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ふと思いついて聞いてみる。
「スキルのポイント増加はここから有効ですか?」
フフッと微笑んで
「はい。ですのでよく考えてくださいね。」
なんか気になる笑い方だったな?
「スキルのポイント増加について詳しく教えてもらえますか?」
「初期ポイント時のポイントが数倍、及びレベルアップ時に取得するポイントに補正が付くスキルです。」
おぉ。すげえスキルだ。
選んで正解だったな。
しかし、どっか引っかかる・・・!!!!
「-ポイントも数倍になるってことですか?」
「良く気づきましたね。そのとおりです。」
あっぶねぇ。
うっかり竜種とか選んでたら詰んでた。
借金王になるところだった。
「ちなみに当初ポイントってどの位貰えるんでしょう?あと数倍って具体的には?」
「初期ポイントは種族ごとに最大値と最小値があってその範囲内でランダムで選んでいただきます。
種族決定後でなければ具体的な数値は教えかねます。
数倍とは、1~3.5倍のランダムとなります。
レベルアップ時のポイントはプラス5ポイントの補正となります。」
今までの情報からするとマイナスポイントが付く種族は危険すぎるから落選。
ポイントプラスの恩恵と、混血による能力ダウンの可能性と迫害の不利益の損益を計算すると無難に『陸人族』かな。
「性別 男・女・両性具有・元男・元女」
に表示が変わった。
もういい加減つっこむべきか?
「文字通りなんですよね?」
「文字通りです。」
よし、全力でスルーして『男』だな。
「年齢 ○○○才 (0~101)」
に表示が変わった。
ん?『0~101』ってことは俺の寿命は101歳までってことか?
気づかないふりをして
「0歳にしたら記憶ってどうなります?」
「あります。
ですが、他に覚えること、吸収するがありすぎて物心つくまで覚えていられるかは不明です。
それに生まれる環境によってはすぐに死んでしまう可能性もあります。」
「何歳で大人って認められるんですか?」
「国や種族によって異なりますが、あなたの今の初期状況の陸人族では、15~18歳で大人とみるのが普通です。」
じゃあ0~10歳位は無いな。
一応これも念のため聞いておくか。
「年齢によってポイントって変わってきますか?」
「はい変わります。大まかに言えば若いほうが多く、老いるほど少なくなります。
成長可能性といった感じです。」
これはあれだな。
今までのパターンから行けば、『寿命-選択年齢=ポイント』とかなんだろう。
あとは大人年齢かどうかの補正もあるかもしれない。
ってことは、大人になる少し前位が安全度やポイントを考えてもベストだろう。
今15歳だったから、そんなに変わらない14~12歳位かな。
それ以下だと体もできてないだろうし。
あんまり若返るのもなんとなく嫌だし、14歳でいいか。
「出自を決めてください。」
に表示が変わり、テーブルの上にダーツの矢が一つ現れた。
どこまでもゲームの要素を盛り込みたいらしい。
「どこでも構いませんのでその矢を投げてください。
この空間すべてに出自が何億パターンと張り付けてありますので、刺さった所の出自となります。
出自によってステータスにも補正がかかります。」
なるほど。
乞食生まれでは知能が育つことがマレとか、まともに食えずに筋力低下があったり、両親が魔法使いだったら精神力向上があったりするんだろう。
「やり直しはききませんよね?」
「一度きりです。すでに異世界へのやり直しを行っているのですから。
それに転生ではなく転移ですのでさほど変わった結果にはなりません。」
ごもっともで。
なんとなく今居る場所から一番遠くをめがけて思い切り投げてみる。
遠くの天井にダーツの矢が刺さると表示が
「出生地:不明(渡界人) 中流市民レベル」
に変わる。
転生だとここで王族だとか奴隷だとかになることもあるんだとか。
一億総中流の日本人だし、まぁ不満はない。
表示が変わる。
「氏名:シンジロウ・カキ 変更しますか? はいorいいえ」
名前まで変えると呼ばれても気づかないかもしれないけれどせっかく生まれ変わるんだから別人として生きてもみたい。
あだ名だった『シンジ』か『シン』に変えることにしよう。
シンジが本名でシンが愛称ってことにしよう。
『はい』で『シンジ・ロウ・カキ』に変更っと。
苗字は変えられないらしい。
まあ両親が健在で未成年だったらそんなもんだろう。
「ステータス選択」
に表示が変わった。
・筋力・精神力・器用度・敏捷度・耐久値・抵抗値・魅力値
・LP(生命力)・MP(魔力)
をそれぞれワンセットでランダムで選ぶことを三回繰り返し、その中から一つを選ぶということだ。
親切なのか何度もやり直しをさせないハードモードなのかは判断が難しいところだ。
各項目がおそらく三桁の数字で高速で変化している。
どうやらその右側にある「停止1」「停止2」「停止3」を触るとすべての項目がストップして確定するようだ。
目の前にいる女神達に幸運を祈りながら三度停止ボタンを押す。
① ② ③
筋 力 100 85 75
精神力 70 90 95
器用度 80 100 85
敏捷度 90 85 85
耐久値 95 80 70
抵抗値 65 90 100
魅力値 70 75 90
それぞれ合計が一回目570、二回目605、三回目600だ。
脳筋の気がある一回目、万能魔法戦士の二回目、魔術師よりの三回目ってところか。
比較的数字が高く纏まっているのでいるので助かる。
数値を見る限り各項目100が最高みたいだから、700点満点中の600点付近、平均85オーバーなのでどれを選んでも特に不満に感じることはなさそうだ。
「平均値ってどの位なんでしょうか?」
「陸人族の男性の14歳の平均は、
筋力45、精神力50、器用度45、敏捷度70、耐久値30、抵抗値60、魅力値40。
合計340、平均48.6ってところですね。」
話を終えると再び「停止1」「停止2」「停止3」の表示が右側に現れる。
今度はLP(生命力)とMP(魔力)を決めるようだ。
再び目の前の女神達に幸運を祈りつつ三度停止ボタンを押す
(一) (二) (三)
LP(生命力) 900 700 500
MP(魔力) 450 700 950
またしても近接の一回目、万能の二回目、遠隔の三回目と別れた。
(一)と(三)の極振りパターンが合計1350、万能型の(二)は合計1400だ。
「たびたび申し訳ないのですが、これも平均値は?」
「同じ条件ですとLP140、MP70ってところでしょうか。」
ずいぶんチートだな。