林檎印のそのヒミツ
恵比寿駅から広尾方面へ徒歩5分、セブンイレブンの手前にひっそりとたたずむここはスターバックス恵比寿ファーストスクエア店。
店内に並ぶ少し背の高いテーブルの上には、皆口を揃えたようにずらりと林檎印のノートパソコン。
淡淡と、各各の作業をこなす、こなす。
それぞれがそれぞれに何らかの目的を持って取り組み、音楽聴きながら作業する人、ノートを広げて何やらパソコンの画面からキーワードを抽出しては大事そうに書き出す人、パートナーと楽し気に、旅行の計画でも立てているのだろうか、人、人。
この空間ではそれぞれがそれぞれの独立した時間軸の中に引き籠り、隙間を香ばしい香りとただ一様にキーボードを叩く音が埋め尽くすわけです。
もちろんそんな決まりはないのだけれど、みんな揃って窓の方を向いて座っているものだから、一人窓に背を向け座る私の視界には林檎印がずらり、と、それにかじりつくヒト、ヒト、ヒト。
ところで何でもって林檎印かってことよ。
別にバナナだってパイナップルだってよかったんじゃないの。
きっと盛り上がったんだろうね二十世紀最大の青果品評会。
世界中からありとあらゆる果物達がシリコンバレーに集まって、その美しさと色艶、鮮度、味を競う大品評会。
もちろん審査委員長はジョブス氏、特別審査員はゲイツ氏あたりだろうか。世界193各国から集まった20万を超える応募者の中からまず手に取ったのはキウイフルーツ、けばけばしててなんかきしょい、お次はパイナップル、食べ方がわからない、イチゴは粒粒しててなんか無理、4番目に手に取ったのが青りんご、一口食べてうむ、やみー。
色艶味、フォルムも文句なし。
ってな具合で21世紀のスターバックスには林檎印がずらりと並んでいるわけよ。
今日もシリコンバレーの市場から毎日出荷中。
じゃあさ、Twitterは。
バードレースに決まってるじゃないの。
鳩より鷹より雉より速く、あの鳥が一番にゴールに着いたわけ。
で、決勝戦は不戦勝、ダチョウが熱出したんだって。
そんなに怖い顔してパソコン打たなくたってさ、意外とそんなもんなんだよ、目の前にあるものなんて。