第一テスト、庭園。その2
よろしくお願いします。
「ううん。市民だよ」
え?
開始早々だ予想外の言葉だ。
「誰かの想像で、自分が人狼だと見せられてんな」
え、洗脳されてんの?
そんな想像もありなのか…………。
「多分だけど誰にも騙されない想像と自分の情報を守る想像はした方がいいね」
「どうして?」
「まず誰にも騙されない想像は今みたいに、騙されないようにすることだね。例えば錯覚によって、相手がいるのにいないように見えたりするかもしれないからね。そして自分の情報を守る想像は、自分の位置情報とかがバレたり、自分が陣営もバレるからね。急いでして!」
俺は急いで想像した。
『想像1誰にも騙されない想像』
『想像2自分の情報を守る想像』
これでいいのだろうか?
「これでテストが平等になったな」
「よし全方向注意して進もう、隠れていても勝利できないからね」
そうして、俺たちは歩き始めた。
ここを一言で表すなら崩壊したショッピングモールだろうか?
周りは基本白色の壁でできていて、ちょくちょく看板や植物類といった色がみられる。
「ここってどんくらいの広さなんだ?」
「いや、うかつに想像できねぇ。といたらすぐバレちまう可能性があるからな」
「うん、今は普通に歩くのが一番だよ」
なるほど、表面化ではもうバトルは始まっているようだ。
今まで全知全能が最強だと思っていた自分が恥ずかしい。
このテストは単なる鬼ごっこではなく情報戦のようだ。
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もう一時間ほど歩いただろうか?
未だに市民にしろ人狼にしろ、他の参加者に出会っていない。
これは運が悪いのか?はたまたこのステージが広いのか?
「全然人にあわねぇな!めんどくせぇ」
柚葉が愚痴を漏らした。
そうだよね、俺も一時間も歩いていれば疲れるし嫌な気持ちなる。
〈開始してから一時間が経ちました。会議タイムに入ります〉
すると、エリア全体にアナウンスが流れた。
まるで迷子のお知らせのようだ。
「来たね、ここでも気を抜いてはいけないよ」
そのルーラの言葉を聞き終える当時に、体が眩しい光に包まれた。
「だから!俺達は人狼じゃねぇって!」
「いいや俺たちは人狼だ!」
光の光源がまだ終わっていないころから、誰かが喧嘩をしていた。
俺たちが人狼?
そんなこと言ってしまっていいのか?
「やべ!」
「おいもう会議始まってんだろ!」
俺はがその言葉を聞くころには視界はクリアになっている。
どうやら会議タイムで移動する会議場は最初に居た、池の周りのようだ。
3人グループが時計のように12グループを等間隔に並べられていた。
だけれど、これだと3分の1ほどの人数しかいない。
もしかしてこんなに人数が減ったのか⁉
この一時間人と会わんかった俺達は奇跡だったのか?
「ここは3階建てにそれぞれこの形が連なっているみたいだね」
3階建て?
俺は池の方の手すりに近づき、上をみた。
上からも、話し声が聞こえてくる。
人の姿は角度的に見えないが、一階と同じ雰囲気なのだろう。
「おいお前ら?人狼なのか?」
柚葉はこんなことに気にもせず、となりの先ほどから自分達が人狼なのかわかっていないグループに話しかけた。
そのグループは怯えるようにこちらを見てきた。
「ほら!清水さん聞こえてたじゃありませんか?ど、どうしましょう?」
そのグループのメンバーの一人が小声で話した。
きっとこの人たちは、最初の誰かの想像に引っかかているのだろう。
「おい人狼なのかって聞いてんだよ」
そんなことは柚葉も知っているのだろう。
どんどん追い詰めていく。
この人怖いねホントに。
俺があっち側のグループだったらビビり散らかしていた。
まあ当然この人たちもビビり散らかしているわけだが。
「い、いやぁ。言葉のあやですよ。少し変わった形で捉えられただけですね」
「ぁあ?」
相手も柚葉に圧倒されてる。
これは完全に本職レベルだよ。
俺もタメ語で話すのやめようかな。
「じゃあ、お前ら人狼じゃないのか?」
「は、はい!」
「あぁそう?」
〈もうまもなく、投票タイムに移ります。一番疑わしき人に投票してください〉
思っていたより早いな。
あまり会議にかけられる時間はないようだ。
まあ序盤も序盤だし、俺たちのいないところでは会議らしい内容をしていたのかもしれない。
だが、この人たちは人狼なんじゃないか?
俺は隣のグループに目をやった。
〈76位清水 隆太84位川俣 志保32位黒川 早紀16チームに投票しますか?〉
おぉ!凄いVRなのか?
目で見るだけで文字が出てくる。
でもこれって投票していいのか?
かなり怪しい雰囲気醸し出していたけど…………。
「…………ルーラ!これって投票していい?」
俺は耳打ちでルーラに聞いた。
こうゆう時は、賢い奴に聞くのだ。
「うん、まあ正直あんま変わんないからいいと思うよ」
やっぱりそうだよね。
この怪しさは、ほとんどの人に伝わっていない。
俺がこのチームに投票したところであまり関係ないだろう。
俺は16チームに投票します!
…………
…………
〈全て投票が終わりました。最も多く票を獲得し、脱落者となるグループはチーム7です。これで残りは、29チームとなりました。以上で会議タイム終了です。〉
そう運営が言うと、元居た場所に戻ってきていた。
残り29チームか、…………いなくなっているグループもいるみたいだな。
「あのとなりのグループかなり怪しいから使っちゃてもいいんじゃない?」
俺は二人に質問した。
あのグループはめちゃくちゃ疑わしい。
「どう思うよ2位さんよ?」
どうやら今回は柚葉も聞く方らしい。
「いや。あのグループは罠だね。この人狼では市民にも騙される」
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