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12回目 ロボット牧場
遠くない未来の世界。
地球が環境汚染によって住む事が出来なくなり、
宇宙移民船での生活を余儀なくされていた。
船に搭載され、可能な限り宇宙で回収した希少金属や資源が枯渇し、
機械を新たに製造できず人類の文明は寿命を迎えようとしていた。
そんな中で代替手段として生命の力を選んだ。
人工的にシステマライズされた生体工場によって、
生体を利用したロボットが建造され始めた。
それからどれくらいの歳月が過ぎたか、
誰にもわからないくらいの時間が流れた。
そこには昔のように人間がいて、動植物が生態系を作っていた。
それを船のシステムはただ監視し管理をし続ける。
本当の人間の最後の生き残りがその日死んだ。
それでも作られた人間達は人間と同じメカニズムで生殖を行い、
自分達をそれとしらず人間として生きていく。
船はいまだ行くべき先を見つけてはいなかった。