決意を羽ばたかせて
そして僕らは熱情を含んだ吐息を零し、僕らの音楽を奏で始めた。そのまま倒れて眠ってしまっても、また目覚めてリフと歌声を響かせ続ける。
僕らはお互いの肌に、燃え滾る熱を見出して、そうしてまるで煉獄の中を駆け抜けているようだった。
そして翌日、僕らの足はあの交差点へと向かっていた。スタンバイをして再び無数の耳目が向けられる圧迫を感じたけれど、それでも歯を食い縛って、足の指を地面に減り込ませて歌い出した。
僕は自分の心をギターの旋律に乗せて、彼女はその確かな歌声を空高くへ舞い上がらせる。
一人、二人と歩行者の足が止まっていく。そうして僕らの周囲には無数の影が集まり、鼓動を周囲へ広げた。
うず高く積み上げられているその高揚感が、眩い光を放つ彼女の発声によって力を与えられる。足踏みを繰り返して軽く口ずさんだり、僕らの声が彼らの鼓動と一体化して僕らは一斉に蝶となり、青空へと飛び立っていく。
彼女がちらりと視線を向けてきた。そのはにかむような表情に、僕も精一杯に笑みを浮かべ、演奏に感情を注ぎ込み、旋律が一斉に蝶のように跳ね回って、ビブラートが観客の手足を震わせて地上から跳ね上げさせる。
僕は顔を上げてその景色を目にした。
交差点に溢れ返るように人が密集していた。“誰一人として、立ち止まらない人はいなかった。”それを糾弾しようとする人さえも彼女の至高の声に、口を噤んでしまう。
足踏みだけが大きくなっていく。
そうして曲が、静かに終わりを告げた。ストーリーにピリオドが打たれて、彼女が手を下ろした。その喉が声を止めて、やがてそっと僕へと振り向く。
僕も、彼女へ笑顔を向ける。
一人、また一人と日常へ戻っていく。けれど、鼓動は早鐘を鳴らしたままだった。
僕らの音楽が魂を通わせた。今日の眠りは、高揚感がすべて持ち去ってしまうだろう。




