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私が認めた男
あいつが再び私の後輩になったときは驚いた。
私はこれでも成績は良い方で、地元でも有数の進学校へと入学していたからだ。
周囲から聞いた話によると、あいつは三年生になってから必死に学力を上げたらしい。
あいつがここを選んだ理由についても聞いてみたけれど、誰もが笑いながら言葉を濁していった。
まぁ、そっちについては、心当たりが無いわけでもないのだが。
私だって長い付き合いだからな。その理由ぐらいは分かっているつもりだ。
ただ、本当にそれだけの理由で努力を重ねたのだとしたら。
本当に馬鹿な上に頑固で、物好きな男だよ、お前は。
ここまでされた以上は、私も認めるしかないじゃないか。
***
後ろから掛けられた声に、私はノートを閉じて振り返る。
私に向かって合図を送るあいつ。
その手に握られているものを見て、私は窓から空を見上げた。