企業』を起こし経営する。それを全国規模で行うのも『資産』が必要だと愚考します。
「ここは、いったい・・」「生きてる?・・なんでっ・・・」「「「「「-・・`?:?」」」」」
何もない荒野のくぼみ。そこでは数十人の人々が、自らの状態に首をかしげ困惑していた。
自分たちは“邪教”の狂信者たちに誘拐され、奴隷として買われ。あげく生贄の儀式が始まるまで、狂信者たちのオモチャとして“消費”されていた。死なないよう、命だけは保たれる“囚人”だったはずだが。
「目は覚めましたか?」
「「「「「「「「「「「ーーっ!?」」」」」」」」」」」
静かな声が響く。大きな声ではないのに、心が最優先で〔聞かなければならない〕と判断する。思考してしまう。
そんな声を聞いて、誰もが声の主を探し。
「私はカオスヴァルキリーのシャルミナと申します。闇属性の穢れを討伐する際に、皆さんを救出しました」
「「「「「・:--ーーっ」」」」」「「ああっ・・」」「ありがとう、ありがト・・-、アリガ+`」
そこには戦女神がいた。美しく、優しくも、無慈悲であり。そして誰もが【強さ】を確信する、重鎧姿の戦乙女がたたずんでいた。
「ですが、私は正義の味方でも、ましてや英雄でもありません。“イケニエ”からの解放はサービスしましょう。
ただしこの場から生きて帰るために、対価を払ってもらいます」
「「「「「「「「「「「・・:`:・・・」」」」」」」」」」」
神秘の『ヴァルキリー』は陽炎のように消え去り。“俗物の脅迫者”が確定事項を告げてくる。
「誇りをもって私の『兵士』になる。ただ生きることを最優先に“奴隷”となる。
あるいは己の尊厳をかけて、私に挑み未来を切り開くのか!・・・選んでください
『欲望を薪に 衝動を火種に 狂気の焔は兜を灼く ブレインヘルム!』」
「「「「「「「「「「「`・‘っ!?」」」」」」」」」」」
視界が歪む。頭が重くなって、しめつけられ。そして周りにいる同じ元生贄たちの頭上に、『魔力の兜』が降臨しかぶさってくる。
そうしてギャリクの意識は闇の中に沈んでいった。
『うっわ、ひどっ!シャルミナはこの元生贄たちに、何か恨みでもあるの!?・?』
『イリス様・・・そういう戯れは、おやめくださいませ』
『ブレインヘルム』をかけた者たちを見つめるC.V.シャルミナに、おどけた『光術信号』が飛来する。その『フォトンワード』は妹君・子飼いの部下たちと交わす『灯明』とは異なり。下手な『攻撃魔術』を超える魔力が凝縮されていた。
『ごめん、ゴメン。やぁ~-、いよいよ懸案事項が片付くと思うと。
柄にもなくワクワクしてきちゃってね^~^これで枕を高くして眠れるよ』
『それは、ようございました』
C.V.シャルミナは『魔王』の側室であり、配下であり、同志でもある。その行動・功績は『魔王』の評価につながり。心の赴くまま『無双』などという、“暴走”は許されない。
そして元生贄たちの弱い立場につけ込んだあげく〔選択肢の無い『選択』を強いる〕、など“恥知らず”のそしりを受けるべき愚行であり。シャルミナにとって本意ではないのだが。
『契約のとおり。同盟と「術式」の件、よろしくお願いいたします』
『承知している。「魔王ハーミュルズ殿」には、既に「術式資料」を送った。
同盟に関しては、事前に決めたとおり。経済関連はイセリナに、人材交流はリトナが受け持つよ』
だがシャルミナは戦争種族C.V.の『騎士階級』だ。名誉を重んじ、武力を尊び、軍勢の利益を最優先にする。
そのため必要と判断すれば、積み上げた名誉を台無しにしてでも『利益』を獲る。偽り、非道を行い、自らの誓約に優先順位をつけ。『秩序』を破壊する。
今回、『ブレインヘルム』を元生贄たちに強制したのも、その一つであり。このことが知れ渡れば、良識のある者からシャルミナはさぞかし軽蔑されるだろう。
それはそれとして、シャルミナは一つ確認したいことがあった。
『・・・よろしいのですか?』
『何がかな?』
『私に利益をくださることに不満はございません・・・ですが貴女様の望みどおり、アヤメさんは動いてくださるでしょうか?
いえ、まずは「思い浮かべ」「導く」ことから始まり。さらに貴女様の推測どおりに・・・』
〔判断して、決断し行動するのでしょうか?〕、というセリフをシャルミナは『フォトンワード』で放てなかった。
冷たく観察する、複数の『視線』がシャルミナへと向けられる。それは遠方にいるはずの、イリス様の『感知能力』か。
あるいは『選択肢を与える』という誓約を破って『ブレインヘルム』を発動した。その隙をついて人々の『目』を乗っ取った、『魔術能力』による威圧かもしれない。
そんなシャルミナの警戒を気にすることなく、イリス様は『言の葉』を送ってくる。
『心配してくれてアリガトウ。だけどボクは“賭け”をする気はない。
まあ彼女は“賭け”をしているつもりだろうけど。ボクから言わせると“仕掛け賽子”を『手練手管の妙技』でたたきつける。
そういう〔理不尽が戦果をもたらす〕、のを楽しく鑑賞するつもりだよ』
『余計な気遣いでした。貴女様の懐刀を侮っていたことを謝罪いたしますわ』
『まあ正常なC.V.なら、当然の感想だよね~^~・・・よかったら駄賃に一口乗ってみる?』
その誘いに対し、シャルミナは五倍の投機を行った。
他にも明治政府は『資産』が必要となる要因が多岐にわたり。西洋文化の真似をするのも一苦労だったと愚考します。
そして税制改革・廃藩置県などによって、『資産』を得るもくろみがあったとしても。いきなり初っ端から、それらが機能・成功して『資産』を得られる・・・などということは不可能であり。
どうしても最初期を乗り切るための、『頭金』が必要となる。私はその『頭金』が『徳川埋蔵金』ではないかと、妄想します。
もし『薩長同盟』と『朝廷』が資金をかき集めて、『明治政府』の事業に投資する。そんな風に投資して、国営企業を成功させる立役者になったなら。
明治以降も、その名はとどろき続けた。上野の西郷像くらいには、観光資源になったと思うのです。




