異世界到着
「う~ん……。」
頭が痛いわ。とにかく自称『女神』様曰く、私はこの世界の問題を解決しなくてはいけないらしい。
現在の状況と自称『女神』様からもらった情報を整理すると……。
ここは惑星『ティル』という星であること。
今は夜で月は三つあり、一番大きな月以外は小惑星のようにいびつな形をしている。
現在地は無人島で洋館っぽい建物のベッドの上で寝ていたということ。
この世界では文明の発展具合が中世レベルであるということ。
探索しているとわかったのは外に食べ物らしきものがあったこと。
それはこの建物にある本で調べてある。
この建物はこの世界では特異点に位置しており、私以外には認識できないということ。
私の服装がドレスに変わっているということ。
そして……何故かこのドレスは私が動くたびに透けていっているうえに下着が何故か消えていること。
肌が陶磁器みたいに真っ白くなって硬くなっていること。
髪の色が金髪のドリルツインテールになっていること……。
問題が多すぎぃ!
私が起きた部屋に備え付けてあった鏡でみたら透け透けのロココ調風のドレスを着た人形みたいな10代後半ぐらいの女の子が映っていてビックリしたわ。
顔立ちも幼く見えるし、目は真っ青。鼻はすっとした人形みたいな鼻。こんな日本人離れした顔をしていなかったはずだけど……なによ、これ。まるで動くスーパードルフィみたいじゃない。
『あ!今、気がつきましたぁ?私です。女神です!貴女の心に話しかけています。』
「いろいろ聞きたいことがあるけど……あのさー、なんで私こんな姿になってるの?」
『えーとですね。貴女の本来の姿だとこの世界『ティル』では目立ってしまうのでティルの人間の姿に合わせてまほさんの顔とか身長・年齢などを変えました。
この世界、ティルには魔法があるのですが、使用する人はちょっと変わった外見をしている人間が多くてですね。
いわゆる『魔術師』はこの世界では動物の耳やしっぽが生えています。
人間に近い生物(妖精やゴブリンなど)や模した物に近づくほど魔力が高いのですが、マホさんは陶磁器人形ですか。
"妖精"よりも高い魔法力を備えているみたいですね。最高ランクですよ!
あ、でも魔法を使いすぎちゃうと元にもどることが出来るとはいえ、一日ほど陶磁器人形になっちゃいますから気を付けてください。
仮に、人形になっても行動はできると思いますが、魔物と勘違いされちゃいますから街中では気を付けてください。
ドレスは貴女の"時間"を止めてます。
完全に消えたらこの世界では貴女は老けることはありません。
元の世界に戻った時に年齢が同じでないと怪しまれるどころか私たちの行いが貴方たちの世界の人間に分析されちゃいますからね。」
「ふーん。解析されちゃえばいいのに。で、私は何をすればいいの?」
『とりあえず、この館の書物を読んで知識をつけてください。もう貴女はスキルを使えるし、スキルに関連した魔法なら使えるようになってますよ。』
「なるほどー。こんなかわいい女の子じゃ、護身術の一つや二つは身に着けておかないと駄目そうね。だから……魔法を覚えろ、ということね。最初の"課題"を教えて。」
『最初の課題はですね。この島を貴女のスキルで開拓して拠点を作ってください。それからこの世界の問題を解決するために旅に出てください。』
「分かったわ。」
こうして、私はこの世界の問題を解決して元の世界に戻るべく、決意をあらたにした。