水蛇の姉妹~ユリネvs精兵シーフ
某検索で『どんでん返し』を調べたら。舞台・シナリオに関する『どんでん返し』しかのっていませんでした。
〔『どんでん返し』と言ったら、まず第一に『忍者屋敷』だろう!〕・・・と思いましたが。検索・辞書も製作チームの文化・意向が反映されるものだと。改めて認識しました。
これでは凶悪肝喰いの『河童』しか、出てこない検索があるのも仕方ないでしょう。ゴールデンの日○昔話を観て育った者としては、残念で仕方ない。凶悪なだけでない、様々な『河童』を紹介する知見が欲しいです。
『魔竜鬼』という魔術がある。術者の『魔力』で構成されている『魔法生物』であり。
『ドレイク』・『オーガ』や『ゴーレム』の場合もあれば、術者の『分身』『守護者』の『ドゥーガ』も存在する。
おそらくは『混沌』よりの『魔法生物』なのだろう。だがユリネの感性だと、背骨となる『ルール』もあり。無敵不滅の『チート怪物』などではない。
侍女シャドウのユリネがそれらのことに気付いたのは、色々と手遅れになった後だった。
『大好きです、姉様』
そう言って微笑む『水那』は、可愛い妹分だった。
『分身・作品』だったならば、太らせてから鍛え。ユリネの野望(侍女頭になる)を達成するための、『愛用武器』に出来ただろう。
だけどユリネにとって、『水那』はもう家族であり。〔現侍女頭挑むなどという、危険な道に引きずり込む〕わけにはいかない。
多少、『多頭蛇竜』の力を持っていようと。少し『娘』で可愛い妹分の水那は、身を守る程度の『力』があれば充分だ。
よって最前線で戦うのは、ユリネの役目となる。
『渦流対閃』
「「ガボっp^*」」「「「「・:!?、コンナl;*\;」」」」「ンーー~:`;**」
昏い森を行くユリネを、精兵シーフが取り囲もうと試みるも。ユリネの主要『魔術能力』によって、無惨に屠られていく。
臓物をかき回され、溺死に近い苦しみを味わいながら。鍛えた『技』が通用しないという無念の中で、連中は最期を迎えていく
戦闘力に優れた『単騎』を、『数の力』で討つならば。まず〔疲れさせる〕ことが重要だろう。
そして『密偵・シーフ』のような、軽量兵種の部隊で攻撃する。木々が生え、傾斜のある山中で戦うのなら。
一撃離脱を心がけ、複数で間断なく攻撃を続ける。そうして突出した、『単騎』の心身両方を疲労させ。包囲網を築き、押し包んで仕留める。
その連携を完成させるため、どれほど過酷な訓練を繰り返したか。
ユリネに連係攻撃を仕掛ける連中は、その訓練をくぐり抜けた実力に達しており。断じて木っ端の“賊”などではない。
「バカなっ!これはいったい・・」「「「・・/`*っ!」」」「くっ・・:おのれぇ`*」
だからユリネも容赦なく『渦流対閃』をふるう。
身体の大半を構成する『水分』に魔力を注ぐことで、ユリネの内蔵・神経をも『身体強化』の対象とする。
同時に敵兵の身体を構成する『水分』に、『障害』をかけて身体バランスを崩させ。
『流動する水』の力・弾性を得たユリネが、弱体化しバランスのとれない敵兵を攻撃するという。
事実上、〔完全武装したユリネが、丸腰で転倒した敵を攻撃する〕に等しい。卑劣な『魔術能力』と言える。
「落ち着けっ!この女が『水の魔術』を使うことは判明している。『魔封じ護符』を使うぞ!」
「囲めっ!押し包んで、結界をはれば・・:-」
「殺してもかまわんっ!遺体をmち`/・^*--~*」
現在、ユリネと戦っている者たちは、『魔術封じの護符』に頼った連中とは一線を画し。
『護符』を使うと叫び、それを使うふりをしつつ。ユリネの包囲を優先して行い。さらに一撃離脱の戦法で、彼女を消耗を狙ってきた。
その戦術・連携はなかなかのものであり。身体強化の『渦流閃』だけでは、苦戦を免れなかっただろう。そして『渦流対閃』を乱用すれば、ユリネの消耗が大きくなる。
よってこの場で有用なのは『渦流閃(酷冷泉)』だ。
「・・:?;`!」「ーー/`:;」「-~^;*」
空気中の『水』を触媒にして、標的の体温放出を増大させる。そうして『低体温症』に陥らせる『酷冷泉』にとって、昏い森は有利な地形だ。
植物の『水気』があるのに加え、温度の低い『木の陰』は体温低下を行いやすく。
「おい、どうしたっ?」「しっかり・`?--:!!」「仕掛けろっ、早く;・`・」
そのため待ち伏せのため『隠行術』を行使している。気配を殺し『呼吸』を抑えている精兵は、『酷冷泉』のかっこうの餌食となってしまい。一歩も動くことなく、永遠の沈黙を強いられた。
それにより高度な連携に、ほころびが生じ。
ユリネはその綻びを、容赦なくえぐりこじ開けていく。
「・・`:!?」「チィっ!」「「「「「ーー:+`!!」」」」」
