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やっぱり馬鹿な後輩
再び私の後輩になると、あいつは武道なんてやり始めた。
傘を振り回すだけじゃ物足りなかったのかってからかってやったら、あいつは珍しく真面目な顔で、目標があるんだなんて言い出したっけな。
少しはしっかりしたのかと思ったが馬鹿なところは相変わらずのようで、私はあいつの抜けているところを度々目にすることとなった。
あいつは雨の放課後に下駄箱で佇んでいることが多く、私は遭遇する度に仕方がないから傘に入れてやった。
私は真ん中に傘を差したはずなのに、気付けば私の方へと傘が寄せられていたのは、あいつなりの気遣いだったのだろうか。
いつものように家に上がらせてもらうと、あいつは自分の肩をタオルで拭いながら温かいコーヒーを差し出してきた。
そういえば一度だけ、どうせならシャワーでも浴びてくればいいと勧めたことがあったっけ。
私としては合理的な意見を述べたつもりだったが、あんなに怖い顔で睨まれたのはあれが初めてだったな。