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金額変更しました(2017.6.16)



案内されてきたのは裏通りにある、さっきのババンガ商会直営武具1号店の十分の一程の大きさの平屋の店だった。


味がある、と言えば褒めすぎな感じのする、薄汚れた店だ。


中から金属を打ち合わせるような音が聞こえるので、どうやら例のドワーフは店には居るようだ。


開店しているかどうかはわからんけどさ。


ぎぃぃぃぃぃ~。


店に入るとすぐに声がする。


「ババンガのとこの小娘か。何の用だ?」


おぉぉぉ? お嬢さん意外と顔が広いんですね?


ザ・ドワーフといったヒゲダルマが声をかけてくる。


「変わったお客様をお連れしましたの。」


お嬢さんはキョロキョロと店の中を見渡す俺を手招きする。


店には、


  両手用の剣(刃渡り1.5メートル程の両刃の剣)

  片手用の剣(刃渡り1メートル程の両刃の剣)

  短剣(刃渡り50センチ程の両刃の剣)

  ナイフ(刃渡り30センチ程の片刃のナイフ)

  両手用の斧(1.5メートル程の木の棒の先に大きな刃が付いた斧)

  片手用の斧(50センチ程の木の棒の先に小さな刃が付いた斧)

  長槍(長さ2.5メートル程の槍)

  短槍(長さ1.8メートル程の槍)

  両手用の槌(長さ1.5メートル程のでかい金づち)

  片手用の槌(長さ50センチ程の金づち)

  大盾(縦1.8メートル、幅80センチ程の盾)

  中盾(機動隊が持っているような長方形の縦1メートル幅50センチ位の盾)

  小盾(直径50センチ程の円形の盾)

  フルヘルメット

  ブレストプレート(胸当て)

  ゴーントレット(籠手)

  グリーブ(脛当て)

  チェインメイル(鎖帷子)

  レザーアマー(革と布の鎧)


がそれぞれ一つずつ壁に飾られていた。


こんだけ?


少なくね?


