ランタンを持って
枯れゆく前の紅い草原に
夕陽が落ちて 夕陽が満ちて 波打つ気持ち
ススキの穂や
木々の梢にある蕾と枝先に触れてゆく
陽の温もりと微笑みと手を繋ぎ歩く散歩道
指先から伝わる気持
言葉はない
落葉樹の梢から見上げみた雲
白月の前を流れゆく掠れ雲
暮れかかり街灯が灯る
柔らかな足からの振動
土の下の根のぬくもりを想う
指先が触れ合うだけ
枯れ葉が覆うやわらかな道を歩くだけ
紅い実 枝先の紅い蕾
指先が触れ合うだけ 一瞬だけ
掘りおこしたりはしない
遠く 暮れゆくオレンジはランタンを持って
迎に来てくれたひと 徐々に遠退いてゆく灯りを
追い掛けてわたしもゆっくりゆっくりと歩いた




