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相合傘
おい、もっと寄らないと濡れるだろ。
いや、私が濡れるとかじゃなくてだな…良いから近くに寄れよ。
そうそう、それで良いんだ。聞き分けの良い子が好きだよ、お姉さんは。
…はいはい、子供扱いして悪かったよ。拗ねるなよ。
……やっぱり、男物の傘は大きいな。
こうして寄り合えば、ちゃんと濡れないように入れるもんな。
だから離れるなって、濡れるだろ。
そうそう、ちゃんと寄り合って。
そうだ。傘は私が持ってやるから、お前は私の肩を守ってくれれば良いじゃないか。
昔から傘を持つのは私の役目だったし、私を守るのがお前の目標…なんだろ?
『雨弾く 二人で創る 相(愛)の傘』
果たして、弾いているのは雨だけなのか「二人だけの世界」以外の全てなのか。
最近は雨空が多かったので思い浮かんだ今回の小説。
きっと実際に見掛けたならば、思わず壁に拳が吸い込まれていくことでしょう。
今回は甘い雰囲気を目指してみました。
皆様もブラックコーヒーでも片手に、楽しく読んでいただけならば幸いです。