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【9】 魔物

三つに分割したので物足りない感があるかもしれませんが(あ、いつもか・・・)よろしくです。


 門番side


 俺はついさっき魔法士が街の外に出ていくところを見送ったところだ。

 黒いローブを着た兄ちゃんが魔物を売ってくれたおかげで嫁にはしばらく安心させてあげれて子供には少しでもいいものを食わせてやれる。

 ボーっと、腕利きの冒険者を雇った商人や冒険者じゃなけりゃ通らない門の先を眺める。

 嫁さんに貰った弁当を食べながら街の様子を見る。


 遊び道具を買って買ってとごねる子供とその子供を引きずりながら歩く母親。

 子供のくせに逢引しているいるやつもいれば露店を開いて酒に合いそうなものも売ってやがる奴もいるし、浮気がばれたのか逢引中の男が女二人に引っ叩かれているやつもいる。


 そんなのんびりとした空気を一瞬で造りかえる悲鳴が遠くの方・・・門の外から響いてきた。

 俺は少し考えた末。

「・・・・・・・・・・・・・・。 おい!!今すぐ門を閉めろ!!!俺がすべて責任を取る!早くしろ!!」

 これで何かが無ければ俺は上からとんでもなく怒られるだろうが万が一にがある。

 ゴゴゴと音をたてて門が閉まる。

 何事かとこっちに視線が集まる。

「まだわからないが何かがあるかもしれない!できるだけここから離れてくれ!!落ち着いてだ!」

 不安を顔に張り付けた人たちは俺の言葉を聞いてくれた。

 俺とここにいる門番は避難を促す。


 その作業をしているとすぐに冒険者がやってきた。

「何があった!」

「門の外から悲鳴が聞こえた。万が一が予想されるため非難を促している」

「・・・では俺たちは門の警備にあたろう。時期に他の冒険者たちも来る」

「では俺たちは避難の誘導にっっっ!!」


 ドガァァァァァァアアアアアアアアアアアアアン!!!!


 門から何かがぶつかる音が聞こえた。

 冒険者たちは警戒し人々は混乱しだした。

 初めは誰かの悲鳴だった。

 そこから恐怖は伝染し走り出す。

「落ち着け!!!」

 これでは怪我人が出る!


 ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!


 ビシッっと門にヒビが入る。

「くそっ!!」

 冒険者は集まっていた仲間に大声で叫んだ。

「死んでも守りきるぞ!!!」

 そんな時間が無いなかの短い大きな号令はいつの間にか二十人ほど集まていた冒険者の士気を高め冒険者は剣をかざし叫んだ。

「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」」」


 叫んだ直後、門は打ち砕かれた。


「ガアアアアアアアッァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

 叫びとともに。


 魔物との戦いが始まった。

 



 女冒険者side



 私たちのパーティは運がいいことに門の近くの料理店で昼食をとっていたため門から衝撃音を聴き横に立てかけてあった剣をすぐにとり店から出る。


 私のパーティの一人、グリアが状況を知るため住民を誘導している門番に話を聞きに行った。

 門の外から黒い魔力があることを私の仲間も気がついているようだ。

 私は闘気を練り横にいるフェヴィとメルク、レービスも闘気を練る。

 視覚聴覚が闘気により鋭敏になりぞろぞろと冒険者が集まってくるのも手に取るようにわかった。


 ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!


 もう一度、門から衝撃音が聞こえ、門にヒビが入る。



 グリアはこの少ない時間の中、大声で冒険者たちの士気を上げるために叫ぶ。


 それと同時に、門が打ち破られ、戦闘が開始した。





「グルガァ!!」

 第三級災害種のゲルウォルが立ちふさがった冒険者に向けてその鋭い爪を振り下ろす。

 冒険者は受け止めきれず剣が弾かれ地面を転がる。

 背後から狙った攻撃でさえもゲルウォルはものともせず振り返ると同時に蹴りを放ち冒険者が三人吹き飛ばされる。

(こんな時の魔法士だろうに!あいつらは何時になったらくるんだ!!)

 魔法士ギルドに助けを求めるには癪だが相手は第三級災害種、とは違い”現れればほぼ確実に災害となる”と言う魔物だからだ。

 だが今はまだ覚醒前。

 ゲルウォルの力はまだ第四級災害危険種ほどの危険度でとどまっている。

 今の状態で早く殺さなければすぐに全滅してしまうだろう。

 だが、ネーワースでもない冒険者たちは次々とゲルウォルの攻撃にやられていく。


「フェヴィ、まだいけるか?」

「・・・大丈夫。全力であと十分は戦える」

「よし、メルクとレービスは重傷者の救助を頼む」

「わかった」

「了解」

 フェヴィと私はゲルウォルに駆ける。

「グルアアアアアアア」

 ゲルウォルは鋭い爪で私を攻撃するも腕の下を紙一重で躱し後ろに控えていたフェヴィはゲルウォルを斬りつける。

 私はそれに続き振り返る力を利用してゲルウォルの背中を斬りつける。

「ガアアァア!!」

 ゲルウォルは右足を軸に左回転をしながらフェヴィを右足で蹴り飛ばし私を左腕で殴り飛ばした。

「ぐっ!!」

 咄嗟にフェヴィも私も間に剣を滑りこませ吹き飛ばされながらも防いだ。

 だがゲルウォルの力が強く手がしびれている。

 私たちが踏み込んだのに続き冒険者はゲルウォルに切りかかる。

「ううああああああ!!」

「ぐあああぁ!!」

 だがゲルウォルは四肢を自在に操り、拳や蹴りを放ち冒険者を吹き飛ばす。


(いったいどうしたらいいのだ!)

 突然、ゲルウォルの目がぴくっと動くと動きが止まりある一点を見つめる。

 そして、気がついた冒険者は驚愕する。

 子供だ。少し遠くにいるがここからでもはっきりと分かるくらいの距離の所に茫然と座り込んだ子供がいた。

(なぜ、あんなところに!?)

 ゲルウォルは何を考えたのか子供に向かって走り出す

「やめろ!」

 すぐに走り出そうとするが闘気の反動なのか一瞬、足の力が抜け出遅れてしまう。

 動き出す冒険者はいるが間に合わない。

 そんな時だ子供を抱えるように一人の十五、六ほどの少女が間に割り込んだ。


(な、何を考えているんだ!)

 私は最悪の場面が脳裏に浮かび闘気を瞬時に練り走る。

 だが少女と子供が八つ裂きにされ血だまりができていると言う最悪の想定はゲルウォルが弾き飛ばされたことにより霧散した。

「な、何が起こった!」

 少女の方を見れば少女は子供を抱き着いているが目線は空中に浮かぶ一つのペンダントに向いていた。

 ゲルウォルは警戒心と怒りのこもった目を少女に向けた。



 sideout





主人公登場まであと二部。

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