今回の『酷冷泉』は『精気吸収』モドキのように、全身麻痺になるまでかける必要はない。
ただ防具の薄いところから『体温放出』をさせる。包囲する連中の身体右側だけ、左半身を重点的に、それぞれ『酷冷泉』をかけることにより。
冷やされた『皮膚感覚』が、身体動作のバランスをくずしていく。
「おのれっ!」
ましてここには湿った草木が生え、傾斜もある山林の中だ。迅速な移動だけでも体力を使うのに、『一撃離脱』で全身を動かすとなれば。心身の消耗は、加速度的に悪化する。
休みつつ『待ち伏せ』をしようとすれば、たちまち『酷冷泉』の餌食となってしまい。
「「「「「「「「「・・`-~」」」」」」」」」
「残りは貴様一人だけよ。何か切り札があるなら使ってみる?」
「クソっ!魔女めが・・・いい気になるなっ!」
セリフとは裏腹に、ユリネは『切り札』を使わせる気などない。降伏以外の動作を行おうとした瞬間に、『酷冷泉』の『エナジードレインもどき』を発動して無力化するつもりだ。
「我らが覚gお/」
「させない-ー『酷冷泉』(+『渦流閃』)」
生き残りの男が『何か』をする前に、『酷冷泉』が全身を麻痺させる。そうして『体温放出』を強制させられた、男の身体が崩れ落ちるも。
無力化したはずの身体が蠢き、その肉塊から『黒邪竜』の頭部が突き出した。
「「「「「「「「「「GyaオオォオーーーNンン~////・:~~」」」」」」」」」」
そして昏い森中に『咆吼』が響き連なる。確認するまでもなく、同様の現象が起こっているのは明らかであり。
「・・遺体を材料にして、魔薬で『亜竜』を作った?だけどこの魔力は・・・・・」
どうやら精兵シーフは、『死人』だった確率が高い。穢れた“屍人”などではなく。
それなりの『契約』を結んだうえで。
〔敗北した際に、遺体を『黒邪竜の素材にする』〕という『儀式』を行った。
その執念がユリネに牙をむいて、襲いかかり。
「『酷冷泉陣』ーー:・残念だけど、相性が悪かったわね」
『魔竜鬼』である『水那』の姉として、ユリネは『多頭蛇竜』と接する機会が多い。
当然、模擬戦を行うし。『連携攻撃』を研究することもある。今さら『蛇体』にひるむ感覚も無く。『待ち伏せ』の訓練を繰り返し、いくつか戦法も考えた。
「「「「「「「「「「Gyaがガ`;+:;!?--~;」」」」」」」」」」
だから〔遺体の下・もしくは中に『蛇の群れ』を潜り込ませ。それを伏兵として利用する〕・・などという。“外道”な手段を考えてしまった。
その時はひどい自己嫌悪に陥ったが。
実際にそれを目の当たりにして、“考え”が甘かったことをユリネは痛感する。
「私は正義の味方では無いの。『酷冷泉陣』」
「「「「「「「「「「;^:ーー~:+;`」」」」」」」」」」
もしかしなくても、屠った『精兵シーフ』たちより性根が腐っているかもしれない。
何故なら反省?しつつも、ユリネは容赦なく『酷冷泉陣』を発動し。『黒邪竜』たちの目をつぶしにかかる。『感覚器』に『水気』を付与して、正常に機能することを妨害しており。
「私では仮にも『竜』にとどめを刺すのは無理ね。『感覚器』を阻害して時間をかせぐ。
それから『水那』と合流して、魔力を補充しないと・・・」
そうつぶやきながら、ユリネは『水那』と連絡を取るべく意識を広げ。
幼馴染みにべったりな、『魔竜鬼』を見つけ頭をかかえた。
壁が回転扉のように回り。出入り口の開閉・隠蔽を瞬時に行う。『どんでん返し』は『忍者屋敷』の仕掛けの中でも、最も有名なものでしょう。
とはいえロマンのないことを言いいますが。『どんでん返し』は問題点が山積みにされた、設備です。確かに敵方に知られてなければ、『どんでん返し』はとても有用かもしれませんが。
しかし敵に知られれば、『隠し通路』のように逆利用されかねない。『どんでん返し』の壁が地震で歪んだり、湿気で変型すれば。いざという時に使えなくなる。
『どんでん返し』を秘匿することも含め。維持管理のコストがかかる仕掛けだと愚考します。
さらに一昔前に回転扉で事故がありましたが。『どんでん返し』でも同様の事故が起きかねず。時代劇の脱出口として、『掛け軸の裏にある抜け道』が主流となっている。
その理由は〔出入り口を隠せて、有用なハズの『どんでん返し』に、大きなデメリットがある。悲しい事故が起きている〕・・・と愚考します。
とはいえ『どんでん返し』は忍者屋敷の一大ギミック設備であり、失われるのは惜しい。
壁の代わりに本棚・食器棚を使って、ゆっくり回転扉にする。回転扉はやめて、人が通れる隙間をわずかに開ける。この際、侵入者を倒す『罠』へと『どんでん返し』を改造する。
色々と考えて、『どんでん返し』を次世代に伝えられるようにしたいものです。