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クリスマスだからって忙しいと思うなよ。


連日投稿してみんなの邪魔してやる


重い雰囲気の中で少し冷めてしまった夕食を取っていると、他の泊まり客らしき女の人が食堂に入って来た。


ここで固まっているのは女将さんと看板娘だけだから、たぶん旦那さんか従業員が受付したんだろう。


青い服に銀色のブレストプレートを付けて剣を腰に吊っている。


あとは、背中に小さめの盾とザックを背負っている。


長い金髪は背負った荷物の邪魔にならないように、一つにまとめて左肩から胸に下ろされている。


旅の剣士か騎士見習い?って感じなのかな。


美人さんなんで正義だ。


「女将さん、いつもの定食と果実酒を頼む。」


来たばかりで重い雰囲気に気付かなかったのか、女の人が女将さんに慣れた様子で話しかける。


ようやく女将さんと看板娘にかけられていた不動金縛りの術が解けたようで、二人はあたふたと食堂をでて定食の準備に向かった。


空いている席に座った女の人が僕ら、正確にはババンガ商会ご一行を見て驚いたような顔をする。


知り合いなんだろうか?


「会頭、どうして街の宿屋などにおられるのですか?

 それも執事の恰好などをなされて。」


あーあ、ネタばらしちゃったよ。


あの気まずそうな顔ったら見てられないよ全く(笑)。


「アー、カイトウダッタノデスカ。マッタクキヅキマセンデシター。」


少し面白そうだったからにやりと笑いながら追い打ちをかけてみる。


顔の筋肉がピクピクいってる。


さすがに平静を装っていても筋肉反射までは制御できなかったか。


「うぉほん。

 それで、エリザベス嬢とはご無沙汰しておりますな。

 お変わりないようで何よりです。」


おぉ?会頭が丁寧な言葉づかいで話しかけてるぞ?


ってことは、この女の人はある程度以上の地位にいるか、その関係者か。


大口取引先の娘や、どっかの貴族の遠いご親戚とかだろう。


貴族そのものだったらこんな宿(失礼)のなじみにはなっていないだろうし。


「ほれ、お前たちも挨拶なさい。」


会頭がお嬢とおっさんBに話を振る。


「イイタイ・ババンガです。お話はかねがね伺っております。」


「ジジ・ババンガです。お初にお目にかかります。」


どうやらこの女の人はババンガ商会では知られた存在のようだ。


二人が立ち上がり会釈とともに挨拶をしている。


「エリザベス・ド・ライヤーです。

イイタイ様、ジジ様のことも会頭からいろいろと聞き及んでおります。

 今日はみなさんこちらでご商談でも?」


「今日はイイタイとジジの修行といったところですかな。

 まあ、少しばかり難易度が高すぎたようですが・・・。」


ジジ嬢とおっさんBは苦い顔だ。


「それにしても今なんと名乗られましたかな?」


なにか名乗りに気になるところがあっただろうか?


エリザベス・ド・ライヤー


『ドライヤー?』


まさかそこに引っかかってんの?


「ドナドナ男爵旗下の准爵を拝命いたしまして。」


ミカがこっそり教えてくれたところによるとドドンガ王国では、公侯伯子男の各爵位の上位貴族の下に、准男爵、聖騎士である士爵、ぎりぎり貴族に数えられる准爵がある。


だいたい上位が領地を持ってる領主貴族で、下位はお城で働く法衣貴族か、開拓地や辺境などで開拓村の村長や開拓団長、騎士団員などとして上位貴族と寄り親・寄り子の関係となるようだ。


まあ、国王が大企業の本社の社長。


上位貴族が支社長や子会社の社長。


その下は、各社の部長やら専務やら。


末端は、まあその社員ってとこかな。


まあ日本の戦国時代でも似たようなことはあったし、この場合は手柄を立てて足軽から武士の身分になっったってとこだろうな。


「そうですか。ついにライヤー家も復権ですな。」


「だと良かったんですが・・・」


言いずらそうにしているところを見ると、そんなにめでたい話じゃないみたい。


というか、俺忘れられてない? ここにいるよ?




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