↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/80

ーーー30---


食料品店。


ここも道具屋とほぼ一緒だな。


というか小規模店はあまりにしょぼくてよく生き残って営業できているなというレベルだ。


さっきの調味料は実はこっちで売るべきだったんじゃないかと両方で試してみたが、小規模店では仕入れ値の関係で買取できず。


ババンガ商会では、お嬢さんにわざと外にいてもらい買い取りを聞いてみると、


砂糖を5万ゴル(さっきは15万ゴル)

塩を2千ゴル(さっきは1万ゴル)

酢を1万ゴル(さっきは5万ゴル)

胡椒を5万ゴル(さっきは100万ゴル)


の値を付けた。


商魂たくましいのか、俺を舐めてるのか。


まぁ両方だろう。


誰の紹介もない飛び込みの年若い成り立て商人。


それが高級品を買い取れと。


鴨葱というか、カレーに福神漬けというか、ツマミが酒持ってきたというか。


丁寧にお断りしたあとお嬢様に登場いただいた。


もうこの店で買い物をすることも買い取りをしてもらうこともないだろう。


担当した店員は涙目だった。


そりゃそうだ。


ボロい儲け話を逃がしたうえ、騙そうとした相手は自分の商会の会長令嬢のツレ。


クビや減給は無いにしても出世の芽はなくなっただろう。


悪いことをしたかもしれないが、向こうはこっちを騙そうとしたのだ。


因果応報。


自己責任だ。




いよいよ本命(?)の奴隷商だ。


「こちらは申し訳ありません。まず紹介だけをお願いできますしょうか?」


「なぜでしょう?」


「あまり見られたいようなものではありませんでしょう?」


そうだろう?


見た目で選んだところを見られるのは、気まずい。


ナイスバディさんの双丘や双山に目を取られていたら・・・・わかるでしょ?


「そうでしょうか?

 まあいいでしょう。

わかりました。」


反応を見る限りでは、奴隷ってごく普通の存在のようだ。


もし、非合法に近かったり忌むべきものであったらもう少し反応が違うだろう。


重い両開きのドアを開けて奴隷商館は入る。


「これはこれはジジ嬢。今日はどんな奴隷がご入用ですかな。」


建物に入るとすぐ、小太りのおっさんがお嬢様に親しげに話しかけてくる。


「今日はこちらの方をご紹介に参りましたの。」


どうやら顔なじみらしい。


「ほう、それは珍しい。」


「シンジといいます。」


挨拶の仕方もよくわからないので、軽く頭を下げておく。


「今はお嬢様の時間もありませんので、後刻。

 そうですね、夕方までにまた参りますので、よろしくお願いします。」


「結構ですよ。

 日没からしばらくは営業しておりますので。

 あぁ、おおまかな説明を書いたパンフレットもお渡ししておきましょう。」


30センチ角の羊皮紙の様な物を1枚渡された。


チラッと目をやると、法律とか税金とかいう文字が見えた。


これはありがたい。


あとでゆっくりと読むことにして早々に商館をでる。



あと、約束していたのは各ギルドか。


今いるカウの街はこの辺りでは大都市であり、様々なギルドがあるとのことで、


   商人ギルド  商売のほぼ全体を網羅。

   冒険者ギルド  定番の冒険者への仕事の斡旋。

   工業ギルド  鍛冶、建築、鉱山、家具などの製造も取り扱う。

   燃料ギルド  木こりや炭づくりを担当。

人材ギルド  冒険者ギルドと少し被る。執事、メイド、店員等を派遣。

魔法士ギルド  魔法使いの集団。研究や魔道具作成も行っている。

傭兵ギルド  護衛や紛争解決のための兵を派遣。冒険者ギルドとは敵対的。

漁師ギルド  海や川での魚介類全般を担当。

猟師ギルド  陸地での食肉全般を担当。

治療士ギルド  魔法による治療や薬の作成を担当。


等々。


弱小の「芸人ギルド」なんてのもあって笑えた。


街の広場で大道芸を見せたり、吟遊詩人なんかもここに所属するようだ。


広場の良い場所はギルドの縄張りで、所属していない者が勝手にやっていると用心棒がくるらしい。


なんか日本を少し思い出す。




街を歩きながら各ギルドを冷やかしてあるいているうちに、陽は大分傾いて来た。


そろそろ奴隷商館に行かなければいけない。


と思っていると、若い女の人がお嬢様になにか話しかけていた。


「シンジ様。

 明日の夕餉に当商会の会長が招いております。

 船を救っていただいたお礼ですので、是非おいてください。」


言伝を受けたお嬢様が招待してくる。


んー、どんなもんかな?


考えられる定番の流れは


  1)ただの感謝

  2)抱き込もうと画策

  3)2ができなければ排除


ってとこか。


非常に面倒くさいが、この街で一番の商会が相手だ。


無下にことわるのも後々まずくなる気もする。


「ありがとうございます。

 夜に少し所用がありますので、夕餉だけであれば是非お願いいたします。」


泊まってけ的なのを避けるために、一応用事があると言っておく。


この調子だと宿はバレているから、別に泊まる場所を確保しておいた方が良いかもしれない。


明日の夜の予定を決められるとお嬢様は言伝にきた若い女の人と一緒に帰っていった。


俺は少し早いが夕食を取ってから奴隷商館へ行こうと宿へ戻る。


夕食は、


  黒パン、何かのシュチュー、サラダ


という旨くも多くもなかったが、ごく普通の安心できる味と量のものだった。


値段を考えれば満足できるんだろう。


部屋に戻り、奴隷商館で渡されたパンフレットを読む。


 1)奴隷は、この国では法律上所有者の物として扱われる。

 2)税金は購入時だけ購入金額に応じて必要になる。

 3)奴隷解放時には別に解放税が金貨10枚かかる。

 4)奴隷の犯した犯罪は所有者の責任。

 5)奴隷には衣食住を提供しなければならない。(努力目標)

 6)奴隷は主人に逆らえないように魔法契約で縛られる。

 7)所有数に制限はない。

 8)奴隷には、犯罪奴隷、終身奴隷、契約奴隷があり、それぞれ制限がある。


いろいろ聞きたいこともできたし、最低限の情報は仕入れられた。


あとは、実際に聞いてみるしかないだろう。


「ちょっと夜に人と会う用事があるので、帰りは遅くなります。」


とだけ言いおいて宿を出る。


宿を出ると、少し離れたところに、新たに宿を取る。


四人部屋の素泊まりで一部屋8千ゴルだから、まあ中の下というよりは下の上位のランクだ。


まぁ緊急避難場所だし、そんなにお金をかけることもないだろう。


もし奴隷を即決で買ったら衣食住の提供が必要だからここに泊まってもらうことになるかもしれないし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。