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神様とおにぎりカフェはじめました!  作者: 鈴羽えりか
高校デビューより異世界デビュー
3/15

2-2.やっぱり供物か?

その影は、私をおじさんの手から守るようにして、身体を抱き締めていた。


頭の上から、男の人の声がする。


「こいつは、俺らが召喚した」

「……風の神!」


辺りに、私が現れたときとはまた違うざわつきが生まれる。


風の神、そう呼ばれたこの人の影響だろうか?

恐る恐る顔を上げてみると、間近にものすごいイケメンの青年の顔があった。


なんて綺麗な、若草色の髪。

アシンメトリーになったサイドの髪が風に揺れる。


現実ではあり得ない髪色だけど、そこいらにいる人たちより圧倒的に美青年のこの人、はたまた神ならあり得る。


この髪色も、かっこよさも。

風の神……そう呼ばれていた。てことは、本当にここは異世界なの?


質問したいのに、あまりのかっこよさにドキドキして言葉がでない。


「あなたがた神が召喚したということは、やっぱりそいつは供物じゃないんですかい?」


おじさんはさっきまでとは違い、声に緊張感を持たせて問う。


すると、風の神は切れ長の瞳を細め、眉間にシワを寄せて言った。


「違うっつってんだろ、バカ。こいつはな、俺たち七ノ神が召喚した召し使いだ!」

「……え、召し使い?」


私は目を丸くして、未だ抱かれた腕の中で、思わず聞き返してしまった。


「それ、供物と変わんなくね?」というおじさんの意見もごもっともである。


さぞこれが正解であるとでも言うように、風の神の表情は決まっていた。


その傍らから、スッと別の男性が現れる。


「ヴァン、せっかく召喚して来ていただいた女性に向かって、召し使いだなんて失礼だよ」


現れた男性は、これまた超がつくほどの美青年で、透き通った海のような髪色をしている。


私のほうを見て、その人が少し頭を左に傾げながら優しく微笑むと、肩につくかつかないかで揃えられた髪が、綺麗にサラッと流れた。


「怖い思いさせてごめんね。ちゃんと説明するから、僕たちに着いてきてくれるかな?」


その微笑みに、私は「はい」と言うしかなかった。

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