確かに魔眼で鑑定したら全部「品質(良)」だったから、物は確かなんだろうけど。


などと思いながら挨拶をする。


「ご紹介に預かりました変わり者です。

 しかし、商品が少ないですが、これだけしかないのでしょうか?」


率直に思ったことを言ってみる。


「うちは数打ちの量産品なんぞ作らんオーダーメイド専門だからな。

 飾ってるのは見本だ。

 それを元に長さや重さや品質やデザインを客と酒と相談して決める。」


オーダーメイドは良いよ。


ただ酒とも相談なんだ。


「相場をお伺いしたいんですけど、例えば展示されている品ですとお幾らになります?」


「うちは吊るしじゃ売っていないが、調整無しでそいつらを売るとすれば、

   両手剣が100万、片手剣が60万、短剣が40万、ナイフが10万

   両手斧が100万、片手斧が75万

   長槍が90万、短槍が75万

   戦槌が65万、槌が60万

   大盾が50万、中盾が30万、小盾が10万

   ヘルメットが30万

   ブレストプレートが50万

   ゴーントレットが10万

   グリーブが10万

   チェインメイルが40万

   レザーアマーが5万

相当だな。

 レザーアマー以外は鉄製だ。」


「相当といいますと?」


「ウチはいつもニコニコ酒払いだからな。」


マジやったんかい。


本人が言うんだから間違いないだろうが、本当にダメ親父決定だな。


衣食住(飲除く)を奥さん娘さんに頼り切ってるんだ。


かわいそうに、今度お店に行って売り上げに貢献してあげないといけないな。


「下取りもしていただけるんでしょうか?」


「あぁ物によるがな。

 ゴミみたいなんは引き取らんぞ。」


「こちらになるんですが」


魔改造で品質を上げた青銅の槌と革の鎧を亜空倉庫から取り出す。


「フン。安物だが質は悪くねぇな。

 槌は青銅製か。

 鎧に使ってる革はオーガーモドキだな。」


さすがドワーフ。見ただけでわかるんだ。


もしかして鑑定スキル持ちなのかな


「ウチで売るとすれば槌が7万、レザーアマーが8万ってとこか。

 使用感もないし、買い取りは槌が4万、レザーアマーが4万だな。」


売値で言えば槌は一つ上級の鉄の槌の標準に少し足りない位。


革鎧は大分良いみたいだな。


「それでは、槌は下取りでお願いします。

 それで注文するのは、この革鎧を私用へのカスタマイズ。

 それと三種類のお酒がありますからそれぞれ相談してもらって、

 短槍、片手用の槌、短剣の三種類を作ってください。

 優先順位は槍、短剣、槌でお願いします。

 足りない分はお金で払うってことでどうでしょうか?」


「おう。とりあえず酒を出せ。」


「それが器にしているものが貴重品でして、できればこちらで移し替えたいと思うのですけれど、なにか器がありますか?」


「他の酒が入ってた樽じゃダメって感じだな。」


「はい。ある意味香りが命のお酒ですので。」


よく知らんよ?


けど父親が「この芳香が」とか「フレーバーが」とか言ってたからな。


「じゃあこれに出してくれ。」


と言ってカウンターの下からバケツ程のサイズの壺を三つ出してくる。


「なんじゃ。これっぽっちか。」


壺に酒を注ぐと残念そうにつぶやく。


「香りが飛びますし、そのままだとしばらくすると全部蒸発してなくなりますので蓋をしておいてくださいね。」


「そんなに持つわけがなかろうが。」


さすがドワーフ。宵越しの酒は持たねえってか。


「つまみもありますので皿かなにかありますか?」


「つまみもあるなんざ気が利いてるな」


カウンターの下から皿と金属製のコップが出てくる。


おい。


だから、なぜ店のカウンターにそんなもんが常備されてるんだ?


ああ、代金を酒で受け取る店だっけ。


ならそれが普通。なんだろう多分。


パッカン。


カラカラカラカラ。


缶詰を開け、ミックスナッツを袋から皿にあける。


缶と袋を回収して亜空倉庫にしまう。


缶をみるドワーフの目が光っていたのを見て放置するわけにいかないと思ったからな。


酒とつまみが揃うのをソワソワしながら待っていたドワーフだったが全部揃うと我慢しきれないように飲み始めた。


グビグビグビ。


「なんじゃこの強さと香りは?」

「つまみもこの酒のためにあつらえたようだ。」

「三種類とも全く違うが旨い。」

「くっ、こんなものを飲んでしまっては他の酒が飲めなくなる。」


ブツブツとつぶやく飲酒ドワーフ。


あまりお近づきにはなりたくないかもしれない。


「お金は全部で5百万ゴルまで出せますのでその範囲内で最高品質でお願いします。」


「5百万?武器3つで?」


それまで弱冠空気だったお嬢さんが驚いたようにつぶやく。


俺を魔法使いだと思っているんだろう。


ふっふっふっ。


キャラメイクは万能型にしたのだよ。


ただ、あまりにも目立つのもアレなんで、なにかで揉めた時には、


「良い武器のせいで強いんだあいつ」


的なごまかし方をするつもりだ。


だから、過剰に良い武器を持つ。


魔法は慣れるまであまり使わない方がよさそうだし、両手用の剣とか斧とかって扱う自信はない。


槍は距離を開けれるし、突くくらいならできるだろう。


槌はただの鈍器だ。振り回せば良い。バット位なら振り回した経験もある。


短剣は、あたりを歩いている人がみんな腰に剣を佩いていたので、周囲になじむためと、刃が付いたものがあったほうが便利なこともあるかと思ってだ。


「悔しいが儂の負けじゃ。

 酒と5百万ゴルで儂の最高傑作を作らせてもらう。

 十日したらまた来い。

 できれば同じ酒とつまみを持ってな。」





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